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【発明の名称】 電磁弁におけるプランジャ―のストロ―ク量の調整方法
【発明者】 【氏名】加藤 昌明

【氏名】藤田 範章

【要約】 【課題】より少ない費用でプランジャーのストローク量を基準ストローク量に一致させる調整方法を得る。

【解決手段】バルブボデー11と結合したケース13内にコイル14、プランジャー16、スプリング17、スペーサ19を組込み、コア18をケース13内に所定量だけ予備的に圧入し、ストローク量測定ゲージ20の先端をプランジャー16のゲージ当接面16aに当接させてストローク量ゼロ点を求め、コイル14に通電してプランジャー16がコア18と当接するまで摺動させてストローク量Sxを求め、ストローク量Sxと基準ストローク量Srとの差分だけコア18をケース13内に更に圧入してケース13とコア18とをかしめ結合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ソレノイドのコイルの非通電時にプランジャーがスプリングにより摺動させられて弁体を弁座に着座させ、コイルの通電時にプランジャーがコアとの間に働く磁力でスプリングに抗して摺動させられて弁体が弁座の内孔に作用する流体圧により弁座から離間されるように構成された電磁弁において、前記弁座を有しかつ前記弁体を収容させたバルブボデーと結合した前記ソレノイドのケース内に前記コイル、前記プランジャー、前記スプリングを組み込んだ後に前記コアを前記ケース内に予備的に所定量だけ圧入し、この状態でストローク量測定ゲージを前記コアの内孔に通してその先端を前記プランジャーのゲージ当接面に当接させてストローク量ゼロ点を求め、次いで前記コイルに通電して前記プランジャーを前記コアにより摺動が停止されるまで摺動させてストローク量を求め、このストローク量と所定の基準ストローク量との差分だけ前記コアを前記ケース内に更に圧入した後に前記ケースと前記コアとをかしめ結合することを特徴とする電磁弁におけるプランジャーのストローク量の調整方法。
【請求項2】 ソレノイドのコイルの非通電時にプランジャーがスプリングにより摺動させられて弁体を弁座に着座させ、コイルの通電時にプランジャーがコアとの間に働く磁力でスプリングに抗して摺動させられて弁体が弁座の内孔に作用する流体圧により弁座から離間されるように構成された電磁弁において、前記弁座を有しかつ前記弁体を収容させたバルブボデーと結合した前記ソレノイドのケース内に、前記コイル、前記ケースに対して隙間嵌めされる前記コア、前記プランジャー、前記スプリングを組み込んだ後に、前記コアの端面に当接させたストローク量測定ゲージで、前記プランジャーの摺動が停止するまで前記コアを押圧して前記プランジャーのストローク量のゼロ点とし、前記ストローク量測定ゲージを、押圧した方向と逆方向に所定量戻した後、前記コアを前記ケースに固定することを特徴とする電磁弁におけるプランジャーのストローク量の調整方法。
【請求項3】 請求項2において、前記コアの前記ケースへの固定は、溶接によることを特徴とする電磁弁におけるプランジャーのストローク量の調整方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、電磁弁におけるプランジャーのストローク量の調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ソレノイドのコイルの非通電時にプランジャーがスプリングにより摺動させられて弁体を弁座に着座させ、コイルの通電時にプランジャーがコアとの間に働く磁力でスプリングに抗して摺動させられて弁体が弁座の内孔に作用する流体圧により弁座から離間されるように構成された電磁弁は公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の電磁弁の問題点として、プランジャーのストローク量が製品間でばらつき、所期の性能を確保するためには、ストローク量のばらつき範囲をできるだけ狭めるべく構成部品の寸法精度を高めたり、コイルの通電時の出力に余裕を与えなければならず、これによって大型化やコスト高となっていたことが挙げられる。
【0004】そこで、電磁弁の組立工程においてプランジャーのストローク量を調整できるようにねじ式調整機構を附設することが知られているが(例えば、特開平8−312825号公報、特開平9−72451号公報参照)、ねじ式調整機構の附設によってコストが高くなる。
【0005】この出願の発明は、より少ない費用でプランジャーのストローク量を基準ストローク量に一致させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願の請求項1の発明は、ソレノイドのコイルの非通電時にプランジャーがスプリングにより摺動させられて弁体を弁座に着座させ、コイルの通電時にプランジャーがコアとの間に働く磁力でスプリングに抗して摺動させられて弁体が弁座の内孔に作用する流体圧により弁座から離間されるように構成された電磁弁において、前記弁座を有しかつ前記弁体を収容させたバルブボデーと結合した前記ソレノイドのケース内に前記コイル、前記プランジャー、前記スプリングを組み込んだ後に前記コアを前記ケース内に予備的に所定量だけ圧入し、この状態でストローク量測定ゲージを前記コアの内孔に通してその先端を前記プランジャーのゲージ当接面に当接させてストローク量ゼロ点を求め、次いで前記コイルに通電して前記プランジャーを前記コアにより摺動が停止されるまで摺動させてストローク量を求め、このストローク量と所定の基準ストローク量との差分だけ前記コアを前記ケース内に更に圧入した後に前記ケースと前記コアとをかしめ結合することを特徴とする電磁弁におけるプランジャーのストローク量の調整方法である。
【0007】このような調整方法によれば、調整作業は必要であるが構成の追加がないので、より少ない費用で済む。
【0008】また、この出願の請求項2の発明は、ソレノイドのコイルの非通電時にプランジャーがスプリングにより摺動させられて弁体を弁座に着座させ、コイルの通電時にプランジャーがコアとの間に働く磁力でスプリングに抗して摺動させられて弁体が弁座の内孔に作用する流体圧により弁座から離間されるように構成された電磁弁において、前記弁座を有しかつ前記弁体を収容させたバルブボデーと結合した前記ソレノイドのケース内に、前記コイル、前記ケースに対して隙間嵌めされる前記コア、前記プランジャー、前記スプリングを組み込んだ後に、前記コアの端面に当接させたストローク量測定ゲージで、前記プランジャーの摺動が停止するまで前記コアを押圧して前記プランジャーのストローク量ゼロ点とし、前記ストローク量測定ゲージを、押圧した方向と逆方向に所定量戻した後、前記コアを前記ケースに固定することを特徴とする電磁弁におけるプランジャーのストローク量の調整方法である。
【0009】このような調整方法によれば、請求項1の発明の効果に加えて、コイルへの通電とコアの圧入が省略でき、より少ない費用でストローク量を調整することが可能となる。
【0010】さらに、この出願の請求項3の発明は、請求項2において、コアのケースへの固定は、溶接によることを特徴とする電磁弁におけるプランジャーのストローク量の調整方法である。
【0011】このような調整方法によれば、コアのケースへの固定を確実にすることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、この出願の発明が適用される電磁弁10と調整作業を示す。図2は図1のケースとコアの結合部の拡大図である。図1に示すように、電磁弁10は、3方向電磁弁であり、バルブ10Aとソレノイド10Bとからなる。バルブ10Aは、入口11a、出口11b、排出口11cを有しかつその内部に弁座11d、11eを有したバルブボデー11と、弁座11d、11e 間に配置された球状の弁体12とからなる。
【0013】ソレノイド10Bは、バルブボデー11と一体に結合された磁性のケース13と、コイル14と、ピン15を固定した磁性のプランジャー16と、スプリング17と、磁性のコア18と、非磁性のスペーサ19を主たる構成部材としている。コア18はケース13内に圧入され、図2に示すように、その外周の4個の凹部18aにケース13の4個所の部位13aをかしめにより入り込ませることによって互いに結合されている。
【0014】コイル14の非通電時においては、スプリング17によりプランジャー16が図1の左方向に摺動させられてピン15を介して弁体12を弁座11eから離間せて弁座11dに当接させるので、出口11bは入口11aから遮断されて排出口11cに連通する。コイル14の通電時においては、プランジャー16とコア18との間に互いに吸引する磁力が発生し、プランジャー16がスプリング17に抗して図1で右方向へ摺動させられ、弁体12が弁座11dの内孔に作用する流体圧で弁座11dから離間されて弁座11eに当接させられるので、出口11bは排出口11cから遮断されて入口11aに連通する。尚、磁力によるプランジャー16の摺動は、プランジャー16がスペーサ19を介してコア18に当接することにより止まる。
【0015】コイル14の非通電時にプランジャー16とスペーサ19との間に発生している隙間がプランジャー16のストローク量Sであり、このストローク量Sを所定の基準ストローク量Srに一致させる調整方法を次に説明する。
【0016】バルブボデー11と結合したケース13内にコイル14、プランジャー16、スプリング17、スペーサ19を組込んだ後、コア18をケース13内に所定量(最終的な圧入量よりは少ない)だけ予備的に圧入する。その後、図1に示すように、測定用リニアゲージ(ストローク量測定ゲージ)20をコア18の内孔に通してその先端をプランジャー16のゲージ当接面16aに当接させてストローク量ゼロ点を求める。次いでコイル14に通電してプランジャー16を、スペーサ19を介してコア18と当接するまで摺動させてストローク量Sx(但しSx>Sr)を求め、このストローク量Sxと所定の基準ストローク量Srとの差分だけコア18をケース13内に更に圧入し、この状態でケース13とコア18とを前述の如くかしめ結合する。
【0017】次に、図3について説明する。図3は、本発明の請求項2及び請求項3にかかる実施例を示す。
【0018】電磁弁10は、3方向電磁弁であり、バルブ10Aとソレノイド10Bとからなる。バルブ10Aは、入口11a、出口11b、排出口11cを有しかつその内部に弁座11d、11eを有したバルブボデー11と、弁座11d、11e間に配置された球状の弁体12とからなる。
【0019】ソレノイド10Bは、バルブボデー11と一体に結合された磁性のケース13と、コイル14と、ピン15を固定した磁性のプランジャー16と、スプリング17と、磁性のコア118と、非磁性のスペーサ19を主たる構成部材としている。コア118の筒部118cとケース13の内孔13bとは隙間嵌めであり、自在に摺動可能である。そして、後述するように、プランジャー16のストローク量の調整完了後、コア118の筒部118cとケース13とは、隅部31で溶接されるか、または筒部118cと内孔13bとの間でロウ付けされて確実に結合される。
【0020】コイル14の非通電時においては、スプリング17によりプランジャー16が図3の左方向に摺動させられてピン15を介して弁体12を弁座11eから離間せて弁座11dに当接させるので、出口11bは入口11aから遮断されて排出口11cに連通する。コイル14の通電時においては、プランジャー16とコア118との間に互いに吸引する磁力が発生し、プランジャー16がスプリング17に抗して図3で右方向へ摺動させられ、弁体12が弁座11dの内孔に作用する流体圧で弁座11dから離間されて弁座11eに当接させられるので、出口11bは排出口11cから遮断されて入口11aに連通する。尚、磁力によるプランジャー16の摺動は、プランジャー16の端面16aがスペーサ19を介してコア118の端面118aに当接することにより止まる。
【0021】コイル14の非通電時にプランジャー16の端面16aとスペーサ19との間に発生している隙間がプランジャー16のストローク量Sであり、このストローク量Sを所定の基準ストローク量Srに一致させる調整方法を次に説明する。
【0022】バルブボデー11と結合したケース13内にコイル14、コア118、スペーサ19、スプリング17、プランジャー16を組込んだ後、バルブボデー11とかしめ結合する。その後、図3に示すように、コア118の端面118bに当接させた測定用リニアゲージ(ストローク量測定ゲージ)120で、プランジャー17の摺動が停止するまでコア118を押圧してプランジャーのストローク量ゼロ点とし、測定用リニアゲージ120を、押圧した方向と逆方向(図3中右方向)に所定量の基準ストローク量Sr分だけ戻した後、コア118とケース13とを溶接等で結合する。
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように、この出願の請求項1の発明によれば、電磁弁の構成を変更することなくプランジャーのストローク量を基準ストローク量に一致させることができるので、構成部品の寸法精度を下げたり、ソレノイドの出力を必要最小限とすることができ、電磁弁の小型化、低コスト化を容易に図ることができる。
【0024】さらに、この出願の請求項2または請求項3の発明によれば、通電、圧入等を省略した簡単な作業によってプランジャーのストローク量を基準ストローク量に一致させることができ、一層の低コスト化が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
【出願日】 平成11年6月17日(1999.6.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−193121(P2000−193121A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平11−171266