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【発明の名称】 遊動歯車式バルブ駆動装置
【発明者】 【氏名】上野 義郎

【氏名】末廣 篤夫

【氏名】遠藤 忠

【氏名】岡 孝彦

【要約】 【課題】歯車の数を少なくしてしかもハンドルと同方向に出力軸を回転する様にしたもので、複雑な形状部分に内歯車、外歯車を形成するのは非常に困難で、また形成する歯車の数が多く、部品点数が多く、組立工数が増える問題を解決する。

【解決手段】ハンドル42によって本体10の中心軸周りを回転すると共に下部にこの中心軸と偏芯したカム41をもつハンドル軸40と、このハンドル軸のカムに相対回転自在に嵌合してハンドル軸40の周りを味噌スリ公転運動する外周面に外歯を設けた差動歯車30と、この差動歯車30の外歯31に噛み合うと共に外歯の歯数より多い内歯23を有す本体の中心軸周りに回転する内歯歯車20とからなり、内歯歯車20の回転を出力軸21に伝達してあることを特徴とする差動歯車式バルブ駆動装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハンドルによって本体の中心軸周りを回転すると共に下部にこの中心軸と偏芯したカムをもつハンドル軸と、このハンドル軸のカムに相対回転自在に嵌合してハンドル軸の周りを味噌スリ公転運動する外周面に外歯を設けた差動歯車と、この差動歯車の外歯に噛み合うと共に外歯の歯数より多い内歯を有す本体の中心軸周りに回転する内歯歯車とからなり、この内歯歯車の回転を出力軸に伝達してあることを特徴とする差動歯車式バルブ駆動装置。
【請求項2】 前記差動歯車は、本体に固定された円周上3本以上のピンに係止して自転が行なえずに公転運動のみ行なえるようにしてあることを特徴とする請求項1記載の差動歯車式バルブ駆動装置。
【請求項3】 前記差動歯車は、前記ピンの外径より前記カムの偏心量の2倍以上の内径の穴を設けて係止してあることを特徴とする請求項1乃至2記載の差動歯車式バルブ駆動装置。
【請求項4】 前記内歯歯車は略椀型状で、中心部から前記ハンドル軸内に挿通してハンドル部に伸びる開度指示軸を有し、開度指示軸に設けた指示手段で出力軸の回転指示を行なうことを特徴とする請求項1乃至4記載の差動歯車式バルブ駆動装置。
【請求項5】 前記内歯歯車の下部に内歯歯車と一体で出力軸が設けてあることを特徴とする請求項1乃至5記載の差動歯車式バルブ駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボール弁やバタフライ弁等回転式バルブの弁体の駆動装置に関し、特に差動歯車を用いたハンドルの回転と同方向に減速して出力軸を駆動する差動歯車式バルブ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、実用新案登録第2435400号公報で開示された図2に示す差動歯車式バルブ駆動装置が考案されている。このものは固定された本体1のほぼ中央部を貫通して上部小径部2aと下部大径部2bとからなる出力軸2を設け、該出力軸2の上部小径部2aにハンドル4によって駆動され且つ下部が偏芯された偏芯軸3を嵌合支持し、該偏芯軸の下部偏芯部3bに、本体1内面及び出力軸2の下部大径部2bの内面にそれぞれ形成された両内歯車1a、2cと噛み合う外歯車を大径部5cと小径部5dにそれぞれ形成した遊星歯車5を回転自在に支持して設け、上記固定された本体1内面に形成される内歯車1aと本体1とを一体成形し、且つ出力軸2内面に内歯車2cを一体成形し、ハンドル4の回転方向と同方向に減速して出力軸2に伝えるようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の差動歯車式バルブ駆動装置では、本体1の内面に内歯車1aを設けなければならず、また遊星歯車5に2段の大径外歯車5cと小径外歯車5dを設けなければならず、また出力軸2の下部大径部2b内面に内歯車2cを設けなければならず、このように複雑な形状部分に内歯車、外歯車を形成するのは非常に困難で、また形成する歯車の数が多く、部品点数が多くなり組立工数が増える問題があった。本発明は上気の課題を解消して、歯車の数が少なくて済み、小型で、容易に製造でき、ハンドルの回転と同方向に出力軸を大きな減速比で駆動できる差動歯車式バルブ駆動装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、歯車の数を少なくしてしかもハンドルと同方向に出力軸を回転する様にしたもので、ハンドルによって本体の中心軸周りを回転すると共に下部にこの中心軸と偏芯したカムをもつハンドル軸と、このハンドル軸のカムに相対回転自在に嵌合してハンドル軸の周りを味噌スリ公転運動する外周面に外歯を設けた差動歯車と、この差動歯車の外歯に噛み合うと共に外歯の歯数より多い内歯を有す本体の中心軸周りに回転する内歯歯車とからなり、この内歯歯車の回転を出力軸に伝達してあることを特徴とする差動歯車式バルブ駆動装置である。
【0005】上記において前記差動歯車は、本体に固定された円周上3本以上のピンに係止して自転が行なえずに公転運動のみ行なえるようにしてある差動歯車式バルブ駆動装置である。上記において前記差動歯車は、前記ピンの外径より前記カムの偏心量の2倍以上の内径の穴を設けて係止してある差動歯車式バルブ駆動装置である。上記において前記内歯歯車は、略椀型状で、中心部から前記ハンドル軸内に挿通してハンドル部に伸びる開度指示軸を有し、開度指示軸に設けた指示手段で出力軸の回転指示を行なう差動歯車式バルブ駆動装置である。上記において前記内歯歯車の下部に内歯歯車と一体で出力軸が設けてある差動歯車式バルブ駆動装置である。
【0006】
【作用】本発明は上記のように構成されているので、運転時、ハンドルによってハンドル軸を回転させると、ハンドル軸下部のハンドル軸と偏芯したカムに相対回転自在に嵌合する外歯付差動歯車が中心軸に対して偏芯して味噌スリ公転運動する。この差動歯車に噛み合う内歯歯車は本体の中心軸周りに回転すると共に差動歯車の外歯より歯数が多いため、差動歯車が内歯歯車の周りを1回転味噌スリ公転運動する間に、この歯数の差分だけ内歯歯車が進み、従って差動歯車と固定歯車との歯数の差分だけ内歯歯車がハンドル軸と同方向に自転する。
【0007】差動歯車は本体に固定したピンに係合して、自転が行なえずカムの回転による公転のみ行なえるようにしてあるので、また差動歯車とピンとの係合は差動歯車に設けたピンの外径よりカムの偏心量の2倍以上の穴にピンが係合しており、また回転円周上複数本のピンに係合しているので、内歯歯車に噛み合って内歯歯車の周りを公転運動する。この差動歯車とピンとの係合は円周上3本以上のピンと係合することで内歯歯車の周りを正確に味噌スリ公転する。
【0008】この差動歯車に噛み合う内歯歯車は差動歯車の歯数と内歯歯車の歯数差で行なわれ、例えば差動歯車の歯数を39枚、内歯歯車の歯数を40枚に形成すると、差動歯車が1公転すると内歯歯車は円周上1/40回転だけ差動歯車の公転方向と同方向に進み、即ちハンドルの回転に対して大幅な減速比で出力軸の回転が行なわれる。通常、1/30〜1/100の減速比が容易に得られる。内歯歯車は略椀型状で、中心部から前記ハンドル軸内に挿通してハンドル部に伸びる開度指示軸を有しており、開度指示軸に指示針等の指示手段を設けることで容易に出力軸の回転指示を行なうことができる。内歯歯車の下部に内歯歯車と一体で出力軸を形成することで簡単に内歯歯車の回転を出力できる。上記の構成のため、歯車の数としては差動歯車とこの差動歯車に噛み合う内歯歯車のみで、構造が簡単、組立が容易で、ハンドルの回転方向と同方向に出力軸を大幅に減速して回転駆動できる。
【0009】
【発明の実施形態】以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例を示す断面図である。図1においてバルブボディ等に固定される取付けねじ13を有す本体10はベース11とフタ12とからなる。ベース11とフタ12とは分割合せ面が上部位置であっても良い。この本体10内には椀型状の内歯歯車20が回転自在に装着されている。内歯歯車20は下部にバルブの弁棒に出力する出力軸21を、上部に開度指示軸22を一体に設けて本体10の上下面に覗いている。内歯歯車20の椀型内周面には内歯23を形成してある。
【0010】この内歯歯車20内に、内歯23の円周上の一部と噛み合う外歯31を有す差動歯車30を装着してある。差動歯車30は内歯歯車20に噛み合うと共にハンドル軸40の下部に設けた円板カム41に相対回転自在に嵌合している。また差動歯車30の円周上には3個の係合穴32を設けてあり、この係合穴32には本体10のフタ12に円周上3個所固定されたピン33が挿通しており、差動歯車30の自転が係止されている。ピン33の下部は内歯歯車20の開度指示軸22に回転自在に装着した環状のピン支持板34に固定されている。係合穴32とピン33の係合個所は差動歯車の円周上に少なくとも3個所以上設けると滑らかに回転する。
【0011】係合穴32の穴径はピン33の外径より、円板カム41の偏心量の2倍以上大きい穴径に設けてあり、円板カム41の偏心回転によって差動歯車30が中心軸周りにカムの偏心回転と同じ偏心で味噌すり公転する。差動歯車30の外歯31は内歯歯車20の内歯23より1歯少ないの歯数にしてあり、図1では差動歯車30の右側の外歯31が内歯23と噛み合っており、左側の外歯31は遊んでいる。このため差動歯車30の外歯31が内歯歯車20の内歯23に噛み合って味噌すり公転を1回転すると、内歯歯車20が内歯の1歯分だけ公転と同じ方向に進む。即ち内歯歯車の20減速比は、内歯23と外歯31の歯数差/内歯23の歯数で行なわれ、1組の歯車装置でもって大きな減速比が得られる。
【0012】ハンドル軸40は、本体10の中心で回転し、下部に上記の円板カム41がハンドル軸の中心に対して偏心して設けられている。また中心部に上記の開度支持軸22が挿通している。上端に手動ハンドル42が固定される。手動ハンドル42に代えて例えば電動モータ軸に連結し、電動モータの減速を行なわせることも可能である。開度指示軸22の上端部にはハンドル42の上面に設けた開度指示板24を固定し、出力軸21の回転指示が行なわれる。図1の実施例では開度指示板23は円板状で、上面にバルブの弁体開度と同じ方向の開度指示溝25を形成してあり、この開度指示板24を止めねじ26で開度指示軸22に固定し、ハンドル42とハンドル軸22との固定を兼ねて行なっている。本体10内面に装着した内歯歯車20の回転はハンドル42の回転に比べて非常に遅いため、通常グリス潤滑で本体内面で摺動回転させる。またハンドル軸40は本体10との間にはベアリングを装着することができる。
【0013】
【発明の効果】以上説明のごとく、本発明によれば、歯車の数が少なくて済み、小型で、構造簡単、組立容易で、容易に製造でき、ハンドルの回転と同方向に出力軸を回転でき、大きな減速比で大きな力で駆動できる差動歯車式バルブ駆動装置である。
【出願人】 【識別番号】000233114
【氏名又は名称】日立バルブ株式会社
【識別番号】591006520
【氏名又は名称】株式会社興和工業所
【出願日】 平成10年12月25日(1998.12.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−193136(P2000−193136A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−376676