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【発明の名称】 仕切弁のシート構造
【発明者】 【氏名】永 義仁

【氏名】笠波 幸夫

【氏名】竹原 順治

【要約】 【課題】コンパクト化のため、弁高さを低くすることとシール性能の向上が求められている。

【解決手段】弁体シート23を、弁体上部の上流面および下流面の縁部に形成する上部弁体シート23aと、弁体下部の周縁部に形成する下部弁体シート23bとで構成し、弁箱シート24を、上部弁体シート23aに当接する上部弁箱シート24aと、下部弁体シート23bに当接する下部弁箱シート24bとで構成し、上流側の上部弁体シート23aと下流側の上部弁体シート23aを弁体下部に向けて下り勾配の傾斜面に形成し、上部弁体シート23aに当接する上部弁箱シート24aを弁箱下部に向けて下り勾配の傾斜面に形成し、双方の上部弁体シート23a間に弁棒19の雄ネジ部19aに螺合する雌ネジコマ20を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁箱内に配置する弁体を、弁箱内の流路を全閉する位置と全開する位置とにわたって弁棒の軸心方向に移動可能に設け、弁体にゴムライニングを施し、ゴムライニングによって弁体に形成する弁体シートを、弁箱に形成する弁箱シートに押圧して弁箱と弁体の間をシールする仕切弁において、弁体の上流面および下流面に、それぞれ独立してシール性を発揮する弁体シートを形成したことを特徴とする仕切弁のシート構造。
【請求項2】 請求項1記載の仕切弁のシート構造において、各弁体シートを、弁体上部の縁部に形成する上部弁体シートと、弁体下部の周縁部に形成する下部弁体シートとで構成し、弁箱シートを、上部弁体シートに当接する上部弁箱シートと、下部弁体シートに当接する下部弁箱シートとで構成し、上流側の上部弁体シートと下流側の上部弁体シートを弁体下部に向けて下り勾配の傾斜面に形成し、上部弁体シートに当接する上部弁箱シートを弁箱下部に向けて下り勾配の傾斜面に形成し、双方の上部弁体シート間に弁棒の雄ネジ部に螺合する雌ネジコマを設けたことを特徴とする仕切弁のシート構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上水、下水、工業用水、農業用水等の配管用バルブとして使用する仕切弁に係り、仕切弁のシート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の仕切弁としては、例えば図5〜図7に示すようなものがある。図5〜図7において、弁箱1の内部には弁棒2の下端に接続して弁体3を配設しており、弁棒2は弁体3の上部に配置した雌ネジコマ4に螺合している。弁体3は、弁棒2の回転駆動により、弁箱1の上部に形成した収納部5と、弁箱1の内部に形成した弁箱シート部6に対応する位置とにわたって昇降する。
【0003】弁体3は全面にゴムライニングを施したものであり、その弁体シート部7は、上流側および下流側に対向する上部の両側部に形成した上部シート部7aと、弁中心の下部の外周面に形成した下部シート部7bからなり、対向する2つの上部シート部7aと弁中心の1つの下部シート部7bは、その端部において連続するシール面を形成している。
【0004】弁箱シート部6は、上部シート部7aと下部シート部7bに対向する部位に、エポキシ樹脂の粉体塗装によってシール面を形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した構成において、全閉時には弁体シート部7を弁箱シート部6に弁棒2の軸心方向において押圧し、双方のシール面が圧着することにより、シール性を確保している。このために、弁体3は、雌ネジコマ4を介して弁棒2による押圧力を受け止める部位3aを、その変形を防止するために厚肉構造としている。
【0006】また、十分なシール性能を確保するためには、弁体シート部7のシール面と弁箱シート部6のシール面が十分な面積をもって圧接することが必要である。このため、弁体シート部7の上部シート部7aは、所定幅のシール面を形成することを目的として、弁体3の上流側面および下流側面から弁体3の厚み方向に突出している。
【0007】ところで、弁体3において弁棒2による押圧力を受け止める部位3aを厚肉構造とするために、その肉厚を大きくするほどに、雌ネジコマ4を配置する位置は高くなる。また、弁体3において弁棒2による押圧力を受け止める部位3aを厚肉構造とすることは、弁体3の高さ寸法が大きくなり、収納部5が大きくなるので、仕切弁の全高が大きくなる。しかし、近年においては経済的理由により仕切弁のコンパクト化が求められており、仕切弁の全高を小さくすることが求められている。
【0008】このため、上部シート部7aより下方の位置に雌ネジコマ4を配置することが考えられるが、この場合に、上部シート部7aが弁体3の上流側面および下流側面から弁体3の厚み方向に突出することが所定幅のシール面を形成するために必須であるために、弁体3の厚み方向の寸法が雌ネジコマ4および上部シート部7aの寸法を加算したものとなり、仕切弁の全長が大きくなる問題があった。
【0009】本発明は上記した課題である、1.弁体が厚肉構造となる、2.上部シート部が突出する、3.雌ネジコマの位置が高くなる、4.仕切弁全高が高くなる、5.仕切弁全長が大きくなることを解決するものであり、全閉時に弁体を安定した姿勢に保持し、通常の操作力で締め込むだけで、十分な面圧を発生させることができる仕切弁のシート構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために、本発明の仕切弁のシート構造は、弁箱内に配置する弁体を、弁箱内の流路を全閉する位置と全開する位置とにわたって弁棒の軸心方向に移動可能に設け、弁体にゴムライニングを施し、ゴムライニングによって弁体に形成する弁体シートを、弁箱に形成する弁箱シートに押圧して弁箱と弁体の間をシールする仕切弁において、弁体の上流面および下流面に、それぞれ独立してシール性を発揮する弁体シートを形成したものである。
【0011】また、各弁体シートを、弁体上部の縁部に形成する上部弁体シートと、弁体下部の周縁部に形成する下部弁体シートとで構成し、弁箱シートを、上部弁体シートに当接する上部弁箱シートと、下部弁体シートに当接する下部弁箱シートとで構成し、上流側の上部弁体シートと下流側の上部弁体シートを弁体下部に向けて下り勾配の傾斜面に形成し、上部弁体シートに当接する上部弁箱シートを弁箱下部に向けて下り勾配の傾斜面に形成し、双方の上部弁体シート間に弁棒の雄ネジ部に螺合する雌ネジコマを設けたものである。
【0012】上記した構成において、弁体は弁棒の軸心方向に移動して開閉動作する。弁体の全閉状態において、弁棒の操作力が弁体に作用し、弁体シートと弁箱シートのシール面が相互に圧接してシール性を発揮する。このとき、弁体の上流面および下流面に設けた弁体シートが、それぞれ独立してシール性を発揮するので、二重のシール構造を具現することができ、シール性能が向上する。
【0013】また、雌ネジコマ下面を弁箱内流路の最上部近くまで下げることができるので、仕切弁全長をあまり大きくすることなく仕切弁全高を低くすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4において、仕切弁をなすソフトシール弁11は、弁箱12の内部に弁箱内流路13を横切る方向に出退する弁体14を配置しており、弁体14は弁箱内流路13と弁体収納空間15との間で出退自在に設けている。弁体収納空間15は弁箱12の弁体収納部16と蓋部17とで形成しており、蓋部17の頂部にパッキン箱18を設けている。
【0015】弁棒19は、雄ネジ部19aが弁体14に装着した雌ネジコマ20に螺合し、頭部19bにキャップ21を装着している。弁体14は、弁棒19の雄ネジ部19aを収納する貫通穴14aを有した中空状の基板部14bの全面にゴムライニング22を施してあり、弁体14の縁部のゴムライニング22によって弁体シート23を形成している。
【0016】弁体シート23は、弁体上部の上流面および下流面の縁部に形成する上部弁体シート23aと、弁体下部の上流面および下流面の周縁部に形成する下部弁体シート23bとからなり、上部弁体シート23aと下部弁体シート23bは双方の端部において連続している。弁箱12は、その内部に上部弁体シート23aに当接する上部弁箱シート24aと、下部弁体シート23bに当接する下部弁箱シート24bからなる弁箱シート24を設けている。
【0017】上流側および下流側の上部弁体シート23aは、弁体下部に向けて下り勾配の傾斜面をなしており、この構造により弁体14は上部に楔構造を形成している。弁体14は双方の上部弁体シート23aの間において雌ネジコマ20を保持している。以下、上記した構成における作用を説明する。弁体14の開閉操作は、キャップ21および弁棒19を回転駆動して行う。弁棒19の回転により雌ネジコマ20および弁体14は弁棒19の軸心方向に移動し、弁体シート23が弁箱シート24に当接して弁箱12の内部の流路を全閉する位置と、弁体収納部16に待避して弁箱12の内部の流路を全開する位置とにわたって出退する。
【0018】弁体14の全閉状態において、弁体14はゴムライニング22を介して弁箱12の内面に当接し、ゴムライニング22の上部弁体シート23aおよび下部弁体シート23bがそれぞれ上部弁箱シート24aおよび下部弁箱シート24bに圧接し、弁箱内面に対する接触面を十分な幅をもって形成し、そのシール性を発揮する。
【0019】この弁体14の全閉操作時において、弁棒19の操作力が、雌ネジコマ20を介して弁体14に作用する。このとき、弁体14は上部弁体シート23aが上部弁箱シート24aと楔状に嵌合するので、上部弁体シート23aと上部弁箱シート24aのシール面間に十分な面圧が発生する。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、弁体の上流面および下流面に設けた弁体シートが、それぞれ独立してシール性を発揮するので、二重のシール構造を具現することができ、シール性能が向上する。また、上部弁体シートと上部弁箱シートが楔状に嵌合することにより、シール面の幅を十分に確保しても弁体の厚み方向における上部弁体シートの寸法を小さくすることができるので、双方の上部弁体シートの間に雌ネジコマを配置しても、全体としての弁体の厚み方向の寸法を従来と変わらぬ大きさに抑制することができる。しかも、雌ネジコマが上部弁体シートの間に位置することで、弁体の高さ寸法を小さくすることができ、仕切弁としての全高を抑制して小型化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年2月22日(1999.2.22)
【代理人】 【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開2000−240820(P2000−240820A)
【公開日】 平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願番号】 特願平11−42442