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【発明の名称】 流量制御弁
【発明者】 【氏名】青木 哲也

【要約】 【課題】流体入口孔から流体通路孔までの流体の移動距離を長くし、小型冷凍機等の低流量流体の制御を可能にする流量制御弁を提供する。

【解決手段】弁室に通ずる流体入口孔と流体通路孔とを有する弁本体と、前記弁室内で軸方向に移動可能な弁軸に設けられ、前記流体通路孔に出入する弁体と、該弁体の移動を案内するガイドブッシュとを備えた流量制御弁であって、前記弁本体は、該弁本体と前記ガイドブッシュとの間に間隙を形成したこと、又は前記流体入口孔は、該流体入口孔に挿通されるブッシュを有し、前記流体入口孔と前記ブッシュとの間に間隙を形成してなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁室に通ずる流体入口孔と流体通路孔とを有する弁本体と、前記弁室内で軸方向に移動可能な弁軸に設けられ前記流体通路孔に出入する弁体と、該弁体の移動を案内するガイドブッシュとを備えた流量制御弁において、前記弁本体は、該弁本体と前記ガイドブッシュとの間に間隙を形成したことを特徴とする流量制御弁。
【請求項2】 前記弁本体と前記ガイドブッシュとの間の間隙は、該ガイドブッシュの外周面に形成された螺旋溝であることを特徴とする請求項1記載の流量制御弁。
【請求項3】 前記弁本体と前記ガイドブッシュとの間の間隙は、該ガイドブッシュの内周面に形成された螺旋溝であることを特徴とする請求項2記載の流量制御弁。
【請求項4】 前記弁本体と前記ガイドブッシュとの間の間隙は、該ガイドブッシュの前記流体通路孔側の下端面に形成された渦巻き溝であることを特徴とする請求項1記載の流量制御弁。
【請求項5】 弁室に通ずる流体入口孔と流体通路孔とを有する弁本体と、前記弁室内で軸方向に移動可能な弁軸に設けられ、前記流体通路孔に出入する弁体と、前記流体入口孔に挿通されるブッシュとを備えた流量制御弁において、前記流体入口孔は、該流体入口孔と前記ブッシュとの間に間隙を形成したことを特徴とする流量制御弁。
【請求項6】 前記流体入口孔と前記ブッシュとの間の間隙は、該ブッシュの外周面に形成された螺旋溝であることを特徴とする請求項5記載の流量制御弁。
【請求項7】 前記弁体は、前記流体通路孔と当接する部分のニードル角度を15度から45度にすることによって低流量の流体を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の流量制御弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクルに組み込まれて使用される流量制御弁に係り、特に、小型冷凍機の膨張弁として組み込まれる流量制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】図11は、空調機用冷凍機に使用される従来の流量制御弁100の断面図である。該流量制御弁100は、ステッピングモータ10と、弁本体20と、昇降軸35及び弁軸30とを具備しており、該弁軸30をステッピングモータ10により昇降させ、それに伴って弁軸30の下端に形成された弁体31を前記弁本体20に形成された流体通路孔(オリフィス)23に出入させ、開口面積を可変させることによって流量を制御している。
【0003】前記ステッピングモータ10は、弁本体20に蓋状部材18を介して連結された逆立有底円筒状のキャン11の外周部に嵌挿されたステータヨーク13と、ボビン14と、このボビン14に巻装されて外部から通電される巻線15と、前記ステータヨーク13、ボビン14及び巻線15の外周を鋳包むモータモールド12と、前記キャン11の内部に配置されてスリーブ40に固定されたボンド磁石からなるロータ39とを備えて構成されている。
【0004】前記モータモールド12、ステータヨーク13、ボビン14及び巻線15は、キャン11の外周に、一体的に嵌装され、それらは、モータモールド12にビス16で取り付けられた押圧係止具17の球冠状の係止凸部17aを前記キャン11の外周に、例えば90度間隔で4箇所設けられた凹部19のいずれかに嵌合させることにより位置決め及び抜け止めを行っている。
【0005】前記弁本体20は、減圧機構部となる弁室21を有し、該弁室21の左側部には流体入出孔22が開口され、この流体入出孔22には弁室21と連通する導管64が接続されている。弁室21の下部には、弁体上部31aにより開閉される流体通路孔23が開口されるとともに、流体通路孔23を通して弁室21と連通する導管65が接続されている。流体通路孔23の上端は弁座24となっている。
【0006】弁室21の上方にはガイドブッシュ26が固定されている。このガイドブッシュ26の内周には雌ねじ部27が形成され、この雌ねじ部27に弁軸ホルダ28の外周に形成された雄ねじ部29が螺合せしめられている。この弁軸ホルダ28の下部にはカラー34が圧入固定され、このカラー34内には弁軸30が摺動自在に嵌挿され、弁軸30の上端に形成されたフランジ30aがこのカラー34を係止している。弁軸30は弁軸ホルダ28内に縮装された圧縮コイルばね32により常時下方に付勢されている。前記弁軸ホルダ28の上部には前記昇降軸35が固着されている。
【0007】弁軸ホルダ28は前記ロータ39の内側に嵌着されたスリーブ40に固着されている。スリーブ40の上端部とキャン11との間には復帰用コイルばね36が設けられている。流量制御弁100は、流体通路孔23を絞る場合には、巻線15を一方向に通電励磁してロータ39を回転させることにより、該ロータ39を介してスリーブ40、弁軸ホルダ28、昇降軸35が一体となって回転する。そして、雌ねじ部27と雄ねじ部29の螺合によるねじ送りによって弁体31が下降し、弁体下部31bにより流体通路孔23が絞られ、最終的には弁体上部31aが弁座24に衝接して流体通路孔23が閉じられる。
【0008】流体通路孔23が閉じられた時点では、スリーブ40の可動側ストッパ45が固定側ストッパ55に衝接しておらず、弁体上部31aが流体通路孔23を閉じたまま、弁軸ホルダ28はさらに回転下降する。このとき、弁体31に対する弁軸ホルダ28の下降量は、圧縮コイルばね32が圧縮することにより吸収され、さらに、弁軸ホルダ28を回転下降すると、可動側ストッパ45が固定側ストッパ55に衝接する。これにより、ロータ39に通電励磁が続行されていても、スリーブ40の回転下降運動は強制的に停止され、弁軸ホルダ28の回転も停止する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば、ショーケース、飲料自動販売機、冷蔵庫等に使用されている小型冷凍機には、冷媒の流量が空調機等の冷凍機の流量に比べて1/10程度(3〜4kg/h程度)であるので、該小型冷凍機の冷媒流量制御を行う流量制御弁は、冷媒流量の少ない場合にも膨張を可能にすることが要求される。ここで、上記のような小型冷凍機に従来の流量制御弁100を適用させるには、流体通路孔23の孔径は、従来の開口面積の1/10(0.2mm程度)にしなければならないことになり、実際には穴加工が困難である。本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、流体入口孔から流体通路孔までの流体の移動距離を長くし、小型冷凍機等の低流量流体の制御を可能にする流量制御弁を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、本発明に係る流量制御弁は、弁室に通ずる流体入口孔と流体通路孔とを有する弁本体と、前記弁室内で軸方向に移動可能な弁軸に設けられ前記流体通路孔に出入する弁体と、該弁体の移動を案内するガイドブッシュとを備えた流量制御弁において、前記弁本体は、該弁本体と前記ガイドブッシュとの間に間隙を形成したこと、又は前記流体入口孔は、該流体入口孔に挿通されるブッシュを有し、該流体入口孔と前記ブッシュとの間に間隙を形成したことを特徴としている。
【0011】また、本発明に係る流量制御弁の好ましい具体的な態様としては、前記弁本体と前記ガイドブッシュとの間の間隙は、該ガイドブッシュの外周面に形成された螺旋溝であること、該ガイドブッシュの内周面に形成された螺旋溝であること、又は該ガイドブッシュの前記流体通路孔側の下端面に形成された渦巻き溝であることを特徴としている。さらに、本発明に係る流量制御弁の他の好ましい具体的な態様としては、前記流体入口孔と前記ブッシュとの間の間隙は、該ブッシュの外周面に形成された螺旋溝であることを特徴としている。
【0012】また、前記弁体は、前記流体通路孔と当接する部分のニードル角度を15度から45度にすることによって低流量の流体を制御することを特徴としている。前述の如く構成された本発明に係る流量制御弁は、導管から流入した流体は、流体入口孔で絞られて流量が制限(減圧)され、さらに、螺旋溝、渦巻き溝の間隙による絞り効果で流量が制御(減圧)されるため、前記弁体と前記流体通路孔での従来の細かな絞り調整を効果的に行うことができ、冷凍サイクルにおける冷媒の循環量が少ない場合においても、膨張弁として優れた機能を発揮することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明による流量制御弁の実施の形態について説明する。該実施の形態を説明するに当たって、従来例と同一機能を奏するものは同じ符号を付して説明する。図1は、流量制御弁1の第一実施形態の縦断面図であり、図2は、該流量制御弁1の要部断面図である。
【0014】該流量制御弁1は、ステッピングモータ10と弁本体20と昇降軸35及び弁軸30とを具備しており、前記弁軸30を前記ステッピングモータ10により昇降させ、それに伴って弁軸30の下端に形成された弁体31の弁体下部31Bを前記弁本体20に形成された流体通路孔(オリフィス)23に出入させ、開口面積を可変にさせることにより流量を制御している。
【0015】前記ステッピングモータ10は、前記弁本体20に蓋状部材18を介して連結された逆立有底円筒状のキャン11の外周部に嵌挿されたステータヨーク13と、ボビン14と、このボビン14に巻装されて外部から通電される巻線15と、前記ステータヨーク13、ボビン14及び巻線15の外周を鋳包むモータモールド12と、前記キャン11の内部に配置されてスリーブ40に固定されたボンド磁石からなるロータ39とを備えている。
【0016】前記モータモールド12、ステータヨーク13、ボビン14及び巻線15は、キャン11の外周に一体的に嵌装され、それらは、モータモールド12にビス16で取り付けられた押圧係止具17の球冠状の係止凸部17aを前記キャン11の外周に、例えば90度間隔で4箇所設けられた凹部19のいずれかに嵌合させることにより位置決め及び抜け止めを行っている。
【0017】前記弁本体20は、減圧機構部となる弁室21を有し、該弁室21の左側部には流体入口孔22が開口され、この流体入口孔22には弁室21と連通する導管64が接続されている。弁室21の下部には、弁軸30の上方から下方に向けて先細りとなる弁体31の弁体上部31Aにより開閉(流量制御)される流体通路孔23が開口されるとともに、流体通路孔23を通して弁室21と連通する導管65が接続されている。そして、流体通路孔23の上端は弁座24となっている。
【0018】前記流体入口孔22は、流体の絞り機能を持たせるため、その孔径を前記導管64の内径よりも大きく絞っており、この流体入口孔22で固定絞りを行うことによって、流量を制限している(第一段減圧部)。弁本体20の内部には、後述するガイドブッシュ26Aが固定されており、該ガイドブッシュ26Aは、図3に示すように、固定側ストッパ55を取着するストッパ取着部26Aaと、弁本体20に固定される弁本体固定部26Abと、絞り部26Acとからなり、該絞り部26Acの外周面には、流体入口孔22と向かい合う円周溝54aと、該円周溝54aから絞り部26Acの下端部に通ずる螺旋溝54bとが形成され、前記絞り部26Acの内周面は、弁室21が形成されている。
【0019】導管64を通って流体入口孔22から弁室21側に流入した冷媒は、円周溝54a及び螺旋溝54bを通ることによって、弁室21に至るまでの冷媒の移動距離が長くなり、減圧されて弁室21内に流入される。したがって、このガイドブッシュ26Aの絞り部26Acで固定絞りを行うことによって、流量を制限している(第二段減圧部)。ガイドブッシュ26Aの弁本体固定部26Abの内周面には、雌ねじ部27が形成され、該雌ねじ部27は弁軸ホルダ28の外周に形成された雄ねじ部29と螺合している。弁軸ホルダ28の下部にはカラー34が圧入固定され、該カラー34内には、下端部に前記弁体31を形成する弁軸30が摺動自在に嵌挿され、該弁軸30の上端に形成されたフランジ30aは、このカラー34に係止される。弁軸30は弁軸ホルダ28に縮装された圧縮コイルばね32により常時下方に付勢されている。なお、弁軸30とカラー34との間には流体が通過できるように環状間隙51が設けられている。
【0020】前記弁軸30の上部には、フランジ30aの上端部から弁軸30に至るまで延びる切欠溝56が形成されている。弁室21内の流体は環状間隙51を通って切欠溝56を通過し、さらに、弁軸ホルダ28の孔57からキャン11内に抜け、弁室21とキャン11内とを均圧にしている。前記弁軸ホルダ28の上部には昇降軸35が固着されている。弁軸ホルダ28はロータ39の内側に嵌着されたスリーブ40に固着されている。スリーブ40の上端部とキャン11との間には復帰用コイルばね36が設けられている。
【0021】また、流体通路孔23においては、該流体通路孔23の開口面積が、弁体31の弁体下部31Bの昇降よって絞られることにより流量を制御している(第三段減圧部)。弁体31は、弁軸30の上方から下方に向けて先細りとなるニードル弁であり、上段ニードル部である弁体上部31Aと、下段ニードル部である弁体下部31Bとからなっている。図4は弁体31の断面図等を示したものであり、(a)は、従来の流量制御弁100の弁体形状を示し、(b)は、図1の流量制御弁1の弁体形状を示し、(c)は、開弁時の微細な流量調整が可能な理想の弁体形状を示している。また、図4(d)は、前記(a)〜(c)の弁体形状に基づく開口面積(縦軸)とパルス数(横軸)の関係を示している。
【0022】前記流量制御弁100は、2段のニードル弁であり、前記流量制御弁100の弁体上部31aのニードル角度θ1は、弁体下部31bのニードル角度φに対して約6〜9倍程度の角度(約60°〜90°)となっている。これは、冷媒が前記導管64から前記弁室21内に減圧されずに導入されると、前記弁室21内と前記流体通路孔23との圧力差が大きくなり、弁体上部31aが、低圧力側である流体通路孔23の弁座24に押さえ付けられる力が大きくなってニードル角度θ1が小さいと弁座24からの離脱が困難になることを避けるために、弁体上部31aのニードル角度θ1を弁体下部31bのニードル角度φに比して特に鈍角にしているものである。
【0023】前記流量制御弁100の開口面積とパルス数の関係については、(d)に示すように、開弁時には、弁体上部31aによって開口面積が、励磁に伴って急激に増加し(直線s−t1)、弁体上部31aが弁座24から離れた後には、弁体下部31bによって開口面積が、緩やかに増加する(直線t1−u1)ように作動する。これに対して、本実施形態の流量制御弁1も2段のニードル弁であるが、弁体上部31Aのニードル角度θ2を弁体下部31Bのニードル角度φに比して特に鈍角にする必要がなく、本実施形態の弁体上部31Aのニードル角度θ2は、弁体下部31Bのニードル角度φに対して約1.5〜4.5倍程度の角度(約15°〜45°)になっている。
【0024】また、この場合の開口面積とパルス数の関係については、(d)に示すように、開弁時には、弁体上部31Aによって開口面積が、励磁に伴ってやや緩やかに増加し(直線s−t2)、弁体上部31Aが弁座24から離れた後には、弁体下部31Bによって開口面積が、緩やかに増加する(直線t2−u2)ように作動する。これは、前述のように、第一段減圧、第二段減圧によって前記弁室21内と前記流体通路孔23との圧力差を小さくすることによって可能となるものである。
【0025】したがって、弁体上部から冷媒の影響を受ける開弁時には、(a)の弁体形状に対して(b)の弁体形状の方が、流量の微細な調整をすることができる。ここで、(c)に示すように、弁体形状をニードル角度φの下段ニードル部のみの形状にする場合には、該弁体形状の開口面積とパルス数の関係は、開口面積が緩やかに増加し(直線s−u3)、開弁時から流量の微細な調整をすることができるが、該弁体形状では、くさび効果によって、弁体が低圧力側である流体通路孔23の弁座24に食い付いてしまうので、この形状を採用するのには好ましくない。
【0026】流体通路孔23を閉じる場合は、巻線15を一方向に通電励磁してロータ39を回転させることにより、該ロータ39を介してスリーブ40、弁軸ホルダ28、昇降軸35が一体的に回転する。これにより、雌ねじ部27と雄ねじ部29の螺合によるねじ送りにより弁軸30が下降し、弁体下部31Bにより流体通路孔23が絞られ、最終的には弁体上部31Aが弁座24に衝接して流体通路孔23が閉じられる。
【0027】流体通路孔23が閉じられた時点では、可動側ストッパ45は固定側ストッパ55に衝接しておらず、弁体上部31Aが流体通路孔23を閉じたまま、弁軸ホルダ28はさらに回転下降する。このとき、弁体31に対する弁軸ホルダ28の下降量は、圧縮コイルばね32が圧縮することにより吸収され、さらに、弁軸ホルダ28を回転下降させると、可動側ストッパ45が固定側ストッパ55に衝接する。これにより、ロータ39に通電励磁が続行されていても、スリーブ40の回転下降運動は強制的に停止され、弁軸ホルダ28の回転も停止する。
【0028】流体通路孔23を開くときは、巻線15を他方向に通電励磁し、ロータ39、スリーブ40、弁軸ホルダ28を逆回転させることにより、雌ねじ部27と雄ねじ部29との螺合によるねじ送りにより弁軸30を上昇させ、流体通路孔23から弁体下部31Bが徐々に離れて流量が増大する。図5は、流量制御弁1の第二実施形態を示している。該流量制御弁については、図1に示される流量制御弁の各部に対応する部分には同一の符号を付して重複説明を省略し、相違点を重点的に説明する。前記流体入口孔22は、流体の絞り機能を持たせるため、その孔径を前記導管64の内径よりも大きく絞っており、この流体入口孔22で固定絞りを行うことによって、流量を制限している(第一段減圧部)。
【0029】弁本体20の内部には、流体通路孔23側から弁軸30の移動方向に延びる環状筒部20aが形成され、前記弁本体20の内周面と前記環状筒部20aの外周面との間にガイドブッシュ26Bが嵌合されており、前記環状筒部20aの内周面側が弁室21を形成している。ガイドブッシュ26Bは、図6に示すように、固定側ストッパ55を取着するストッパ取着部26Baと、弁本体20に固定される弁本体固定部26Bbと、絞り部26Bcとからなり、該絞り部26Bcの外周面には、流体入口孔22と向かい合う円周溝54aと、該円周溝54aから絞り部26Bcの下端部に通ずる螺旋溝54bとが形成されるとともに、前記絞り部26Bcの内周面には、該絞り部26Bcの下端から上方に向かう螺旋溝54cが形成されている。
【0030】導管64を通って流体入口孔22から弁室21側に流入した冷媒は、円周溝54a及び螺旋溝54bを通り、さらに、螺旋溝54cを通ることによって、弁室21に至るまでの冷媒の移動距離が長くなり、減圧されて弁室21内に流入される。したがって、このガイドブッシュ26Bの絞り部26Bcで固定絞りを行うことによって、流量を制限している(第二段減圧部)。また、流体通路孔23においては、該流体通路孔23の開口面積が、弁体31の弁体下部31Bの昇降よって絞られることにより流量を制御している(第三段減圧部)。
【0031】図7は、流量制御弁1の第三実施形態を示している。該流量制御弁については、図1に示される流量制御弁の各部に対応する部分には同一の符号を付して重複説明を省略し、相違点を重点的に説明する。前記流体入口孔22は、固定絞りを行って流量を制限している(第一段減圧部)。弁本体20の内部は、弁室21の上方には主ガイドブッシュ26が固定されているとともに、流体通路孔23側に副ガイドブッシュ26Cが固定されている。
【0032】主ガイドブッシュ26は、前記従来技術と同じものであり、その内周面には雌ねじ部27が形成され、該雌ねじ部27は弁軸ホルダ28の外周に形成された雄ねじ部29と螺合し、弁軸ホルダ28の下部にはカラー34が圧入固定され、該カラー34内には、下端部に前記弁体31を形成する弁軸30が摺動自在に嵌挿されている。一方、弁本体20の内部の流体通路孔23側に固定された副ガイドブッシュ26Cは、図8に示すように、弁軸30を遊挿する略円筒形をしており、外周面には縮径段部54dが形成され、内周面側が弁室21を形成している。そして、副ガイドブッシュ26Cの流体通路孔23側の下端面には、渦巻き溝54eが形成されており、該渦巻き溝54eを介して前記外周面の縮径段部54dと前記弁室21とが連通されている。
【0033】導管64を通って流体入口孔22から弁室21側に流入した冷媒は、縮径段部54dを通って下方に進み、渦巻き溝54eを通って前記外周面側から前記内周面の弁室21内に流入されるので、弁室21に至るまでの冷媒の移動距離が長くなり、減圧される。したがって、この副ガイドブッシュ26Cで固定絞りを行うことによって、流量を制限している(第二段減圧部)。また、流体通路孔23においては、該流体通路孔23の開口面積が、弁体31の弁体下部31Bの昇降よって絞られることにより流量を制御している(第三段減圧部)。
【0034】図9は、流量制御弁1の第四実施形態を示している。該流量制御弁についても、図1に示される流量制御弁の各部に対応する部分には同一の符号を付して重複説明を省略し、相違点を重点的に説明する。弁本体20は、減圧機構部となる弁室21Aと補助弁室21Bとを有し、前記弁室21Aの左側部には流体入口孔22Aが開口され、この流体入口孔22Aには弁室21Aと連通する導管64が接続されている。前記流体入口孔22Aの孔径は、前記導管64の内径よりも若干縮径されている。前記流体入口孔22Aには、該流体入口孔22Aの内径と略等しい略円柱形のブッシュ33が挿入固定されており、該ブッシュ33の外周面には導管64から弁室21Aに通ずる螺旋溝54fが形成されている(図10)。
【0035】導管64を通った冷媒は、流体入口孔22A内に固定されるブッシュ33の螺旋溝54fを通ることによって、冷媒の移動距離が長くなり、減圧されて弁室21A内に流入される。このブッシュ33で固定絞りを行うことによって、流量を制限している。また、流体通路孔23においては、該流体通路孔23の開口面積が、弁体31の下部31Bの昇降よって絞られることにより流量を制御している。
【0036】以上のように、本発明の前記したいくつかの実施形態は、上記の構成としたことによって次の機能を奏するものである。例えば、前記第一実施形態においては、弁本体20の内部に固定されたガイドブッシュ26Aは、固定側ストッパ55を取着するストッパ取着部26Aaと、弁本体20に固定される弁本体固定部26Abと、絞り部26Acとからなり、該絞り部26Acの外周面は、流体入口孔22と向かい合う円周溝54aと、該円周溝54aから絞り部26Acの下端部に通ずる螺旋溝54bとが形成されているので、導管64を通って流体入口孔22から弁室21側に流入した冷媒は、円周溝54a及び螺旋溝54bを通ることによって、弁室21に至るまでの冷媒の移動距離が長くなり、流量を制限することができる。
【0037】なお、前記螺旋溝54b等は、ねじ加工、ウォーム加工等の一般的な加工によって刻設することができ、さらに、ピッチ、溝形状等を変更することにより前記減圧効果を調整することができる。また、前記第二実施形態においては、弁本体20の内周面と環状筒部20aの外周面との間に固定されたガイドブッシュ26Bは、前記第一実施形態のガイドブッシュ26Aにおける円周溝54a及び螺旋溝54bのほか、前記絞り部の内周面にも該絞り部の下端部から上方に向かう螺旋溝54cが形成されているので、導管64を通って流体入口孔22から弁室21側に流入した冷媒は、円周溝54a及び螺旋溝54bを通り、さらに、螺旋溝54cを通ることによって、弁室21に至るまでの冷媒の移動距離がより長くなり、流量制御弁の全長を変えることなく、流量を制限することができる。
【0038】さらに、前記第三実施形態のように、弁本体20の内部の流体通路孔23側に固定された副ガイドブッシュ26Cは、外周面に縮径段部54dを設け、流体通路孔23側の下端面は、渦巻き溝54eが形成されているので、導管64を通って流体入口孔22から弁室21側に流入した冷媒は、縮径段部54dを通って下方に進み、渦巻き溝54eを通ることによって、弁室21に至るまでの冷媒の移動距離が長くなり、流量を制限することができる。この場合には、従来の流量制御弁に副ガイドブッシュ26Cを用いることができる。
【0039】また、前記第四実施形態のように、流体入口孔22Aに固定されたブッシュ33は、外周面に螺旋溝54fが形成されているので、導管64を通った冷媒は、流体入口孔22A内に固定されるブッシュ33の螺旋溝54fを通ることによって、弁室21Aに至るまでの冷媒の移動距離が長くなり、流量を制限することができる。そして、前記のように、弁室に至るまでの冷媒の流量を制限し、減圧できた結果、弁座24と当接する弁体上部31Aのニードル角度を小さくすることができ、より細かな流量調整をすることができる。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発明に係る流量制御弁は、流体を流体入口孔で絞って減圧し、さらに、間隙を設けて減圧した後に弁室側に送られるようにしたので、冷媒流量が空調機の冷凍機に比べて少ない小型冷凍機等であっても、膨張弁として機能させることができる。また、従来の流量制御弁の外形及び主要機構部分を変更することがないので、小型冷凍機に適用できる流量制御弁を安価に製造できる。
【出願人】 【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
【出願日】 平成10年12月25日(1998.12.25)
【代理人】 【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
【公開番号】 特開2000−193101(P2000−193101A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−369586