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【発明の名称】 仕切弁のシートリング取付構造
【発明者】 【氏名】西川 保

【要約】 【課題】一つのシートリングが摩滅したときの再加工、再使用を可能にしてその使用年数を大幅に延長できるとともに、作業手数少なく、かつ、シール性にも優れた取付けが可能な仕切弁のシートリング取付構造を提供す。

【解決手段】ディスク形弁体5と弁体側シートリング9との間に、弁体側シートリング9をディスク形弁体5に対して流体流れ方向に押し引き移動可能で、かつ、位置固定可能に取り付ける第1及び第2のボルト7A,7Bからなる取付ボルト機構7が設けられているとともに、ディスク形弁体5と弁体側シートリング9との押し引き移動方向での相対摺動面5c,9c間にはOリング14が介在されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁箱に、内部流路を開閉する弁体が内部流路における流体の流れ方向に対して直交する方向に出退移動自在に装着され、この弁体の流体流れ方向の両側面には、該弁体による内部流路の全閉時に弁箱側に固定支持されている弁箱側シートリングに当接する弁体側シートリングが取り付けられている仕切弁において、弁体と弁体側シートリングとの間に、弁体側シートリングを弁体に対して流体流れ方向に押し引き移動可能で、かつ、位置固定可能に取り付ける取付ボルト機構が設けられているとともに、弁体と弁体側シートリングとの押し引き移動方向での相対摺動面間にはシール材が介在されていることを特徴とする仕切弁のシートリング取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアー輸送用配管ラインやガス輸送用配管ライン等に介在されて輸送流体の遮断及び遮断解除を行うべく用いられる仕切弁のシートリング取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の仕切弁のシートリング取付構造として、従来は、図6に示すように、弁体21の側面でその外周端部にリング状の凹部22を形成し、このリング状凹部22に嵌め込んだ弁体側シートリング23を弁体21に溶接24することで固定状態に取り付けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような溶接取付け構造が採用されていた従来の仕切弁では、作動頻度の多い所での使用によって弁体側シートリング23のシート面23aが短期間のうちに摩滅した場合、溶接箇所24を破断するなどしてシートリング23を取り外して新しいシートリングと交換する必要があり、一つのシートリングの使用年数は非常に短い。また、新しいシートリングとの交換に際しては、弁体21側の取付け面(凹部)を熱処理して再加工したり、溶接取付けによって歪みやすいシートリングのシート面の歪みなどを除去するために再加工したりするなどの多大な作業手数を要する。その上、もともと溶接取付け時にクラックなどが入りやすく、シール性に悪い影響を及ぼすという問題があった。
【0004】本発明は上記した課題を解決するものであり、一つのシートリングの使用年数を大幅に延長することができるとともに、取付け時の作業手数が非常に少なく、かつ、シール性にも優れた取付けが可能な仕切弁のシートリング取付構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために、本発明に係る仕切弁のシートリング取付構造は、弁箱に、内部流路を開閉する弁体が内部流路における流体の流れ方向に対して直交する方向に出退移動自在に装着され、この弁体の流体流れ方向の両側面には、該弁体による内部流路の全閉時に弁箱側に固定支持されている弁箱側シートリングに当接する弁体側シートリングが取り付けられている仕切弁において、弁体と弁体側シートリングとの間に、弁体側シートリングを弁体に対して流体流れ方向に押し引き移動可能で、かつ、位置固定可能に取り付ける取付ボルト機構が設けられているとともに、弁体と弁体側シートリングとの押し引き移動方向での相対摺動面間にはシール材が介在されていることを特徴とするものである。
【0006】上記した構成の本発明によれば、弁体側シートリングが摩滅した場合、取付ボルト機構を介してそのシートリングを取り外しシート面を再加工することで、新しいものとの交換を要することなく、再使用することが可能である。また、取り付けに際しては、弁体側の取付け面の熱処理及び再加工などの手数のかかる作業が全く不要である。さらに、ボルト機構による押し引き移動及び位置固定操作によってシートリングを所定位置、つまり、弁箱側シートリングに適正な力で当接するように位置調整して取付けることが可能であり、溶接取付けの場合のようなクラック発生の心配がないことと相俟って、シール性の高い取り付けが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の仕切弁の全体構造を示す縦断側面図である。この仕切弁は、弁箱1と、その弁箱1の内部流路2を開閉するように弁箱1及びボンネット4に上下摺動自在に支持されたステム3を介して内部流路2における流体の流れ方向aに対して直交する方向に出退移動自在に構成された弁体5とを備えている。なお、図1中の15は弁箱1の底部に着脱自在に設けたボトムカバーである。
【0008】上記弁体5は、流体流れ方向aの両側面5a,5aが下端部にゆくに従って互いに接近するような断面楔状に形成されているとともに、両側面5a,5aの外周端部にはリング状の凹部6,6が形成されている。このリング状凹部6,6には後述する取付ボルト機構7,7を介して、弁体5による内部流路2の全閉時において図2に示すように、弁箱1側でその内部流路2の内周面に沿わせて固定支持されている弁箱側シートリング8,8に当接する弁体側シートリング9,9が取り付けられている。
【0009】上記弁体側シートリング9を弁体5に取り付けるための取付ボルト機構7の詳細な構成は次のとおりである。すなわち、図3は、弁体側シートリング9をそのシート面9aが流体流れ方向に沿って平行に移動するように弁体5に対して引き込み移動させるための構成であって、弁体5側に形成の貫通孔10に挿通させた第1取付ボルト7Aの先端部を弁体側シートリング9にタップ形成した雌ねじ部11に螺合させてなる。図4は、弁体側シートリング9をそのシート面9aが流体流れ方向に沿って平行に移動するように弁体5に対して押し出し移動させるための構成であって、弁体5側にタップ形成した雌ねじ部12に螺合させた第2取付ボルト7Bの先端部を弁体側シートリング9のシート面9aとは反対側の面9bに当接させ、かつ、この第2の取付ボルト7Bにはロック用ナット13が螺合されてなる。
【0010】上記したような構成の第1取付ボルト7Aと第2取付ボルト7Bとが周方向に交互に配置してそれぞれ複数本づつ設けられ、これら第1及び第2取付ボルト7A,7B、雌ねじ部11,12及びロック用ナット13により弁体側シートリング9を弁体5に対して流体流れ方向に押し引き移動可能で、かつ、位置固定可能とする取付ボルト機構7が構成されている。
【0011】また、弁体5と弁体側シートリング9との押し引き移動方向に沿った相対摺動面5c,9c間をシールするために、弁体5のリング状凹部6の底面にはシール材としてのOリング14が嵌着されている。上記構成の仕切弁において、弁体側シートリング9が摩滅した場合、ボルト機構7における両取付ボルト7A,7Bを抜き出すことによって、シートリング9を弁体5から取り外しそのシート面9aを平滑になるように再加工した上、ボルト機構7を介して弁体5に取り付ける。この取り付け状態で、ボルト機構7により弁体側シートリング9を弁体5に対して流体流れ方向に押し引き移動操作して再加工シート面9a’を図5に示すように、所定の位置に位置調整し、かつ、固定することによって、単一のシートリング9を簡単に再使用することが可能である。ここで、弁体側シートリング9の厚みを大きくしておけば、それの使用年数を大幅に延長することができ、特に高頻度に開閉動作されることから摺動摩滅及びそれに伴うシール性の低下が問題となる仕切弁に好適に利用することが可能となる。
【0012】また、弁体側シートリング9の取り付けに際して、溶接はもとより、弁体5側の取付け面(リング状凹部6)の熱処理及び再加工などの手数のかかる作業が全く不要であり、さらに、溶接取付けの場合のように、シートリング9にクラックを発生する心配もなく、シール性の高い取り付けが可能である。なお、弁体側シートリング9を流体流れ方向に押し引き移動可能とする取付ボルト機構7としては、上記実施の形態で説明した構成のものに限らず、要は、弁体側シートリング9を簡単に着脱でき、かつ、位置調整できるボルト機構であればよい。
【0013】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、弁体側シートリングの弁体に対する取付け、取り外しが容易であるから、摩滅した場合、そのシートリングを取り外しシート面を再加工することで、再使用が可能であり、一つのシートリングの使用年数を大幅に延長することができる。また、弁体への取り付けに際して、クラックの発生の心配がある溶接はもとより、弁体側の取付け面の熱処理及び再加工などの手数のかかる作業が全く不要で、取付作業コストの著しい低減も図ることができ、さらに、ボルト機構による押し引き移動及び位置固定操作を介してシートリングを弁箱側シートリングに適正な力で当接するように位置調整して取付けることが可能であり、クラック発生の心配がないことと相俟って、シール性の高い取り付けを行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年2月25日(1999.2.25)
【代理人】 【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開2000−240821(P2000−240821A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願平11−47275