| 【発明の名称】 |
電磁アクチュエータ |
| 【発明者】 |
【氏名】神田 政徳
【氏名】植田 達也
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| 【要約】 |
【課題】駆動ロッドを可動プランジャにかしめ固定した際における肉の盛り上がり部を段差凹部内に吸収することにより、可動プランジャ及び駆動ロッドのストローク量精度の低下を防止する。
【解決手段】ケーシング内に設けられた電磁コイルへの通電量に応じて消励磁する固定コアと、該固定コアの吸引力によってケーシング内を摺動自在に設けられ、内部軸方向にロッド固定用孔48aが形成された可動プランジャ48とを備えている。前記ロッド固定用孔内に挿通して駆動ロッド49を、後端面48d側をかしめることにより可動プランジャに固定するようになっている。そして、可動プランジャ48の後端面48d内周部に環状の段差凹部55を形成し、この底面55aにかしめ部56を形成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケーシングの内部に設けられた電磁コイルと、該電磁コイルに対する通電量に応じて消励磁する固定コアと、該固定コアの吸引力によってケーシング内に摺動自在に設けられて、内部軸方向にロッド固定用孔が貫通形成された可動プランジャと、前記ロッド固定用孔内に挿通して、可動プランジャのロッド固定用孔の孔縁付近の一端面内周部をかしめることにより可動プランジャに固定される駆動ロッドとを備えた電磁アクチュエータにおいて、前記可動プランジャの一端面内周部に段差凹部を形成し、該段差凹部の底面にかしめ部を形成したことを特徴とする電磁アクチュエータ。 【請求項2】 前記段差凹部をほぼ円環状に形成すると共に、かしめ部を円環状に形成したことを特徴とする請求項1記載の電磁アクチュエータ。 【請求項3】 前記ケーシングの内部に駆動ロッドを軸方向へ摺動自在に支持する軸受を設けると共に、該軸受の一端面を前記可動プランジャのかしめ側の一端面に対向配置し、かつ軸受の一端面に可動プランジャの一端面を当接させた位置で一方向の最大ストローク量を規制したことを特徴とする請求項1または2記載の電磁アクチュエータ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧回路の流路を切り換える流路切換弁や圧力調整弁などに用いられる電磁アクチュエータに関する。 【0002】 【従来の技術】この種の従来の電磁アクチュエータとしては、例えば特開平2−129477号公報などに記載された圧力調整弁に適用されたものが知られている。 【0003】すなわち、この圧力調整弁は、図4に示すように調圧弁部1と電磁アクチュエータ2とからなり、該調圧弁部1は、弁スリーブ3とスプール弁4とから構成されている。弁スリーブ3はスプリング5を収容する収容孔3aとスプール弁4を摺動案内する案内孔3bとを有していると共に、外周部に供給ポート6と排出ポート7及び出力ポート8がそれぞれ形成されている。 【0004】前記スプール弁4は、2つのランド部4a,4bと小径ランド部4cとを備え、軸方向の摺動に伴い該ランド部4a,4bによって各ポート6〜8の開口面積を所定割合いで相対的に変化させて交互に連通するようになっている。 【0005】一方、電磁アクチュエータ2は、磁性材の筒状ケーシング9内に設けられた筒状の電磁コイル10内側に磁性材の筒状固定コア11が収容されていると共に、ケーシング9の内部後端側に固定コア11によって吸引される磁性材の可動プランジャ12が設けられている。また、この可動プランジャ12には、前記固定コア11の内部を筒状ベアリング13を介して軸方向へ摺動するステンレス材の駆動ロッド14の後端部14aが固定されており、この駆動ロッド14の先端部14bが前記スプール弁4の端軸4dに軸方向からスプリング5のばね力に抗して押圧してスプール弁4を所定位置に摺動させるようになっている。 【0006】そして、前記駆動ロッド14の可動プランジャ12に対する固定方法としては、図5に示すように外周に環状溝14cが形成された駆動ロッド14の後端部14aを可動プランジャ12のロッド固定用孔12a内に挿通し、その後、可動プランジャ12の一端面12b側中央孔12aの孔縁付近を輪かしめ15することにより該端面部位12cを変形させて、環状溝14c内に肉を食い込ませる。これによって、駆動ロッド14を可動プランジャ12に固定するようになっている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の電磁アクチュエータにあっては、前述のように、駆動ロッド14の固定方法として、可動プランジャ12の一端面12bを輪かしめ15することにより行うようになっているため、かしめ力によって輪かしめ15部位と反対側の部位12dが一端面12bから外方へ大きく盛り上がってしまう。このため、可動プランジャ12の最大後退位置を規制するリアカバー16と可動プランジャ12の一端面12bとの間に盛り上がった変形部位12d分Dだけ規制位置の位置ずれが生じ、これによって駆動ロッド14のストローク量精度が低下してしまうおそれがある。この結果、スプール弁4による各ポート6〜8に対する開閉精度の低下を招くおそれがある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の電磁アクチュエータの実情に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明は、ケーシングの内部に設けられた電磁コイルと、該電磁コイルに対する通電量に応じて消励磁する固定コアと、該固定コアの吸引力によってケーシング内に摺動自在に設けられて、内部軸方向にロッド固定用孔が貫通形成された可動プランジャと、前記ロッド固定用孔内に挿通して、可動プランジャのロッド固定用孔の孔縁付近の一端面内周部をかしめることにより可動プランジャに固定される駆動ロッドとを備えた電磁アクチュエータにおいて、前記可動プランジャの一端面内周部に段差凹部を形成し、該段差凹部の底面にかしめ部を形成したことを特徴としている。 【0009】請求項2記載の発明は、前記段差凹部をほぼ円環状に形成すると共に、かしめ部を円環状に形成したことを特徴としている。 【0010】請求項3記載の発明は、前記ケーシングの内部に駆動ロッドを軸方向へ摺動自在に支持する軸受を設けると共に、該軸受の一端面を前記可動プランジャのかしめ側の一端面に対向配置し、かつ軸受の一端面に可動プランジャの一端面を当接させた位置で一方向の最大ストローク量を規制したことを特徴としている。 【0011】本発明によれば、駆動ロッドをかしめ固定する場合に、可動プランジャの一端面側の段差凹部の底面をかしめるようにしたため、たとえかしめによる肉の盛り上がりが生じても、この盛り上がり部が段差凹部内に吸収された形になり、該段差凹部より外方へは突出しない。したがって、駆動ロッドのストローク量に影響を与えられることはない。 【0012】 【発明の実施の形態】図3は本発明の電磁アクチュエータを内燃機関のバルブタイミング制御装置に用いられる油圧回路の流路切換弁に適用した一実施形態を示している。 【0013】まず、バルブタイミング制御装置の概略を説明すると、機関のクランク軸からタイミングチェーンを介して回転力が伝達されるスプロケットと、一端部にスリーブがボルト固定され、かつ外周に吸気弁を開閉するカムを有するカムシャフトと、スプロケットの筒状本体と該筒状本体内に挿通された前記スリーブとの間に設けられた位相変換機構と、該位相変換機構を機関運転状態に応じてカムシャフト軸方向へ移動させる油圧回路20とを備えている。 【0014】前記位相変換機構は、スリーブと筒状本体との間に噛合された筒状歯車と軸方向へ摺動して筒状歯車を一方向へ押圧するピストンとから構成されている。 【0015】前記油圧回路20は、図3に示すように前記ピストンの前後に形成された図外の進角側油室及び遅角側油室に作動油を相対的に給排するようになっており、オイルパン21内の作動油をオイルポンプにより流路切換弁30方向に圧送する供給通路22と、流路切換弁30から分岐して各油室に接続される第1,第2油通路23,24と、流路切換弁30の両端部に接続されて、各油通路23,24を介して各油室から排出された作動油をオイルパン21内に戻す第1,第2ドレン通路25,26とを備えている。 【0016】前記流路切換弁30は、図3に示すように、切換弁部31と該切換弁部31を作動させる比例ソレノイド型の電磁アクチュエータ35とからなり、前記切換弁部31は、シリンダブロック27の側部に形成された保持孔27a内に挿通固定された筒状のバルブボディ32と、該バルブボディ32内の弁孔33に摺動自在に設けられて流路を切り換えるスプール弁体34とから構成されている。 【0017】前記バルブボディ32は、周壁のほぼ中央位置に供給通路22の下流端と弁孔33とを連通する供給ポート36が貫通形成されていると共に、該供給ポート36の両側に前記第1,第2油通路23,24の他端部と弁孔33とを連通する第1ポート37及び第2ポート38が夫々貫通形成されている。また、周壁の両端部には、両ドレン通路25,26と弁孔33とを連通する第3,第4ポート39,40が貫通形成されている。また、このバルブボディ32は、アルミニウム材によって形成されて非磁性体になっている。 【0018】前記スプール弁体34は、小径軸部の中央に供給ポート36を開閉する大径な第1弁部41を有していると共に、両端部に第3,第4ポート39,40を開閉する大径な第2,第3弁部42,43を有している。また、スプール弁体34は、前端側の支軸34aの一端縁に有する傘部34bと弁孔33の前端側内周壁に有するスプリングシートとの間に弾装された円錐状のバルブスプリング44によって図中右方向、つまり第1弁部41によって供給ポート36と第2油通路24とを連通する方向に付勢されている。また、このスプール弁体34は、バルブボディ32と同じ熱膨張係数のアルミニウム材によって形成され、その外面全体にNi,P,PTFEを含んだ耐蝕性,耐摩耗性に優れたメッキ層が施こされている。 【0019】前記電磁アクチュエータ35は、図3に示すように円筒状の磁性材で形成されたケーシング45の内周部に設けられた電磁コイル46と、ケーシング45の前端部に圧入固定されて、電磁コイル46への通電量に応じて消励磁する筒状の固定コア47と、ケーシング45の内周側に一体に有する保持筒45aの内側に軸方向へ摺動自在に設けられた筒状の可動プランジャ48と、該可動プランジャ48の内部軸方向に貫通形成されたロッド固定用孔48a内に挿通固定された駆動ロッド49とから主として構成されている。 【0020】前記電磁コイル46は、コネクタ50を介してコントローラ51から制御電流が出力されるようになっている。このコントローラ51は、機関回転数センサなどの各種センサからの情報信号に基づいて現在の機関運転状態を検出している。 【0021】また、固定コア47は、先端側に連結用フランジ部47aを一体に有すると共に、内部軸方向に有する貫通孔47bの可動プランジャ48側内周に駆動ロッド49の先端部49a側を軸方向へ摺動自在に支持する筒状の第1軸受52が設けられている。一方、前記保持筒45aの可動プランジャ48側内周には、同じく駆動ロッド49の後端部49b側を軸方向へ摺動自在に支持する筒状の第2軸受53が設けられている。また、この両軸受52,53は、軸方向から対向する端面52a,53aが可動プランジャ48が摺動する摺動用孔54内に臨設されていると共に、内部軸方向に複数の油孔52b,52c、53b,53cが夫々形成されている。 【0022】前記可動プランジャ48は、両軸受52,53間に有する摺動用孔54内を前後に摺動し、外周面に摺動用孔54内に有する潤滑油を摺動に伴って前後方向へ置換流動させる油通路溝48bが軸方向に沿って形成されていると共に、その前方へのストローク量は前端面48cが第1軸受52の一端面52aに当接する位置、及び後方へのストローク量は後端面48dが第2軸受53の一端面53aに当接する位置によって規制されている。 【0023】前記駆動ロッド49は、図2にも示すように先端部49aがスプール弁体34の傘部34bの球面状前端面に当接している一方、後端部49bが第2軸受53を貫通してケーシング45後端部内の収容溝内に臨んでいる。また、後端部49bの可動プランジャ48の後端面48d付近に環状溝49cが形成されている。さらに、この駆動ロッド49は、可動プランジャ48の後端面48d内周部をかしめていることによって、可動プランジャ48に固定されており、したがって、そのストローク量は可動プランジャ48と同一になり、このストローク量に応じてスプール弁体34を所定の位置に摺動させて各ポート36〜40を相対的に開閉するようになっている。 【0024】また、この駆動ロッド49は、表面が軟窒化処理による窒化層が施されて、非磁性体となっている。したがって、漏洩磁束が生じない。 【0025】そして、前記可動プランジャ48の後端面48dの内周部、つまりかしめを行う部位には、図1及び図2に示すように、環状の段差凹部55が形成されている。この段差凹部55は、底面55aから後端面48dまでの深さHがかしめ時に発生する盛り上り部55cの高さよりも高く設定されている。 【0026】したがって、この実施形態によれば、装置の製造時に、可動プランジャ48に駆動ロッド49を固定する際には、図2に示すように可動プランジャ48のロッド固定用孔48a内に駆動ロッド49を挿通して環状溝49cを基準に位置決めを行い、次に段差凹部55の底面55a内周側を所定のパンチによってかしめを行う。これによって、変形肉55bが環状溝49c内に食い込んで圧着すると共に、かかるかしめ部56付近のロッド固定用孔48aの内周面が駆動ロッド49の外周面に圧接することによって駆動ロッド49が可動プランジャ48に強固に固定される。このとき、かしめ部56の外周側にはかしめ力によって盛り上がり部55cが形成されるが、この盛り上がり部55cの高さが段差凹部55内に吸収される形になり、後端面48dより外方へは突出しない。このため、電磁アクチュエータ35の作動時において、可動プランジャ48がバルブスプリング44のばね力で後方へ最大ストロークした際には、第2軸受53の前端面53aに可動プランジャ48のかしめ盛り上がり部55cが当接することなく、後端面48dが直接当接して規制するため、該可動プランジャ48のストローク量精度の低下が防止される。この結果、駆動ロッド49のストローク量精度の低下も防止され、スプール弁体34の摺動位置を常時高精度に制御することができる。また、油通路溝48dによって摺動用孔54内の潤滑油が前後方向へ置換流動するため、可動プランジャ48は常時円滑に摺動することが可能になる。 【0027】また、バルブボディ32とスプール弁体34は、熱膨張係数が同一であるため、両者33,34間に温度変化によるクリアランスの発生が防止される。このため、各ポート36〜40の開閉性能が向上する。さらに、両者32,34ともに非磁性体であるため、残留磁気によるヒステリシスがない。 【0028】尚、油圧回路20などによる位相変換機構の作動制御については、説明を省略する。 【0029】また、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば可動プランジャ48の最大後退ストローク時の規制を第2軸受53に代えてケーシング45の内部後壁面とすることも可能であり、また、かしめ位置を可動プランジャ48の後端面48d側ばかりか前端面48c側、あるいは前端面48c側のみとすることも可能である。また、電磁アクチュエータ35の適用対象を従来のような圧力調整弁などにすることも可能である。 【0030】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に係る電磁アクチュエータによれば、可動プランジャの端面にかしめ部が形成される段差凹部を形成したため、かしめの盛り上がり部による可動プランジャのストローク量精度の低下が防止される。この結果、駆動ロッドのストローク量精度の低下も防止され、例えばスプール弁体による流路の常時高精度な開閉制御が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000167406 【氏名又は名称】株式会社ユニシアジェックス
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| 【出願日】 |
平成10年12月8日(1998.12.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062199 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−170946(P2000−170946A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−347681 |
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