| 【発明の名称】 |
ソレノイドバルブ |
| 【発明者】 |
【氏名】東堂園 英樹
|
| 【要約】 |
【課題】Oリング等のシール手段を透過してしまう制御対象流体を制御するソレノイドバルブにおける、制御対象流体のシール性向上と長期耐久性を得る。
【解決手段】ピストンシール25(シール手段)とCO2(制御対象流体)の存在する領域との間に、グリースG(粘性物質)を封入するグリース室32(粘性物質封入部)を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 制御対象流体の存在する領域に接続する2対向面を弁室の内周面部と弁体の外周面部により形成し、該2対向面の間からの制御対象流体の漏れを防止するシール手段を備えたバルブ装置と、前記バルブ装置の弁体部に駆動力を与えるソレノイド部を備え、前記2対向面のシール手段と制御対象流体の存在する領域との間に、該制御対象流体を透過させにくい粘性物質を封入する粘性物質封入部を備えることを特徴とするソレノイドバルブ。 【請求項2】 前記粘性物質封入部には、粘性物質の漏れを防止するシール手段を制御対象流体の存在する領域側に備えることを特徴とする請求項1に記載のソレノイドバルブ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ソレノイドバルブに関し、制御対象流体の漏れをより完全に防止するための技術である。 【0002】 【従来の技術】図3は従来のソレノイドバルブ100の要部を説明するための一部断面構成説明図、図4は図3のバルブ部を拡大した図である。 【0003】このソレノイドバルブ100は、例えばエアコンの冷媒として利用されるCO2を制御対象流体としているもので、ソレノイド部101及びバルブ部102の関連した作動によってCO2の圧力や流量を制御可能としている。 【0004】図3及び図4では、バルブ部102のみ断面化され、ソレノイド部101の内部構成は不図示となっているが、ソレノイド部101は一般的に使用されている公知技術によるものであり、電流をコイルに供給して磁力を発生し、プランジャをセンタポストへと引き付けることで、電流値に応じた大きさの付勢力を発生可能としている。 【0005】バルブ部102は、スプールバルブ方式となっており、円筒状のバルブスリーブ104の内筒部104aを摺動面として軸方向に移動する2つのスプール105及び106が備えられている。 【0006】スプール105はソレノイド部101側に配置され、プランジャの付勢力を得ている。また、スプール106はスプール105に当接するピストンロッド106aと、大気圧を感圧する感圧ピストン106bから構成されている。 【0007】バルブスリーブ104には、ソレノイド部101の反対側の端部に大気圧室107が設けられ、感圧ピストン106bの感圧部106cが露出している。大気圧室107にはスプリング108が収容され、感圧部106cをソレノイド部101側に付勢している。 【0008】109,110はスプリングリテーナであり、スプリングリテーナ109は大気圧室107の内側にネジ込み嵌合され軸方向に移動してスプリング108の付勢力を調節可能としている。 【0009】また、バルブスリーブ104には、軸方向に3つのポート111,112,113が設けられ、それぞれのポートに制御対象流体であるCO2が流体PS,PD,PCとして導かれ、スプール105,106の作動によって圧力や流量が制御される。 【0010】ソレノイドバルブ100の作動を以下に説明する。スプール106の感圧ピストン106bは大気圧とポート111の流体PSの圧力を受け、流体PSの圧力が上昇すると感圧ピストン106bは図において左側へ移動し、流体PSの圧力が下降すると感圧ピストン106bは図において右側へ移動する。 【0011】感圧ピストン106bはピストンロッド106aを介してスプール105と当接係合しているため、上記の移動作用と、ソレノイド部101のプランジャの推力F(矢印F方向にスプール105を付勢する力)とのバランスによりスプール105を移動させてポート112からポート113へと流れる流体PDの流量を制御する。 【0012】そして、ポート113からの流体PCがオリフィス114を備えた経路115によってポート111へと導入され、流体PSの圧力を制御する。 【0013】制御対象流体であるCO2の漏れ防止としては、バルブスリーブ104の外周に設けられた溝等に嵌合保持されるゴム状弾性体によるOリング120,121,122によりシール性を得ている。 【0014】また、感圧ピストン106bは、バルブスリーブ104の内筒部104aに設けられた段部と保持プレート126により形成される溝部に嵌合保持されるゴム状弾性体によるOリング状のピストンシール125が、感圧ピストン106bの摺動する外周面に対し接触し、シール性を得ている。 【0015】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、制御対象流体としてCO2が用いられる上記した従来技術の場合には、ゴム状弾性体によるOリングにより、CO2の封止を行なうことになるが、Oリングやピストンシールの材料の特性から微量ではあるがゴム材料の分子中をCO2が透過してしまうことがあり、完全にCO2の封止を行なうことは困難である。 【0016】従って、例えばCO2がエアコンの冷媒として利用されている場合には、長期間の稼動により冷媒が減少してエアコンの能力を低下させてしまうことが懸念される。 【0017】本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、Oリング等のシール手段を透過してしまう制御対象流体を制御するソレノイドバルブにおける、制御対象流体のシール性向上と長期耐久性を得ることにある。 【0018】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明にあっては、制御対象流体の存在する領域に接続する2対向面を弁室の内周面部と弁体の外周面部により形成し、該2対向面の間からの制御対象流体の漏れを防止するシール手段を備えたバルブ装置と、前記バルブ装置の弁体部に駆動力を与えるソレノイド部を備え、前記2対向面のシール手段と制御対象流体の存在する領域との間に、該制御対象流体を透過させにくい粘性物質を封入する粘性物質封入部を備えることを特徴とする。 【0019】従って、制御対象流体の存在する領域からシール手段へと向かう制御対象流体を粘性物質により阻止することができ、またシール手段の膨潤や変形等の劣化を抑え、かつ粘性物質の潤滑性により作動部の摺動性を高め、ソレノイドバルブバルブ装置部のシール性を向上させることが可能となる。 【0020】また、前記粘性物質封入部には、粘性物質の漏れを防止するシール手段を制御対象流体の存在する領域側に備えることも好適である。 【0021】これにより、粘性物質のより安定した保持が行なえ、粘性物質と制御対象流体との混合を防止することができる。 【0022】 【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用した実施の形態であるソレノイドバルブ1のバルブ装置としてのバルブ部2を説明する断面構成説明図である。 【0023】このソレノイドバルブ1は、図3で詳細に示したソレノイドバルブ100と同様の機能を有するもので、例えばエアコンの冷媒として利用されるCO2を制御対象流体とし、ソレノイド部及びバルブ部2の関連した作動によってCO2の圧力や流量を制御可能としている。 【0024】図1において、制御対象流体であるCO2の存在する領域としては、バルブスリーブ4のポート11及びポート11に接続する弁室4bである。 【0025】弁室4bには弁体としての感圧ピストン6bが摺動自在に挿入されており、2対向面としての弁室4bの内周面部4b1と感圧ピストン6bの外周面部6b1との間をシール対象領域としている。 【0026】感圧ピストン6bの外周面部6b1には、シール手段としてのゴム状弾性体によるOリング状のピストンシール25が備えられている。このピストンシール25は、バルブスリーブ4の内筒部4aに嵌合固定されたOリングガイド31と保持プレート26により形成される溝に保持されている。 【0027】さらに、保持プレート26よりもCO2の存在する側であって、感圧ピストン6bの外周面部6b1を取り囲む環状領域に、粘性物質としてのグリースGを封入するためのグリース室32(粘性物質封入部)が配置されている。 【0028】グリースGとしては、CO2の溶け込みにくいものが好ましく、例えばフッ素系の樹脂を含むものが効果的である。 【0029】グリース室32のCO2の存在する側には、グリースGの漏れを防止するシール手段としてのオイルシール33が組み込まれている。オイルシール33はゴム状弾性体によるもので、バルブスリーブ4の内筒部4aに嵌合固定される嵌め合い部33aと、感圧ピストン6bの外周面部6b1に当接するグリースG側に向かって傾斜したリップ部33bとを備えている。 【0030】オイルシール33により、グリース室32おけるグリースGのより安定した保持が行なえ、グリースGとCO2との混合を防止することができる。 【0031】このような構成のバルブ部2においては、CO2の存在領域から漏れようとするCO2を、まずグリースGにより遮蔽し、その後ピストンシール25によりシールすることで2重にシールすることができる。 【0032】従って、グリースGにCO2が溶け込みピストンシール25側に達することがあっても、CO2の透過が懸念されるピストンシール25にCO2が直接的に触れた従来技術の場合と比較して、大幅にCO2の透過量を低減することができる。 【0033】また、CO2によるピストンシール25の膨潤や変形等の劣化を抑え、かつグリースGの潤滑性により感圧ピストン6bの摺動性を高め、バルブ部2のシール性を向上させることが可能となる。 【0034】図2はソレノイドバルブ1を説明するための一部断面構成説明図である。 【0035】図2においては、バルブ部2のみ断面化され、ソレノイド部SLの内部構成は不図示となっているが、ソレノイド部SLは一般的に使用されている公知技術によるものであり、電流をコイルに供給して磁力を発生し、プランジャをセンタポストへと引き付けることで、電流値に応じた大きさの付勢力を発生可能としている。 【0036】バルブ部2は、スプールバルブ方式となっており、円筒状のバルブスリーブ4の内筒部4aに対して軸方向に移動する2つのスプール5及び6が備えられている。 【0037】スプール5はソレノイド部SL側に配置され、プランジャの付勢力を得ている。また、スプール6はスプール5に当接するピストンロッド6aと、大気圧を感圧する前述の感圧ピストン6bから構成されている。 【0038】バルブスリーブ4には、ソレノイド部SLの反対側の端部に大気圧感圧手段を構成する大気圧室7が設けられ、感圧ピストン6bの感圧部6cが露出している。大気圧室7にはスプリング8が収容され、感圧部6cをソレノイド部SL側に付勢している。 【0039】9,10はスプリングリテーナであり、スプリングリテーナ9は大気圧室7の内側にネジ込み嵌合され軸方向に移動してスプリング8の付勢力を調節可能としている。 【0040】また、バルブスリーブ4には、軸方向に3つのポート11,12,13が設けられ、それぞれのポートに制御対象流体であるCO2が流体PS,PD,PCとして導かれ、スプール5,6の作動によって圧力や流量が制御される。 【0041】ソレノイドバルブ1の作動を以下に説明する。スプール6の感圧ピストン6bは大気圧とポート1の流体PSの圧力を受け、流体PSの圧力が上昇すると感圧ピストン6bは図において左側へ移動し、流体PSの圧力が下降すると感圧ピストン6bは図において右側へ移動する。 【0042】感圧ピストン6bはピストンロッド6aを介してスプール5と当接係合しているため、上記の移動作用と、ソレノイド部SLのプランジャの推力F(矢印F方向にスプール5を付勢する力)とのバランスによりスプール5を移動させてポート12からポート13へと流れる流体PDの流量を制御する。 【0043】そして、ポート13からの流体PCがオリフィス14を備えた経路15によってポート11へと導入され、流体PSの圧力を制御する。 【0044】制御対象流体であるCO2の漏れ防止としては、図1を参照して詳細に説明した通り、グリースGとピストンシール25により行なっている。グリースGによる感圧ピストン6bの潤滑効果によって摺動特性が向上し、ソレノイド部SLにより駆動制御される場合のヒステリシスを減少することも達成される。 【0045】また、大気圧室7に対するCO2の圧力の影響を抑え、高精度な制御を行なうことが可能となる。 【0046】 【発明の効果】上記のように説明された本発明によると、シール手段を透過してしまう制御対象流体を制御するソレノイドバルブにおける、制御対象流体の漏れを減少してシール性の向上と長期耐久性を得ることができる。 【0047】すなわち、制御対象流体の存在する領域からシール手段へと向かう制御対象流体を粘性物質により阻止することができ、またシール手段の膨潤や変形等の劣化を抑え、粘性物質の潤滑性により作動部の摺動性を高めることが可能となる。 【0048】粘性物質の漏れを防止するシール手段を備えることで、粘性物質のより安定した保持が行なえ、粘性物質と制御対象流体との混合を防止することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004385 【氏名又は名称】エヌオーケー株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年12月24日(1998.12.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085006 【弁理士】 【氏名又は名称】世良 和信 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−193124(P2000−193124A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−367901 |
|