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【発明の名称】 アクチュエ―タ付きバルブ
【発明者】 【氏名】五味 知佳士

【氏名】田草川 勝

【氏名】青木 和弘

【要約】 【課題】バルブとアクチュエータをワンタッチで確実に着脱でき、しかも、メンテナンス性が良好であると共に、結露特性も良いアクチュエータ付きバルブを提供することにある。

【解決手段】駆動軸24をステム11と回転結合させて、本体10若しくは本体10と一体の部材にアクチュエータ23を固定したバルブにおいて、本体10若しくは本体10と一体の部材とアクチュエータ23とを回転不能に嵌合し、弾性結合手段29で両者をワンタッチ固定したアクチュエータ付きバルブである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動軸をステムと回転結合させて、本体若しくは本体と一体の部材にアクチュエータを固定したバルブにおいて、本体若しくは本体と一体の部材とアクチュエータとを回転不能に嵌合し、弾性結合手段で両者をワンタッチ固定したことを特徴とするアクチュエータ付きバルブ。
【請求項2】 アクチュエータの駆動軸とバルブのステムを着脱可能に設け、アクチュエータに設けた接続部材に前記ステムを内挿すると共に、この接続部材をバルブの軸筒部に回動不能に嵌入し、かつ接続部材と軸筒部の間に介在させた弾性結合手段を軸筒部に螺合したパッキンナットで拡縮させてバルブとアクチュエータとを着脱させるようにしたことを特徴とするアクチュエータ付きバルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールバルブ、バタフライバルブ、スプリングバルブ或はその他のバルブの軸装部に電動、空圧、油圧、スプリングリターン式等のアクチュエータを搭載したアクチュエータ付きバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、この種のバルブの自動弁は、バルブに電動モータや空圧油圧式のシリンダ等を内蔵したアクチュエータを取付けて、このアクチュエータによりバルブのステムを回転させたり、又は昇降させてバルブの弁体を開閉或は流路を調節するようにした構造のバルブである。
【0003】例えば、図10に示すように、バルブボデー1の軸装部2の上端にフランジ部3を設け、このフランジ部3に電動式のアクチュエータ4を搭載し、フランジ部3の下方よりボルト5を螺着することにより、アクチュエータ4をバルブ1のフランジ部3に結合するようにしている。この場合、アクチュエータ4の駆動軸6とバルブのステム7を回転不能に結合して駆動軸6の回転をステム7に連動させて、ボールバルブやバタフライバルブ等の回転弁を回転開閉するようにしている。その他、同様のバルブ構造として、実開昭61−4076号、実開昭62−110664号公報等が存在している。
【0004】また、この種のバルブに冷温水、冷媒等の流体を流したときにバルブ自体に結露が生じるため、配管と共にバルブの外周面を保温材で被覆し、特に、バルブ用軸装部2のフランジ部3の外周面にも保温材8を施して、この部位の結露の発生を防ぐようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バルブのフランジ部3の下方よりボルト5でアクチュエータ4を結合する図10に示す方式は、確実に結合できる利点を有しているが、反面、例えば、結合の後に保守管理やメンテナンス時にアクチュエータ4を取り外す場合、狭いスペースでボルト5をアクチュエータ4の下方より外すのは厄介な作業を強いられる。特に、バルブの軸装部2の近辺に保温材8が施されていると、まず、この部位の保温材8を分解除去した後に、ボルト5の結合を外してアクチュエータを取り外す必要があり、そのため、アクチュエータとバルブの分解作業が面倒であり、作業性の悪いものであると共に、狭いスペースでのアクチュエータの上部方向からのメンテナンスを行う場合には、全く対応できないばかりでなく、バルブの軸装部2等の保温工事も難しいという問題点をしていた。
【0006】また、特開昭59−103092号公報に示すように、バルブのボデーの上部に形成したおねじにアクチュエータに設けためねじを螺合して両者をねじ結合する方式も提案されているが、繰り返しの回動操作によってアクチュエータを取り外したり装着する構造であるから、操作が面倒であるばかりでなく、アクチュエータの結合位置も定まらない構造であって、上記の問題点を解消する方式とはいえない。
【0007】本発明は、従来の問題点に鑑みて開発したものであり、その目的とするところは、バルブとアクチュエータをワンタッチで確実に着脱でき、しかも、メンテナンス性が良好であるアクチュエータ付きバルブを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、駆動軸をステムと回転結合させて、本体若しくは本体と一体の部材にアクチュエータを固定したバルブにおいて、本体若しくは本体と一体の部材とアクチュエータとを回転不能に嵌合し、弾性結合手段で両者をワンタッチ固定したアクチュエータ付きバルブである。
【0009】請求項2に係る発明は、アクチュエータの駆動軸とバルブのステムを着脱可能に設け、アクチュエータに設けた接続部材に前記ステムを内挿すると共に、この接続部材をバルブの軸筒部に回動不能に嵌入し、かつ接続部材と軸筒部の間に介在させた弾性結合手段を軸筒部に螺合したパッキンナットで拡縮させてバルブとアクチュエータとを着脱させるようにしたアクチュエータ付きバルブである。
【0010】バルブとアクチュエータの着脱は、アクチュエータに引き抜き力を与えると、弾性結合手段を介してアクチュエータがバルブから外れ、かつ駆動軸もステムより脱するので、そのまま両者をワンタッチで分離することができ、一方、アクチュエータをバルブに挿着すると、弾性結合手段により両者は確実に結合されると共に、駆動軸とステムも回転不能に結合される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明におけるアクチュエータ付きバルブの実施形態の各例を図面に従って説明する。図1乃至図3は、本発明におけるアクチュエータ付きバルブの一例を示したものであり、本例ではボールバルブに適用したものである。図中、バルブのボデー(本体)10の内部よりステム11bを挿入し、また、軸筒部20の上部よりステム11aを挿入し、これらを結合してステム11を軸筒部20内部に形成し、下部のステム11bに形成した突部15において貫通孔14aを有するボール14の接合溝14bを接合した後にボデー10にブラケット19を固定する。このステム11の下部に設けた鍔部12をボデー10内に形成した係合部13に係合させてステム11が内圧により突出すことを防止している。ステム11の上部には、フラット面を有する接合部16を設け、また、Oリング17a,17bを装着している。ボデー10の上部には、フランジ18を一体に形成し、このフランジ18には、ステム突出孔18aとめねじ部18b,18bとが設けられている。
【0012】図中、ブラケット19は軸筒部20の上端に断面コ字形状のガイド部21を、下端にフランジ部22を一体に設けたものであり、このブラケット19は、例えば、オーステナイトステンレス鋼や樹脂製等のように熱伝導性の悪い材料で形成している。このブラケット19のフランジ部22に形成した挿通孔22aよりボルト23aを挿通してボデー10のフランジ18に螺着し、ブラケット19をボデー10に固着しており、ステム11は、ブラケット19の軸筒部20に挿入されて上部のガイド部21の下側に上端が位置している。
【0013】また、図中23は、電動モータ等を内蔵したアクチュエータであって、この駆動源により駆動する駆動軸24が下面より突出され、この駆動軸24の突出下端部にステム11の接合部16に嵌合して回動不能に結合される挿入溝25が設けられている。
【0014】また、この駆動軸24を囲むようにアクチュエータ23の下面には、ブラケット19のガイド部21に係合して位置決めされる矩形のガイド用係合部26が設けられている。
【0015】更に、このガイド用係合部26に筒状の突部27が一体に設けてあり、この突部27の外周面に装着溝28が形成され、この装着溝28には割りリング(弾性結合手段)29が装着され、アクチュエータ23をバルブ10のブラケット19に装着したときに、この割りリング29が係着する係着溝30をブラケット19の内周面に形成している。
【0016】また、図中31は、バルブ10とブラケット19の外周面に施した保温材である。上記の実施例は、ボデー10に別のブラケット19を固着した例について説明したが、このボデー10にブラケット19の構造を一体成形するようにしたバルブであっても良い。
【0017】次に、上記の実施形態の作用例を説明する。図2の状態において、例えば、メンテナンス時にバルブ10よりアクチュエータ23を取り外す場合、アクチュエータ23を把持して上方へ引き抜く力を与えると、割りリング29が拡径して、ブラケット19の係着溝30より割りリング29の係止状態が外れるので、そのまま引き抜くと、アクチュエータ23が外れると共に、駆動軸24の挿入溝25がステム11の接合部16から外れ、アクチュエータ23は、バルブ10よりワンタッチで分解することができ、狭いスペースであってもメンテナンス作業を容易に行うことができ、また、アクチュエータ23を外した状態でバルブ10の外周面に保温材31を被覆することができ、保温工事も容易に施すことができる。
【0018】一方、アクチュエータ23を装着する場合は、アクチュエータ23のガイド用係合部26をブラケット19のガイド部21に挿入して係合させると共に、駆動軸24の挿入溝25をステム11の接合部16に嵌めると、最初割りリング29は拡径された状態でガイド用係合部26の突部27が挿入され、割りリング29が係着溝30に位置したときに、拡径した割りリング29が元の状態に戻り、割りリング29は係着溝30に、図3に示すように係止されてアクチュエータ23はバルブ10のブラケット19に確実に位置決めされた状態で結合される。
【0019】この場合、ブラケット19は、熱伝導性の悪い材料で成形されているので、バルブ10の流体の冷熱が伝熱され難いため、バルブ10の軸装部やアクチュエータ23が結露することを防ぎ、従って、従来のように、アクチュエータ23の下面部位まで保温する必要もない。
【0020】上記の例は、熱伝導性の悪いブラケットを用い結露対策をしたが、この対策が不要であればブラケットは無くともよく、ブラケットを用いる場合にもブラケットは熱伝導性の良い材料も用いられる。
【0021】図4乃至図9は、本発明におけるアクチュエータ付きバルブの他例を示したものであり、本例では、ボールバルブ等の回転弁に適用したものである。図中、バルブのボデー(本体)40にボンネット41を固着し、ボンネット41に軸装したステム42の下端に弁体(図示しない)を接合し、ステム42の回転によって弁体を回転させて流路を形成する。
【0022】アクチュエータ44の下部に円筒状の接続部材45を設け、この接続部材45の嵌合孔46にステム42を着脱自在に挿入し、ステム42の上端の突部42aをアクチュエータ44の駆動軸58の割溝58aに回動不能で着脱できるように設けられている。
【0023】この接続部材45の下端に係止部47(本例では6角形)を形成し、一方、ボンネット41の軸筒部48に、係止部47に対応する係合部(本例では6角形)49を形成し、この接続部材45を軸筒部48に挿入したときに、バルブとアクチュエータ44が回動不能に接続するように設けている。この係止部47と係合部49は、6角形以外に、多角形、2面幅等であっても良い。
【0024】また、接続部材45の途中に、段部50を形成し、この段部50に弾性結合手段(本例では割りリング)51が押圧係止されるようにして、バルブからのアクチュエータ44の抜けを防止している。
【0025】軸筒部48の上部には、割りリング51を介してパッキンナット52が緩く螺合されており、また、割りリング51は、接続部材45が挿入可能な内径を有している。パッキンナット52を軸筒部48の外周に形成したおねじ部53に螺合することにより、割りリング51のテーパ部54が軸筒48のテーパ面55を摺動して割りリング51が縮径され、その結果、割りリング51は、接続部材45の段部50に係止されてロックされる。また、軸筒部48のおねじ部53に装着溝56を形成し、この装着溝56にパッキンナット52の緩み防止のための止め輪57を装着している。なお、52aは、パッキンナット52の内周溝である。
【0026】次に、上記の他例として示した作用を説明する。まず、図4に示すように、バルブにアクチュエータが装着されている状態で、アクチュエータ44を取り外す場合、まず、パッキンナット52を緩めると、割りリング51が拡径して、接続部材45の段部50から割りリング51の係止状態が解除される。そこで、アクチュエータ44を図4において、上方へ引き抜くと、アクチュエータ44の接続部材45が軸筒部48から引き抜かれ、バルブよりアクチュエータ44を取り外すことができる。
【0027】次に、バルブにアクチュエータ44を装着する場合は、パッキンナット52を緩めた状態で、アクチュエータ44の接続部材45の下端よりパッキンナット52と割りリング51に挿入して、下端の係止部47を軸筒部48の係合部49に挿入してアクチュエータ44を回動不能にすると共に、パッキナット52を締め込むと、割りリング51が押し下げられ、割りリング51の外径及び割りリング51が挿入される部分の軸筒部48の内径には共にテーパ部54とテーパ部55が設けられているので、割りリング51は押し下げられるに従って縮径され、アクチュエータ44の下面に設けられた接続部材45の段部50に押圧係止され、、バルブとアクチュエータは確実に装着される。
【0028】また、電動モータを内蔵したアクチュエータとボールバルブの結合例を示したが、これに限ることなく、例えば、バタフライバルブ、ゲートバルブ、グローブバルブ等の各種のバルブに適用でき、また、アクチュエータも電動式以外に、空圧や油圧或はスプリングリターン式を併用した駆動源を持つアクチュエータにも広く応用することができる。
【0029】
【発明の効果】従って、請求項1に係る発明によると、本体若しくは本体と一体の部材とアクチュエータとを回転不能に嵌合し、弾性結合手段で両者をワンタッチで固定することができるので、バルブとアクチュエータの着脱が極めて容易に行い得られ、メンテナンス時の分解や着脱も良好であると共に、保温配管の場合には保温材の被覆作業も容易となる等の効果を有する。
【0030】請求項2に係る発明は、パッキンナットを締めたり緩めたりするだけで、アクチュエータの着脱が容易に行なえる。また、凹凸も少ない外形構造であるから、バルブへの保温材の被覆も容易に、かつ確実に行なうことができる。
【0031】また、バルブとアクチュエータにガイド機構を設けることによって、両者をワンタッチで結合するとそのまま位置決めが行われ、結合精度も高く、更に、軸筒部を熱伝導性の悪い材料で成形した場合は、保温工事は、アクチュエータの下方部分にまで保温材を施すことなく結露対応を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】390002381
【氏名又は名称】株式会社キッツ
【出願日】 平成11年10月21日(1999.10.21)
【代理人】 【識別番号】100081293
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 哲男
【公開番号】 特開2000−193129(P2000−193129A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平11−299262