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【発明の名称】 流量制御システムおよびゲート弁装置
【発明者】 【氏名】浜田 寿雄

【氏名】立花 恒昭

【要約】 【課題】設備コストを抑えることができるとともに、動作信頼性向上の可能な流量制御システム、および該流量制御システムに採用して好適なゲート弁装置を提供する。

【解決手段】本発明の流量制御システムは、100立米/時間以上の容量を有するゲート弁装置を複数台具備し、これらを各々共通の駆動源から供給される圧力エアーによって駆動するよう構成する。ゲート弁装置は、弁箱および弁体を備えたゲート弁と、弁体を開閉動作させるエアアクチュエータ1Bとを具備し、エアアクチュエータ1Bは、第1圧力出入口11A、第2圧力出入口11B、第3圧力出入口11C、および呼吸口11Dを有するシリンダケース10と、第1ピストン20および第2ピストン30と、封止手段としてのOリング31とを具備し、全開から所定開度までの間より、所定開度から全閉までの間において弁体を低速で移動させるよう構成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エアアクチュエータによって弁体を駆動するとともに、100(立米/時間)以上の容量を有するゲート弁装置を複数台具備し、これら複数台のゲート弁装置を、各々共通の駆動源から供給される圧力エアーによって駆動するよう構成したことを特徴とする流量制御システム。
【請求項2】 上記ゲート弁装置は、全開から所定開度までの間より、所定開度から全閉までの間において上記弁体を低速で移動させる機構を備えて成ることを特徴とする請求項1記載の流量制御システム。
【請求項3】 上記ゲート弁装置は、弁箱および弁体を備えたゲート弁と、駆動源から供給される圧力エアーによって上記弁体を開閉動作させるエアアクチュエータとを具備し、上記エアアクチュエータは、内部を駆動シャフトの移動方向に区画する隔壁を備えたシリンダケースと、シリンダケースのボトムプレート13と隔壁とを貫通する駆動シャフトの端部に固設され、シリンダケースのトッププレートと隔壁との間に収容された第1ピストンと、シリンダケースのボトムプレート13と隔壁との間に収容されるとともに、隔壁を貫通して第1ピストンに臨むストッパを備えた第2ピストンと、シリンダケースのトッププレートと第1のピストンとの間の第1圧力室に臨んで上記シリンダケースに設けられた第1圧力出入口と、シリンダケースの隔壁と第1ピストンとの間の第2圧力室に臨んで上記シリンダケースに設けられた第2圧力出入口とシリンダケースの隔壁と第2ピストンとの間の室に臨んで上記シリンダケースに設けられた呼吸口と、シリンダケースのボトムプレート13と第2ピストンとの間の第3圧力室に臨んで上記シリンダケースに設けられるとともに、第3圧力室からの排気の流量を絞りかつ調節する排気絞り機構を備えた第3圧力出入口と、第2圧力室と第3圧力室との相互の連通を遮断する封止手段とを具備し、第1圧力出入口から第1圧力室に圧力エアーを供給し、第2圧力出入口を介して第2圧力室から排気しつつ、第1ピストンが第2ピストンのストッパに当接するまでの間に、弁体を全開から所定開度まで移動させ、第1ピストンが第2ピストンのストッパと当接したのち、第2ピストンを第1ピストンと共に移動させ、第2圧力出入口を介して第2圧力室から排気し、かつ排気絞り機構を備えた第3圧力出入口を介して第4圧力室から排気することにより、全開から所定開度までの間より、所定開度から全閉までの間において弁体を低速で移動させるよう構成したことを特徴とする請求項2記載の流量制御システム。
【請求項4】 弁箱および弁体を備えたゲート弁と、駆動源から供給される圧力エアーによって上記弁体を開閉動作させるエアアクチュエータとを具備して成るゲート弁装置であって、上記エアアクチュエータは、内部を駆動シャフトの移動方向に区画する隔壁を備えたシリンダケースと、シリンダケースのボトムプレート13と隔壁とを貫通する駆動シャフトの端部に固設され、シリンダケースのトッププレートと隔壁との間に収容された第1ピストンと、シリンダケースのボトムプレート13と隔壁との間に収容されるとともに、隔壁を貫通して第1ピストンに臨むストッパを備えた第2ピストンと、シリンダケースのトッププレートと第1のピストンとの間の第1圧力室に臨んで上記シリンダケースに設けられた第1圧力出入口と、シリンダケースの隔壁と第1ピストンとの間の第2圧力室に臨んで上記シリンダケースに設けられた第2圧力出入口とシリンダケースの隔壁と第2ピストンとの間の室に臨んで上記シリンダケースに設けられた呼吸口と、シリンダケースのボトムプレート13と第2ピストンとの間の第3圧力室に臨んで上記シリンダケースに設けられるとともに、第3圧力室からの排気の流量を絞りかつ調節する排気絞り機構を備えた第3圧力出入口と、第2圧力室と第3圧力室との相互の連通を遮断する封止手段とを具備し、第1圧力出入口から第1圧力室に圧力エアーを供給し、第2圧力出入口を介して第2圧力室から排気しつつ、第1ピストンが第2ピストンのストッパに当接するまでの間に、弁体を全開から所定開度まで移動させ、第1ピストンが第2ピストンのストッパと当接したのち、第2ピストンを第1ピストンと共に移動させ、第2圧力出入口を介して第2圧力室から排気し、かつ排気絞り機構を備えた第3圧力出入口を介して第4圧力室から排気することにより、全開から所定開度までの間より、所定開度から全閉までの間において弁体を低速で移動させるよう構成したことを特徴とするゲート弁装置。
【請求項5】 圧力エアーを貯留するエアーホルダを備え、駆動源からの圧力エアーの供給が絶たれた際、上記エアーホルダに貯留された圧力エアーにより、弁体を動作させるよう構成したことを特徴とする請求項4記載のゲート弁装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数台のゲート弁装置を具備して成る流量制御システム、および該流量制御システムに採用して好適なゲート弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、大量の石油を扱う石油貯蔵施設においては、石油貯蔵タンクのインレットラインおよびアウトレットラインにゲート弁装置を設け、これらのゲート弁装置を遠隔操作により開閉させることで、タンカー等から石油貯蔵タンクへの石油の供給、および石油貯蔵タンクからプラント等への石油の払い出しを行っており、多数の石油貯蔵タンクを備えた石油貯蔵施設においては、極めて数多くのゲート弁装置が使用されている。
【0003】また、一時に大量の石油を扱う大容量のゲート弁装置では、開弁時において弁体に1トン以上の負荷が掛かるため、上述した石油貯蔵施設においては、大きなパワーを有する電動モータにより弁体を駆動する、いわゆる電動弁が採用されている。
【0004】さらに、上述した石油貯蔵施設においては、ウォーターハンマーを防止するべく、弁体を全閉付近の範囲では遅く、その他の範囲では速く動作させる、2段変速式の電動弁を採用したものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電動弁を採用している従来の石油貯蔵施設においては、個々の電動弁を動作させるため、制御室から各電動弁に計装用信号ケーブルを配線するとともに、電気室から各電動弁に駆動用電源ケーブルを配線している。
【0006】しかしながら、電気的負荷等の理由から、石油貯蔵施設の随所に点在している数多くの電動弁に対して、電気室から各々独立して延びる駆動用電源ケーブルを用いて配線しなければならず、駆動用電源ケーブルの総延長が極めて長大なものとなっていた。
【0007】また、石油貯蔵施設においては、長さ当たりのコストが嵩む防爆構造の駆動用電源ケーブルを使用しているため、駆動用電源ケーブルの総延長が長大であることと併せて、動力供給設備に関わるコストの大幅な増加を招いてしまう不都合があった。
【0008】一方、ウォーターハンマーの防止を目的とした2段変速式の電気弁は、電気的制御により電動モータのON/OFFを微少に繰り返して、弁体の開閉速度を調整しており、電動モータの制御には高価な電子基板を必要としている。
【0009】これにより、2段変速式の電気弁を採用した場合には、設備コストの増加を招くばかりでなく、電子基板が雷撃等の外乱に弱いことから、動作信頼性の低下を招く不都合があった。
【0010】本発明は上記実状に鑑みて、設備に関わるコストを安価に抑えることができるとともに、動作信頼性の低下をも抑えることの可能な流量制御システム、および該流量制御システムに採用して好適なゲート弁装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく、本発明に関わる流量制御システムは、エアアクチュエータによって弁体を駆動するとともに、100(立米/時間)以上の容量を有するゲート弁装置を複数台具備し、これら複数台のゲート弁装置を、各々共通の駆動源から供給される圧力エアーによって駆動するよう構成している。
【0012】また、本発明に関わるゲート弁装置は、弁箱および弁体を備えたゲート弁と、駆動源から供給される圧力エアーによって上記弁体を開閉動作させるエアアクチュエータとを具備して成るゲート弁装置であって、上記エアアクチュエータは、内部を駆動シャフトの移動方向に区画する隔壁を備えたシリンダケースと、シリンダケースのボトムプレート13と隔壁とを貫通する駆動シャフトの端部に固設され、シリンダケースのトッププレートと隔壁との間に収容された第1ピストンと、シリンダケースのボトムプレート13と隔壁との間に収容されるとともに、隔壁を貫通して第1ピストンに臨むストッパを備えた第2ピストンと、シリンダケースのトッププレートと第1のピストンとの間の第1圧力室に臨んで上記シリンダケースに設けられた第1圧力出入口と、シリンダケースの隔壁と第1ピストンとの間の第2圧力室に臨んで上記シリンダケースに設けられた第2圧力出入口とシリンダケースの隔壁と第2ピストンとの間の室に臨んで上記シリンダケースに設けられた呼吸口と、シリンダケースのボトムプレート13と第2ピストンとの間の第3圧力室に臨んで上記シリンダケースに設けられるとともに、第3圧力室からの排気の流量を絞りかつ調節する排気絞り機構を備えた第3圧力出入口と、第2圧力室と第3圧力室との相互の連通を遮断する封止手段とを具備するものである。そして、第1圧力出入口から第1圧力室に圧力エアーを供給し、第2圧力出入口を介して第2圧力室から排気しつつ、第1ピストンが第2ピストンのストッパに当接するまでの間に、弁体を全開から所定開度まで移動させ、第1ピストンが第2ピストンのストッパと当接したのち、第2ピストンを第1ピストンと共に移動させ、第2圧力出入口を介して第2圧力室から排気し、かつ排気絞り機構を備えた第3圧力出入口を介して第4圧力室から排気することにより、全開から所定開度までの間より、所定開度から全閉までの間において弁体を低速で移動させるよう構成されている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、実施例を示す図面に基づいて、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に関わる流量制御システムおよびゲート弁装置を、石油貯蔵施設に適用した例を示している。
【0014】この石油貯蔵施設は、10基以上の複数の石油貯蔵タンクT,T…を具備しており、各々の石油貯蔵タンクT,Tには、タンカー(石油運搬船)等の石油供給源Sから延びるインレットラインILと、プラント等へ延びるアウトレットラインOLとが接続されており、各インレットラインIL,IL…、および各アウトレットラインOL,OL…には、それぞれ本発明に関わるゲート弁装置1が設置されている。
【0015】ゲート弁装置1は、図2から図4に示す如く、弁箱2および弁体3を備えたゲート弁1Aと、このゲート弁1Aおける弁体3を開閉動作させるエアアクチュエータ1Bとを具備している。
【0016】また、上記ゲート弁装置1は、後に詳述する如くウォーターハンマーの防止を目的とした2段変速式の弁装置であり、かつ100(立米/時間)以上の容量を有した大容量の弁装置である。なお、実施例の石油貯蔵設備においては、合計で20台以上のゲート弁装置1が設置されている。
【0017】図1に示す如く、各ゲート弁装置1,1…には、駆動源としての一台のコンプレッサーCから延びる空気配管Hが、それぞれ接続されている。すなわち、各ゲート弁装置1、1…は、空気配管Hを介して、共通する1台のコンプレッサーCから供給される圧力エアーによって駆動される。ここで、コンプレッサーCは、使用空気量が少ないことから、既存の装置によって代替することも可能である。
【0018】空気配管Hは、極く細いパイプにより構成され、コンプレッサーCから延びる主配管Hmと、この主配管Hmから分岐して、各々1基の石油貯蔵タンクTにおけるインレットラインILとアウトレットラインOLの各ゲート弁装置1に接続される、複数の分岐配管Hs,Hs…とを備えている。
【0019】すなわち、コンプレッサーCから延びる空気配管Hは、1基の石油貯蔵タンクTにおけるインレットラインILとアウトレットラインOLの各ゲート弁装置1に、石油貯蔵タンクT,T…毎において各々接続されている。
【0020】また、各ゲート弁装置1,1…には、施設における制御室から延びる計装用信号ケーブル(図示せず)が、各ゲート弁装置1のエアアクチュエータ1Bを動作制御する、後述の電磁弁(図5中の符号8参照)に接続されている。
【0021】上述したゲート弁装置1,1…、コンプレッサーC、空気配管H、さらに図示していない制御室および計装用信号ケーブル等から、本発明に関わる流量制御システムAが構成されている。
【0022】上述した構成の石油貯蔵設備において、各石油貯蔵タンクTに石油を貯蔵する場合には、制御室からの遠隔操作により、アウトレットラインOLのゲート弁装置1を閉成するとともに、インレットラインILのゲート弁装置1を開成して、石油供給源Sから各石油貯蔵タンクTに石油を流入させる。
【0023】一方、各石油貯蔵タンクTから石油を払い出す場合には、制御室からの遠隔操作によって、インレットラインILのゲート弁装置1を閉成するとともに、アウトレットラインOLのゲート弁装置1を開成し、各アウトレットラインOLに設けられたサクションポンプPによって、各石油貯蔵タンクTから石油を流出させる。
【0024】ここで、本発明に関わる流量制御システムを採用した石油貯蔵設備では、上述した如く、駆動源であるコンプレッサーCと各ゲート弁装置1,1…とを接続する空気配管Hは、極く細い単なるパイプによって構成されているため、その長さ当たりのコストは極めて安価である。
【0025】さらに、各ゲート弁装置1,1…は、圧力エアーによって駆動されものであるため、コンプレッサーCと各ゲート弁装置1とを接続する空気配管Hのレイアウトに、電動弁に駆動用電源ケーブルを接続する場合のような規制はなく、もって図1を示して述べたように、コンプレッサーCと各ゲート弁装置1,1…とを接続することで、空気配管Hの総延長を可及的に短くすることが可能となる。
【0026】このように、空気配管Hの長さ当たりのコストが極めて安価であること、および空気配管Hの総延長を可及的に短く設定し得ることにより、電動弁を使用している従来の流量制御システムに比較して、動力供給設備に関わるコストの大幅な低減が達成されることとなる。
【0027】また、ゲート弁装置1は、2段変速式ではあるものの、圧力エアーによって駆動されものであり、当然なから電動弁における電動モータ制御用の電子基板を搭載しておらず、もって雷撃等による外乱に対して強く、高い動作信頼性を得ることができる。
【0028】さらに、ゲート弁装置1が、圧力エアーにより駆動されものであることから、大掛かりな電気工事や電気設備を必要とせず、また電動弁における電動モータ制御用の高価な電子基板を搭載していないために、ゲート弁装置1の単価が安く、数多くのゲート弁装置1を使用する石油貯蔵設備においては、全体コストの大幅な低減が達成されることとなる。
【0029】一例として、約20台のゲート弁装置を使用した小規模ターミナルにおいて、各種の設備費やゲート弁装置の単価を含めた全体コストを試算すると、上述したゲート弁装置1を採用した場合には、電動弁を使用した場合と比較して、ゲート弁装置1台当たり約50万円のコスト低減が達成される。
【0030】以下では、上述した石油貯蔵設備に使用された、本発明に関わるゲート弁装置1について詳細に説明する。
【0031】図2から図4に示す如く、本発明に関わるゲート弁装置1は、ゲート弁1Aとエアアクチュエータ1Bとを具備しており、エアアクチュエータ1Bの駆動シャフト1Sは、ゲート弁1Aの弁体3から延びる弁軸3Sに結合されている。
【0032】上記ゲート弁1Aは、その弁箱2が石油貯蔵タンクTのパイプTpに接続されており、上記エアアクチュエータ1Bは、フレームfを介して石油貯蔵タンクTの外壁に支持されている。
【0033】また、石油貯蔵タンクTの外壁には、所定量の圧力エアーを貯留するためのエアーホルダ1Cが、エアアクチュエータ1Bに隣接する態様で、フレームfを介して設置されている。
【0034】図2および図5に示す如く、エアーホルダ1Cには、コンプレッサーCから延びる空気配管H(詳しくは分岐配管Hs)が接続されており、この空気配管Hにはストップ弁4およびチャッキ弁(逆止弁)5が介装されている。
【0035】また、エアーホルダ1Cは、配管6を介してエアアクチュエータ1Bと接続されており、この配管6には、フィルタ付き減圧弁7、および後述の如くエアアクチュエータ1Bを動作制御する電磁弁(4ポート切換弁)8が設けられいる。
【0036】すなわち、コンプレッサーCから空気配管Hを介してエアーホルダ1Cに供給された圧力エアーは、一旦エアーホルダ1Cに貯留されたのち、配管6から電磁弁8を介してエアアクチュエータ1Bに供給されることとなる。
【0037】図6に示す如く、エアアクチュエータ1Bは、シリンダ11とトッププレート12およびボトムプレート13とから成るシリンダケース10を具備しており、上記シリンダ11には、シリンダケース10の内部を駆動シャフト1Sの移動方向(図中の上下)に区画する隔壁11Wが形成されている。
【0038】上記シリンダケース10において、トッププレート12と隔壁11Wとの間に画成された室には、第1ピストン20が移動自在に収容されており、この第1ピストン20はボトムプレート13と隔壁11Wとを貫通して延びる、駆動シャフト1Sの端部に固設されている。
【0039】上記シリンダケース10において、ボトムプレート13と隔壁11Wとの間に画成された室には、第2ピストン30が移動自在に収容されており、この第2ピストン30の中央には、隔壁11Wを貫通して第1ピストン20に臨む、筒状のストッパ30Sが形成されている。
【0040】上記ストッパ30Sの内部には、ボトムプレート13の中央に立設された筒状のガイド13Gが嵌入しており、このガイド13Gの内部を駆動シャフト1Sが貫通している。
【0041】上記シリンダケース10には、トッププレート12と第1ピストン20との間に画成された第1圧力室10Aに連通する第1圧力出入口11Aが設けられているとともに、第1ピストン20と隔壁11Wとの間に画成された第2圧力室10Bに連通する第2圧力出入口11Bが形成されている。
【0042】また、上記シリンダケース10には、隔壁11Wと第2ピストン30との間に画成された室10Dに連通する呼吸口11Dが設けられている。
【0043】さらに、上記シリンダケース10には、第2ピストン30とボトムプレート13との間に画成された第3圧力室10Cに連通す第3圧力出入口11Cが設けられており、この第3圧力出入口11Cには、第3圧力室10Cからの排気の流量を絞り、かつ流量を調節するための排気絞り機構40が設けられている。
【0044】図7および図8に示す如く、シリンダ11に設けられた第3圧力出入口11Cには、外周凹部41aと貫通孔41bとを有するリング41が嵌挿され、かつバネ42によってリング41に圧接されるボール43が収容されており、上記リング41は、第3圧力出入口11Cに装着したニップル44によって拘束されている。
【0045】一方、ボトムプレート13には、シートパッキン14の開口14o、およびシリンダ11の通路11oを介して、第3圧力室10Cと第3圧力出入口11Cとを連通する絞り通路13oが形成されているとともに、ロックナット45を介して調整ニードル弁46が進退自在に螺着しており、調整ニードル弁46を回転させて、絞り通路13oに臨んでいるニードル部46aを進退させることで、絞り通路13oを通過するエアーの流量を調整することができる。
【0046】さらに、ボトムプレート13には、調整ニードル弁46の回転位置から、絞りの状態を知るための目盛板47が取付けられており、上述したリング41、バネ42、ボール43、さらには絞り通路13o、調整ニードル弁46、および目盛板47等によって、排気絞り機構40が構成されている。
【0047】図6に示す如く、シリンダケース10の隔壁11W、ボトムプレート13のガイド13G、第1ピストン20、および第2ピストン30には、それぞれOリングが装着されており、特に第2ピストン30においてボトムプレート13のガイド13Gと対向する部位には、第2圧力室10Bと第3圧力室10Cとの相互の連通を遮断するためのOリング(封止手段)31が装着されている。
【0048】また、図5に示す如く、シリンダケース10の第1圧力出入口11Aには、電磁弁8の一方のポートとから延びる配管6Aが接続されている一方、シリンダケース10の第2圧力出入口11Bおよび第3圧力出入口11Cには、電磁弁8の他方のポートから延びる配管6Bが接続されている。
【0049】上記電磁弁8の動作により、第1圧力出入口11Aに圧縮エアーが供給され、第2圧力出入口11Bおよび第3圧力出入口11Cから排気される状況と、第2圧力出入口11Bおよび第3圧力出入口11Cに圧縮エアーが供給され、第1圧力出入口11Aから排気される状況とに切り換えられる。
【0050】上述した構成のゲート弁装置1において、弁体3(図2,3参照)が全開している状況では、図9に示すように、エアアクチュエータ1Bにおける第1ピストン20と第2ピストン30とは、共に上限位置に占位している。
【0051】ここで、弁体3を全開から全閉とする場合、電磁弁8を切り換え動作させて、エアアクチュエータ1Bの第1圧力出入口11Aに圧縮エアーが供給され、第2圧力出入口11Bおよび第3圧力出入口11Cから排気される状況とする。
【0052】これにより、第1圧力出入口11Aから第1圧力室10Aに供給された圧力エアーにより、第1ピストン20が押し下げられて行き、該第1ピストン20に結合された弁体3が閉止方向へ移動して行く。
【0053】このとき、第2圧力室10Bのエアーは、第1ピストン20の下降に伴って、第2圧力出入口11Bから極めてスムーズに排出されて行く。
【0054】図10に示す如く、第1ピストン20が、第2ピストン30のストッパ30Sに当接すると、こののち第1ピストン20と第2ピストン30とは、図11に示す如く、互いに一体となって下降して行く。
【0055】このとき、第2圧力室10Bのエアーは第2圧力出入口11Bから排出され、第3圧力室10Cのエアーは第3圧力出入口11Cから排出されて行く。なお、第2ピストン30の下降に伴って拡大する室10Dへは、呼吸口11Dから外気が導入される。
【0056】ここで、第3圧力出入口11Cから排出されるエアーの流量は、上述した排気絞り機構40により制限されている。すなわち、図7に示す如く、第3圧力室10C内の圧の上昇によって、リング41がボール43によって塞がれるため、第3圧力室10C内のエアーは、絞り通路13oを通過して、第3圧力出入口11Cから排出されることとなる。
【0057】これによって、第2ピストン30に当接した以降の第1ピストン20(弁体3)は、第2ピストン30に当接する以前よりも遅い速度で下降して行き、図12に示す如く、第1ピストン20および第2ピストン30が、ともに下限位置(図6参照)に達した時点で、弁体3(図2,3参照)は全閉となる。
【0058】ここで、第1ピストン20が第2ピストン30のストッパ30Sに当接した時点(図10)を弁開度30%に設定しており、もって上述のゲート弁装置1では、弁開度100%〜30%よりも、弁開度30%〜0%において弁体を低速で移動させており、このように全閉付近で弁体の速度を落とすことによって、ウォーターハンマーの可及的な防止が為される。
【0059】なお、第2ピストン30におけるストッパ30Sの高さを調整することで、弁体3の移動速度の切り換えポイントを任意に設定することが可能である。
【0060】また、上述したゲート弁装置1では、排気絞り機構40の調整ニードル弁46を操作して、絞り通路13oを通過するエアーの流量を調節することにより、弁開度30%〜0%における閉止速度(所要時間)を、30秒〜200秒の範囲で任意に設定することができる。
【0061】これにより、弁体の閉止速度をウォーターハンマーの防止に最適な値に調整することができ、様々な使用状況に対して柔軟に対応することが可能となる。
【0062】また、上述したゲート弁装置1では、弁開度100%〜30%の範囲において、第2圧力室10B内のエアーが第2圧力出入口11Bを介してスムーズに排出され、弁体3が速い移動速度で下降することとなるために、弁開度30%〜0%における閉止速度を遅く保ちつつ、弁開度100%〜0%の所要時間を短縮することが可能となる。
【0063】さらに、上述したゲート弁装置1では、図13に示す如く、弁開度30%〜0%における閉止速度が、全閉に近付くに従って除々に低下して行く。これは、第2ピストン30の下降に伴って、第3圧力室10Cの容積が減少することにより、第3圧力室10Cの内圧が除々に増大し、第1ピストン20および第2ピストン30が下降する程、抵抗が増大することに基づくものである。
【0064】このように、全閉直前の弁体の閉止速度が極めて低速となることで、弁体3が全閉した際、弁箱2に対して弁体3が衝撃的に当接することがなく、極めて高い緩和の効果が得られ、もって弁箱2および弁体3の摩耗が大幅に低減されるために、高い耐久性に基づく長寿命、およびメインテナンスの簡易化を達成することが可能となる。
【0065】一方、上述した構成のゲート弁装置1において、弁体3を全閉から全開とする場合には、電磁弁8を切り換え動作させ、エアアクチュエータ1Bの第2圧力出入口11Bおよび第3圧力出入口11Cに圧縮エアーが供給され、第1圧力出入口11Aから排気される状況とする。
【0066】かくして、第2圧力室10Bおよび第3圧力室10Cに供給された圧力エアーにより、第1ピストン20および第2ピストン30が、図14に示す状態から、図15に示す如く押し上げられて行く。
【0067】このとき、圧力エアーが第1ピストン20と第2ピストン30とに作用することより、弁体3は多大な引上げ力によって全閉位置から開成方向へ移動することとなる。
【0068】図16に示す如く、第2ピストン30が隔壁11Wに当接して停止したのち、第1ピストン20のみが上昇して行き、図17に示す如く、第1ピストン20が上限位置に達した時点で、弁体3は全開となる。
【0069】ところで、図18は、圧縮エアーによって駆動される2段変速式の、従来のゲート弁装置におけるエアアクチュエータ100を示している。
【0070】上記従来のエアアクチュエータ100は、隔壁111Wを有するシリンダケース110、駆動シャフト101に固設された第1ピストン120、およびストッパ130Sを有する第2ピストン130を具備し、シリンダケース110の内部には、第1圧力室110A、第2圧力室110B、第3圧力室110C、および室110Dが画成されており、基本的に構成はゲート弁装置1のエアアクチュエータ1Bと共通している。
【0071】反面、上記エアアクチュエータ100は、第1圧力出入口111A、第3圧力出入口111C、および呼吸口111Dを有しているものの、第2圧力室110Bに連通する第2圧力出入口(図6中、符号11B参照)を具備しておらず、また第3圧力出入口111Cには排気絞り機構(図6中、符号40参照)が設けられていない。
【0072】さらに、上記エアアクチュエータ100には、第2圧力室110Bと第3圧力室110Cと連通させる隙間110Sが設けられ、第2圧力室110Bと第3圧力室110Cとの連通を遮断するための封止手段(Oリング)は、何ら設けられていない。
【0073】すなわち、従来のエアアクチュエータ100では、弁体(図示せず)を閉成するべく、第1圧力出入口111Aから第1圧力室110Aに圧力エアーを供給し、第1ピストン120を下降させた場合、第2圧力室110B内のエアーは、狭い隙間110Sを通過して第3圧力室110Cに流入し、第3圧力出入口111Cを介して排気される。
【0074】このため、従来のゲート弁装置においては、弁体を全開から所定開度まで移動させる際、第2圧力室110B内のエアーがスムーズに排出されないので、弁体を速い速度で移動させることは困難であった。
【0075】また、第1ピストン120に伴って第2ピストン130が下降する際、第3圧力室110C内のエアーが通過する第3圧力出入口111Cには、排気絞り機構が設けられていないため、所定開度から全閉までの間における弁体の閉止速度を調節できず、ゲート弁装置の設置可能な条件が限られたものとなっていた。
【0076】さらに、第1ピストン120に伴って第2ピストン130が下降する際、第3圧力室110C内の圧の一部が、隙間110Sを介して第2圧力室110Bへ逃げることにより、第3圧力室110C内の圧によるクッション効果が弱いものとなっていた。
【0077】これに対して、本発明に関わるゲート弁装置によれば、先に詳述した如く、弁開度100%〜30%の範囲において、第2圧力室10B内のエアーが第2圧力出入口11Bを介してスムーズに排出されるため、弁体3を速い移動速度で下降させることができ、また弁開度30%〜0%における閉止速度を、排気絞り機構40によって任意に設定し得るため、様々な使用状況に対して柔軟に対応することができる。
【0078】さらに、本発明に関わるゲート弁装置によれば、第2圧力室10Bと第3圧力室10Cとの相互の連通を遮断するOリング31を設けたことにより、第3圧力室10C内の圧力に基づくクッション効果を高め、弁開度30%〜0%において閉止速度を確実に低下させるとともに、全閉に近付くに従って閉止速度を確実に低下させることで、ウォーターハンマーの可及的な防止と、耐久性の向上とを達成することが可能となる。
【0079】一方、本発明に関わるゲート弁装置1は、上述した如くエアーホルダ1Cを具備しているため、エアーホルダ1Cに貯留された圧力エアーを用いて、エアアクチュエータ1Bを駆動し、弁体3を開閉動作させることができる。
【0080】このため、例えば地震等の災害時において、コンプレッサーCと各ゲート弁装置1とを接続している空気配管Hが切断された状況においても、エアーホルダ1Cに貯留された圧力エアーによって、弁体3を開閉させることが可能である。
【0081】このように、個々のゲート弁装置1が、それぞれにエアーホルダ1Cを装備していることにより、災害発生時においても各ゲート弁装置1を適切に動作させることができ、また災害に対する復旧作業も迅速かつ容易に遂行することが可能となる。
【0082】なお、災害時において、空気配管Hが切断された状況でも、計装用信号ケーブルが生きていれば、各ゲート弁装置1を制御室から遠隔操作することが可能であり、また地震等が発生した際に、各ゲート弁装置1をエアーホルダ1Cの圧力エアーにより自動的に動作させるよう構成することも可能である。
【0083】また、エアーホルダ1Cには、最低でも1ストローク、好ましくは2〜3ストロークに亘って、弁体3を開閉動作させ得る量の圧力エアーが貯留されていることが望ましい。
【0084】因みに、エアーホルダ1Cの容量は、6インチ管および8インチ管を対象としたゲート弁装置において約13l(リットル)、10インチ管を対象としたゲート弁装置において約20l(リットル)、12インチ管を対象としたゲート弁装置において約36l(リットル)程度である。
【0085】なお、上述した実施例においては、本発明を石油貯蔵施設に適用した例を示したが、本発明に関わる流量制御システムおよびゲート弁装置は、大量の流体を取り扱う種々のプラントにおいて、極めて有効に適用し得ることは勿論である。
【0086】
【発明の効果】以上、詳述した如く、本発明に関わる流量制御システムは、エアアクチュエータによって弁体を駆動するとともに、100(立米/時間)以上の容量を有するゲート弁装置を複数台具備し、これら複数台のゲート弁装置を、各々共通の駆動源から供給される圧力エアーによって駆動するよう構成している。
【0087】上記構成によれば、駆動源からゲート弁装置へ圧力エアーを供給する空気配管は、細いパイプにより構成することができるので、その長さ当たりのコストは、例えば防爆構造の駆動用電源ケーブルに比べ、極めて安価なものとなる。
【0088】また、空気配管のレイアウトには、電動弁に駆動用電源ケーブルを接続する場合の如き規制はないので、空気配管の総延長を可及的に短く設定することが可能となる。
【0089】もって、本発明の流量制御システムによれば、空気配管の長さ当たりのコストが極めて安価であることと、空気配管の総延長を可及的に短く設定し得ることとにより、設備に関わるコストの大幅な低減が達成されることとなる。
【0090】また、本発明の流量制御システムにおけるゲート弁装置は、圧力エアーにより駆動される全機械式の装置であり、電動弁における電子基板等を必要としないので、雷撃等による外乱に対して強く、高い動作信頼性を得ることができ、もって流量制御システムとしての信頼性の向上が達成されることとなる。
【0091】一方、本発明に関わるゲート弁装置では、全開から所定開度までの間より、所定開度から全閉までの間において、弁体を低速で移動させるよう構成しており、このように全閉付近で弁体の速度を落とすことによって、ウォーターハンマーの発生を可及的に防止することができる。
【0092】また、本発明に関わるゲート弁装置では、排気絞り機構によって、所定開度から全閉までの間における弁体の閉止速度を任意に設定できるので、弁体の閉止速度をウォーターハンマーの防止に最適な値に調整することにより、様々な使用状況に柔軟に対応することが可能となる。
【0093】また、本発明に関わるゲート弁装置では、弁体を全開から所定開度まで移動させる際、第2圧力室のエアーが第2圧力出入口を介してスムーズに排出されるために、弁体が速い速度で移動することとなり、もって弁体の全開から全閉までに要する所要時間を短縮することができる。
【0094】さらに、本発明に関わるゲート弁装置では、所定開度から全閉までの間における弁体の閉止速度が、全閉に近付くに従って除々に低下して行き、全閉直前の閉止速度が極めて低速となるため、全閉時、弁体が弁箱に衝撃的に当接することがなく、構成部品の摩耗を大幅に低減することができるので、高い耐久性に基づく長寿命およびメインテナンスの簡易化を達成することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000004411
【氏名又は名称】日揮株式会社
【識別番号】592083775
【氏名又は名称】ティヴィバルブ株式会社
【出願日】 平成10年12月7日(1998.12.7)
【代理人】 【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久
【公開番号】 特開2000−170954(P2000−170954A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−347075