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【発明の名称】 副弁付回転弁の開閉装置
【発明者】 【氏名】真本 英光

【氏名】藤川 豊

【要約】 【課題】歯車機構以外で、セルフロック機能を有して、1本の操作軸により同一軸心で主副弁軸を選択的に回転させる。

【解決手段】副弁軸5により副弁体4を、主弁軸3により主弁体2を、それぞれ単独に回転させる同芯減速機D付の弁開閉装置である。弁軸3、4の同一軸心の操作軸31を回すと、駆動チューブ13が昇降し、このチューブ13に固定のピン16のガイド溝18、19内の摺動により両弁軸3、5と一体のチューブ14、15が回転する。すなわち、ガイド溝18、19は垂直部とらせん部を有し、ピン16が垂直部にある場合、チューブ14、15は回転せず、らせん部にある場合に、チューブ13の昇降にともなうピン16の昇降により、そのガイド溝18、19を介してチューブ14、15が回転して弁体2、4を開閉する。駆動チューブ13への上下方向の力ではねじ結合のため回転軸11は回転し得ず、弁体2、4の任意の開閉位置でセルフロックがなされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主弁体2の中心部に副弁体4を設け、前記主弁体2の主弁軸3に前記副弁体4の副弁軸5を貫通し、その両弁軸3、5を選択的に回すことにより、主弁体2及び副弁体4を選択的に回転させる副弁付回転弁Vの開閉装置Aであって、弁箱1に固定したケーシング10に上記主弁軸3と同一軸心の操作軸11を回転自在に支持してそのケーシング10内に挿入するとともに、ケーシング10内には駆動チューブ13、主弁ドライブチューブ14及び副弁ドライブチューブ15を前記主弁軸3と同一軸心に設け、上記駆動チューブ13は、前記ケーシング10にその軸心方向にのみ移動可能で、上記操作軸11とねじ合ってその操作軸11の回転により昇降するものであり、上記主弁ドライブチューブ14は上記主弁軸3に連結されてその軸心周りに回転自在となっており、上記副弁ドライブチューブ15は上記副弁軸5に連結されてその軸心周りに回転自在となっており、上記駆動チューブ13と主弁ドライブチューブ14及び副弁ドライブチューブ15の間には、駆動チューブ13の昇降を両ドライブチューブ14、15の回転に変換する手段が設けられ、この変換手段は、開弁作用時、副弁ドライブチューブ15を回転させて副弁を開放した後、主弁ドライブチューブ14を回転させて主弁を開放し、閉弁作用時、主弁ドライブチューブ14を回転させて主弁を閉じた後、副弁ドライブチューブ15を回転させて副弁を閉じるものであることを特徴とする副弁付回転弁の開閉装置。
【請求項2】 上記各チューブ13、14、15が径方向に重なり合い、その駆動チューブ13に主弁ドライブチューブ14及び副弁ドライブチューブ15のそれぞれのガイド溝18、19にその長さ方向に移動自在に嵌まるガイドピン16を設け、その両ガイド溝18、19は、上下方向の垂直部18b、19bとその一端から上下方向に伸びる傾斜部18a、19aとから成り、前記一方のピン16が一方のガイド溝18の垂直部18bにあるとき、他方のピン16が他方のガイド溝19の傾斜部19aにあり、一方のピン16が一方のガイド溝18の傾斜部18aにあるとき、他方のピン16が他方のガイド溝19の垂直部19bにあって、それぞれのピン16がガイド溝18、19の傾斜部18a、19aにあるとき、駆動チューブ13の昇降により、ピン16とガイド溝18、19の摺接によって、両ドライブチューブ14、15が回転するようにして、上記変換手段をなしたことを特徴とする請求項1に記載の副弁付回転弁の開閉装置。
【請求項3】 上記ケーシング10と主弁ドライブチューブ14の間に主弁全開及び全閉用ストッパー21a、21b、22a、22bを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の副弁付回転弁の開閉装置。
【請求項4】 上記副弁軸5を副弁ドライブチューブ15にその軸心周りに回転可能に嵌着し、その副弁軸5と副弁ドライブチューブ15の一体化を摩擦式締結リング24で行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の副弁付回転弁の開閉装置。
【請求項5】 上記操作軸11に減速機Dを連結し、その減速機Dの操作軸34と前記操作軸11を同一軸心としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の副弁付回転弁の開閉装置。
【請求項6】 上記減速機Dが、ケーシング31内に内歯歯車32を固定し、この内歯歯車32に遊星外歯歯車33を噛み合わせ、前記内歯歯車32の軸心上の操作軸34及び上記操作軸11を前記ケーシング31内に回転自在に支持して導き入れ、前記操作軸34に偏心円部41を設けて、この円部41に前記遊星外歯歯車33を回転自在に嵌め込み、前記操作軸11に一体の出力ボス44にその軸心周りに操作軸11に平行なピン36を設け、このピン36を前記遊星外歯歯車33の透孔37内に導き、前記操作軸34の回転により、遊星外歯歯車33、ピン36、出力ボス44を介して前記操作軸11を減速回転させる構成であることを特徴とする請求項5に記載の副弁付回転弁の開閉装置。
【請求項7】 上記ケーシング31内に上記内歯歯車32を、その軸心周りに回転可能にするとともに、ケーシング31と内歯歯車32間にその回転阻止手段を設け、この回転阻止手段は、内歯歯車32に所要以上の回転トルクが働くと、内歯歯車32の回転を許容するものであることを特徴とする請求項6に記載の副弁付回転弁の開閉装置。
【請求項8】 上記内歯歯車32をその軸方向に移動可能とし、その軸方向の内歯歯車32とケーシング31の対向面に相互に嵌まり合う凹凸46、47を形成するとともに、ケーシング31と内歯歯車32の間には前記凹凸46、47が嵌まる方向に付勢するばね48を設けて、上記回転阻止手段を構成し、内歯歯車32に所定以上の回転トルクが働くと、ばね48に抗して内歯歯車32が軸方向に動いて凹凸46、47の嵌合を解除して回転することを特徴とする請求項7に記載の副弁付回転弁の開閉装置。
【請求項9】 上記内歯歯車32の回転方向における上記凹凸46、47の断面形状を台形にして、その台形の前記回転方向における同一側の斜辺46a、47aと他の側の斜辺46b、47bとの傾きを異ならせたことを特徴とする請求項8に記載の副弁付回転弁の開閉装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主弁体の中心部に副弁体を設け、その両弁体を1つの操作軸により回転させて弁を開閉する副弁付回転弁の開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】副弁付回転弁は、この発明の一実施例を示す図1、図5乃至図7を参照して説明すると、弁箱1内に主弁体2を設けてその主弁軸3を弁箱1外に導くとともに、主弁体2の中心部に副弁体4を設けてその副弁軸5を主弁軸3に貫通したものであり、その両弁軸3、5を選択的に回すことにより、主弁体2及び副弁体4を選択的に回転させて弁を開閉する。
【0003】例えば、図5(c)に示すように、両弁体2、4を閉じることにより、弁Vを完全に閉じ、開弁時、図6(c)に示すように、まず副弁体4を開放し、つづけて図7(c)に示すように主弁体2を開放する。この開放時、副弁体4の前もっての開放により主弁体2の開放は容易である(図7(c)参照)。一方、閉弁時には、まず、副弁体4が開放した状態で主弁体2が閉じ、つづけて副弁体4が閉じる。このとき、副弁の開放状態での主弁の閉止のため、急速閉止しても水撃圧が大幅に緩和される。また、副弁の開閉度合で流量の微調整を行うこともできる。
【0004】この副弁付回転弁において、多くのものは、上記主弁軸2と副弁軸4をそれぞれ別の操作軸で回すようにしているが、コンパクト化の点などから、1つの操作軸で行う技術(弁開閉装置)が特公平4−20108号公報などに開示されている。その弁開閉装置は、欠歯歯車の間欠的な噛み合いなどによって、上記の主副弁の開閉作用を行うとともにセルフロックを行うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の1つの操作軸による弁の開閉装置は、歯車の噛み合い方式のため、その歯車を並列して設けており、嵩が大きなものとなっている。また、噛み合いのため、弁軸と操作軸は軸心がずれ、さらに減速機を設けると、その減速機の操作軸がさらに弁軸からずれる場合がある。操作軸のずれは、この弁装置の横方向の嵩が大きくなるため、設置する場合にそのスペース確保などの問題が生じるとともに、操作軸から管(管路)のセンター位置を容易に判断することができないこととなる。また、セルフロック機能を歯車の噛み合いとは別の構成で行なう必要があるため、構造が複雑となっている。
【0006】この発明は、歯車機構によらずに、弁軸とその操作軸を同一軸心にするとともに、セルフロック機能をもって一つの操作軸により、主弁軸及び副弁軸を回転し得るようにすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、この発明は、まず、操作軸のねじ込み回転により弁軸操作用駆動チューブを昇降させて、そのねじ結合によりセルフロック機能を得るようにしたのである。
【0008】つぎに、この発明は、主弁軸回転用チューブと副弁軸回転チューブ及び上記駆動チューブの組合せにより、その駆動チューブの昇降でもって直線・回転変換手段を介して両回転用チューブ(ドライブチューブ)を回転させて主弁軸又は副弁軸を回転するようにしたのである。チューブ同士であれば、同一軸心にし易く、また、径方向に重ねて嵌めることもできて、コンパクト化を図り得る。
【0009】さらに、上記操作軸と各チューブを主弁軸と同一軸心として、操作軸心と弁の回転軸心を同一としたのである。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態としては、主弁体の中心部に副弁体を設け、前記主弁体の主弁軸に前記副弁体の副弁軸を貫通し、その両弁軸を選択的に回すことにより、主弁体及び副弁体を選択的に回転させる副弁付回転弁の開閉装置において、弁箱に固定したケーシングに前記主弁軸と同一軸心の操作軸を回転自在に支持してそのケーシング内に挿入するとともに、ケーシング内には駆動チューブ、主弁ドライブチューブ及び副弁ドライブチューブを前記主弁軸と同一軸心に設け、上記駆動チューブは、前記ケーシングにその軸心方向にのみ移動可能で、前記操作軸とねじ合ってその操作軸の回転により昇降するものであり、上記主弁ドライブチューブは上記主弁軸に連結されてその軸心周りに回転自在となっており、上記副弁ドライブチューブは上記副弁軸に連結されてその軸心周りに回転自在となっており、上記駆動チューブと主弁ドライブチューブ及び副弁ドライブチューブの間には、駆動チューブの昇降を両ドライブチューブの回転に変換する手段が設けられ、この変換手段は、開弁作用時、副弁ドライブチューブを回転させて副弁を開放した後、主弁ドライブチューブを回転させて主弁を開放し、閉弁作用時、主弁ドライブチューブを回転させて主弁を閉じた後、副弁ドライブチューブを回転させて副弁を閉じるものである構成を採用し得る。
【0011】上記変換手段の具体的構成としては、上記各チューブが径方向に重なり合い、その駆動チューブに主弁ドライブチューブ及び副弁ドライブチューブのそれぞれのガイド溝にその長さ方向に移動自在に嵌まるガイドピンを設け、その両ガイド溝は、上下方向の垂直部とその一端から上下方向に伸びる傾斜部とから成り、前記一方のピンが一方のガイド溝の垂直部にあるとき、他方のピンが他方のガイド溝の傾斜部にあり、一方のピンが一方のガイド溝の傾斜部にあるとき、他方のピンが他方のガイド溝の垂直部にあって、それぞれのピンがガイド溝の傾斜部にあるとき、駆動チューブの昇降により、ピンとガイド溝の摺接によって、両ドライブチューブが回転するようにしたものを採用し得る。
【0012】上記各構成において、上記ケーシングと主弁ドライブチューブの間に主弁全開及び全閉用ストッパーを設ければ、操作軸の回転数を考慮することなく、全開時又は全閉時の位置決めを正確に行い得る。
【0013】また、上記副弁軸を副弁ドライブチューブにその軸心周りに回転可能に嵌着し、その副弁軸と副弁ドライブチューブの一体化を摩擦式締結リングで行うようにすれば、その締結リングを弛めて、副弁軸と副弁ドライブチューブの周方向の嵌合位置を調整して、主弁と副弁の開閉誤差を調節し、調節し終われば、締結リングを締めて副弁軸と副弁ドライブチューブを一体化する。このとき、締結リングは摩擦式のため、調整位置をリニアー的に変更することができ、キーの位置合わせなどもなく、組立てが容易であるうえに、精度の高い調整を行い得る。
【0014】この種の副弁付回転弁においても、その操作に大きな力を要する場合には、減速機を付設する。その場合には、上記開閉装置の操作軸に減速機を連結し、この減速機の操作軸と前記操作軸を同一軸心として、該操作軸と弁軸を同一軸心にする。
【0015】その減速機には、同芯軸減速機が好ましく、例えば、ケーシング内に内歯歯車を固定し、この内歯歯車に遊星外歯歯車を噛み合わせ、前記内歯歯車の軸心上の入力軸(操作軸)及び出力軸(開閉装置の操作軸)を前記ケーシング内に回転自在に支持して導き入れ、前記入力軸に偏心円部を設けて、この円部に前記遊星外歯歯車を回転自在に嵌め込み、前記出力軸にキー接合された出力ボスにその軸心周りに出力軸に平行なピンを設け、このピンを前記遊星外歯歯車の透孔内に導き、前記入力軸の回転により、遊星外歯歯車、ピン、出力ボスを介して前記出力軸を減速回転させる構成のものを採用し得る。
【0016】また、減速機付弁装置においては、操作軸を回し弁軸を回転させて弁を開閉する際、減速機を介在していることから、軽い力で操作軸を回し得るため、弁体と弁座の間に物が介在する等の何らかの事情によって弁体が動き得なくなった場合、又は弁が開放、閉止状態になった場合でも、操作軸を回しつづけると、弁体、弁座の損傷及び歯車の損傷等を招くこととなる。
【0017】このため、上述の同芯軸減速機においては、そのケーシングと内歯歯車の間にトルクリミッタ機構を構成するとよい。このようにすれば、嵩高にならず、背高を極力抑えることができる。そのトルクリミッタ機構には、摩擦板方式も採用し得るが、凹凸面の噛み合い方式として、所要トルク以上の回転力でその噛み合いが外れて、トルク伝達を阻止する手段とし得る。すなわち、上記ケーシング内に上記内歯歯車を、その軸心周りに回転可能にするとともに、ケーシングと内歯歯車間にその回転阻止手段を設け、この回転阻止手段は、内歯歯車に所要以上の回転トルクが働くと、内歯歯車の回転を許容するものである構成を採用し得る。このように噛み合いであると、操作設定値の変動もない。
【0018】上述回転阻止手段(トルクリミッタ)は、上記内歯歯車をその軸方向に移動可能とし、その軸方向の内歯歯車とケーシングの対向面に相互に嵌まり合う凹凸を形成するとともに、ケーシングと内歯歯車の間には前記凹凸が嵌まる方向に付勢するばねを設けた構成を採用でき、前記内歯歯車に所定以上の回転トルクが働くと、ばねに抗して内歯歯車が軸方向に動いて凹凸の嵌合を解除して回転するようにする。
【0019】この構成において、上記内歯歯車の回転方向における上記凹凸の断面形状を台形にして、その台形の前記回転方向における同一側の斜辺と他の側の斜辺との傾きを異ならせると、回転方向によって、回転阻止トルクが異なり、すなわち、傾きが大きい方が、回転阻止トルクが高くなり、例えば、弁の閉止方向をその高いトルク側に設定する。
【0020】
【実施例】一実施例を図1乃至図14に示し、この実施例は、上述のように、副弁内蔵式バタフライ弁装置に係り、管路に介設される弁箱1内に主弁体2を設けてその主弁軸3を弁箱1外に導くとともに、主弁体2の中心部に副弁体4を設けてその副弁軸5を主弁軸3に貫通している。図中、6は主弁座、7は副弁座である。
【0021】弁箱1の上面には開閉装置Aのケーシング10がボルト止めされ、このケーシング10の上壁から弁軸3、5と同一軸心の回転軸11が挿入されて軸受12により回転自在に支持されている。ケーシング10には、駆動チューブ13、主弁ドライブチューブ14及び副弁ドライブチューブ15が同一軸心で径方向に重なって設けられている。駆動チューブ13は、前記回転軸11がねじ通って、回転軸11の回転により昇降する。駆動チューブ13の側面対象位置にピン16、16が突設されている。ピン16の数及び位置は任意であるが、周方向の等分位が好ましい。
【0022】ピン16はケーシング10の内面に形成されたガイド(溝)17に摺動自在に嵌合しており、この嵌合により、駆動チューブ13は回転することなく昇降する。また、ピン16は主弁ドライブチューブ14のガイド溝18を摺動自在に貫通するとともに副弁ドライブチューブ15のガイド溝19に摺動自在に嵌入している。その両ガイド溝18、19は、図5乃至図7の各(a)、(b)に示すように、それぞれ上下方向に傾斜するらせん部(傾斜部)18a、19aとその一端から上下に延びる垂直部18b、19bとから成り、上下方向の長さにおいて、主弁ドライブチューブ14の垂直部19bと副弁ドライブチューブ15のらせん部18aが同一となり、同らせん部19aと同垂直部18bが同一となっている。このことにより、後述の弁の開閉作用時、副弁体4が開放した後、主弁体2が開放し、逆に、主弁体2が閉じた後、副弁体4が閉じる作用をなす。
【0023】主弁ドライブチューブ14にはスプライン結合20aにより主弁ドライブスリーブ20が連結され、このスリーブ20がキー結合20bにより主弁軸3に結合されている。このため、主弁ドライブチューブ14の回転によりスリーブ20及び主弁軸3を介して主弁体2が開閉する。主弁ドライブチューブ14の側面には突起21a、21bが形成されており、図4(a)に示すように、この一方の突起21aがケーシング10の一方の調整ボルト22aに当接することにより、主弁体2の完全閉止状態が位置決めされ、同図鎖線のごとく、他方の突起21bが他方の調整ボルト22bに当接することにより、主弁体2の完全開放状態が位置決めされる。すなわち、突起21a、21bとボルト22a、22bによって、主弁全開及び全閉用の位置決めストッパーをなしている。調整ボルト22a、22bの突出度合の調整で完全閉止位置及び完全開放位置を調整する。
【0024】副弁ドライブチューブ15にはスプライン結合23aにより同ドライブスリーブ23が連結され、このスリーブ23は副弁軸5に回転可能に嵌着されている。スリーブ23と副弁軸5間に摩擦式締結リング24が設けられており、この締結リング24は、ボルトをねじ込むことにより、両者23、5間に圧接して摩擦力により両者を一体化する。このため、この締結リング24を弛めて、副弁軸5とスリーブ23の周方向の嵌合位置を調整して、主弁体2と副弁体4の開閉誤差を調節し、調節し終われば、締結リング24を締めて両者5、23を一体化する。
【0025】開閉装置Aのケーシング10上には減速機Dが設けられている。この減速機Dは、図8乃至図14に示すように、ケーシング31内に内歯歯車32をその軸心周りに回転可能及びその軸心方向に移動可能に設け、この内歯歯車32に遊星外歯歯車33を噛み合わせている。ここで、内歯歯車32の歯数をZ2 、外歯歯車33の歯数をZ3 とし、内歯歯車32が固定の状態で、外歯歯車33が一方向に公転すると、外歯歯車33は、公転数に対し(Z2 −Z3 )/Z3 の回転数で逆方向に自転する。すなわち、(Z2 −Z3 )/Z3 の減速比で回転する。
【0026】入力軸となる操作軸34と出力軸となる開閉装置Aの回転軸11は、内歯歯車32と同一軸心となって、ケーシング31内に導かれている。操作軸34は、軸受40によりケーシング31に回転自在に支持され、その先が偏心円部41となっている。この偏心円部41にベアリング42を介して外歯歯車33が嵌着されている。このため、操作軸34の回転により、外歯歯車33は内歯歯車32内を公転し、かつ、その歯数差で自転する。
【0027】回転軸11は、キー43を介して出力ボス44に一体にされており、その出力ボス44はブッシュ45を介してケーシング31に回転自在になっている。キー43の結合に代えて、スプライン結合とし得る。出力ボス44には、軸心周りにピン36が回転軸11に平行に立設され、このピン36は外歯歯車33の透孔37に導かれている。このため、図14に示すようなピン36に対する透孔37の偏心運動により、外歯歯車33の自転のみを、ピン36を介して出力ボス44(回転軸11)が伝達する。このようにして、操作軸34の回転が回転軸11に(Z2 −Z3 )/Z3 の減速比で伝達される。なお、ピン36の位置及び径、透孔37の位置及び径は、偏心円部41の偏心量等に基づき、円滑な減速作用が行なわれるように適宜に選定する。
【0028】内歯歯車32の上面とそのケーシング31の対向面(ケーシング蓋31a裏面)は、図11に示すように断面台形状の凹凸面となっており、歯車32側の凸面46がケーシング31側の凸面47より周方向に短くなっている。その凸面46、47の一方の斜面46a、47aは他方の斜面46b、47bに対し、傾きが大きく、例えば前者が60度、後者が30度となっており、その一方の斜面46a、47aに回転トルクが働いて弁体が動く方向を弁の閉止方向としている。斜面46a、46b、47a、47bの傾斜度は回転阻止トルク値に対応して適宜に選定する。この選定により任意の回転阻止トルク値を得ることができる。
【0029】内歯歯車32の下面に対向するケーシング31内にはその周囲等間隔位置にコイル状ばね48が介在されており、このばね48によって、上記凹凸面を噛み合わせている。このばね48の付勢力は回転阻止トルクに対応して適宜に設定する。この設定によっても、回転阻止トルク値を任意に設定し得る。ばね48には有蓋筒状カバー49を被せて、歯車32の回転に支障がないようにする。
【0030】上記軸受40はその下端の鍔部40aに上記ピン36が嵌入して、回転軸11と一体に回転し、この軸受40に指針板50がビス止めされている。このため、指針板50とケーシング31(蓋31a)上面の目盛51との照合によって、弁Vの開閉度合を確認し得る。(図9参照)。
【0031】この実施例は以上の構成であり、いま、ばね48による凹凸面46、47の噛み合い力より小さいトルクで操作軸34が回されると、図10、図11に示すように、凹凸面46、47の嵌合が維持されて、内歯歯車32は回らないため、上述の減速比で回転軸11が回転される。
【0032】このため、図5に示す閉弁状態においては、開閉装置Aのピン16は各ガイド溝18、19の上端にあり、この状態から、操作軸34(回転軸11)を回転させて、駆動チューブ13が下降すると、同図鎖線のごとく、ピン16がガイド溝18、19内を摺動する。このとき、副弁ドライブチューブ15側においては、ピン16がガイド溝19のらせん部19aにあるため、その駆動チューブ13の下降につれて副弁ドライブチューブ15は左方に(右回りに)回転する。一方、主弁ドライブチューブ14側においては、ピン16がガイド溝18の垂直部18bにあるため、主弁ドライブチューブ14は回転力を受けずに静止状態を維持する。すなわち、副弁体4のみが回転して副弁が開放され、主弁体2は閉じたままで、主弁は開放されない。
【0033】つぎに、図6に示すように、ピン16がガイド溝18、19のらせん部18a、19aと垂直部18b、19bの分岐点に来ると、副弁体4は完全に開放され、この状態から、さらに駆動チューブ13が下降すると、図7鎖線のごとく、副弁ドライブチューブ15側においては、ピン16がガイド溝19の垂直部19bにあるため、副弁ドライブチューブ15は回転力を受けず、副弁体4は開放状態を維持する。一方、主弁ドライブチューブ14側においては、ピン16がガイド溝18のらせん部18aにあるため、駆動チューブ13の下降につれて主弁ドライブチューブ14は左方に(右回りに)回転する。すなわち、主弁体2のみが回転して主弁が開放され、副弁体4は開放状態を維持する。やがて、ピン16がガイド溝18、19の下端に至ると、図7実線のごとく、主弁体2が完全に開放される。
【0034】この開放状態から、操作軸34を逆転させて、駆動チューブ13を上昇させれば、上述と逆作用により閉弁される。すなわち、まず、主弁体2が閉じ、その後に副弁体4が閉じる。
【0035】これらの弁Vの開閉状態において、各弁体2、4に働く流体圧力により弁軸3、5、すなわち、主副弁ドライブチューブ14、15が回転しようとして、その力がガイド溝18、19及びピン16を介して駆動チューブ13に作用するが、駆動チューブ13は回転し得ないため、弁体2、4は動き得ず、セルフロックがかかっている。
【0036】また、上記弁Vの開閉作用において、弁Vが開放・閉止状態になった場合、又は、何らかの事情によって弁体2、4が動かなくなった場合、さらに、操作軸34を回すると、凹凸面46、47の噛み合い力よりその操作力が勝り、図12、図13に示すように、ばね48に抗して内歯歯車32は下降し、凹凸面46、47の嵌合が外れる。これにより、外歯歯車33の偏心運動は内歯歯車32を回転させることとなり、ピン36には力は伝達されず、ピン36を介して回転力を取り出している回転軸11も回転しない。このようにして、減速機D及び弁Vの損傷が防止される。
【0037】実施例では、一のピン16により、両ドライブチューブ14、15のガイド溝18、19にそれぞれ嵌合するピンを束ねているが、駆動チューブ13にそれぞれ固定のピンを両チューブ14、15のガイド溝18、19にそれぞれ嵌合するようにしてもよい。この場合、ガイド溝18と19は上下にずらすことができる。また、駆動チューブ13を主弁ドライブチューブ14の外側とすることもできる。
【0038】減速機Dには、図15に示すようにトルクリミッタ機能を有しないものも採用し得る。また、図16、図17に示すように、ダイヤル開度計60を付設し、操作軸34に設けた歯車61により連結機構62を介してその指針63を回転させ、指針63と目盛64の照合によって弁Vの開閉度合を確認し得るようにもし得る。さらに、図18に示すように、減速機Dは省略し得る。このとき、回転軸11が操作軸となる。なお、いずれの場合も、操作軸11、34には図17に示すように操作キャップ70を付設し得る。
【0039】また、締結リング24は、主弁ドライブスリーブ20と主弁軸3の間に介設して、この両者20、3間で、主弁体2と副弁体4の開閉誤差を調節するようにもし得る。
【0040】
【発明の効果】この発明は、歯車機構によらずに、一操作軸により主弁軸及び副弁軸を回転し得るようにしたので、歯車加工などの特殊加工が不要であり、安価なものとなる。また、セルフロック機能を有するため、ウォーム減速機構などのセルフロック機構も不要であり、コンパクト化を図り得る。
【0041】さらに、操作軸を弁軸と同一軸心としたので、いわゆる同芯軸のピット等の寸法で取付(据付)けができるうえに、操作軸の軸心が管路のセンターとなるなどの利点がある。
【出願人】 【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
【出願日】 平成10年12月24日(1998.12.24)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
【公開番号】 特開2000−193130(P2000−193130A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−367633