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【発明の名称】 圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁
【発明者】 【氏名】角龍 信之

【氏名】兵藤 訓一

【氏名】木原 和幸

【氏名】林 喜與志

【要約】 【課題】弁全体の構成を簡単にして小型化と生産コスト低減を図る。

【解決手段】比例電磁アクチュエータ14aを励磁すると、電流の大きさに比例して第1のスプール11が左行し、ポートP−A,B−Sb,B−Cb間の流路が開き、ポートAに連通する液圧シリンダの一方のエンドに圧液が流入するとともに、他方のエンドからの排出液はポートBの右端側の小円部とスプールランド11dとで形成される流量制御部を通ってポートCbからポートTへ還流する。このとき、ポートBの圧力はポートSbを介して圧力補償弁20のセンシング圧力室20aに、ポートCbの圧力はスプリング室20bにそれぞれ連通しているので、第2のスプール21は右方向に移動して両ポートの差圧を常に一定に保つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧力源に連通する液圧供給ポートと、外部の液圧アクチュエータに連通する第1の外部接続ポート及び第2の外部接続ポートと、液圧タンクへの戻りポートと、第1のスプール孔内を移動して前記各ポート間の流路を制御する第1のスプールと、該第1のスプールを中立位置に保持するセンタリング手段と、該センタリング手段に抗して前記第1のスプールを駆動する一対の比例電磁アクチュエータとを有する比例電磁方向流量制御弁と、第2のスプール孔内を移動する第2のスプールと該スプールを一方向に付勢するスプリングとを有し、前記液圧アクチュエータからの排出液の圧力補償をする圧力補償弁とを同一ボディ内に内蔵した圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁において、前記液圧アクチュエータから前記第1,第2の外部接続ポートへの排出液の流量を制御して前記戻りポートへ導く第1の還流ポート及び第2の還流ポートと、前記第1のスプール孔の軸線上のほぼ同一位置で前記第1,第2の外部接続ポートの軸線にそれぞれ交差する軸線を有する第1のセンシングポート及び第2のセンシングポートとを設け、前記第1,第2の還流ポートの圧力を共に前記圧力補償弁のスプリング室側に、前記第1,第2のセンシングポートの圧力を共に前記圧力補償弁のセンシング圧力室側にそれぞれ連通させたことを特徴とする圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁。
【請求項2】 第1の外部接続ポートの軸線と第1のセンシングポートの軸線及び第2の外部接続ポートの軸線と第2のセンシングポートの軸線を、それぞれ直交させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁。
【請求項3】 第1の外部接続ポート及び第2の外部接続ポートは、その断面形状を、第1のスプールの中立位置からの移動による液圧アクチュエータからの排出流路の開口面積変化を緩やかにするように形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁。
【請求項4】 第1のスプールは、圧液が液圧供給ポートから第1の外部接続ポートに、第2の外部接続ポートから第2の還流ポートに流れる方向に切り換えられたときには、前記第2の外部接続ポートの圧力のみを第2のセンシングポートへ導いて第1のセンシングポートを閉ざし、圧液が液圧供給ポートから第2の外部接続ポートに、第1の外部接続ポートから第1の還流ポートに流れる方向に切り換えられたときには、前記第1の外部接続ポートの圧力のみを前記第1のセンシングポートへ導いて前記第2のセンシングポートを閉ざすようにするスプールランドを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁。
【請求項5】 液圧供給ポート、第1,第2の外部接続ポート、第1,第2の還流ポート、第1,第2のセンシングポートを、すべて孔加工により形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液圧システムにおける流量の連続制御あるいは多段制御を電気信号によって比例制御する圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の比例電磁方向流量制御弁としては、従来例えば図5乃至図7に示すようなものがある。図5は、従来の比例電磁方向流量制御弁100の一例を示す断面図であり、比例電磁アクチュエータ101及び102のいずれもが非励磁状態にあるときには、スプール103は両端部に設けたセンタリングワッシャ104,105を介して復帰スプリング106,107の付勢力を受けて中立位置に保持され、液圧供給ポートP、液圧シリンダ108(図7参照)への第1,第2の外部接続ポートA,B、液圧タンク(図示しない)への戻りポートT間はいずれも閉ざされて圧液の流通は阻止されている。
【0003】この状態で比例電磁アクチュエータ101に電流を流して励磁状態にすると、その電流の大きさに比例して可動鉄心101aを図5で左方向へ吸引する力が生じ、その吸引力が復帰スプリング106の付勢力と釣り合う位置までスプール103が左行して図6に示す状態となる。これにより、液圧供給ポートPと第1の外部接続ポートAとの間及び第2の外部接続ポートBと戻りポートTとの間の流路が形成され、その流路の開口面積と各ポート間の差圧力に応じて流量が制御される。
【0004】逆に、比例電磁アクチュエータ102に電流を流して励磁状態にすると、可動鉄心102aを図5で右方向へ吸引する力が生じ、その吸引力が復帰スプリング107の付勢力と釣り合う位置までスプール103が右行する。これにより、液圧供給ポートPと第2の外部接続ポートBとの間及び第1の外部接続ポートAと戻りポートTとの間の流路が形成され、その流路の開口面積と各ポート間の差圧力に応じて流量が制御される。
【0005】図7は、このような従来の比例電磁方向流量制御弁100に、液圧シリンダ108の負荷変動に影響されることなくその排出液量を制御可能な第1,第2の圧力補償弁111,112を付加した圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁の液圧回路の一例を示すものである。これらの第1,第2の圧力補償弁111,112にはそれぞれ第1,第2の外部接続ポートA,Bから液圧シリンダ108のヘッドエンド108a及びロッドエンド108bへ自然流れの第1,第2の逆止弁113,114を並列に設けている。
【0006】このような構成で、比例電磁アクチュエータ101を励磁した場合、液圧供給ポートPから流入して第1の外部接続ポートAから流出した圧液は、第1の逆止弁113を通り液圧シリンダ108のヘッドエンド108a側に供給され、ロッド108cを図で右方へ伸長させる。これにより、ロッドエンド108b側から排出された排出液は、第2の圧力補償弁112を通って第2の外部接続ポートBから戻りポートTへと流出して図示しないタンクへ還流する。
【0007】このとき、第2の圧力補償弁112は、比例電磁方向流量制御弁100のスプール103が比例電磁アクチュエータ101に流れる電流によって生じた吸引力に応じて移動して形成する第2の外部接続ポートBと戻りポートT間の開口部の前後の圧力差を一定に保ち、負荷の変動に影響されることなく、液圧シリンダ108からの排出液の流量を一定に制御する所謂メータアウト制御を行う。
【0008】逆に、比例電磁アクチュエータ102に電流を流して励磁したときは、液圧供給ポートPから流入して第2の外部接続ポートBから流出した圧液は、第2の逆止弁114を通り液圧シリンダ108のロッドエンド108b側に供給され、ロッド108cを図で左方へ収縮させる。これにより、ヘッドエンド108a側から排出された排出液は第1の圧力補償弁111を通って第1の外部接続ポートAから戻りポートTへと流出して図示しないタンクへ還流する。
【0009】このときも、第1の圧力補償弁111は、比例電磁方向流量制御弁100のスプール103が比例電磁アクチュエータ102に流れる電流によって生じた吸引力に応じて移動して形成する第1の外部接続ポートAと戻りポートT間の開口部の前後の圧力差を一定に保ち、負荷の変動に影響されることなく、液圧シリンダ108からの排出液の流量を一定に制御する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁にあっては、1個の液圧シリンダを制御するためには、そのヘッドエンド側及びロッドエンド側にそれぞれ圧力補償弁と逆止弁を必要とし、部品点数が増大して構成が複雑化し、製造コストが上昇するという問題点があった。
【0011】また、上記の各弁を内蔵するための別設の大形のマニホールドブロックが必要になり、弁全体の形状が大きくなるという点にも問題があった。この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、構成が簡単で弁全体の形状を小型化し得る圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁を安価に提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を達成するため、圧力源に連通する液圧供給ポートと、外部の液圧アクチュエータに連通する第1の外部接続ポート及び第2の外部接続ポートと、液圧タンクへの戻りポートと、第1のスプール孔内を移動して上記各ポート間の流路を制御する第1のスプールと、この第1のスプールを中立位置に保持するセンタリング手段と、このセンタリング手段に抗して上記第1のスプールを駆動する一対の比例電磁アクチュエータとを有する比例電磁方向流量制御弁と、第2のスプール孔内を移動する第2のスプールとこのスプールを一方向に付勢するスプリングとを有し、上記液圧アクチュエータからの排出液の圧力補償をする圧力補償弁とを同一ボディ内に内蔵し、以下のような構成からなる圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁を提供するものである。
【0013】すなわち、上記液圧アクチュエータから上記第1,第2の外部接続ポートへの排出液の流量を制御して上記戻りポートへ導く第1の還流ポート及び第2の還流ポートと、上記第1のスプール孔の軸線上のほぼ同一位置で上記第1,第2の外部接続ポートの軸線にそれぞれ交差する軸線を有する第1のセンシングポート及び第2のセンシングポートとを設け、上記第1,第2の還流ポートの圧力を共に上記圧力補償弁のスプリング室側に、上記第1,第2のセンシングポートの圧力を共に上記圧力補償弁のセンシング圧力室側にそれぞれ連通させるようにした。
【0014】そして、上記の制御弁において、第1の外部接続ポートの軸線と第1のセンシングポートの軸線及び第2の外部接続ポートの軸線と第2のセンシングポートの軸線を、それぞれ直交させるようにするのが好ましい。
【0015】また、上記の制御弁において、第1の外部接続ポート及び第2の外部接続ポートは、その断面形状を、第1のスプールの中立位置からの移動による液圧アクチュエータからの排出流路の開口面積変化を緩やかにするように形成するのがよい。
【0016】さらに、上記の制御弁において、第1のスプールは、圧液が液圧供給ポートから第1の外部接続ポートに、第2の外部接続ポートから第2の還流ポートに流れる方向に切り換えられたときには、上記第2の外部接続ポートの圧力のみを第2のセンシングポートへ導いて第1のセンシングポートを閉ざし、圧液が液圧供給ポートから第2の外部接続ポートに、第1の外部接続ポートから第1の還流ポートに流れる方向に切り換えられたときには、上記第1の外部接続ポートの圧力のみを上記第1のセンシングポートへ導いて上記第2のセンシングポートを閉ざすようにするスプールランドを有するようにする。
【0017】なお、上記の制御弁において、液圧供給ポート、第1,第2の外部接続ポート、第1,第2の還流ポート、第1,第2のセンシングポートを、すべて孔加工により形成するのが好ましい。
【0018】この発明による圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁は上記のように構成することにより、第1のスプールのストロークに比例して第1又は第2の外部接続ポートと第1又は第2の還流ポートへの流路が開くと、第1又は第2のセンシングポートの圧力が第1又は第2の還流ポートの圧力よりも圧力補償弁のスプリングの付勢力分だけ高くなるように第2のスプールが移動し、負荷変動に影響されることなく液圧アクチュエータからの排出液の流量を一定に制御することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。図1は、この発明の一実施形態を示す正断面図、図2は、図1のX−X線に沿う平断面図、図3は、その液圧回路図である。なお、図面を簡略化するため、図1及び図2において必ずしも同一平面上にない部分も同一図面上に示してある。
【0020】この圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁は、図1に示すように、ボディ1内に互いに軸線を平行して形成した第1のスプール孔1a及び第2のスプール孔1b内に第1のスプール11及び第2のスプール21をそれぞれ摺動自在に装着している。第1のスプール11は、両端部にセンタリングワッシャ12a,12bを介して復帰スプリング13a,13bを係着し、常時図1に示す中立位置に保持され、第2のスプール21は、図1で右端部に調整スプリング22を係着して左行端に偏倚している。
【0021】第1のスプール孔1aの両端側には一対の比例電磁アクチュエータ14a,14bがボディ1に固設してあり、その励磁状態ではそれぞれの可動鉄心15a,15bがプッシュロッド16a,16bを介して第1のスプール11を復帰スプリング13a,13bの付勢力に抗して図1及び図2で左右方向へ駆動することができる。
【0022】そして、第1のスプール11、センタリングワッシャ12a,12b、復帰スプリング13a,13b、比例電磁アクチュエータ14a,14b等によって比例電磁方向流量制御弁10が、第2のスプール21、調整スプリング22等によって圧力補償弁が、センタリングワッシャ12a,12b、復帰スプリング13a,13bによってセンタリング手段がそれぞれ構成される。
【0023】また、ボディ1には、図示しない圧力源に連通する液圧供給ポートP(以下「ポートP」と略称する)、外部の液圧アクチュエータである液圧シリンダ30(図3参照)のヘッドポート30a及びロッドポート30bにそれぞれ連通する第1の外部接続ポートA(以下「ポートA」と略称する)及び第2の外部接続ポートB(以下「ポートB」と略称する)、図示しない液圧タンクへの戻りポートT(以下「ポートT」と略称する)が形成してある。
【0024】ポートA及びポートBの断面形状は、図4に図1の一部を拡大して示すように、第1のスプール孔1aの軸線X上の点a1,a1′及び点b1,b1′をそれぞれ中心とする大径の長円部A1,B1と、点a2,a2′及び点b2,b2′をそれぞれ中心とする小径の長円部A2,B2とを合体させた例えばダルマ状に形成し、互いに近接する側に大径の長円部A1,B1を配設している。
【0025】そして、ポートA及びポートBのそれぞれの長円部A1,B1のほぼ中央を通って上記軸線Xに直交する軸線Y1,Y2を有する第1のセンシングポートSa(以下「ポートSa」と略称する)及び第2のセンシングポートSb(以下「ポートSb」と略称する)を形成し、これらを1本のポートSに合流させて圧力補償弁20のセンシング圧力室20aに連通させる。
【0026】さらに、液圧シリンダ30からポートA,Bへの排出液をポートTへ導く第1の還流ポートCa(以下「ポートCa」と略称する)及び第2の還流ポートCb(以下「ポートCb」と略称する)をポートPに平行に形成し、これらを1本のポートCに合流させ、図示しない流路を介して図1に示すポートCTに導いてポートTに連通させるとともに、その圧力を圧力補償弁20のスプリング室20bに連通させる。
【0027】ボディ1に形成したこれらのポートP,A,B,Ca,Cb,Sa,Sb,C,Sはすべて加工の容易な孔加工により形成し、ポートCa,Cb,Sa,Sb,C,Sの外部への開口端はそれぞれ密閉している。特に、ポートSa,Sbは、圧力的平衡をとって第1のスプール11の動きを円滑にするため、図1に明示したように、第1のスプール孔1aに直交する上下両方向の流路部分を連結するようにしてある。したがって、各ポートの加工に通常用いられている加工の面倒なリセッシング加工は必要としない。
【0028】一方、第1のスプール11には、ポートPとポートA,B間及びポートSa,Sb間の流量を制御するための制御ランド11a,11bに加えて、それらより両端寄りに、ポートA,Bの小径の長円部A2,B2とポートCa,Cb間の流量を制御するための制御ランド11c,11dを設けてある。
【0029】このような構成により、第1のスプール11が図1及び図2で左方に移動して圧液がポートPからポートAに、ポートBからポートCbにそれぞれ流れるときには、ポートBの圧力のみをポートSbへ導いてポートSaを閉ざすことができる。逆に第1のスプール11が右方に移動して圧液がポートPからポートBに、ポートAからポートCaにそれぞれ流れるときは、ポートAの圧力のみをポートSaに導いてポートSbを閉ざすことができる。
【0030】次に、上記のような構成からなる実施形態の作用を説明する。比例電磁アクチュエータ14a,14bが共に非励磁状態にある図1及び図2に示す状態では、第1のスプール11は一対の復帰スプリング13a,13bの付勢力を両端から受けて中立位置に保持され、各ポート間はすべて閉ざされて圧液の流れは発生しない。
【0031】この状態から右側の比例電磁アクチュエータ14aに通電して励磁状態にすると、その電流の大きさに比例した左方向の吸引力が発生し、可動鉄心15aが左行してプッシュロット16aにより第1のスプール11を、上記の吸引力が復帰スプリング13aの付勢力に釣り合う位置まで左方に移動させる。
【0032】第1のスプール11の左方への移動により、ポートBがポートSbに、ポートPがポートAに、ポートBがポートCbに順次連通し、それぞれの流路の開口面積が漸次増大する。このとき、ポートBの小径の長円部B2と第1のスプール11のスプールランド11dが流量制御部となり、ポートBからポートCbへの流れが徐々に増加するようにして電流に比例した開口面積を形成し、ポートBとポートCb間の圧力差を圧力補償弁20によって一定に保つことと合わせて結果的に電流に比例した流量制御を行う。また、それぞれの流路の流量は流路の開口面積と各ポート間の差圧力に応じて制御される。
【0033】また、ポートSbはポートBへの戻り側の圧力を圧力補償弁20のセンシング圧力室20aに、ポートCbはスプリング室20bに接続されているので、この圧力補償弁20はポートBへの戻り側の圧力とポートCbの圧力差を一定に保ち、負荷の変化に影響されずに図3に示す液圧シリンダ30からの排出液の流量を一定に制御することができる。
【0034】ここで、図3を参照してこの発明の作用を液圧回路によって説明する。比例電磁アクチュエータ14aに電流を流すと、ポートPから流入した圧液はポートAを通って液圧シリンダ30のヘッドエンド30aに流入し、ロッド30cを図で右方に伸長させる。これにより、液圧シリンダ30のロッドエンド30bからの排出液は、ポートBを通ってポートCb及びポートSbへとつながり、圧力補償弁20の働きによりポートBとポートCbとの圧力差を一定に保ちながらポートTへ還流する。
【0035】逆に、比例電磁アクチュエータ14bに電流を流すと、ポートPから流入した圧液はポートBを通って液圧シリンダ30のロッドエンド30bに流入し、ロッド30cを図で左方に収縮させる。これにより、液圧シリンダ30のヘッドエンド30aからの排出液は、ポートAを通ってポートCa及びSaへとつながり、圧力補償弁20の働きによりポートAとポートCaとの圧力差を一定に保ちながらポートTへ還流する。
【0036】なお、上記の実施形態では、ポートA及びポートBの断面形状をダルマ状に形成したが、台形状あるいは三角形状等、第1のスプール11が中立位置から移動するときの液圧シリンダ30からの排出流路の開口面積変化を緩やかにするような形状であればいかなる形状であっても差支えない。
【0037】また、ポートSa及びSbあるいはポートCa及びCbの軸線は、孔加工を容易にするために、ポートA及びBの軸線に直交させるようにしたが、これらは必ずしも直交させる必要はなく、適当な角度で斜交させることも可能である。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、この発明による圧力補償弁付き比例電磁方向流量制御弁によれば以下に述べるような優れた効果を有する。請求項1に係る発明によれば、従来は液圧アクチュエータのヘッドエンド側とロッドエンド側にそれぞれ必要とした圧力補償弁及び逆止弁がただ1個の圧力補償弁のみでよく、構成を著しく簡略化し得て生産コストの低減と弁全体の形状の小型化とが可能になる。
【0039】請求項2に係る発明によれば、第1,第2のセンシングポートの軸線と第1,第2の外部接続ポートの軸線とをそれぞれ直交させることにより、ボディの加工を容易にすることができる。
【0040】請求項3に係る発明によれば、液圧アクチュエータからの排出流路の開口面積変化が緩やかになるように第1,第2の外部接続ポートの断面形状を形成することにより、液圧アクチュエータ作動時流量を比例電磁アクチュエータに流れる電流に比例して制御できる。
【0041】請求項4に係る発明によれば、第1のスプールに設けた制御ランドにより、液圧アクチュエータからの排出液のみを圧力補償弁に導き、流入側の圧液は閉ざすようにしたので、簡単な構成で排出液量を制御するメータアウト制御が可能になる。
【0042】請求項5に係る発明によれば、ボディに形成する各ポートをすべて加工の容易な孔加工により形成するようにしたので、従来のように加工の面倒なリセッシング加工が不要になり、ボディの加工に要する時間と手間を大幅に減少させることができる。
【出願人】 【識別番号】000003388
【氏名又は名称】株式会社トキメック
【出願日】 平成10年10月15日(1998.10.15)
【代理人】 【識別番号】100080931
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 敬
【公開番号】 特開2000−120913(P2000−120913A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−294076