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【発明の名称】 副弁付回転弁の開閉装置
【発明者】 【氏名】真本 英光

【氏名】藤川 豊

【要約】 【課題】歯車機構以外で、セルフロック機能を有して、1本の操作軸によって主副弁軸を選択的に回転させる。

【解決手段】副弁軸5により副弁体4を、主弁軸3により主弁体2を、それぞれ単独に回転させる弁開閉装置である。操作軸11を回すと、駆動チューブ13が昇降し、このチューブ13に固定のピン16のガイド溝18、19内の摺動により主弁軸3、副弁軸5と一体のチューブ14、15が回転する。すなわち、ガイド溝18、19は垂直部とらせん部を有し、ピン16が垂直部にある場合、チューブ14、15は回転せず、らせん部にある場合に、チューブ13の昇降にともなうピン16の昇降により、そのガイド溝18、19を介してチューブ14、15が回転して弁体2、4を開閉する。操作軸11と駆動チューブ13はねじ結合のため、駆動チューブ13への上下方向の力では操作軸11は回転し得ず、弁体2、4の任意の開閉位置でセルフロックがなされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主弁体2の中心部に副弁体4を設け、前記主弁体2の主弁軸3に前記副弁体4の副弁軸5を貫通し、その両弁軸3、5を選択的に回すことにより、主弁体2及び副弁体4を選択的に回転させる副弁付回転弁Vの開閉装置Aであって、弁箱1に固定したケーシング10に操作軸11を回転自在に支持してそのケーシング10内に挿入するとともに、ケーシング10内には駆動チューブ13、主弁ドライブチューブ14及び副弁ドライブチューブ15を同一軸心に設け、上記駆動チューブ13は、上記ケーシング10にその軸心方向にのみ移動可能で、上記操作軸11とねじ合ってその操作軸11の回転により昇降するものであり、上記主弁ドライブチューブ14はその軸心周りに回転自在となって上記主弁軸3に連結されており、上記副弁ドライブチューブ15はその軸心周りに回転自在となって上記副弁軸5に連結されており、上記駆動チューブ13と主弁ドライブチューブ14及び副弁ドライブチューブ15の間には、駆動チューブ13の昇降を両ドライブチューブ14、15の回転に変換する手段が設けられ、この変換手段は、開弁作用時、副弁ドライブチューブ15を回転させて副弁を開放した後、主弁ドライブチューブ14を回転させて主弁を開放し、閉弁作用時、主弁ドライブチューブ14を回転させて主弁を閉じた後、副弁ドライブチューブ15を回転させて副弁を閉じるものであることを特徴とする副弁付回転弁の開閉装置。
【請求項2】 上記各チューブ13、14、15が径方向に重なり合い、その駆動チューブ13に主弁ドライブチューブ14及び副弁ドライブチューブ15のそれぞれのガイド溝18、19にその長さ方向に移動自在に嵌まるガイドピン16を設け、その両ガイド溝18、19は、上下方向の垂直部18b、19bとその一端から上下方向に伸びる傾斜部18a、19aとから成り、前記一方のピン16が一方のガイド溝18の垂直部18bにあるとき、他方のピン16が他方のガイド溝19の傾斜部19aにあり、一方のピン16が一方のガイド溝18の傾斜部18aにあるとき、他方のピン16が他方のガイド溝19の垂直部19bにあって、それぞれのピン16がガイド溝18、19の傾斜部18a、19aにあるとき、駆動チューブ13の昇降により、ピン16とガイド溝18、19の摺接によって、両ドライブチューブ14、15が回転するようにして、上記変換手段をなしたことを特徴とする請求項1に記載の副弁付回転弁の開閉装置。
【請求項3】 上記ケーシング10と主弁ドライブチューブ14の間に主弁全開及び全閉用ストッパー21a、21b、22a、22bを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の副弁付回転弁の開閉装置。
【請求項4】 上記副弁軸5を副弁ドライブチューブ15にその軸心周りに回転可能に嵌着し、その副弁軸5と副弁ドライブチューブ15の一体化を摩擦式締結リング24で行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の副弁付回転弁の開閉装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主弁体の中心部に副弁体を設け、その両弁体を1つの操作軸により回転させて弁を開閉する副弁付回転弁の開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】副弁付回転弁は、この発明の一実施例を示す図1、図5乃至図7を参照して説明すると、弁箱1内に主弁体2を設けてその主弁軸3を弁箱1外に導くとともに、主弁体2の中心部に副弁体4を設けてその副弁軸5を主弁軸3に貫通したものであり、その両弁軸3、5を選択的に回すことにより、主弁体2及び副弁体4を選択的に回転させて弁を開閉する。
【0003】例えば、図5(c)に示すように、両弁体2、4を閉じることにより、弁Vを完全に閉じ、開弁時、図6(c)に示すように、まず副弁体4を開放し、つづけて図7(c)に示すように主弁体2を開放する。この開放時、副弁体4の前もっての開放により主弁体2の開放は容易である(図7(c)参照)。一方、閉弁時には、まず、副弁体4が開放した状態で主弁体2が閉じ、つづけて副弁体4が閉じる。このとき、副弁の開放状態での主弁の閉止のため、急速閉止しても水撃圧が大幅に緩和される。また、副弁の開閉度合で流量の微調整を行うこともできる。
【0004】この副弁付回転弁Vにおいて、多くのものは、上記主弁軸2と副弁軸4をそれぞれ別の操作軸で回すようにしているが、コンパクト化の点などから、1つの操作軸で行う技術(弁開閉装置)が特公平4−20108号公報などに開示されている。その弁開閉装置は、欠歯歯車の間欠的な噛み合いなどによって、上記の主副弁の開閉作用を行うとともにセルフロックを行うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の1つの操作軸による弁の開閉装置は、歯車の噛み合い方式のため、その歯車を並列して設けており、嵩が大きなものとなっている。また、セルフロック機能を歯車の噛み合いとは別の構成で行なう必要があるため、構造が複雑となっており、加工、組立面からコストアップの要因となっている。
【0006】この発明は、歯車機構によらずに、一つの操作軸により、セルフロック機能を有して主弁軸及び副弁軸を回転し得るようにすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、この発明は、まず、操作軸のねじ込み回転により弁軸操作用駆動チューブを昇降させて、そのねじ結合によりセルフロック機能を得るようにしたのである。
【0008】つぎに、この発明は、主弁軸回転用チューブと副弁軸回転チューブ及び上記駆動チューブの組合せにより、その駆動チューブの昇降でもって直線・回転変換手段を介して両回転用チューブ(ドライブチューブ)を回転させて主弁軸又は副弁軸を回転するようにしたのである。チューブ同士であれば、同一軸心にし易く、また、径方向に重ねて嵌めることもできて、コンパクト化を図り得る。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態としては、主弁体の中心部に副弁体を設け、前記主弁体の主弁軸に前記副弁体の副弁軸を貫通し、その両弁軸を選択的に回すことにより、主弁体及び副弁体を選択的に回転させる副弁付回転弁の開閉装置において、弁箱に固定したケーシングに操作軸を回転自在に支持してそのケーシング内に挿入するとともに、ケーシング内には駆動チューブ、主弁ドライブチューブ及び副弁ドライブチューブを同一軸心に設け、上記駆動チューブは、上記ケーシングにその軸心方向にのみ移動可能で、上記操作軸とねじ合ってその操作軸の回転により昇降するものであり、上記主弁ドライブチューブはその軸心周りに回転自在となって上記主弁軸に連結されており、上記副弁ドライブチューブはその軸心周りに回転自在となって上記副弁軸に連結されており、上記駆動チューブと主弁ドライブチューブ及び副弁ドライブチューブの間には、駆動チューブの昇降を両ドライブチューブの回転に変換する手段が設けられ、この変換手段は、開弁作用時、副弁ドライブチューブを回転させて副弁を開放した後、主弁ドライブチューブを回転させて主弁を開放し、閉弁作用時、主弁ドライブチューブを回転させて主弁を閉じた後、副弁ドライブチューブを回転させて副弁を閉じるものである構成を採用し得る。
【0010】上記変換手段の具体的構成としては、上記各チューブが径方向に重なり合い、その駆動チューブに主弁ドライブチューブ及び副弁ドライブチューブのそれぞれのガイド溝にその長さ方向に移動自在に嵌まるガイドピンを設け、その両ガイド溝は、上下方向の垂直部とその一端から上下方向に伸びる傾斜部とから成り、前記一方のピンが一方のガイド溝の垂直部にあるとき、他方のピンが他方のガイド溝の傾斜部にあり、一方のピンが一方のガイド溝の傾斜部にあるとき、他方のピンが他方のガイド溝の垂直部にあって、それぞれのピンがガイド溝の傾斜部にあるとき、駆動チューブの昇降により、ピンとガイド溝の摺接によって、両ドライブチューブが回転するようにしたものを採用し得る。
【0011】上記各構成において、上記ケーシングと主弁ドライブチューブの間に主弁全開及び全閉用ストッパーを設ければ、操作軸の回転数を考慮することなく、全開時又は全閉時の位置決めを正確に行い得る。
【0012】また、上記副弁軸を副弁ドライブチューブにその軸心周りに回転可能に嵌着し、その副弁軸と副弁ドライブチューブの一体化を摩擦式締結リングで行うようにすれば、その締結リングを弛めて、副弁軸と副弁ドライブチューブの周方向の嵌合位置を調整して、主弁と副弁の開閉誤差を調節し、調節し終われば、締結リングを締めて副弁軸と副弁ドライブチューブを一体化する。このとき、締結リングは摩擦式のため、調整位置をリニアー的に変更することができ、キーの位置合わせなどもなく、組立てが容易であるうえに、精度の高い調整を行い得る。
【0013】
【実施例】一実施例を図1乃至図7に示し、この実施例は、上述のように、副弁内蔵式バタフライ弁装置に係り、管路に介設される弁箱1内に主弁体2を設けてその主弁軸3を弁箱1外に導くとともに、主弁体2の中心部に副弁体4を設けてその副弁軸5を主弁軸3に貫通している。図中、6は主弁座、7は副弁座である。
【0014】弁箱1の上面には開閉装置Aのケーシング10がボルト止めされ、このケーシング10の上壁から弁軸3、5と同一軸心の操作動11が挿入されて軸受12により回転自在に支持されている。ケーシング10には、駆動チューブ13、主弁ドライブチューブ14及び副弁ドライブチューブ15が同一軸心で径方向に重なって設けられている。駆動チューブ13は、前記操作軸11がねじ通って、操作軸11の回転により昇降する。駆動チューブ13の側面対象位置にピン16、16が突設されている。ピン16の数及び位置は任意であるが、周方向の等分位置が好ましい。
【0015】ピン16はケーシング10の内面に形成されたガイド(溝)17に摺動自在に嵌合しており、この嵌合により、駆動チューブ13は回転することなく昇降する。また、ピン16は主弁ドライブチューブ14のガイド溝18を摺動自在に貫通するとともに副弁ドライブチューブ15のガイド溝19に摺動自在に嵌入している。その両ガイド溝18、19は、図5乃至図7の各(a)、(b)に示すように、それぞれ上下方向に傾斜するらせん部(傾斜部)18a、19aとその一端から上下に延びる垂直部18b、19bとから成り、上下方向の長さにおいて、主弁ドライブチューブ14の垂直部19bと副弁ドライブチューブ15のらせん部18aが同一となり、同らせん部19aと同垂直部18bが同一となっている。このことにより、後述の弁の開閉作用時、副弁体4が開放した後、主弁体2が開放し、逆に、主弁体2が閉じた後、副弁体4が閉じる作用をなす。
【0016】主弁ドライブチューブ14にはスプライン結合20aにより主弁ドライブスリーブ20が連結され、このスリーブ20がキー結合20bにより主弁軸3に結合されている。このため、主弁ドライブチューブ14の回転によりスリーブ20及び主弁軸3を介して主弁体2が開閉する。主弁ドライブチューブ14の側面には突起21a、21bが形成されており、図4(a)に示すように、この一方の突起21aがケーシング10の一方の調整ボルト22aに当接することにより、主弁体2の完全閉止状態が位置決めされ、同図鎖線のごとく、他方の突起21bが他方の調整ボルト22bに当接することにより、主弁体2の完全開放状態が位置決めされる。すなわち、突起21a、21bとボルト22a、22bによって、主弁全開及び全閉用の位置決めストッパーをなしている。調整ボルト22a、22bの突出度合の調整で完全閉止位置及び完全開放位置を調整する。
【0017】副弁ドライブチューブ15にはスプライン結合23aにより同ドライブスリーブ23が連結され、このスリーブ23は副弁軸5に回転可能に嵌着されている。スリーブ23と副弁軸5間に摩擦式締結リング24が設けられており、この締結リング24は、ボルトをねじ込むことにより、両者23、5間に圧接して摩擦力により両者を一体化する。このため、この締結リング24を弛めて、副弁軸5とスリーブ23の周方向の嵌合位置を調整して、主弁体2と副弁体4の開閉誤差を調節し、調節し終われば、締結リング24を締めて両者5、23を一体化する。
【0018】この実施例は以上の構成であり、図5に示す閉弁状態においては、ピン16は各ガイド溝18、19の上端にあり、この状態から、操作軸11を回転させて、駆動チューブ13が下降すると、同図鎖線のごとく、ピン16がガイド溝18、19内を摺動する。このとき、副弁ドライブチューブ15側においては、ピン16がガイド溝19のらせん部19aにあるため、その駆動チューブ13の下降につれて副弁ドライブチューブ15は左方に(右回りに)回転する。一方、主弁ドライブチューブ14側においては、ピン16がガイド溝18の垂直部18bにあるため、主弁ドライブチューブ14は回転力を受けずに静止状態を維持する。すなわち、副弁体4のみが回転して副弁が開放され、主弁体2は閉じたままで、主弁は開放されない。
【0019】つぎに、図6に示すように、ピン16がガイド溝18、19のらせん部18a、19aと垂直部18b、19bの分岐点に来ると、副弁体4は完全に開放され、この状態から、さらに駆動チューブ13が下降すると、図7鎖線のごとく、副弁ドライブチューブ15側においては、ピン16がガイド溝19の垂直部19bにあるため、副弁ドライブチューブ15は回転力を受けず、副弁体4は開放状態を維持する。一方、主弁ドライブチューブ14側においては、ピン16がガイド溝18のらせん部18aにあるため、駆動チューブ13の下降につれて主弁ドライブチューブ14は左方に(右回りに)回転する。すなわち、主弁体2のみが回転して主弁が開放され、副弁体4は開放状態を維持する。やがて、ピン16がガイド溝18、19の下端に至ると、図7実線のごとく、主弁体2が完全に開放される。
【0020】この開放状態から、操作軸11を逆転させて、駆動チューブ13を上昇させれば、上述と逆作用により閉弁される。すなわち、まず、主弁体2が閉じ、その後に副弁体4が閉じる。
【0021】これらの弁Vの開閉状態において、各弁体2、4に働く流体圧力により弁軸3、5、すなわち、主副弁ドライブチューブ14、15が回転しようとして、その力がガイド溝18、19及びピン16を介して駆動チューブ13に作用するが、駆動チューブ13は回転し得ないため、弁体2、4は動き得ず、セルフロックがかかっている。
【0022】図8は、操作軸11に減速機30を設けた実施例であり、この減速機30は自己の操作軸31と操作軸11とを減速歯車機構32により連結したものであり、操作軸31により、小さな力で弁軸3、5を回転して弁の開閉を行うことができる。
【0023】実施例では、一のピン16により、両ドライブチューブ14、15のガイド溝18、19にそれぞれ嵌合するピンを兼ねているが、駆動チューブ13にそれぞれ固定のピンを両チューブ14、15のガイド溝18、19にそれぞれ嵌合するようにしてもよい。この場合、ガイド溝18と19は上下にずらすことができる。また、駆動チューブ13を主弁ドライブチューブ14の外側とすることもできる。
【0024】また、開閉装置Aの操作軸11と各チューブ13、14、15の軸心を同一としたが、操作軸11はチューブ13等と同一軸心でなく、偏心していても駆動チューブ13を昇降することができて、この発明の効果を得ることができる。また、開閉装置Aの軸心(チューブ13等の軸心)と主弁軸3、5の軸心はずらすことができ、この場合には両者を歯車機構などによって連結する。さらに、締結リング24は、主弁ドライブスリーブ20と主弁軸3の間に介設して、この両者20、3間で、主弁体2と副弁体4の開閉誤差を調節するようにもし得る。
【0025】
【発明の効果】この発明は、歯車機構によらずに、一操作軸により主弁軸及び副弁軸を回転し得るようにしたので、歯車加工などの特殊加工が不要であり、安価なものとなる。また、セルフロック機能を有するため、ウォーム減速機構などのセルフロック機構も不要であり、コンパクト化を図り得る。
【出願人】 【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
【出願日】 平成10年12月24日(1998.12.24)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
【公開番号】 特開2000−193103(P2000−193103A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−367343