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【発明の名称】 電磁弁
【発明者】 【氏名】津久井 良輔

【氏名】今井 正幸

【要約】 【課題】プランジャが閉弁方向に移動する際に発生する騒音を低減し、そして、開弁方向に移動する際に発生する騒音を低減することにより、使用者に不快感を与えることのない電磁弁を提供する。

【解決手段】弁口部21を設けた電磁弁本体2、弁口部21に対して開閉移動する弁体13、弁体13に連結されたプランジャ3、プランジャ3を収容するシリンダ筒12、シリンダ筒12の外側に配置された電磁コイル14及び吸引子4、吸引子4とプランジャ3との間に配置され、弁体13を弁口部21に付勢する復帰ばね16、等からなる電磁弁1において、一方のばね端部5aがプランジャ3に設けられた凸部31を挿入して当接し、かつ、他方のばね端部5bが電磁弁本体2に設けられた環状凹部22に挿入して当接する緩衝ばね5を備える。電磁弁本体2は、その出口流路8側にディフューザ6を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁口部を設けた電磁弁本体、前記弁口部に対して開閉移動する弁体、該弁体に連結されたプランジャ、該プランジャを収容するシリンダ筒、該シリンダ筒の外側に配置された電磁コイル及び吸引子、該吸引子と前記プランジャとの間に配置され、前記弁体を前記弁口部に付勢する復帰ばね、からなる電磁弁において、前記プランジャと前記電磁弁本体との間に設けられた緩衝ばねを備えることを特徴とする電磁弁。
【請求項2】 入口流路と出口流路の流路途中に弁口部を設けた電磁弁本体、前記弁口部に開口するシリンダ筒、前記弁口部に接離する弁体を有し前記シリンダ筒内に開弁方向に移動できるように挿入されたプランジャ、前記シリンダ筒の外側に配設される電磁コイル及び前記シリンダ筒の端部に嵌着され前記コイルの通電励磁による磁気吸引力で前記プランジャを開弁方向に吸引移動させる吸引子、該吸引子と前記プランジャとの間に組込まれ前記コイルの消磁時に前記プランジャを閉弁方向に弾発移動させる復帰ばね、からなる電磁弁において、一方のばね端部が前記プランジャに設けられた凸部を挿入して当接し、かつ、他方のばね端部が前記電磁弁本体に設けられた環状凹部に挿入して当接する緩衝ばねを備えることを特徴とする電磁弁。
【請求項3】 請求項2記載の電磁弁において、上記電磁弁本体は、その出口流路側にディフューザを備えることを特徴とする電磁弁。
【請求項4】 請求項2又は3に記載の電磁弁において、上記プランジャと上記吸引子との間には、パッキンを備えることを特徴とする電磁弁。
【請求項5】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の電磁弁において、上記プランジャと上記吸引子との当接部分の形状は、それぞれ断面が台形である台形部又は凹部を有することを特徴とする電磁弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁であり、特に冷凍・冷房装置等に使用される、作動時の衝撃音等を抑制することができる電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁弁において、電磁コイル作動時に可動鉄心が急速に固定鉄心に吸着される際に、固定鉄心と可動鉄心との吸着面に衝撃が発生し、騒音及び振動の原因となる場合がある。特に、空調設備においては、騒音が使用者に不快感を与えるため、低減することが要求されている。
【0003】従来の電磁弁は、図4に示すように、入口流路7´と出口流路8´の流路途中に弁口部21´を設けた電磁弁本体2´、弁口部21´に対口するシリンダ筒12´、弁口部21´に接離する弁体13´を有しシリンダ筒12´内に開弁方向に移動できるように挿入されたプランジャ3´、シリンダ筒12´の外側に配設される電磁コイル14´及びシリンダ筒12´の端部に嵌着されコイル14´の通電励磁による磁気吸引力でプランジャ3´を開弁方向に吸引移動させる吸引子4´、吸引子4´とプランジャ3´との間に組込まれコイルの消磁時に前記プランジャを閉弁方向に弾発移動させる復帰ばね16´、等からなっていた。プランジャ3´と吸引子4´との間にはパッキン15´が挿入されていた。そして、プランジャ3´と吸引子4´との当接部の形状は、図2(c)に示すように、平面となっていた(パッキン15´は図示していない。)。
【0004】従来の電磁弁においては、電磁コイル14´に電源を通電すると磁気回路が構成されるので、プランジャ3´は、復帰ばね16´、プランジャ3´の自重、入口流路7´と出口流路8´に加わる流体の圧力差、等に抗して吸引子4´に吸着されて開弁状態となり、流体は入口流路7´側から出口流路8´側へ流れることとなる。
【0005】また、電磁コイル14´の電源が遮断されると、プランジャ3´は復帰ばね16´の付勢力とプランジャ3´の自重とにより、吸引子4´から離れ、閉弁方向に移動して弁口部21´を閉塞するため、入口流路7´側から出口流路8´側への流体の流れを止めることができる。
【0006】従来の電磁弁においては、プランジャ3が閉弁方向に移動すると、弁体13´が弁口部21´に衝突することとなり、衝突音を生じていた。また、プランジャが開弁方向に移動すると、プランジャ3´が吸引子4´に衝突して衝突音を発生することとなるが、パッキン15´により発生を防止しているが、弁体13´付近で流体が動き出し、特に電磁弁本体部2´から出口流路8´に流入すると流体断面積の急激な増大等により、排出音や流出音が発生していた。そして、これらが騒音となって、使用者に不快感を与えるという問題が生じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来の問題を解決するものであり、プランジャが閉弁方向に移動する際に発生する騒音を低減し、そして、開弁方向に移動する際に発生する騒音を低減することにより、使用者に不快感を与えることのない電磁弁を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、弁口部を設けた電磁弁本体、前記弁口部に対して開閉移動する弁体、該弁体に連結されたプランジャ、該プランジャを収容するシリンダ筒、該シリンダ筒の外側に配置された電磁コイル及び吸引子、該吸引子と前記プランジャとの間に配置され、前記弁体を前記弁口部に付勢する復帰ばね、からなる電磁弁において、前記プランジャと前記電磁弁本体との間に設けられた緩衝ばねを備える電磁弁である。
【0009】また、本発明は、入口流路と出口流路の流路途中に弁口部を設けた電磁弁本体、前記弁口部に開口するシリンダ筒、前記弁口部に接離する弁体を有し前記シリンダ筒内に開弁方向に移動できるように挿入されたプランジャ、前記シリンダ筒の外側に配設される電磁コイル及び前記シリンダ筒の端部に嵌着され前記コイルの通電励磁による磁気吸引力で前記プランジャを開弁方向に吸引移動させる吸引子、該吸引子と前記プランジャとの間に組込まれ前記コイルの消磁時に前記プランジャを閉弁方向に弾発移動させる復帰ばね、からなる電磁弁において、一方のばね端部が前記プランジャに設けられた凸部を挿入して当接し、かつ、他方のばね端部が前記電磁弁本体に設けられた環状凹部に挿入して当接する緩衝ばねを備える電磁弁である。
【0010】そして、本発明は、上記電磁弁本体は、その出口流路側にディフューザを備える電磁弁である。
【0011】更に、本発明は、上記プランジャと上記吸引子との間には、パッキンを備える電磁弁である。
【0012】また、本発明は、上記プランジャと上記吸引子との当接部分の形状は、それぞれ断面が台形である台形部又は凹部を有する電磁弁である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の発明の実施の形態を説明する。本発明の電磁弁の一実施の形態について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、一実施の形態を示す電磁弁の断面説明図である。図2は、図1の実施の形態のプランジャの凸部及び吸引子の凹部の説明図である。図3は、図2に示す説明に基づくプランジャの凸部及び吸引子の凹部による特性曲線を示す説明図である。
【0014】図1に示すように、電磁弁本体2、シリンダ筒12、プランジャ3、電磁コイル14、吸引子4、復帰ばね16、緩衝ばね5、等からなる。
【0015】電磁弁本体2は、入口流路7と出口流路8の流路途中に弁口部21を有しており、弁口部21の周りに環状凹部22を有している。シリンダ筒12は、弁口部21に開口する端部12aを有している。プランジャ3は、弁口部21に接離する弁体13に連結してシリンダ筒12内で開弁方向に移動できるように挿入されている。電磁コイル14は、シリンダ筒12の外側に配設されている。吸引子4は、シリンダ筒12の端部12bに嵌着されコイル14の通電励磁による磁気吸引力でプランジャ3を開弁方向に吸引移動させる。復帰ばね16は、吸引子4とプランジャ3との間に組込まれコイル14の消磁時にプランジャ3を閉弁方向に弾発移動させる。緩衝ばね5は、プランジャ3と電磁弁本体2との間に設けられており、その一方の端部5aがプランジャ3の凸部31の外周に当接し、かつ、他方のばね端部5bが電磁弁本体2の環状凹部22の外周に当接している。緩衝ばね5の一方の端部5aとプランジャ3の凸部31の外周との及び他方のばね端部5bと電磁弁本体2の環状凹部22との当接としては、有る程度余裕を持たせることが好ましい。緩衝ばね5により、プランジャ3が閉弁方向に移動する際に、プランジャ3に連結する弁体13は弁口部21に急激に衝突することはなくなり、騒音を低減することができる。
【0016】なお、ハウジング11は、シリンダ筒12、電磁コイル14、吸引子4等を収納している。パッキン15は、プランジャ3と吸引子4の間に挿入され、プランジャ3が吸引子4に移動する際に衝突するのを防止する。ねじ17は、吸引子をハウジングに取り付ける。プランジャのオイル逃がし孔33は、電磁弁が流体であるオイルに浸されたとき、この孔より逃がす。プランジャ3は、シリンダ筒12内がオイルリッチな状態となって弁の開閉動作に影響を与える場合でも、入口流路7内の流体圧力が減少したとき、流体の自重でオイル逃がし孔33より排出されることとなり、以後動作遅れがなくって確実に作動するようになる。プランジャ3の台形部32と吸引子4の凹部41については、後述する。ディフューザ6は、電磁弁本体の出口流路側に設けられており、流体が電磁弁本体部2から出口流路8に流入しても流体断面積の急激な増大とはならないため、電磁弁本体2から出口流路8に流体が排出されるときの排出音及び流出音による騒音の発生は低減される。
【0017】本実施の形態の電磁弁におけるプランジャと吸引子の当接部分の形状について、図2及び図3を用いて説明する。本実施の形態のプランジャ3及び吸引子4の当接部分の形状は、図2(a)に例1を示すように、例えば断面が上辺6.4mm、下辺7.6mm、高さ1.5mm、斜面角度50°の台形となる円柱であるプランジャの台形部32と、例えば開口部分の直径8.0mm、内部の直径7.0mmの円柱である吸引子の凹部41である。さらに、例2を図2(b)に示すように、例えば断面が上辺5.0mm、下辺7.6mm、高さ1.5mm、斜面角度90°の台形となる円柱である台形部32と、開口部分の直径8.0mm、内部の直径7.0mmの円柱である凹部41である。吸引子の凹部41の形状は、プランジャの台形部32の形状に対応している。かかる吸引子4にプランジャ3が入り込む形状について、プランジャ3と吸引子4との間のエアーギャップと吸引力との関係を示す特性曲線を示すと図3に示す如くになる。なお、図3において、横軸はエアーギャップ(mm)を示し、縦軸は吸引力(g)を示している。かかる特性曲線に示されるように、図2(c)の形状に該当する従来例の曲線(c)においては、エアーギャップが小さくなると吸引力は急激に大きくなるが、図2(a)及び図2(b)の形状に該当する曲線(a)及び(b)においては、エアーギャップが小さくなっても吸引力の増加は緩やかに変化することが示されている。したがって、図2(a)及び図2(b)に示す形状によれば、プランジャ3の衝突力が大きくならず、当接音が小さくなり、作動耐久性も向上することとなる。なお、図2(a)及び図2(b)において、パッキン15は図示していない。プランジャ3の台形部32は、断面が上辺5.0〜6.4mm、下辺7.6mm、高さ1.5mm、斜面角度50〜90°の断面台形の円柱が好ましく、吸引子4の凹部41は、開口部分直径8.0mm、内部直径5.9〜7.0mmの凹部であるのが好ましい。
【0018】本実施例の電磁弁は、パッキン15を備えているため、プランジャ3が開弁方向に移動し、吸引子4に衝突して発生する衝突音を防止することができる。パッキン15としては、冷媒(フロン系)や冷凍機用オイルに耐える材料、PTFE(四弗化エチレン樹脂)等を使用するのが好ましい。このパッキン15は、吸着衝突力を緩和するため、プランジャ3と吸引子4の衝突摩耗やヘタリを抑えるとともに、シリンダ筒12と吸引子4との(TIG)溶接部への応力を減らすことになり、例えば4500万サイクル〜1億サイクルのプランジャの開閉動作を可能にすることができる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、プランジャが閉弁方向に移動する際に発生する騒音を低減し、そして、開弁方向に移動する際に発生する騒音を低減することにより、使用者に不快感を与えることのない電磁弁を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
【出願日】 平成10年12月10日(1998.12.10)
【代理人】 【識別番号】100095913
【弁理士】
【氏名又は名称】沼形 義彰 (外3名)
【公開番号】 特開2000−170945(P2000−170945A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−351532