| 【発明の名称】 |
液体定量吐出バルブ |
| 【発明者】 |
【氏名】生島 和正
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| 【要約】 |
【課題】ニードル弁体の進退による液体の定量吐出に当って、ニードル弁体の移動に起因する液室内の圧力変動を相殺して、高精度で安定した液体吐出および吐出停止を行うこと。
【解決手段】吐出口を閉止開放するニードル弁体の進退移動に同期して、その弁体の移動によって生じる液室内の圧力変動を相殺するような方向に、液室の体積を変化させる圧力補償手段とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液体貯留容器に連通する入口孔と、その入口孔から導入された液体を収容する液室と、その液室の液体が吐出されるべき出口孔とを有して形成されたバルブ本体と、液室内において第1位置と第2位置との間で移動可能に設けられたニードル状の弁体と、その弁体の第1位置において弁体の先端を受けて上記出口孔が閉鎖されるように形成された弁座と、上記弁体の移動によって生じる液室内の液圧の変動を相殺するように、上記弁体の移動に同期して液室の体積を変化させる圧力補償手段とを備える液体定量吐出バルブ。 【請求項2】 上記バルブ本体はシリンダーの形態に構成され、弁体の後端はシリンダーのピストンに連結され、上記圧力補償手段は上記ピストンと独立に設けられ、その一部が上記液室内に臨んで配設された圧力補償ピストンからなり、上記液室内の液圧の変動は、上記ピストンの移動方向と反対の方向への上記圧力補償ピストンの移動によって相殺されるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の液体定量吐出バルブ。 【請求項3】 上記弁体の第1位置から第2位置までのストローク長を調整するための手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体定量吐出バルブ。 【請求項4】 上記弁体は、バルブ本体の外側に配設した第1の電磁駆動手段によって駆動され、上記圧力補償手段は、一端を液室内に臨ませたアクチュエータから構成され、そのアクチュエータの他端はバルブ本体の外側に配設した第2の電磁駆動手段に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液体定量吐出バルブ。 【請求項5】 上記第1および第2電磁駆動手段のそれぞれは、モータおよびその回転を直線運動に変換する機構から構成されることを特徴とする請求項4に記載の液体定量吐出バルブ。 【請求項6】 上記第1電磁駆動手段は、弁体の後端に接続された第1のプランジャーと、その第1のプランジャーを駆動させる第1の磁気コイルとから構成されると共に、上記第2電磁駆動手段は、アクチュエータの一端に接続される第2のプランジャーと、その第2のプランジャーを磁気的に駆動させる第2の磁気コイルとから構成されることを特徴とする請求項4に記載に液体定量吐出バルブ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、粘性流体、粘稠物質等をも含む液体の定量吐出装置に用いられるのに好適な吐出バルブに関するものである。 【0002】 【従来の技術】液体定量吐出装置は、たとえば半導体製造工程において、ペースト等の電子材料を基板上に規則的にまたは不規則にポイント塗布、線状塗布等するに当って使用されている。このような液体定量吐出装置において、液体貯留容器からピストンのような加圧手段によって押し出される液体は、吐出バルブの開閉量および開閉時間等によってその吐出量が制御されるようになっている。このような吐出バルブには各種タイプのものがあり、吐出されるべき液体の種類や単位時間当たりに吐出されるべき液体の量等によって適切な吐出バルブが使い分けされている。特に、ニードルバルブと呼ばれる吐出バルブは、液室内に移動可能に設けられた鋭角な先端を有するニードル弁体と、ニードル弁体の先端部を受けるように設けられ、吐出口に通じる小さな開口を中央部に形成した弁座とを含み、ニードル弁体の先端が弁座中央部の開口を塞ぐことによって液体吐出を停止させ、開口から離れることによって液体吐出を行うように構成されているため、ニードル弁体の微小なストローク調整に対する弁座開口の有効断面積の変化が少ないという特性を有しており、その特性のゆえに、液体の微量吐出に好適であるとされている。このようなニードルバルブは、本出願人によって出願された、「液体定量吐出装置」を表題とする特願平10-309179 号(出願日:平成10年10月29日)に開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかるに、このようなニードルバルブを用いて液体定量吐出を行う際には、液体吐出口に連通する開口を有して形成されている液体室内に占めるニードル弁体の割合が変化する、すなわち、液室内でのニードル弁体の占有体積の変化が起こるので、これによって液室内の液圧の変化が起こり、その結果、吐出される液体の吐出速度 (吐出量) が微妙に変化してしまうという問題がある。このようなニードル弁体の占有体積は、バルブ開放時には最小であるが、開放時から閉鎖時に向かう際には次第に増加し、閉鎖時には最大となり、液体の吐出量に影響を与えることになる。特に、吐出量が微量かつ一定であることが要求されている場合には、小さな体積変化でも吐出量の変動要素として大きく作用することになる。 【0004】本発明の主たる目的は、上記ニードルバルブが抱える問題点を解消することにあり、液体の微小吐出を高精度でしかも安定的に行うと共にその吐出停止をすばやく行うことができる液体定量吐出バルブを提供することにある。本発明の他の目的は、液体の吐出口を開閉させるニードル弁体の移動に伴う液室内の液圧の変化を相殺するように、液室の体積を増減させる圧力補償手段を備えた液体定量吐出バルブを提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の液体定量吐出バルブは、液体貯留容器に連通する入口孔と、その入口孔から導入された液体を収容する液室と、その液室の液体が吐出されるべき出口孔とを有して形成されたバルブ本体と、液室内において第1位置と第2位置との間で移動可能に設けられたニードル状の弁体と、その弁体の第1位置において弁体の先端を受けて上記出口孔が閉鎖されるように形成された弁座と、上記弁体の移動に伴う液室内の液圧の変動を相殺するように、上記弁体の移動に同期して、液室の体積を変化させる圧力補償手段とを備えることを特徴とする。 【0006】このような液体定量吐出バルブにおけるニードル状の弁体は、第1位置と第2位置との間の移動によって液体の吐出量を制御するように構成されるが、この移動によって生じる液室内における弁体の占有体積の変化、すなわち液圧の変化が圧力補償手段の作動によって同時に相殺されるので、液室内の液圧は常に所定の値に保持され、バルブ作動中の吐出流速を一定に保持することができる。特に、小さな寸法および体積のニードル弁体の移動による微小な液圧の変動を有効に吸収することができるので、液体吐出を高精度でかつ安定的に行うことができる。 【0007】本発明の液体定量吐出バルブは、そのバルブ本体をシリンダーの形態に構成することができ、そのような形態においては、ニードル弁体の後端は、シリンダー内のピストンに連結され、圧力補償手段は、上記ピストンと独立に設けられその一部が上記液室内に臨んで配設された圧力補償ピストンからなり、上記ピストンの移動によって生じる液室内における弁体の占有体積の変化は、上記圧力補償ピストンを上記ピストンの移動方向と反対の方向へ移動させることによって相殺されるように構成される。 【0008】このような構成によれば、圧力補償ピストンがシリンダーのピストンの進退変位と同時に作動し、圧力補償ピストンの液室内に臨ませた一端が液室内に占める体積がピストンの進退変位に伴って変化するので、吐出口およびその近傍部分の圧力変動に、より簡単かつ迅速に、しかも的確に対処することができる。たとえば、バルブが開放作動するときは、吐出口近傍部分に占めるニードル弁体の体積が減少し、逆に、バルブを閉止作動させるときはニードル弁体の占有体積が増加することになるので、前者の場合には、圧力補償ピストンを進出変位させて、その一端が液室内に進出させることで、吐出近傍部分の液圧の低下を防止することができ、また後者の場合には、その圧力補償ピストンを後退変位させて、その一端を液室から後退させることで、液圧の増加を防止することができる。 【0009】本発明においては、ニードル弁体の第1位置から第2位置までのストローク長を調整するための手段が設けられるのが好ましく、弁体のストローク長の調整によって液体の吐出流速を所望の値に設定することができる。さらに、ニードル弁体の移動および圧力補償手段を形成するアクチュエータの駆動は、それぞれ電磁駆動手段によって行うように構成することもできる。このような場合には、ニードル弁体の後端は、バルブ本体の外側に配設した第1の電磁駆動手段に接続され、上記アクチュエータは、バルブ本体の外側に配設した第2の電磁駆動手段に接続される。 【0010】上記第1および第2電磁駆動手段のそれぞれは、ステップモータおよびその回転を直線運動に変換する機構とから構成することができる。また、上記第1電磁駆動手段は、弁体の後端に接続された第1のプランジャーと、その第1のプランジャーを駆動させる第1の磁気コイルとから構成すると共に、上記第2電磁駆動手段は、アクチュエータの一端に接続される第2のプランジャーと、その第2のプランジャーを磁気的に駆動させる第2の磁気コイルとから構成することもできる。このように構成された吐出バルブは、液室内の弁座近傍に圧力センサーを配置して液圧を検出し、この検出結果に基づいて、第1電磁駆動手段と第2電磁駆動手段の駆動方向および駆動時間をそれぞれ制御するように構成することもできる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の液体定量吐出バルブの実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施形態を示す断面図であり、図中10は吐出バルブとしてのニードルバルブの全体を示す。このニードルバルブは複動型のエアシリンダー12の形態に構成されたバルブ本体を有し、このバルブ本体内には、液体貯留容器 (図示を省略する) に連通する入口孔、すなわち液体導入口14を介して液室16に導入される加圧液体を吐出口18から定量的に排出させるためのニードル弁体20が配設されている。このニードル弁体20は、エアシリンダー10内のピストン24によって昇降されるように構成され、ニードル状の先端が弁座22中央部の開口に接触して液体の吐出を停止させている第1の位置と、第1の位置から上方に向かって所定の距離だけ離れた位置であって、吐出口から排出される液体の最大吐出量を与えるような第2位置との間でスムーズに移動できるようになっている。 【0012】すなわち、ニードル弁体20の後端はピストン24に接続され、その先端は弁座22の中央部に形成した吐出口18に通じる開口に向けて配置されている。このようなニードル弁体20を移動させるピストン24は、バルブ本体に設けた空気室30内にスライド可能に配設され、ポートa1から圧縮空気を供給することによってニードル弁体20を降下させ、ポートa2から圧縮空気を供給することによってニードル弁体20を上昇させるように構成される。 【0013】また、隔壁25によって空気室30と区画されると共に隔壁27によって液室16と区画される他の空気室32には、ピストン24と独立に他のピストン26(以下、圧力補償ピストン)がスライド可能に配設されている。この圧力補償ピストン26は、その中央部においては、ピストン24に固定されたニードル弁体20が挿通され、ニードル弁体20のスムーズな移動を妨げないように構成される。圧力補償ピストン26は、隔壁27に設けた開口を通過して液室16内へ突出する突出部26aを有しており、空気室32に設けたポートb1から圧縮空気を供給することによって上昇され、ポートb2から圧縮空気を供給することによって下降されるように構成される。 【0014】このような圧力補償ピストン26は、その突出部26aがニードル弁体20の移動に際して、液室内で生じるニードル弁体20の占有体積の変化を相殺するように突出量が調整される。すなわち、ニードル弁体20が図1に示されるような第1位置を離れて、第2位置に向かう場合には、液室16内に占めるニードル弁体20の体積が減小して液室16の液圧が上昇するので、その圧力上昇を相殺するために、圧力補償ピストン26を下降させて突出量を増加させ、一方、ニードル弁体20が第2位置から第1位置に向かう場合には、液室16内に占めるニードル弁体20の体積が増加して液室16の液圧が降下するので、その圧力降下を相殺するために、圧力補償ピストン26を上昇させて突出量を減少させるように構成される。 【0015】上記ピストン24の移動およびその移動に同期した圧力補償ピストン26の移動は、エアコンプレッサ34から供給される圧縮空気を電磁切換弁36によって流路XおよびYを相互に切換えることで行われる。流路Xはピストン24側の空気室30のポートa1と圧力補償ピストン26側の空気室32のポートb1に接続され、一方、流路Yはピストン24側の空気室30のポートa2と圧力補償ピストン26側の空気室32のポートb2に接続されるように構成する。 【0016】上記の如く構成された本発明の液体定量吐出バルブは、ニードル弁体20の作動と圧力補償ピストンの作動とを同期して行なうことができるので、吐出流速を常に一定に保つことができる。特に、閉鎖状態にあるニードル弁体20が開放される際に、液室内の圧力低下による現象、たとえば液体に大気が混入したり、吐出口から液室方向へ液体が戻ってしまうといった不都合を解消できるので、ニードル弁体20を作動させた直後から一定の吐出流速での液体吐出を行うことができると共にすばやく液体吐出を停止することができる。 【0017】なお、ピストン24の外周面と空気室30の側壁面との間、ニードル弁体20と隔壁25との間、圧力補償ピストン26の外周面と空気室32の側壁面との間、突出部27の外周面と隔壁27との間、およびニードル弁体20と圧力補償ピストン26の挿通孔との間の各シーリングはOリングによって行われる。 【0018】図2は本発明の第2の実施形態を示す断面図であり、第1の実施態様と同一または類似の部分は同一の符号で示される。この実施態様は、ピストン24と圧力補償ピストン26のそれぞれについて、ストローク長を調整する手段を設けた例を示す。ニードルバルブ本体12の上部から空気室30内にねじ込まれた雄ねじ44は、ピストン24の変位量、すなわちニードル弁体20の第1位置から第2位置までのストローク長を調整するためのものである。ねじ44を所定の距離だけねじ込むことによって、ニードル弁体20の第2位置をより下方にシフトさせることができ、したがって、ニードルバルブの開度を所望の値に調整することができる。 【0019】また、空気室30と空気室32とを区画する隔壁25の外側から空気室32内にねじ込まれた雄ねじ46は、同じく圧力補償ピストン26の変位量を調整するためのものであり、このような調整は、上記ピストン24の変位量の調整に伴って行われることが望ましい。たとえば、ねじ44の先端を空気室30内に突出させてニードル弁体20のストロークを小さくした場合 (開度を小さくした) には、ニードル弁体20の液室16内で占める体積の増減幅も小さくなるので、そのような増減幅に見合った圧力補償ピストン26のストローク長の調整が必要となるからである。 【0020】上記のようなストローク長を調整する手段としての、雄ねじ44および46にマイクロメータを取り付けると、各ピストンのストローク量を手動でしかも定量的に調整することができる。上述した第1および第2の実施態様においては、圧力補償手段としてピストンを用いたが、これに限定されるべきでなく、ニードル弁体20の移動に伴う液室16内における占有体積の変化を相殺するように、弁体の移動に同期して液室の体積を変化させることができる手段、たとえば、ダイアフラムやベローズで構成してもよい。 【0021】図3は本発明の第1の実施態様にかかるニードルバルブを液体定量吐出システムに適用した場合のシステム概略図である。図において、符号1は液体貯留容器を示し、ここでは、たとえば合成樹脂材料製とすることができるシリンジ3と、このシリンジ3に外接してそれを保持するホルダ4とからなり、ホルダ4は、シリンジ3の着脱を可能ならしめている。 【0022】このような液体貯留容器1内の液体を所要の圧力に加る加圧手段5は、エアシリンダ6にて構成してなり、それのピストンロッド7の先端に、好ましくはシリンジ3に気密に内接してそこへ進入するプランジャ8を取付ける。このような液体貯留容器1は、液体流路9を介して、ニードルバルブのバルブ本体に接続される。図4においては、バルブ本体の内部構造は省略しているが、ここでは第1の実施態様で説明したようなニードルバルブが採用される。流路9はバルブ本体12に形成された液体導入口14に接続され、液室16は弁座22の中央部に形成した開口を介して吐出口18に至っている。この液室16内で進退変位して吐出口18を開閉するニードル弁体20は、エアシリンダ10によって作動されるように構成され、ニードル弁体20の先端は弁座22の中央開口に向けて配置されると共にその後端はシリンダ10のピストン24に連結されている。さらに、液室16とピストン24との間に、ピストン24から独立した液体圧力補償ピストン26が配設されている。この圧力補償ピストン26は、ピストン24の空気室32へ加圧空気を供給してそれを進出変位させた場合には、液室16の容積を低減すべく、そして、液室16側の空気室27へ加圧空気を供給してそれを後退変位させた場合には、液室16の容積を増加させるべく機能する。 【0023】従って、吐出口18の近傍部分の液体圧力が、所定値より低い場合には、その圧力補償ピストン26を幾分進出変位させることにより、また、所定値より高い場合には、圧力補償ピストン26を幾分後退変位させることにより所期した通りの液圧を実現することが可能となる。さらにここでは、液体貯留容器1を加圧するエアシリンダ6およびニードル弁体20を進退させる複動型のエアシリンダ10を、それぞれの電磁切換弁52,36に接続するとともに、これらの電磁切換弁52, 36を、予め入力された時間信号に基づいて作動コントロールする制御手段54に接続し、また、エアシリンダ6への加圧空気の供給を司る一方の電磁切換弁52を、たとえば手動減圧弁56を介して加圧空気供給源33に、そして、他方の電磁切換弁36を加圧空気供給源34に直接的に、それぞれ接続する。 【0024】このように構成してなる定量吐出装置では、液体の定量吐出に当たり、制御手段54からそれぞれの電磁切換弁52, 36に信号を出力して、エアシリンダ6に、手動減圧弁56によって設定された空気圧力を供給して、プランジャ8を所要の力で圧下すると共に、それとタイミングを合わせて、エアシリンダー10の入力ポートa2およびb2に、予め設定された空気圧力を供給して、ピストン24を上昇させてニードル弁体20を第1位置から第2位置まで上昇させ、かつそのニードル弁体20が液室16内で占める体積の減少分を相殺するように圧力補償ピストン26を下降させることによって、所要の圧力に加圧された液体を、吐出口18から、それの開口面積との関連で特定される一定時間吐出させることができるので、液体の定量吐出をタイムラグなしに高い精度で行うことができる。 【0025】この一方で、定量吐出の終了に当たっては、制御手段54から電磁切換弁52, 36への吐出終了信号に基づいて、エアシリンダ6への加圧空気の供給を停止すると同時に、エアシリンダー10のポートa1およびb1に加圧空気を供給して、ピストン24を下降させてニードル弁体20を第2位置から第1位置まで下降させ、かつニードル弁体20が液室16内で占める体積の増加分を相殺するように圧力補償ピストン26を上昇させることによって、吐出口18をニードル弁体20をもって機械的に確実に閉止する。従って、吐出口18からの液体の流出は、ニードルバルブ10の閉止をもって完全に停止されることになり、ニードルバルブ10の閉鎖中の液洩れのおそれは十分に除去されることになる。 【0026】なお、この場合、ニードルバルブ10を構成する、小さな寸法および体積のニードル弁体20は、液体圧力の大小にかかわらず、常に円滑に、かつ迅速に後退および進出して吐出口18の開閉を行うので、ニードルバルブ10の開閉の確実性と併せて、すぐれた応答性を実現することができる。 【0027】上述したようなニードルバルブを用いた液体定量吐出装置においては、液体の吐出の開始に伴うニードル弁体20の後退変位によって、そのニードル弁体20の液室16内に占める体積が減少することに起因する液圧低下に対しては、圧力補償ピストン26を進出させ、逆に、ニードル弁体20の進出変位によって吐出を停止するときの占有体積の増加に対しては、そのピストン26を後退させることで、微妙な圧力変動を有効に吸収することができる。 【0028】図4は本発明の第3の実施態様を示す断面図である。この実施態様においては、液室16内でのニードル弁体20の第1位置と第2位置との間の移動は、モータ駆動によって行われ、ニードル弁体20の後端は、モータ42の回転を直線運動に変換する機構44に接続される。さらに圧力補償手段としては、モータ駆動されるアクチュエータ46により構成され、アクチュエータ46の一端を液室16内に臨ませ、他端をモータ48の回転を直線運動に変換する機構50に接続してなる。ニードル弁体20およびアクチュエータ46とバルブ本体12との間のシーリングはOリングによって行われている。 【0029】このようなモータ駆動によるニードル弁体20の昇降(進退)およびアクチュエータ46の液室16内への進退動作は、制御装置37によって制御される。ニードル弁体20の第1位置から第2位置までの移動 (液体の吐出) に際しては、ニードル弁体20の液室16内に占める体積の減少分を相殺すべく、アクチュエータ46が液室16内に進入し、反対に、ニードル弁体20の第2位置から第1位置までの移動 (液体の吐出停止) に際しては、ニードル弁体20の液室16内に占める体積の増加分を相殺すべく、アクチュエータ46が液室16内から後退するように、それぞれのモータ42および48が同期して駆動される。 【0030】図5は本発明の第4の実施態様を示す概略的断面図である。この実施態様においては、液室16内でのニードル弁体20の第1位置と第2位置との間の移動は、電磁駆動装置59によって行われる。この電磁駆動装置59は、ニードル弁体20の後端に接続されたプランジャー60を磁気駆動するための磁気コイル62と、磁気コイル62により発生される磁界の安定化のための固定コア64とを備える。プランジャー60は、その下端および上端においてそれぞれコイルスプリング66、68よって支持され、図示した状態では、コイルスプリング66はプランジャー60を押し上げ、コイルスプリング68は押し下げており、全体としては、プランジャー60に連結されたニードル弁体20が吐出口18を閉じるように構成されている。すなわち、このようなプランジャー60は、常態では、コイルスプリング68による優勢なばね力の作用で下方に押し下げられている。この状態からプランジャー60を上方に移動させて、吐出口18を開放するには、前記ばね力に抗して移動できるような電流を、制御装置80から磁気コイル62に対して供給することにより行われる。また、このような電流の供給を停止した際には、プランジャー60はコイルスプリング68のばね力によって押し下げられるので、吐出口18は即座に閉鎖される。 【0031】一方、上記ニードル弁体20の移動に伴う液室16の体積変化を相殺するための圧力補償手段は、電磁駆動装置69によって進退されるアクチュエータ70から構成される。この電磁駆動装置69は、アクチュエータ70と一体的に形成されたプランジャー71と、このプランジャー71を磁気駆動するための磁気コイル72と、磁気コイル72により発生される磁界の安定化のための固定コア74とを備える。 【0032】電磁駆動装置69の作動は、制御装置80から磁気コイル72に所定の電流を供給することによって行なわれ、プランジャー71は電流の供給を受けた磁気コイル72が発生する磁場との相互作用で左方または右方に移動されるように構成される。このプランジャー71は、その両端において板ばね76およびコイルスプリング78によってそれぞれ支持されている。図示した状態では、板ばね76はプランジャー71を右方に押し、スプリングコイル78は左方に押しているが、板ばね76の優勢なばね力によってプランジャー71は右方に付勢されており、アクチュエータ70の先端が液室16内に若干突出するように配設されている。 【0033】このような状態から、ニードル弁体20を液室16内で上方に移動させる際には、制御装置80から電磁駆動装置59に所定の電流が供給されて、磁気コイル62が励磁されると共に、それに同期して、電磁駆動装置69にも所定の電流が供給されて、磁気コイル72が励磁される。制御装置80から磁気コイル62に供給される電流は、ニードル弁体20を第1位置から第2位置までの距離だけ移動させるような値に予め設定され、同様に、磁気コイル72に供給される電流は、液室16内においてニードル弁体20が占める体積の減少分を相殺するような距離だけ、アクチュエータ70を移動させるような値に予め設定されているので、ニードル弁体20の上方移動による液室16内の圧力変動は、アクチュエータ70の液室16内への進入により相殺されることになる。 【0034】このような電流の供給を停止した際には、ニードル弁体20は、コイルスプリング68のばね力によって、第2位置から第1位置まですばやく押し下げられると同時に、プランジャー71は、板ばね76のばね力によって、元の位置に向かって右方にすばやく移動される。このようなニードル弁体20の下方への移動に際しても、プランジャー71によって液室16内の圧力変動が相殺されるので、液室16内の圧力は常に一定に保たれる。したがって、バルブが開放の状態から閉止の状態に移る際に、従来のようにペースト等の液体吐出速度が増加することがないので、均一幅の線描画塗布に好適である。 【0035】以上説明したようなニードルバルブを液体定量吐出装置に適用する場合には、液体の塗布対象物としてのワークが、液体の吐出タイミング等との関連の下で適宜に変位する場合には、吐出バルブとしてのニードルバルブの位置を固定して使用に供することができる。 【0036】しかるに、ワークが特定位置に位置決め固定されるものであるときは、ニードルバルブを所要の位置および方向へ移動させることが必要となる。かかる場合には、たとえば、ニードルバルブ2を直角座標型の三次元マニピュレータに取付け、このマニピュレータを、上述した制御装置からの信号に基いて位置信号を出力するコントローラによって作動させることで、ニードルバルブの吐出口18を三次元座標系の所要の位置にもたらすことができ、コンベアにてタクト搬送等されるワークに用いて、すぐれた塗布効率をもたらすことができる。 【0037】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、液体の吐出口を開閉させるニードルバルブ弁体の移動に際して、圧力補償手段がニードル弁体の移動によって生じる液圧の変動を相殺する如く液室の体積を増減させるので、液体の微小吐出を高精度でしかも安定的に行うことができる。特に、従来のような、液体吐出時の液室の圧力低下による現象、たとえば液体に大気が混入したり、吐出口から液室方向へ液体が戻ってしまうといった不都合が解消され、ニードル弁体を作動させた直後から一定の吐出流速での液体吐出を行うことができると共にすばやく液体吐出を停止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390026387 【氏名又は名称】武蔵エンジニアリング株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月28日(1998.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080687 【弁理士】 【氏名又は名称】小川 順三 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−193100(P2000−193100A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−373641 |
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