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【発明の名称】 チェック弁
【発明者】 【氏名】細野 正行

【氏名】佐藤 俊夫

【氏名】唯野 晃

【要約】 【課題】弁体と着座部との間における圧力流体の漏れを阻止して確実にチェック機能を営むことにある。

【解決手段】略円筒状に形成された一端部に第1圧力流体出入ポート18が形成され、他端部に第2圧力流体出入ポート22が形成されたボデイ14と、前記ボデイ14の貫通する孔部12内に変位自在に配設され、ばね部材24の弾発力の作用下に着座部に着座する弁体26とを備え、前記着座部は、内径から外径に向かって傾斜する第1テーパ面38または第2テーパ面48からなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】略円筒状に形成された一端部に第1圧力流体出入ポートが形成され、他端部に第2圧力流体出入ポートが形成されたボデイと、前記ボデイの貫通する孔部内に変位自在に配設され、ばね部材の弾発力の作用下に着座部に着座する弁体と、を備え、前記着座部は、内径から外径に向かって傾斜するテーパ面からなることを特徴とするチェック弁。
【請求項2】請求項1記載のチェック弁において、前記弁体が着座する第1テーパ面と、前記ばね部材の一端部が係着する第2テーパ面とが形成され、前記第2テーパ面は、弁体およびばね部材の装着方向を変えることにより該弁体の着座面を兼用することを特徴とするチェック弁。
【請求項3】請求項1または2記載のチェック弁において、前記弁体は、上面部に環状突起部が形成されたリップ部と、前記リップと一体的に形成され有底円筒状に形成された弁部材とからなることを特徴とするチェック弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方向にのみ圧力流体の流れを許容するとともに、反対方向に対する圧力流体の流れを阻止することが可能なチェック弁に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、流体圧機器を複数接続して構成される流体圧回路において、前記流体圧回路中の通路を流通する圧力流体の逆流を阻止するためにチェック弁が用いられている。
【0003】この種の従来技術に係るチェック弁を図6に示す。
【0004】この従来技術に係るチェック弁は、円筒状の弁ボデイ1と、軸線方向に沿った一方のポート2と図示しない他方のポートとを連通させる貫通孔3とを有する。前記貫通孔3の内部には、ばね部材4を介して弁体5が変位自在に配設され、前記弁体5は、ばね部材4の弾発力の作用下に、環状溝に装着されたOリング6を介して着座部7に着座するように形成されている。なお、前記弁体5の外周面には貫通孔3の内壁面に摺接するフランジ部8が形成され、前記フランジ部8には一方のポート2と他方のポートとを連通させる複数の小孔9が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の従来技術に係るチェック弁では、図示しない他方のポートから一方のポート2への圧力流体の流通を阻止するチェック機能を営む際、図7に示されるように弁体5が着座部7に対して傾斜した状態で着座することにより、前記弁体5と着座部7との間にクリアランスが発生する場合がある。このため、前記クリアランスを通じて圧力流体が矢印方向に漏出してしまい、チェック機能を確実に作動させることができないという不具合がある。
【0006】本発明は、前記の不具合を考慮してなされたものであり、弁体と着座部との間における圧力流体の漏れを阻止して確実にチェック機能を営むことが可能なチェック弁を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために、本発明は、略円筒状に形成された一端部に第1圧力流体出入ポートが形成され、他端部に第2圧力流体出入ポートが形成されたボデイと、前記ボデイの貫通する孔部内に変位自在に配設され、ばね部材の弾発力の作用下に着座部に着座する弁体と、を備え、前記着座部は、内径から外径に向かって傾斜するテーパ面からなることを特徴とする。
【0008】この場合、前記弁体が着座するテーパ面を第1テーパ面とし、さらに、前記ばね部材の一端部が係着する第2テーパ面とが形成され、前記第2テーパ面は、弁体およびばね部材の装着方向を変えることにより該弁体の着座面を兼用する。従って、簡便にチェック方向を変更することができる。
【0009】また、前記弁体は、上面部に環状突起部が形成されたリップ部と、前記リップと一体的に有底円筒状に形成された弁部材とから構成される。
【0010】本発明によれば、着座部をテーパ面とすることにより、弁体が傾斜して着座する場合であっても、前記弁体がテーパ面に沿って摺動変位することによりその姿勢が修正され、確実にチェック機能が発揮される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係るチェック弁について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0012】図1において、参照数字10は、本発明の実施の形態に係るチェック弁を示す。
【0013】このチェック弁10は、軸線方向に沿って貫通する孔部12を有し略円筒状に形成されたボデイ14を備える。前記ボデイ14の小径な一端部の外周面には雄ねじ部16が形成され、その内周面には略同一直径の孔部からなる第1圧力流体出入ポート18が形成されている。前記ボデイ14の大径な他端部の内周面には雌ねじ部20が形成され、前記雌ねじ部20は実質的に第2圧力流体出入ポート22として機能する。
【0014】第1圧力流体出入ポート18と第2圧力流体出入ポート22との間の孔部12内には、ばね部材24の弾発力の作用下に、常時、上方に向かって付勢された弁体26と、第2圧力流体出入ポート22に連通する孔部28を有し前記弁体26が着座する着座部が形成された着座部材30と、環状突起部32によって保持され前記着座部材30を係止する止め輪34とが配設されている。
【0015】前記着座部材30の外周面には環状溝を介してシール部材36が装着され、前記シール部材36はボデイ14の孔部12と着座部材30との接触面を気密に保持する機能を営む。また、前記着座部材30の底面部には、弁体26が着座することにより孔部28を閉塞する第1テーパ面38が設けられ、前記第1テーパ面38は前記孔部28の内径から外径に向かって断面右上がりに傾斜するように形成されている。
【0016】弁体26は、前記孔部28よりも大なる直径からなる環状突起部40が形成され、例えば、NBR等のゴム材料によって形成されたリップ部42と、有底円筒状に形成された弁部材44とを有し、前記リップ部42は弁部材44の平面部に接着されている。
【0017】前記弁部材44の上部側には略円形状の4つの開口部46が周方向に沿って略90度離間して形成され、前記弁部材44の下部側の外径は、ボデイ14の孔部12の内径よりも若干小さく形成され、該弁部材44の下部側の外周面とボデイ14の孔部12の内壁面との間には若干のクリアランスを有する。
【0018】前記弁部材44の中間部に形成された環状段部にはばね部材24の一端部が係着し、前記ばね部材24の他端部は、第1圧力流体出入ポート18に近接するボデイ14の内壁面に形成された第2テーパ面48に係着されている。前記第2テーパ面48は、第1圧力流体出入ポート18を構成する孔部の終端の内径から外径に向かって断面右下がりに傾斜するように形成されている。
【0019】本発明の実施の形態に係るチェック弁10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0020】ボデイ14の両端部に形成された雄ねじ部16および雌ねじ部20を介してチェック弁10を図示しない流体圧回路中に接続する。例えば、前記雄ねじ部16および雌ねじ部20に図示しない公知のワンタッチ管継手をそれぞれ螺入し、前記ワンタッチ管継手にチューブを接続する。あるいは前記雄ねじ部16を図示しないタンク等の流体圧機器のねじ孔に直接ねじ込んで接続してもよい。なお、チェック弁10は、図1に示されるように、着座部として機能する第1テーパ面38に弁体26が着座した状態を初期位置として以下説明する。
【0021】このような準備作業が終了した後、第2圧力流体出入ポート22から供給された圧力流体(例えば、圧縮空気)は着座部材30の孔部28に導入され、弁体26を下方側に向かって押圧する。従って、前記弁体26はばね部材24の弾発力に抗して下方側に向かって変位し、環状突起部40が第1テーパ面38から離間することにより前記孔部28が開成される(図3参照)。この結果、着座部材30の孔部28から導入された圧力流体は、弁体26と第1テーパ面38との間隙を通過し、さらに、弁体26に形成された略円形状の開口部46を流通して第1圧力流体出入ポート18から排出される。
【0022】次に、前記とは反対に、第1圧力流体出ポート18から圧力流体が供給された場合、その供給された圧力流体による押圧力およびばね部材24の弾発力によって弁体26の環状突起部40が第1テーパ面38に着座し、着座部材30の孔部28が閉塞される。従って、第1圧力流体出入ポート18から供給された圧力流体は、第2圧力流体出入ポート22への流通が阻止され、チェック機能が発揮される。
【0023】前記弁体26が着座部である第1テーパ面38に対して傾斜した状態で着座した場合、図4に示されるように、前記弁体26の環状突起部40は第1テーパ面38に沿って矢印A方向に変位することにより傾斜した前記弁体26の姿勢が修正される。すなわち、第1テーパ面38に当接した環状突起部40の一部が前記第1テーパ面38に沿って内径から外径方向に向かって摺動することにより、環状突起部40全体が第1テーパ面38に着座した正しい姿勢に保持される。なお、前記正しい姿勢とは、着座部材30の孔部28の軸線と弁体26の軸線とが略一致した状態をいう。
【0024】この結果、第1テーパ面38に対して弁体26が傾斜して着座した場合であっても、弁体26と第1テーパ面38との間にクリアランスが発生することがなく、圧力流体の漏洩を阻止して、確実にチェック機能を発揮させることができる。
【0025】また、ボデイ14の貫通する孔部12の内壁面に接触する弁体26の外周部の寸法を高精度に設ける必要がないため、製造コストを低減させることができる。換言すると、ボデイ14の孔部12の内壁面と弁体26の外周部との間に若干のクリアランスがあっても、弁体26の姿勢が前記第1テーパ面38によって修正されるため、前記弁体26の高精度な寸法精度が要求されない。
【0026】さらに、図5に示されるように、止め輪34を外して、弁体26およびばね部材24を図1とは逆方向に装着することにより、チェック方向を簡便に変更することができる。
【0027】また、第1テーパ面38に代替して、弁体26の環状突起部40を第2テーパ面48に着座させた場合にも、前記と同様に弁体26の姿勢を修正して圧力流体の漏洩を阻止することができる。このように、ばね部材24の係着面と弁体26の環状突起部40の着座面とを兼用させることにより、チェック方向を簡便に変更することができ、しかも弁体が傾斜して着座した場合であってもその姿勢を正しい姿勢に修正することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0029】すなわち、着座部であるテーパ面に対して弁体が傾斜して着座した場合であっても、該弁体がテーパ面に沿って摺動変位し、前記弁体とテーパ面との間にクリアランスが発生することがない。従って、圧力流体の漏洩を阻止して、確実にチェック機能を発揮させることができる。
【出願人】 【識別番号】000102511
【氏名又は名称】エスエムシー株式会社
【出願日】 平成11年2月18日(1999.2.18)
【代理人】 【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏 (外1名)
【公開番号】 特開2000−240830(P2000−240830A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願平11−40240