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【発明の名称】 ゲ―トや仕切弁などの開度表示装置
【発明者】 【氏名】豊田 邦義

【要約】 【課題】開度確認に必要な目視領域の上下方向寸法を縮小して、容易に開度を確認することができるゲートや仕切弁などの開度表示装置を提供する。

【解決手段】可動ラック13と固定ラック14および両ラック13,14に噛合う可動ピニオン15によって構成される直進差動装置の作用により、可動ピニオン15のピニオン軸22に回転不能に取付けた指針17のストロークを扉体1および弁棒2のストロークの1/2に縮小して、開度確認に必要な目視領域の上下方向寸法を従来の開度表示装置の1/2に縮小する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁棒に取付けられた扉体または弁体が弁棒とともに該弁棒の軸方向に進退移動して水路を開閉するように構成されたゲートや仕切弁などの開度表示装置であって、扉体または弁体の反対側で弁棒に設けられた可動ラックと、この可動ラックに対向して固定側の部材に取付けられた固定ラックと、これら可動ラックと固定ラックの間に介設されて両ラックに噛合う可動ピニオンと、この可動ピニオンのピニオン軸に回転不能に取付けられて前記固定側の部材に設けた開度目盛に対応する指針とを具備していることを特徴とするゲートや仕切弁などの開度表示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲートや仕切弁などの開度表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】浄水場や汚水処理場の貯水池と貯水池とを結ぶ水路に介設されたり、貯水池と放水路との境界などに配置されるゲートは、図8に示すように、扉体1に取付けられた弁棒2がベース3およびベース3上に立設されたスタンド4を貫通してスタンド4の上部に配置されている開閉機5に挿通され、操作ハンドル6のたとえば正方向回転によって弁棒2が軸方向に下端位置まで下降して扉体1を全閉させ、操作ハンドル6の逆方向回転によって弁棒2が軸方向に上端位置まで上昇して扉体1を全開させるように構成されており、弁棒2は、開閉機5の上部に立設されている弁棒カバー7によって常時覆われている。
【0003】この種のゲートにおける扉体1の開度を表示する開度表示装置として、図9および図10に示すものが知られている。この開度表示装置は、弁棒カバー7を上下方向に細長く弁棒2のストロークに略相当する長さで切欠して設けた目視窓8と、この目視窓8を覆う板ガラスまたは透明樹脂板によってなる透明部材9と、この透明部材9を弁棒カバー7の表面に押付けて固定する枠10とを備え、枠10の一側には目視窓8に沿って扉体1の開度を表示する開度表示目盛11が設けられているとともに、この開度表示目盛11に対応する指針12を弁棒2の上端部に取付けた構造になっている。
【0004】このような構造であれば、弁棒2とともに昇降する指針12の位置を透明部材9を透して目視するとともに、指針12の位置に対応する開度表示目盛11を読み取ることによって扉体1の開度を確認することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の開度表示装置では、目視窓8および開度表示目盛11が扉体1および弁棒2のストロークに略相当する上下方向に長い領域に設けられ、この上下方向に長い領域で昇降する指針12の位置を目視し、この位置に対応する開度表示目盛11を読み取らなければならない。つまり、扉体1の開度確認に必要な目視領域の上下方向寸法が大きいので、開度確認が困難である問題点を有している。このことは、ゲートのみに限らず、口径の大きい仕切弁にもいえる。
【0006】そこで、本発明は、開度確認に必要な目視領域の上下方向寸法を縮小して、容易に開度を確認することができるゲートや仕切弁などの開度表示装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明に係るゲートや仕切弁などの開度表示装置は、弁棒に取付けられた扉体または弁体が弁棒とともに該弁棒の軸方向に進退移動して水路を開閉するように構成されたゲートや仕切弁などの開度表示装置であって、扉体または弁体の反対側で弁棒に設けられた可動ラックと、この可動ラックに対向して固定側の部材に取付けられた固定ラックと、これら可動ラックと固定ラックの間に介設されて両ラックに噛合う可動ピニオンと、この可動ピニオンのピニオン軸に回転不能に取付けられて前記固定側の部材に設けた開度目盛に対応する指針とを具備していることを特徴としている。
【0008】本発明によれば、可動ラックと固定ラックおよび両ラックに噛合う可動ピニオンによって構成される直進差動装置の作用により、可動ピニオンと指針のストロークを扉体または弁体および弁棒のストロークの1/2に縮小できる。このため、開度確認に必要な目視領域の上下方向寸法を従来の開度表示装置の約1/2に縮小することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明の特徴は、ゲートや仕切弁などの開度表示装置にあり、ゲートの全体構成および扉体1の構造は、図8と変わらないので、扉体1の図示は省略する。図1および図2において、扉体(図示省略)に取付けられた弁棒2がベース3およびベース3上に立設されたスタンド4を貫通してスタンド4の上部に配置されている開閉機5に挿通され、操作ハンドル6のたとえば正方向回転によって弁棒2が軸方向に下端位置まで下降して扉体を全閉させ、操作ハンドル6の逆方向回転によって弁棒2が軸方向に上端位置まで上昇して図8の扉体を全開させるように構成されており、弁棒2は、開閉機5の上部に立設されている弁棒カバー7によって常時覆われている。
【0010】開度表示装置は、弁棒2の上端部に固着されて軸方向上側にのびる可動ラック13と、この可動ラック13に対向して弁棒カバー7の内面に固着された固定ラック14と、これら可動ラック13と固定ラック14の間に介設されて両ラック13,14に噛合う可動ピニオン15と、この可動ピニオン15のピニオン軸22に回転不能に取付けられて弁棒カバー7の表面に設けた開度目盛16に対応する指針17とを備えている。
【0011】弁棒カバー7は径方向で二分割され、複数のボルト・ナットによってなる締結部材18により分解可能に一体に結合されている。また、分割合せ面7Aの一側(図1の左側)に偏った前側に、上下方向に細長く弁棒2のストロークの1/2よりも僅かに大きい長さで切欠した前側のガイド19が設けられ、この前側のガイド19の側方に前述の開度目盛16が設けられている。
【0012】可動ラック13は、その下端部に設けた上下方向の雌ねじ孔13Aに弁棒2の上端部に設けた雄ねじ部2Aを螺合して締付けることによって、弁棒2の上側に軸まわりの回転を不能に固着されており、上下方向の長さは扉体1および弁棒2のストロークの1/2よりも僅かに大きく設定されている。
【0013】固定ラック14は、可動ラック13に対向して弁棒カバー7の内面に複数のボルト・ナットによってなる締結部材20により固着されており、上下方向の長さは扉体1および弁棒2のストロークの1/2よりも僅かに大きく設定されている。
【0014】可動ラック13と固定ラック14の間に介設されて、両ラック13,14に噛合う可動ピニオン15には、図3に示すように、その中心部にラジアルベアリング21を介して前後方向にのびるピニオン軸22が組付けられている。すなわち、可動ピニオン15が回転しても、ピニオン軸22は回転しない構造になっている。ピニオン軸22の前軸部22Aは、図4に示すように、左右両側の円弧部分の一部を切欠して互いに対向する垂直面22a,22aを設けた幅狭状に形成され、この前軸部22Aを後側から前側のガイド19に摺動自在に挿通して、その先端突出部に図5のように指針17を有するキヤップ17Aを回転不能に取付けて開度目盛16に指向させている。
【0015】ピニオン軸22の後軸部22Bは、図6に示すように、左右両側の円弧部分の一部を切欠して互いに対向する垂直面22b,22bを設けた幅狭状に形成されている。また、弁棒カバー7における分割合せ面7Aの一側(図1の左側)に偏った後側の内面には、前側のガイド19の後方で対向し、かつ前側のガイド19よりも若干小さい幅寸法を有して上下方向にのびる左右1対のガイド部材23,23が取付けられており、これらガイド部材23,23の対向間隙に後軸部22Bを摺動自在に挿入してある。
【0016】このような構成であれば、図8に示す扉体1が全閉状態に保持されている図1および図2に示す状態において、操作ハンドル6のたとえば逆方向回転によって弁棒2および可動ラック13を図7に示す軸方向上端位置まで上昇させて、扉体1を全開する場合には、可動ラック13と固定ラック14および両ラック13,14に噛合う可動ピニオン15によってなる直進差動装置の作用により、可動ピニオン15と可動ピニオン15のピニオン軸22における前軸部22Aの先端突出部に回転不能に取付けている指針17の上昇ストロークを扉体1および弁棒2の上昇ストロークの1/2に縮小して、開度を確認することができる。同様に、扉体1が全開状態に保持されている図7の状態において、操作ハンドル6の正方向回転によって弁棒2を図1および図2に示す軸方向下端位置まで下降させて、扉体1を全閉する場合には、可動ピニオン15と指針17の下降ストロークを扉体1および弁棒2の下降ストロークの1/2に縮小して、閉度を確認することができる。すなわち、開度確認に必要な目視領域の上下方向寸法を従来の開度表示装置の約1/2に縮小することができるので、開度の確認を容易に行うことができる。
【0017】なお、前記実施の形態では、手動開閉式のゲートについて説明しているが、電動開閉式のゲートにも適用することができる。また、ゲートのみに限らず手動開閉式の仕切弁や電動開閉式の仕切弁にも適用可能である。さらに、弁棒2の上側に軸まわりの回転を不能に可動ラック13を固着した構造で説明しているが、切削加工によって弁棒2自体に可動ラック13を設けてもよい。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、可動ラックと固定ラックおよび両ラックに噛合う可動ピニオンによって構成される直進差動装置の差動作用により、可動ピニオンと指針のストロークを扉体または弁体および弁棒のストロークの1/2に縮小できる。このため、開度確認に必要な目視領域の上下方向寸法を従来の開度表示装置の約1/2に縮小することができるので、開度の確認が容易になる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年12月25日(1998.12.25)
【代理人】 【識別番号】100072338
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 孝一 (外1名)
【公開番号】 特開2000−193135(P2000−193135A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−370730