| 【発明の名称】 |
湯水混合水栓 |
| 【発明者】 |
【氏名】坪田 充夫
|
| 【要約】 |
【課題】前後方向に混合弁装置を内蔵し、左右方向に吐止水弁装置を内蔵する水栓本体をコンパクトに収めた、湯水混合水栓を提供する。
【解決手段】水栓本体10と、その前後方向に内蔵され、湯水の混合度合いを調節する混合弁装置30と、水栓本体10の左右方向に内蔵され、混合水の吐止水を行う吐止水弁装置50と、を有する湯水混合水栓である。水栓本体10を一体的に形成し、混合弁装置30の側方に吐止水弁装置50を配置した。また、水栓本体10は、カバー70により隠蔽されてもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水栓本体と、該水栓本体の前後方向に内蔵され、湯水の混合度合いを調節する混合弁装置と、水栓本体の左右方向に内蔵され、混合水の吐止水を行う吐止水弁装置と、を有する湯水混合水栓であって、水栓本体を一体的に形成し、前記混合弁装置の側方に前記吐止水弁装置を配置したことを特徴とする湯水混合水栓。 【請求項2】 混合弁装置を、混合水の温度変化に追従して作動し、湯水の混合度合いを自動的に調節するものとし、水栓本体の背面又は正面の少なくとも一方に突出部を設け、該突出部の内部に湯水混合弁装置を収容したことを特徴とする請求項1に記載の湯水混合水栓。 【請求項3】 吐止水弁装置を、互いに回動摺接される固定弁体及び可動弁体を有し、摺接面に開口する固定弁体の流路と可動弁体の流路との連通及び遮断により吐水及び止水を行うものとしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の湯水混合水栓。 【請求項4】 水栓本体は、カバーにより隠蔽されてなることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の湯水混合水栓。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本各発明は、湯水混合水栓に関し、詳しくは、水栓本体と、該水栓本体の前後方向に内蔵され、湯水の混合度合いを調節する混合弁装置と、水栓本体の左右方向に内蔵され、混合水の吐止水を行う吐止水弁装置と、を有する湯水混合水栓に関する。 【0002】 【従来の技術】湯水混合水栓の中には、例えば、特開平10−306481号公報に開示されているように、水栓本体と、該水栓本体の前後方向に内蔵され、湯水の混合度合いを調節する混合弁装置と、水栓本体の左右方向に内蔵され、混合水の吐止水を行う吐止水弁装置と、を有するものがある。この湯水混合水栓は、混合弁装置を内蔵する第一の本体と、吐止水弁装置を内蔵する第二の本体とを、各々別体にて形成し、これらを接続したものである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来の湯水混合水栓において、第一の本体と第二の本体との接続作業を省略すると共に部品点数を削減するために、第一の本体と第二の本体とを一体的に形成することが考えられるが、ただ単に一体的に形成すると、次のような問題が生じる。前後方向に混合弁装置を収容する空間(以下、混合空間という)と、左右方向に吐止水弁装置を収容する空間(以下、吐止水空間という)とを、一体的な水栓本体に設ける場合には、混合空間と吐止水空間とが干渉しないように、各空間を上下に離間させるのことが考えられる。しかしながら、このように混合空間と吐止水空間とを上下に離間させると、水栓本体としては、上下方向の寸法が大きくなる。ここで、水栓本体は、青銅等の金属の鋳造により形成されるものであり、箱形の形状を呈する。よって、水栓本体は、その上下方向の寸法が大きくなると、この寸法に応じた箱形の形状となり、全体が大型化するといった問題が生じる。 【0004】また、混合弁装置が、ワックスエレメントや形状記憶合金エレメント等の温度変化に応じて変形する感温エレメントを有し、この感温エレメントの変形により弁体を駆動して湯側の弁口及び水側の弁口の開口度合いを調節して湯水の混合度合いを自動的に調節する、所謂自動温調式のものである場合には、上記感温エレメント及び弁体を収容するケーシングや、エレメントの作動位置を適宜変更して混合水の温度を設定する設定機構等、混合弁装置を構成する種々の機器が直列状に配置されているために、全長が長くなる。よって、このような混合弁装置を前後方向に内蔵する水栓本体の前後方向の寸法は、当然、大きくなり、上述した上下方向の寸法ばかりでなく、前後方向の寸法も大きくなり、全体がさらに大型化してしまう。 【0005】さらに、コンパクト化を図るために鋭意研究を重ねて水栓本体の形状を決定することも考えられるが、コンパクト化を重要視して水栓本体の形状を決定すると、湯水混合水栓としてのデザイン性を十分に確保することが困難になるといった問題が新たに生じる。 【0006】本各発明は、このような従来の湯水混合水栓が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、前後方向に混合弁装置と左右方向に吐止水弁装置とを内蔵する水栓本体を、コンパクトに収めることができるようにすることである。 【0007】特に、請求項2の発明では、自動温調式の混合弁装置を内蔵するために前後方向の寸法が長くなりがちな湯水混合水栓であっても、その水栓本体をコンパクトに収めることができるようにすることも目的とする。また、請求項3の発明では、吐止水弁装置の小型化を図ることにより、左右方向の寸法の抑えることができるようにし、さらなるコンパクト化を図ることができるようにすることも目的とする。さらに、請求項4の発明では、湯水混合水栓としてのデザイン性を十分に確保することができるようにすることも目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するために本各発明の採った手段は、まず、請求項1の発明に係る湯水混合水栓では、「水栓本体と、該水栓本体の前後方向に内蔵され、湯水の混合度合いを調節する混合弁装置と、水栓本体の左右方向に内蔵され、混合水の吐止水を行う吐止水弁装置と、を有する湯水混合水栓であって、水栓本体を一体的に形成し、前記混合弁装置の側方に前記吐止水弁装置を配置したこと」をその要旨とする。 【0009】水栓本体の前後方向に内蔵される混合弁装置の側方に吐止水弁装置を配置することで、例えば、混合弁装置の軸芯と吐止水弁装置の軸芯とを略同一高さとすることができ、上下方向の寸法を小さく抑えて水栓本体のコンパクト化を図ることができる。 【0010】混合弁装置と吐止水弁装置とは、各々の軸芯を同一高さとすることが望ましいのであるが、高さが異なるとしても、その差が50mm以下であれば、水栓本体のコンパクト化が可能である。これは、次の理由による。近年において、湯水混合水栓に使用される混合弁装置や吐止水弁装置は、コンパクト化が図られており、その外径は、大きくても50mm程度とされている。よって、混合弁装置と吐止水弁装置とを、互いに干渉しないように、単純に、上下方向に離間させて配置した場合には、互いの軸芯の距離は、50mmを越える(混合弁装置の収容空間と吐止水弁装置の収容空間とを隔離する壁の肉厚等が加算されるため、50mmを越える寸法となる)。よって、混合弁装置と吐止水弁装置との各軸芯の高さの差を50mm以下とすることで、単純に、上下方向に離間させる場合に比して、水栓本体の上下方向の寸法を小さくすることができる。尚、混合弁装置及び吐止水弁装置のより一層の小型化がなされ、外径が30mm程度とされている場合には、各軸芯を30mm以下とすることが望ましく、さらに、10mm以下のほぼ同一高さとするのが好適である。ここで、この軸芯高さの差は、混合弁装置や吐止水弁装置の一方が上下方向に斜めに傾斜されて配置される場合には、軸芯の最短距離を示す。 【0011】尚、本発明においては、混合弁装置として、後述する所謂自動温調式のものに限らず、弁体を手動により進退させて湯側の弁口と水側の弁口との開口度合いを調節するものや、湯側及び水側に個々に設けられた弁体を個々に駆動するもの等、種々のものを適用することができる。また、吐止水弁装置としても、後述する回動摺接弁式のものに限らず、弁口に対して昇降して流路の開閉を行うもの等、種々のものを適用することができる。 【0012】次に、請求項2の発明に係る湯水混合水栓では、「請求項1の発明において、混合弁装置を、混合水の温度変化に追従して作動し、湯水の混合度合いを自動的に調節するものとし、水栓本体の背面又は正面の少なくとも一方に突出部を設け、該突出部の内部に湯水混合弁装置を収容したこと」をその要旨とする。 【0013】本発明では、混合弁装置として、所謂自動温調式のものを適用したものであり、混合弁装置としては全長が長く、水栓本体の前後方向の寸法を長くしなければならないため、水栓本体全体が大型になりがちである。しかしながら、水栓本体の背面又は正面の突出部に混合弁装置を収容することにより、背面側又は正面側の全体を大きく形成する必要がなく、全体のコンパクト化を図ることができる。また、水栓本体の背面又は正面において、必要な部位のみを突出させればよいため、他の不必要な部位にまで肉付けをして水栓本体を箱形にした場合に比して、材料の削減や重量の低減を図ることもできる。 【0014】次に、請求項3の発明に係る湯水混合水栓では、「請求項1又は請求項2の発明において、吐止水弁装置を、互いに回動摺接される固定弁体及び可動弁体を有し、摺接面に開口する固定弁体の流路と可動弁体の流路との連通及び遮断により吐水及び止水を行うものとしたこと」をその要旨とする。 【0015】弁口に対して弁体を進退させて弁口を開閉する所謂リフト弁では、その全長が長くなりがちとなるが、本発明では、吐止水弁装置として、所謂回動摺接弁を適用することにより、吐止水弁装置としての全長を短く抑えることができ、混合弁装置の側方に配置する吐止水弁装置のための収容空間を短くすることができる。これにより、水栓本体の左右方向の寸法を小さく抑えて、より一層のコンパクト化を図ることが可能となる。尚、回動摺接弁としては、固定弁体及び可動弁体が各々互いに重ねられる板状に形成されたものや、各々互いに挿嵌される筒状に形成されたのもの等、種々のものを例示することができる。 【0016】最後に、請求項4の発明に係る湯水混合水栓では、「請求項1から請求項2までの何れかの発明において、水栓本体は、カバーにより隠蔽されてなること」をその要旨とする。 【0017】混合弁装置の側方に吐止水弁装置を配置すると、水栓本体のコンパクト化を図ることができる一方、デザインの自由性が拘束されるため、湯水混合水栓としてのデザイン性を確保することが困難となる。そこで、本発明のように、水栓本体をカバーにて隠蔽することで、このカバーにより湯水混合水栓の外郭を構成することができ、水栓本体のデザイン性を確保することができる。また、水栓本体の形成に際しては、デザイン性を無視できることで、コンパクト化を重視したより好適な形状の実現も可能である。 【0018】尚、本発明におけるカバーは、デッキ面や壁面に独立して設置される湯水混合水栓のカバー等のように、水栓本体に取り付けられて湯水混合水栓の外郭を構成するものばかりでなく、次のような形態のものも含むものである。湯水混合水栓が浴室のカウンター等に埋め込まれるものである場合には、カウンター等を構成するパネルがカバーに該当し、また、湯水混合水栓が、浴室の壁面から一体的に膨出するパネル内に配置されるものである場合には、この膨出するパネルがカバーに該当する。即ち、本発明のおけるカバーは、水栓本体を隠蔽する部材の広範を示すものである。 【0019】 【発明の実施の形態】次に、本各発明に係る湯水混合水栓の実施の形態を、図面に従って詳細に説明する。 【0020】図1及び図2に、本各発明に係る湯水混合水栓の一例を示す。この湯水混合水栓は、浴室のカウンターに埋め込まれたものであり、カウンターを構成するパネルをカバー70として、請求項4の発明の如く、このカバー(パネル)70により水栓本体10が隠蔽されている。具体的に、カウンターを構成するカバー(パネル)70には、上面を略面一として前方に膨出する膨出部分が設けられており、この膨出部分の内部に水栓本体10が配置されている。 【0021】この湯水混合水栓においては、混合弁装置30として、請求項2の発明の如く、混合水の温度変化に追従して作動し、湯水の混合度合いを自動的に調節して設定された温度の混合水とする、所謂自動温調式のものが採用されている。この混合弁装置30は、水栓本体10の前後方向に内蔵されており、カバー(パネル)70の膨出部分の前面には、混合弁装置30を操作するハンドル、即ち、設定温度の調節を行う温調ハンドル38が突設されている。 【0022】また、この湯水混合水栓には、吐止水弁装置50として、請求項3の発明の如く、互いに回動摺接される固定弁体及び可動弁体を有する、所謂回動摺接弁が採用されている。しかも、この吐止水弁装置50は、吐水方向をカラン71又はシャワー72に切り換えると共に、切換途中では止水を行うものでもある。この吐止水弁装置50は、混合弁装置30の右側方に配置され、水栓本体10の左右方向に収容されている。そして、カバー(パネル)70の膨出部分の右側面には、吐止水弁装置50を操作するハンドル、即ち、吐水方向を切り換えると共に吐止水を行う切換ハンドル57が突設されている。ここで、混合弁装置30及び吐止水弁装置50は、各軸芯が同一高さとなるように配置されており、温調ハンドル38及び切換ハンドル57も、当然、その軸芯が同一高さとなっている。 【0023】次に、この湯水混合水栓の詳細な構造について説明する。請求項2の発明の如く、水栓本体10の背面には、突出部11が設けられており、この突出部11の内部の空間を利用して、混合弁装置30が前後方向に収容されている。具体的に、混合弁装置30は、混合水の温度に応じて湯及び水の混合度合いを自動的に調節する機能部31と、混合水の温度を設定する設定部36とを備えており、機能部31の一部が突出部11の内部空間に収容されている。ここで、混合弁装置30を構成する機能部31及び設定部36は、自動温調式の混合弁装置30として公知のものであるが、その概略を以下に説明する。 【0024】機能部31は、水栓本体10内部に設けられた湯室12及び水室13に各々連通する湯側の弁口33及び水側の弁口34と、混合室14に連通する排出口35とを有するケーシング32内に、ワックスエレメントや形状記憶合金エレメント等の感温エレメント(図示しない)と、この感温エレメントにより駆動される弁体(図示しない)とを有するものであり、混合水の温度変化に追従した感温エレメントの作動により弁体を移動させ、湯側の弁口33と水側の弁口34との開口度合いを調節して適宜設定された温度の混合水を排出するものである。ここで、水栓本体10内の湯室12は、湯側の供給配管73から、給湯機等により熱せられた湯が供給される流路であり、水室13は、水側の供給配管73から常温の水が供給される流路である。そして、混合室14は、後述する吐止水弁装置50へと混合水を送る流路である。 【0025】ところで、上述した感温エレメントは、その固定位置が変更されることにより、機能部31から排出される混合水の温度を変更するものであり、固定位置の変更は、設定部36によりなされる。この設定部36は、温調ハンドル38により回動駆動されるスピンドル(図示しない)と、このスピンドルの回動により進退される位置決め部材37とを有するものであり、位置決め部材37を進退させることにより感温エレメントの固定位置を調節して、混合水の温度を設定するものである。 【0026】混合弁装置30により適宜温度とされた混合水は、混合弁装置30の側方に配置され、水栓本体10の左右方向に収容された吐止水弁装置50により制御されて水栓本体10外部へと排出される。次に、この吐止水弁装置50の概略を説明する。 【0027】吐止水弁装置50は、吐水方向をカラン71又はシャワー72に切り換えると共に、切換途中では止水を行うものである。ここで、請求項3の発明の如く、吐止水弁装置50は、固定弁体55と可動弁体56とを備えたものとして構成されている。具体的には、水栓本体10内に設けられた混合室14に連通する供給口52、カラン側の流路15及びシャワー側の流路16に各々連通するカラン排出口53及びシャワー排出口54、を有するケーシング51と、各々板状に形成されると共にケーシング51に収容された固定弁体55及び可動弁体56とを備えたものとして構成されている。上記のカラン側の流路15は、吐止水弁装置50の周面左側から水栓本体10の下部に延設されて、水栓本体10の下面に設けられたカラン71に連通するものである。そして、シャワー側の流路16は、吐止水弁装置50の周面右側から水栓本体10の上部を通じて水栓本体10の左側に延設されて、左側面に設けられたシャワー72のホース74に連通するものである。 【0028】固定弁体55と可動弁体56は、互いに回動摺接されるものであり、各々、摺接面に開口する流路を有し、この流路の連通及び閉塞により、供給口52からの混合水を、カラン排出口53又はシャワー排出口54から排出させるか、若しくは、各排出を停止させるものである。具体的に、固定弁体55側には、ケーシング51の供給口52に連通する供給流路と、カラン排出口53に連通するカラン流路とが設けられており、一方、可動弁体56側には、固定弁体55の供給流路とカラン流路とを連通させるカラン連通流路と、固定弁体55の供給流路とケーシング51のシャワー排出口54とを連通させるシャワー連通流路とが設けられている。 【0029】このような固定弁体55及び可動弁体56により構成された吐止水弁装置50は、水栓本体10の右側面に設けられた切換ハンドル57の回動により、スピンドル(図示しない)を介して回動駆動されるものである。そして、可動弁体56の回動位置によって、固定弁体55の供給流路と可動弁体56のカラン連通流路とを連通させて、水栓本体10のカラン側の流路15を通じて混合水をカラン71から吐水させるか、固定弁体55の供給流路と可動弁体56のシャワー連通流路とを連通させて、水栓本体10のシャワー側の流路16を通じて混合水をシャワー72から吐水させるか、を切り換えるものである。尚、固定弁体55の供給流路が可動弁体56の何れの流路にも連通されず、可動弁体56により閉塞された状態では、カラン71からもシャワー72からも吐水がなされずに止水状態となる。 【0030】ところで、水栓本体10は、パネルにより構成されたカウンターの内部に設置されているのであるが、この設置は、水側及び湯側の各供給配管73に水栓本体10を接続固定することによりなされている。具体的に、各供給配管73は、カウンター内に固設されたソケット等の剛性を有する接続管により構成されており、この供給配管73に水栓本体10を接続固定することで、固定用のステー等を介することなく、水栓本体10がカウンターの内部の空間に堅固に固定されている。 【0031】この供給配管73と水栓本体10との接続に際しては、接続具75が用いられており、本例においては、この接続具75として、袋ナット75が採用されている。次に、この接続構造の詳細を説明する。水栓本体10には、供給配管73と接続される供給接続口17が設けられており、この供給接続口17の外周には、雄ネジが刻設されている。一方、供給配管73の端部には、鍔状の接続部(図示しない)が設けられており、この接続部には、袋ナット75が取着されている。そして、供給接続口17の雄ネジに袋ナット75を螺着することで、供給配管73の端部の接続部が、袋ナット75の内底部と供給接続口17の端面とで挟持され、水栓本体10の供給接続口17と供給配管73とが堅固に接続固定される。ここで、水栓本体10の供給接続口17は、水栓本体10の背面における突出部11以外の部位、即ち、突出部11の背面側端面よりも前方の部位に設けられており、水栓本体10の背面側の空きスペースが有効に活用されている。また、接続具(袋ナット)75も突出部11の背面側端面よりも前方に収まるようにしてあり、水栓本体10の背面側に接続具75が突出せず、この水栓本体10を設置するにあたって、背面側に大きな空間を確保する必要がないようにしてある。 【0032】尚、本例においては、袋ナット75を供給配管73側に取着した例を示したが、供給接続口17側に取着してもよい。また、接続具75としては、袋ナット75に限らず、公知の簡易継手等、種々のものを適用することができる。 【0033】次に、図3及び図4に、本各発明に係る湯水混合水栓の別の例を示す。この湯水混合水栓は、浴室のカウンター等のデッキ面に立設されるものであり、請求項4の発明の如く、水栓本体10がカバー70により隠蔽されたものである。ここで、カバー70は、デッキ面等の設置面とは別形態とされており、即ち、湯水混合水栓として独立した形態とされており、このカバー70により湯水混合水栓としての外郭が形成されている。 【0034】水栓本体10には、その背面に設けらた突出部11の内部の空間を利用して、前後方向に混合弁装置30が内蔵されており、この混合弁装置30としては、請求項2の発明の如く、所謂自動温調式のものが採用されている。そして、カバー70の前面には、この混合弁装置30を操作する温調ハンドル38が突設されている。尚、この混合弁装置30の構造は、前述の例と同様であり、その説明を省略する。また、水栓本体10には、混合弁装置30の側方に吐止水弁装置50が配置され、この吐止水弁装置50は、水栓本体10の左右方向に収容されている。この吐止水弁装置50としては、請求項4の発明の如く、所謂回動摺接式のものが採用されており、また、この吐止水弁装置50は、前述の例と同様な止水機能付きの切換弁でもある。そして、カバー70の右側面には、この吐止水弁装置50を操作する切換ハンドル57が突設されている。 【0035】ところで、本例においては、湯側及び水側の各供給配管(図示しない)に接続される供給接続口17は、水栓本体10の下面側に設けられている。具体的に、水栓本体10の下面には、外周に雄ネジが刻設された筒状の取付管76が固着されており、この取付管76の下端が供給配管用の供給接続口17となっている。尚、図示は省略するが、この取付管76は、デッキ面等の湯水混合水栓の設置面に穿設された取付孔に挿通され、その外周の雄ネジに設置面の裏側から螺着されたナットと水栓本体10の下面とで、設置面を構成するパネル等の部材を挟持して、設置面に湯水混合水栓を固定するものである。また、この取付管76は、袋ナット等の接続具を介して、先端に供給配管が接続されるものでもある。 【0036】また、水栓本体10の背面における突出部11以外の部位には、吐水配管74に接続される吐水接続口18が設けられている。尚、本例においては、吐水配管74として、シャワー72のホース74が採用されている。この吐水接続口18と吐水配管74との接続は、袋ナット等の接続具75を介して行われ、その構造は、図2に示した例における供給接続口17と供給配管73との接続の構造と同様である。また、本例においても、この接続に使用される袋ナット等の接続具75が突出部11の端面より前方に位置するようにしてあり、接続具75が水栓本体10の背面から不要に突出しないようにしてある。 【0037】次に、この湯水混合水栓の内部流路を簡単に説明する。湯側の取付管76の供給接続口17に連通する湯室12は、水栓本体10の左側下部から突出部11内の後部に延設されており、混合弁装置30の湯側の弁口33に連通する。また、水側の取付管76の供給接続口17に連通する水室13は、水栓本体10の右側下部から突出部11内の前部に延設されており、混合弁装置30の水側の弁口34に連通する。そして、混合水を排出する混合弁装置30の排出口(図示しない)に連通する混合室14は、水栓本体10の中央部分に設けられ、右側が吐止水弁装置50の供給口52に連通する。これらの湯室12、水室13及び混合室14によって形成された流路により、湯及び水が適宜温度に混合されて吐止水弁装置50へと送られる。 【0038】一方、吐止水弁装置50に送られた混合水は、吐止水弁装置50により止水がなされるか、或いは、その吐水方向がカラン71又はシャワー72へと切り換えられる。この切り換え流路は次の通りである。吐止水弁装置50の外周左側のカラン排出口53に連通するカラン側の流路15は、水栓本体10の上部中央に延設されており、上面に接続されたカラン71に連通する。また、吐止水弁装置50の外周右側のシャワー排出口54に連通するシャワー側の流路16は、水栓本体10の背面側に延設されており、吐水配管74である背面に接続されたシャワー72のホース74に連通する。 【0039】上記に説明した各例では、水栓本体の背面側に突出部を設けた例を示したが、請求項2の発明においては、これに限らず、図示は省略するが、水栓本体の正面側に突出部を設けて、この突出部の内部の空間を利用して混合弁装置を収容してもよい。また、背面及び正面の双方に突出部を設けてもよい。このようにしても、水栓本体全体としてのコンパクト化が可能となる。水栓本体の正面に突出部を設ける場合には、この水栓本体にてデザイン性を確保することが困難となる。よって、請求項4の如く水栓本体を隠蔽するカバーにより外郭を形成するのが好適となる。さらに、吐止水弁装置としては、各例にて採用した止水機能付きの切換弁に限らず、少なくとも吐止水を行うものであればよい。 【0040】 【発明の効果】本各発明によれば、前後方向に混合弁装置と左右方向に吐止水弁装置とを内蔵する水栓本体を、コンパクトに収めることができる。 【0041】特に、請求項2の発明によれば、自動温調式の混合弁装置を内蔵するために前後方向の寸法が長くなりがちな湯水混合水栓であっても、その水栓本体をコンパクトに収めることができる。また、請求項3の発明によれば、吐止水弁装置の小型化を図ることにより、左右方向の寸法の抑えることができ、さらなるコンパクト化を図ることができる。さらに、請求項4の発明によれば、湯水混合水栓としてのデザイン性を十分に確保することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000242378 【氏名又は名称】株式会社ケーブイケー
|
| 【出願日】 |
平成11年2月23日(1999.2.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101410 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 武司
|
| 【公開番号】 |
特開2000−240829(P2000−240829A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月8日(2000.9.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−45557 |
|