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【発明の名称】 切換弁
【発明者】 【氏名】最上 敏博

【氏名】江口 尚宏

【氏名】多田 昌弘

【要約】 【課題】移動体を直接目視することにより、移動体の位置を確実に把握すること。

【解決手段】ケーシング29の移動体収容室33内に移動体34が移動可能に収容されている。ケーシング29には移動体収容室33に連通する複数のポート37〜39が形成されている。そして、ケーシング29には移動体収容室33に連通する透孔40が設けられ、この透孔40内にはその内周面に密接する光透過性の目視窓41が設けられている。このため、移動体34の上側ピストン26を直接目視することにより、移動体34の位置を確実に把握することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に移動体収容室を有するケーシングと、その移動体収容室内に移動可能に収容された移動体と、ケーシングに設けられ、前記移動体収容室に連通する複数のポートとを備え、前記ケーシング内において前記移動体により区画される圧力作用室内に作用するパイロット圧により、前記移動体を移動させて各ポートの連通切り換えを行う切換弁において、前記ケーシングに前記移動体収容室に連通する透孔を設け、この透孔に該透孔を塞ぐ光透過性部材を設けた切換弁。
【請求項2】前記透孔の外端側開口部は、前記移動体の移動方向に対応するケーシングの端面に形成されている請求項1に記載の切換弁。
【請求項3】内部に移動体収容室を有するケーシングと、その移動体収容室内に移動可能に収容された移動体と、ケーシングに設けられ、前記移動体収容室に連通する複数のポートとを備え、前記ケーシング内において前記移動体により区画される圧力作用室内に作用するパイロット圧により、前記移動体を移動させて各ポートの連通切り換えを行う切換弁において、前記ケーシングに前記移動体収容室に連通する透孔を設け、その透孔の内端側開口部を、前記移動体収容室において前記パイロット圧及び前記ポート内を流れる流体の圧力の影響が及ばない領域に形成した切換弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パイロット圧によりポートの連通切換を行う切換弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、切換弁のケーシング内にはスプール収容部が形成され、その内部にはスプールが移動可能に設けられている。ケーシング内においてスプール収容部の両端にはピストン収容部が形成され、その内部にはスプールと一体に設けられたピストンが移動可能に設けられている。このピストンによりピストン収容室内において圧力作用室が区画されている。又、ケーシングにはスプール収容室の内外に流体が出入りする複数のポートが形成されている。そして、ケーシングの圧力作用室内に流体が導入されると、同室内にあるピストンにパイロット圧が作用してスプールが移動する。これにより、各ポートの連通切り換えが行われる。このような切換弁では、故障や保守点検を行う際にスプールの位置を確認する必要がある。
【0003】そこで、従来より実公平1−35023号公報に示されるようなスプール位置検出装置が知られている。この位置検出装置のケース内には流体導入室が形成され、流体導入室は連通孔を介して前記スプール収容部の圧力作用室、又はピストン収容部に連通されている。流体導入室内にはボタン電池が収容されている。ボタン電池の一方の極は、ケースに設けられた表示ランプの一方の端子に接続されている。又、流体導入室内には摺動体が移動可能に収容されている。そして、前記スプールを移動させるために圧力作用室内にパイロット圧力を作用、又はスプール収容室内を流体が流れると、流体導入室内の圧力が上昇して摺動体が移動する。この移動により、ボタン電池の他方の電極と表示ランプの他方の端子とが接続される。この結果、表示ランプが点灯され、スプールの位置が分かるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の切換弁においては、上記の通り位置検出装置の流体導入室内の摺動体を移動させることにより表示ランプを点灯させて、スプールの移動位置を間接的に確認している。このため、流体導入室が圧力作用室に連通されているタイプでは、以下に示す不具合がある。即ち、何らかの原因によりスプールの移動がロック等の作動不良を起こし、各ポートの連通切換が行われていなくてもパイロット圧さえ作用すれば、表示ランプは点灯してしまう。つまり、ピストンの位置と表示ランプの表示に差違が生じ、切換弁を含めた流体圧システムのトラブルが発生した場合には、システム中の不具合な箇所を特定するのに時間がかかる。更に、各圧力作用室にパイロット圧が作用していない状態では、それぞれの圧力作用室に対応する表示ランプがいずれも点灯しない。よって、保守点検等で一旦スプール収容部への供給圧力を遮断した場合は、再びポートに圧力を供給するまで、スプールの位置を把握することができない。
【0005】又、流体導入室がスプール収容部に連通されているタイプでは、以下に示す不具合がある。即ち、スプール収容部内を流れる流体の圧力が極めて低いと、流体導入室内の摺動体を動作させることができない。このため、表示ランプを確実に点灯させることができない。このため、表示ランプを確実に点灯させることができない。よって、スプールの位置と表示ランプの表示に差違が生じ、切換弁を含めた流体圧システムのトラブルが発生した場合には、システム中の不具合な箇所を特定するのに時間がかかる。更に、スプール収容部に流体が供給されていない状態では、表示ランプが点灯しない。このため、保守点検等で一旦スプール収容部への供給圧力を遮断した場合は、再びポートに圧力を供給する前に、スプールの位置を把握することができない。
【0006】この発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、移動体を直接目視することにより、移動体の位置を確実に把握することが可能な切換弁を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、内部に移動体収容室を有するケーシングと、その移動体収容室内に移動可能に収容された移動体と、ケーシングに設けられ、前記移動体収容室に連通する複数のポートとを備え、前記ケーシング内において前記移動体により区画される圧力作用室内に作用するパイロット圧により、前記移動体を移動させて各ポートの連通切り換えを行う切換弁において、前記ケーシングに前記移動体収容室に連通する透孔を設け、この透孔に該透孔を塞ぐ光透過性部材を設けた切換弁であることを要旨とする。
【0008】この構成によれば、透孔から光透過性部材を介して移動体収容室内における移動体を直接目視することができるため、移動体の位置を確認することが可能になる。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の切換弁において、前記透孔の外端側開口部は、前記移動体の移動方向に対応するケーシングの端面に形成されていることを要旨とする。
【0010】この構成によれば、移動体が目視する者の手前側に近づいたか、或いは遠ざかったかを目視することにより、移動体の位置を確認することが可能になる。請求項3に記載の発明は、内部に移動体収容室を有するケーシングと、その移動体収容室内に移動可能に収容された移動体と、ケーシングに設けられ、前記移動体収容室に連通する複数のポートとを備え、前記ケーシング内において前記移動体により区画される圧力作用室内に作用するパイロット圧により、前記移動体を移動させて各ポートの連通切り換えを行う切換弁において、前記ケーシングに前記移動体収容室に連通する透孔を設け、その透孔の内端側開口部を、前記移動体収容室において前記パイロット圧及び前記ポート内を流れる流体の圧力の影響が及ばない領域に形成したことを要旨とする。この構成によれば、透孔を介して移動体収容室内における移動体を直接目視することができるため、移動体の位置を確認することが可能になる。又、パイロット圧の圧力の影響が及ばない領域に透孔が形成されているため、ケーシングの密閉性や移動体の動作性を低下させにくい。又、透孔はポート内を流れる流体の圧力の影響が及ばない領域に形成されているので、当該流体が透孔を介してケーシング外に漏れる心配もない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1,図2に示されるように、切換弁としての電磁弁マニホールド1は、パイロット式電磁弁2、マニホールドブロック3という、2つの部分から成り立っている。このマニホールドブロック3の左端面3aには、複数個のパイロット式電磁弁2が連設される。
【0012】マニホールドブロック3の1つの側端面には、シリンダAポート5及びシリンダBポート6を1組とするシリンダ接続用ポート群が配列されている。又、流体としてのエア(空気)を供給するための供給Pポート7は、マニホールドブロック3に貫設されている。供給Pポート7に対してエアを給排するための配管等は、図示しない奥側の端面に接続されるようになっている。シリンダAポート5は流路10に、シリンダBポート6は流路11に、供給Pポート7は流路12にそれぞれ連通している。なお、これらの流路10,11,12は、いずれも前記マニホールドブロック3の左端面3aにおいて開口している。
【0013】電磁弁2は、主弁部21と、手動切換部22と、パイロット弁部23とによって構成されている。前記パイロット弁部23は、手動切換部22を介して主弁部21と並列に配置されている。パイロット弁部23は、ソレノイド28a,28bを備えている。
【0014】主弁部21のケーシング29は、金属からなるスプール収容部30と、合成樹脂からなるピストン収容部31,32とから構成されている。ピストン収容部31,32はスプール収容部30の上下両端部に配設されている。ケーシング29には移動体収容室33が形成されており、その中には移動体34が自身の長手方向に沿って摺動可能に収容されている。
【0015】移動体34は、スプール24と、そのスプール24の両端部に設けられた円形状のピストン25,26とから構成されている。スプール収容部30には長手方向に延びる挿通孔30aが形成され、その中には前記スプール24が摺動可能に収容されている。スプール24の外周に設けたパッキン24aにより、ポート50a〜50e内を流れるエアが外部に漏れることなない。
【0016】各ピストン25,26は、各ピストン収容部31,32に形成された圧力作用室31a,32a内に収容されている。各ピストン25,26の外周面は、各圧力作用室31a,32aの内面に摺動可能になっている。この実施形態において、移動体収容室33は、挿通孔30aと、長手方向両端部の圧力作用室31a,32aとから構成されている。又、各ピストン25,26の外端面には、その周方向に沿って延びる環状のパッキン35,36がそれぞれ設けられている。両パッキン35,36の外周は、各圧力作用室31a,32aの内面に摺動可能となっている。そして、このパッキン35,36により、各圧力作用室31a,32a内のエアが抜けるのが防止される。
【0017】前記移動体収容室33に連通する3つのポート37,38,39は、いずれもケーシング29の右端面29aにおいて開口している。前記各ポート37,38,39の開口部分は、マニホールドブロック3側の流路10,11,12の開口部分に合致している。又、手動切換部22及び主弁部21には、中途で分岐するパイロット圧導入用流路27が形成されている。そのうち下側に分かれる1本は、手動切換部22を介してパイロット弁部23と主弁部21の下側圧力作用室31aに連通されている。上側に分かれるもう1本は、手動切換部22を介してパイロット弁部23と主弁部21の上側圧力作用室32aに連通されている。
【0018】パイロット弁部23のAポートからは、下側圧力作用室31a内にパイロット圧が導入されるようになっている。下側ソレノイド28aの励磁により下側圧力作用室31a内にパイロット圧が作用すると、図2に示されるように、スプール24及びピストン25,26は上側に押圧される。又、パイロット弁部23のRポートからは、上側圧力作用室32a内にパイロット圧が導入されるようになっている。上側ソレノイド28bの励磁により上側圧力作用室32a内にパイロット圧が作用すると、図1に示されるように、スプール24及びピストン25,26は下側に押圧される。
【0019】次に、この実施形態の要部について説明する。図3に示されるように、前記上側ピストン収容部32の上部には、外部から上側圧力作用室32aに連通する円形状の透孔40が形成されている。透孔40の内端側開口部は前記移動体収容室33の上側圧力作用室32aに形成されている。透孔40の外端側開口部は外部に形成されている。透孔40の軸線は、前記スプール24の軸心と一致している。換言すれば、透孔40の軸線は、上側ピストン26の中心と一致している。
【0020】円柱状をなす光透過性部材としての目視窓41により、前記透孔40は塞がれている。この目視窓41を介して上側圧力作用室32a内にある上側ピストン26の位置を目視できるようになっている。この目視窓41はアクリル等の透明な合成樹脂材料から構成されている。
【0021】目視窓41の外周面には環状をなす係合溝42が形成され、この係合溝42内にはOリング43がはめ込まれている。このOリング43の外周面は透孔40の内周面に圧接されている。この圧接により、上側圧力作用室32a内に導入されたエアが外部に抜けるのが防止され、上側圧力作用室32a内の気密性が確保される。又、Oリング43よりも外方における目視窓41の外周面には、一対のスプリングピン44が設けられている。このスプリングピン44により目視窓41は透孔40に取り付けられている。
【0022】目視窓41の内端面はピストン収容部32の内壁面と面一になっている。目視窓41の外端面は上側ピストン収容部32の上端面と面一になっている。この目視窓41の軸線は、前記スプール24の軸線と一致する位置に配置されている。換言すれば、目視窓41の軸線は、上側ピストン26の中心と一致する位置に配置されている。
【0023】次に、この実施形態の電磁弁マニホールド1の動作を説明する。図1の状態においては以下のようになる。エアを供給した状態で下側のソレノイド28aを励磁すると、エアは、パイロット弁部23、手動切換部22及びパイロット圧導入用流路27を介して、下側ピストン25の下側圧力作用室31a内に導入される。すると、エアの圧力により下側ピストン25が押圧されることで、スプール24が上側(図2に示す位置)に移動する。この移動により、供給Pポート7とシリンダAポート5とが連通する。よって、シリンダAポート5側にエアが供給されるようになっている。
【0024】逆に、下側のソレノイド28aを消磁し、上側のソレノイド28bを励磁すると、エアが下側圧力作用室31a内に導入されなくなり、上側圧力作用室32a内に導入される。すると、エアの圧力により上側ピストン25が押圧されることにより、スプール24が下側(図1に示す位置)に移動する。この移動により、供給Pポート7とシリンダBポート6とが連通する。よって、シリンダBポート6側にエアが供給されるようになっている。
【0025】又、移動体34の位置を確認するには、透孔40から目視窓41を介して上側ピストン26の上面を目視する。目視した結果、上側ピストン26が手前側(図1の上側)にある場合には、移動体34が上側のストロークエンドに位置していることになる。反対に、上側ピストン26が奥行き側(図1の下側)にある場合には、移動体34が下側のストロークエンドに位置していることになる。
【0026】従って、この実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)ケーシング29の移動体収容室33内に移動体34が移動可能に収容されている。ケーシング29には移動体収容室33に連通する複数のポート37〜39が形成されている。そして、ケーシング29には移動体収容室33に連通する透孔40が設けられ、この透孔40内にはその内周面に密接する光透過性の目視窓41が設けられている。このため、移動体34の上側ピストン26を直接目視することにより、移動体34の位置を確実に把握することができる。従って、移動体34の移動がロックしたり、圧力作用室31a,32aにエアが供給されていなかったり、或いはスプール24が作動不良をおこしたりすること等があっても、どこに不具合の原因があるのかを短時間で見つけ出すことができる。又、シリンダ供給Pポート7にエアを供給する場合に、シリンダAポート5、シリンダBポート6のどちらかにエアが出てくるか、予め把握することができるので、設備装置保守点検後の原点復帰確認及び立ち上げ時間を短くすることができる。
【0027】(2)透孔40の外端側開口部は、移動体34の移動方向に対応するケーシングの端面、即ちケーシング29の上端面に形成されている。即ち、透孔40を移動体34の軸線上に配置した。このため、上側圧力作用室32a内の上側ピストン26全体を見ることができる。この結果、移動体34の位置をよりいっそう容易に把握することができる。
【0028】(3)一対のスプリングピン44を目視窓41の円周溝に係合することにより、目視窓41が透孔40に取り付けられている。このため、例えば外周面にネジを有する目視窓41を透孔40に螺着するという構成に比較して、低コストで目視窓41を取り付けることができる。
【0029】(4)目視窓41の外端面はケーシング29の外面から張り出していない。このため、電磁弁マニホールド1全体の小型化を図ることが可能である。それとともに、電磁弁マニホールド1の外観品質を向上することができる。
【0030】(5)ピストン25,26の一部を各圧力作用室31a,32a内から外部に突出させることなく、移動体34の位置を確実に把握することができる。従って、ピストン25,26と各ピストン収容部31,32との間に摺動部分が存在しないので、ピストン25,26の外周面が摩耗するのを防止することができるとともに、メンテナンスフリーにすることができる。
(第2実施形態)次に、この発明の第2の実施形態を、前記第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0031】さて、この第2の実施形態では、図4に示すように、ケーシング29の左右両端部にパイロット弁部23が設けられ、各パイロット弁部23内にそれぞれ電磁弁が収容されている。ケーシング29内にはその左右方向に延びる移動体収容室33が形成されている。ケーシング29の下端面29aには、移動体収容室33の挿通孔30aに連通する5つのポート50a〜50eが開口されている。
【0032】又、ケーシング29におけるスプール収容部30の左右両端部には、上下方向に延びる溝部52,53が形成されている。各溝部52,53はスプール24の上方に配置されている。そして、各溝部52,53の内面と、その溝部52,53に対向するスプール収容部30の側面とで囲まれることにより、透孔55,56が形成されている。各透孔55,56は移動体収容室33を構成するスプール24の挿通孔30aに連通されている。
【0033】各透孔55,56の外端側開口部は、スプール収容部30の上端面に形成されている。各透孔55,56の内端側開口部は、移動体収容室33において前記パイロット圧及びポート50a〜50eを流れるエアの圧力の影響が及ばない領域に形成されている。即ち、各透孔55,56の内端側開口部はスプール24の外周面に対し対向する位置に配置されている。この実施形態では、透孔55,56が設けられている移動体収容室33内の圧力は大気圧となっている。
【0034】スプール24の両端部外周面には、移動体34の位置を示唆するためのマーク57,58が色付けされている。この実施形態において、各マーク57,58の色は赤色(図4に点線で示す部分)となっている。そして、移動体34が左右何れか一方の側に移動した際に、各マーク57,58のうち何れか一つが各透孔55,56と対向する位置に配置される。
【0035】次に、この実施形態の電磁弁マニホールド1の動作を説明する。移動体34の位置を確認するには、それぞれの透孔55,56を介してスプール24の外周面を目視する。即ち、目視した結果、左側の透孔55にマーク57を確認した場合には、移動体34が右側のストロークエンドに位置していることになる。反対に、右側の透孔55にマーク58を確認した場合には、移動体34が左側のストロークエンドに位置していることになる。更に、両透孔55,56からマーク57,58の一部がそれぞれ見える場合には、移動体34が左右両ストロークエンドの途中に位置していることになる。又、パイロット圧の圧力の影響が及ばない領域に透孔55,56が形成されているため、ケーシング29の気密性や移動体34の動作性を低下させにくい。又、透孔55,56はポート50a〜50e内を流れるエアの圧力の影響が及ばない領域に形成されているので、エアが透孔55,56を介してケーシング29外に漏れる心配もない。
【0036】従って、この第2実施形態においては以下に示す効果を奏する。
(1)各透孔55,56の内端側開口部は、移動体収容室33においてパイロット圧及びポート50a〜50e内を流れるエアの圧力の影響が及ばない領域に形成されている。このため、スプール24を直接目視することにより、移動体34の位置を確実に把握することができる。
【0037】(2)ケーシング29に透孔55,56を形成したという極めてシンプルな構成であるため、低コスト化を図ることができる。
(3)スプール24の両端部外周面には、マーク57,58が色付けされている。従って、各透孔55,56を介してマーク57,58があるかないかを確認することで、移動体34の位置をよりいっそう容易に把握することができる。
【0038】なお、この発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・図5に示すように、ピストン収容部32の外端面には、目視窓41の外端面を覆うためのカバー65が設けられている。このカバー65の基端には係止突起65aが形成され、この係止突起65aはピストン収容部32の下部に形成された取付溝66に係入されている。これにより、カバー65がピストン収容部32に固定されている。カバー65の基端部には柔軟性を有する材料からなる薄肉ヒンジ67が形成され、この薄肉ヒンジ67を中心にしてカバー65は回動可能となっている。カバー65の先端には係合突起65bが形成され、この係合突起65bはピストン収容部32の左側外端面に形成された係合凹部68に係止可能になっている。
【0039】そして、目視窓41を介して移動体34を目視するときには、係合凹部68と係合突起65bとの係合を解除して、カバー65を右側(図5の時計回り方向)に回動する。これにより、目視窓41の外端面を外部に露出させる。又、移動体34を目視しないときには、カバー65を左側(図5の反時計回り方向)に回動して、係合凹部68に係合突起65bを係合する。この係合によって目視窓41の外端面がカバー56により覆われる。従って、目視窓41を使用するときのみ目視窓41を外部に露出させるので、目視窓41の外端面に埃等が付着するのを防止することができる。
【0040】・前記第1実施形態では、目視窓41をアクリルで構成したが、これ以外の合成樹脂材料として、ナイロンやポリカーボネート等に変更してもよい。又、ピストン26を拡大して目視することができるように、目視窓41の形状を変更してもよい。
【0041】・前記第1実施形態では、透孔40に目視窓41をスプリングピン44により取り付けたが、目視窓41を接着剤により固定してもよい。
・前記第1実施形態では、透孔40を上側ピストン収容部32に設けたが、下側ピストン収容部31、もしくは上下両側のピストン収容部31,32に設けてもよい。
【0042】・前記第1実施形態において、ピストン収容部32の全体を光透過性のある材料で形成してもよい。この構成によれば、上側ピストン26を目視できるばかりでなく、スプール24の上部も目視できる。
【0043】・前記第1実施形態では、目視窓41の外端面はピストン収容部32の外壁面と面一になっている。これ以外にも、目視窓41の外端面をピストン収容部32の外壁面よりも内側又は外側に設けてもよい。
【0044】・前記第1実施形態では、透孔40の内部に目視窓41を設けることにより同透孔40を塞いだ。これ以外にも、透孔40の内外両端部にそれぞれ板状の目視窓41を設け、透孔40内が中空状になるように形成してもよい。
【0045】・前記第2実施形態では、各マーク57,58の色を赤色にしたが、例えば、青、緑、蛍光色等の色に変更することも可能である。又、各透孔55,56の内面に各マーク57,58とは明らかに異なる色を付けてもよい。この構成にすれば、マーク57,58がいっそう見やすくなる。
【0046】・前記第2実施形態において、透孔55,56を光透過性部材により塞いでもよい。次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
【0047】(1) 前記光透過性部材は移動体の軸線上に配置されている請求項1又は請求項2に記載の切換弁。この構成によれば、移動体の位置をいっそう容易に把握することができる。
【0048】(2) 前記光透過性部材の外端面はケーシングの外側面と面一である請求項1、請求項2、前記(1)に記載の切換弁。この構成によれば、切換弁の外観品質を向上することができる。
【0049】(3) 前記光透過性部材はスプリングピンにより前記透孔に取り付けられている請求項1、請求項2、前記(1)、(2)に記載の切換弁。この構成によれば、低コストで光透過性部材を取り付けることができる。
【0050】(4) 前記光透過性部材の外端面はケーシングの端面よりも内側に位置している請求項1、請求項2、前記(1)〜(3)に記載の切換弁。この構成によれば、光透過性部材の大型化を防止することができる。
【0051】(5) 前記光透過性部材の外端面を覆うことが可能なカバーが設けられている請求項1、請求項2、前記(1)〜(4)に記載の切換弁。この構成によれば、光透過性部材の外端面が埃等により汚れるのを抑えることができるため、良好な視界を確保することができる。
【0052】(6) 前記移動体又はケーシングのうち少なくとも何れか一方には移動体34の位置を示唆するためのマークが設けられている請求項1〜請求項3、前記(1)〜(5)に記載の切換弁。この構成によれば、移動体の位置をいっそう容易に把握することができる。
【0053】(7) 内部に移動体収容室を有するケーシングと、その移動体収容室内に移動可能に収容された移動体と、ケーシングに設けられ、前記移動体収容室に連通する複数のポートとを備え、前記ケーシング内において前記移動体により区画される圧力作用室内に作用するパイロット圧により、前記移動体を移動させて各ポートの連通切り換えを行う切換弁において、前記ケーシングには前記移動体を見るための透光部を設けた切換弁。この構成によれば、移動体の位置を確実に把握することができる。
【0054】(8) 内部に移動体収容室を有するケーシングと、その移動体収容室内に移動可能に収容された移動体と、ケーシングに設けられ、前記移動体収容室に連通する複数のポートとを備え、前記ケーシング内において前記移動体により区画される圧力作用室内に作用するパイロット圧により、前記移動体を移動させて各ポートの連通切り換えを行う切換弁において、前記ケーシングには前記移動体を見るための目視窓を設けた切換弁。この構成によれば、移動体の位置を確実に把握することができる。
【0055】(9) 内部に移動体収容室を有するケーシングと、その移動体収容室内に移動可能に収容された移動体と、ケーシングに設けられ、前記移動体収容室に連通する複数のポートとを備え、前記ケーシング内において前記移動体により区画される圧力作用室内に作用するパイロット圧により、前記移動体を移動させて各ポートの連通切り換えを行う切換弁において、前記ケーシングに前記移動体収容室に連通する透孔を設け、その透孔の内端側開口部を、移動体に推力を付与しない領域に形成した切換弁。この構成によれば、移動体の位置を確実に把握することができるとともに、移動体をスムーズに移動させることができる。
【0056】(10) 内部に移動体収容室を有するケーシングと、その移動体収容室内に移動可能に収容された移動体と、ケーシングに設けられ、前記移動体収容室に連通する複数のポートとを備え、前記ケーシング内において前記移動体により区画される圧力作用室内に作用するパイロット圧により、前記移動体を移動させて各ポートの連通切り換えを行う切換弁において、移動体収容室に連通する透孔を設け、移動体収容室内の圧力が大気圧である領域に前記透孔を連通するようにした切換弁。この構成によれば、移動体の位置を確実に把握することができるとともに、移動体をスムーズに移動させることができる。
【0057】(11) 内部に移動体収容室を有するケーシングと、その移動体収容室内に移動可能に収容された移動体と、ケーシングに設けられ、前記移動体収容室に連通する複数のポートとを備え、前記ケーシング内において前記移動体により区画される圧力作用室内に作用するパイロット圧により、前記移動体を移動させて各ポートの連通切り換えを行う切換弁において、前記移動体をスプールとそのスプールの両端部に設けた一対のピストンとから構成し、前記移動体収容室に連通する一対の透孔を設け、各透孔の内端側開口部を前記移動体の各ピストンに通じる位置に配置した切換弁。この構成によれば、移動体の位置を確実に把握することができるとともに、移動体の動作性が低下するのを防止することができる。
【0058】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、移動体を直接目視することにより、移動体の位置を確実に把握することができる。
【0059】請求項2に記載の発明によれば、移動体の位置をよりいっそう容易に確実に把握することができる。請求項3に記載の発明によれば、簡単な構成で、かつ移動体の動作性に悪影響を及ぼすことなく、移動体の位置を確実に把握することができる。
【出願人】 【識別番号】000106760
【氏名又は名称】シーケーディ株式会社
【出願日】 平成10年12月7日(1998.12.7)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
【公開番号】 特開2000−170940(P2000−170940A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−347203