| 【発明の名称】 |
高速切換弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】酒井 美武
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| 【要約】 |
【課題】一旦フルストロークしたロッドの位置を、ソレノイドに通電しなくても保つことができるようにすること。
【解決手段】高圧ポート2と、低圧ポート3と、両ポートを連通する通路中に形成したアクチュエータポート4と、上記通路内に設けたロッド9と、ロッド9に間隔を隔てて設けた第1および第2ポペット20、21と、第1および第2ソレノイド12、13と、ロッド9に対して、高圧ポート2側へ向かう力Fを作用させる弾性部材22とからなり、第1または第2ソレノイドに通電することによって、ロッド9が移動し、第1ポペット20が低圧ポート3を閉鎖するとともに高圧ポート2とアクチュエータポート4とが連通したり、第2ポペット21が低圧ポート3を閉鎖するとともにアクチュエータポート4と低圧ポート3とが連通したりする構成にし、第1ポペットの受圧面積をA、第2ポペットの受圧面積をB、高圧ポート2側の圧力をpとしたときに、p×A>F>p×Bの関係を満足する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高圧側に接続した高圧ポートと、低圧側に接続した低圧ポートと、これら両ポートを連通する通路と、この通路中に形成したアクチュエータポートと、上記通路内に設けたロッドと、このロッドに間隔を隔てて設けた第1ポペットおよび第2ポペットと、上記ロッドの両端に設けた第1ソレノイドおよび第2ソレノイドと、上記ロッドに対して、高圧ポート側へ向かう力Fを作用させる弾性部材とからなり、上記第1または第2ソレノイドに通電することによって、上記ロッドが移動し、第1ポペットが低圧ポートを閉鎖するとともに上記高圧ポートと上記アクチュエータポートとが連通したり、第2ポペットが高圧ポートを閉鎖するとともに上記アクチュエータポートと上記低圧ポートとが連通したりする構成にし、第1ポペットの受圧面積Aを、第2ポペットの受圧面積Bより大きくするとともに、上記高圧ポート側の圧力をpとしたときに、p×A>F>p×Bの関係を満足することを特徴とする高速切換弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ポペットの移動により流路を切り換える高速切換弁に関する。 【0002】 【従来の技術】図2に示す高速切換弁は、本体1の両端に、ポンプポート2とタンクポート3とを形成している。ポンプポート2にはポンプPに連通するポンプ流路7を接続し、タンクポート3には、タンク流路8を介してタンクTを接続している。また、上記本体1の中央には、アクチュエータポート4を形成している。このアクチュエータポート4には、流路5を介してシリンダ6のボトム側室6aを接続している。なお、上記シリンダ6のロッド側室6bには、上記ポンプ流路7および流路7aを介してポンプPが接続されている。さらに、本体1には、この本体1を貫通し、左右に移動可能なロッド9を設けている。そして、ロッド9の外周には、第1、第2ポペット10、11を設けている。これら第1、第2ポペット10、11は、同じ形状で、互いに間隔を保って設けられている。また、ロッド9の両端には第1、第2ソレノイド12、13を取り付けている。これらのソレノイド12、13に通電することにより、上記ロッド9は左右に移動する。 【0003】そして、ロッド9がフルストロークすると、ロッド9と一体に移動する上記第1、第2ポペット10、11が、タンクポート3またはポンプポート2を閉鎖するようにしている。すなわち、上記第1ソレノイド12に通電すると、上記ロッド9が図中左方向へ移動し、第1ポペット10がタンクポート3を閉鎖するとともに、ポンプポート2とアクチュエータポート4とが連通する。したがって、ポンプPからの圧油がシリンダ6のボトム側室6aへ供給され、シリンダ6が伸長する。このとき、ロッド側室6bの圧油は、流路7aへ排出され、ポンプ流路7に合流して、ポンプポート2へ供給される。 【0004】反対に、第2ソレノイド13に通電すると、ロッド9が右方向へ移動し、第2ポペット11がポンプポート2を閉鎖する。そこで、ポンプPからの圧油は、シリンダ6のロッド側室6bへ供給される。このとき、アクチュエータポート4とタンクポート3とが連通しているので、ボトム側室6aの圧油は、本体1からタンクポート3を介して、タンクTへ排出される。したがって、シリンダ6は収縮する。 【0005】上記のように、第1ソレノイド12または第2ソレノイド13に通電することによって、ロッド9を移動させ、流路を切り換える。そして、この切換弁に接続したシリンダ6を収縮動作させることができる。このような切換弁では、タンクポート3を閉鎖する第1ポペット10と、ポンプポート2を閉鎖する第2ポペット11を、別々に設けている。このように、2個のポペットを間隔を保って設けたのは、高速切り換えを可能にするためである。すなわち、ポペットを2個設けた方が、1個のポペットで、両側のポート2、3を閉鎖するようにした場合と比べて、ポペットが移動する距離を短くすることができる。ポペットの移動距離、つまり、ロッド9のストロークが短くなれば、それだけ高速で切り換えることができる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、第2ソレノイド13に通電し、ロッド9が、ポンプポート2側へフルストロークすると、第2ポペット11がポンプポート2を閉鎖して、シリンダ6が収縮動作をする。この状態では、第2ポペット11には、ポンプポート2側の圧力pによって、左方向への力が作用している(図2参照)。このような左方向の力が第2ポペット11に作用しても、第2ソレノイド13によって、ロッド9がその位置に拘束されているため、ポンプポート2は閉鎖されている。 【0007】しかし、この状態で第2ソレノイド13への通電を切ると、ロッド9をその位置に拘束する力はなくなる。したがって、第2ポペット11は、圧力pによって図中左方向へ移動する。このように第2ポペット11が移動すると、ポンプポート2と本体1内が連通する。ポンプポート2と本体1とが連通すると、本体1内の圧力が上がり、ボトム側室6aからの圧油の排出がスムーズにできなくなる。また、ポンプ流路7からの圧油は、本体1へ供給されるため、シリンダ6のロッド側室6bへは供給されなくなる。そこで、シリンダ6が収縮動作中であれば、動作が遅れたり、中断したりすることもある。 【0008】また、上記切換弁に対し、シリンダ6を図2とは反対に接続して用いることもある。その場合にも、上記と同様の不都合が発生する。例えば、上記アクチュエータポート4に接続した流路5をシリンダ6のロッド側室6bに接続し、流路7aをボトム側室6aに接続すれば、上記切換弁の切り換え位置とシリンダ6の収縮動作との関係も、図2の場合とは反対になる。この場合には、第2ポペット11がポンプポート2を閉鎖すると、圧油は、流路7aを介してボトム側室6aに供給される。また、ロッド側室6bの圧油が流路5、アクチュエータポート4、本体1を介して、タンクポート3へ排出される。すなわち、ロッド9が右方向へフルストロークして第2ポペット11がポンプポート2を閉鎖すると、上記シリンダ6は伸長する。このような伸長動作の際にも、第2ソレノイド13の通電を切ると、第2ポペット11が圧力pによって左方向へ移動してしまう。第2ポペット11が移動すると、ポンプポート2と本体1とが連通する。そして、ボトム側室6aの圧力が下がり、シリンダ6の伸長動作が不安定になったり、時には収縮してしまったりする。 【0009】そこで、上記従来例の切換弁では、第2ポペット11がポンプポート2を閉鎖した状態、すなわち、ロッドのフルストローク位置を保つ必要がある間は、第2ソレノイド13に通電し続けなければならなかった。したがって、ポンプポート2を閉鎖している時間が長ければ長いほど、第2ソレノイド13への通電時間が長くなり、電力消費量が多くなるという問題があった。また、ロッドがフルストロークした状態でも、停電や電源回路の故障などによって、第2ソレノイド13の保持力が無くなってしまった場合には、ロッドのフルストローク位置を保つことができなかった。この発明の目的は、一旦フルストロークしたロッドの位置を、ソレノイドに通電しなくても保つことができるようにすることである。 【0010】 【課題を解決するための手段】この発明は、高圧側に接続した高圧ポートと、低圧側に接続した低圧ポートと、これら両ポートを連通する通路と、この通路中に形成したアクチュエータポートと、上記通路内に設けたロッドと、このロッドに間隔を隔てて設けた第1ポペットおよび第2ポペットと、上記ロッドの両端に設けた第1ソレノイドおよび第2ソレノイドと、上記ロッドに対して、高圧ポート側へ向かう力Fを作用させる弾性部材とからなり、上記第1または第2ソレノイドに通電することによって、上記ロッドが移動し、第1ポペットが低圧ポートを閉鎖するとともに上記高圧ポートと上記アクチュエータポートとが連通したり、第2ポペットが高圧ポートを閉鎖するとともに上記アクチュエータポートと上記低圧ポートとが連通したりする構成にし、第1ポペットの受圧面積Aを、第2ポペットの受圧面積Bより大きくするとともに、上記高圧ポート側の圧力をpとしたときに、p×A>F>p×Bの関係を満足する点に特徴を有する。 【0011】 【発明の実施の形態】図1に示すこの発明の実施例の高速切換弁は、ロッド9に受圧面積の異なる2個のポペット20、21を設けている。第1ポペット20は、ロッド9が左方向へフルストロークしたときにこの発明の低圧ポートであるタンクポート3を閉鎖するポペットで、その受圧面積はAである。一方、第2ポペット21は、ロッド9が右方向にフルストロークした図1に示す状態で、この発明の高圧ポートであるポンプポート2を閉鎖するポペットで、その受圧面積はBである。この受圧面積Bは、上記受圧面積Aより小さい。 【0012】また、ロッド9の第1ソレノイド12側の端部と固定部23との間には、スプリング22を設けている。このスプリング22は、縮状態でセットされていて、、ロッド9に対して、ポンプポート2側、すなわち右方向へ付勢する力Fを発揮するものである。つまり、このスプリング22がこの発明の弾性部材である。その他の構成は、上記従来例と同様である。そして、従来例と同様に、アクチュエータポート4とポンプポート2との間に、シリンダ6を接続している。ただし、上記第1、第2ポペット20、21の受圧面積A、Bと弾性力Fとは、p×A>F>p×Bの関係にある。なお、pは、ポンプポート2の圧力で、この圧力pはポンプ流路7中に設けた図示しないアキュームレータにより一定に保たれている。 【0013】この実施例の高速切換弁の作用を説明する。第2ソレノイド13を励磁すると、ロッド9が右に移動する。そして、ロッド9が右方向にフルストロークすると、図示のように第2ポペット21がポンプポート2を閉鎖する。ポンプポート2が閉鎖されるので、ロッド側室6bに圧油が供給されるとともに、アクチュエータポート4とタンクポート3が連通しているので、シリンダ6は、収縮状態になる。上記のように、第2ポペット21がポンプポート2をふさいだ状態で、この第2ポペット21には、ポンプポート2側から圧力pによる左方向へ向かう押圧力が作用する。この押圧力の大きさは、圧力p×受圧面積Bである。 【0014】また、上記第2ポペット21には、上記左方向の押圧力に対し、スプリング22の弾性力Fが右方向に作用している。これらの力関係は、F>p×Bである。つまり、第2ポペット21に対して作用する力のうち、右方向へ作用する力Fの方が、左方向に作用する力p×Bより大きい。したがって、第2ソレノイド13への通電を切っても、上記力関係により、第2ポペット21は、右方向へ押される。第2ポペット21は、ポンプポート2のシート部2aへ押し付けられ、流体圧力によって移動することはない。つまり、第2ソレノイド13の通電を切っても、ポンプポート2の遮断状態を維持することができる。したがって、ポンプポート2を閉鎖してしまえば、シリンダ6が収縮動作中に、第2ソレノイド13の通電を切っても、収縮動作が中断することはなく、最縮状態になった後は、その状態を維持することができる。 【0015】一方、第1ソレノイド12に通電すると、ロッド9は左方向へ移動し、第2ポペット21の移動により、ポンプポート2が開くとともに、第1ポペット20がタンクポート3を閉鎖する。そこで、ポンプポート2とアクチュエータポート4が連通し、ボトム側室6aに圧油が供給され、シリンダ6が伸長する。上記のように、第1ポペット20がタンクポート3をふさいだ状態では、本体1の中はポンプポート2側の圧力pまで上がり、この圧力により、第1ポペット20には圧力p×受圧面積Aの左方向の押圧力が作用する。また、この第1ポペット20には、スプリング22によって、上記押圧力とは反対方向の力Fも作用している。そして、これらの力関係は、p×A>Fである。つまり、上記第1ポペット20に作用する力のうち、左方向の力p×Aの方が、右方向に作用する力Fよりも大きい。したがって、第1ソレノイド12の通電を切っても、第1ポペット20がシート部3aに押し付けられて、タンクポート3を閉鎖した状態を維持することができる。 【0016】以上のように、この発明の高速切換弁は、p×A>F>p×Bの条件を満たすことによって、ロッド9が左右どちらの方向にフルストロークした場合でも、一旦、一方のポート2、3を閉鎖してしまえば、第1、第2ソレノイド12、13の通電を切っても、その状態を維持することができる。したがって、第1、第2ソレノイド12、13への通電時間を短くして、電力を節約することができる。また、停電などによって、電源が切れるようなことがあっても、フルストロークしたロッド9の位置を保つことができる。そのため、アクチュエータポート4に接続したシリンダなどのアクチュエータの動作が急な停電などによって不安定になることもない。 【0017】なお、上記スプリング22による弾性力Fは、スプリング22の収縮状態によって変化する値なので、実際には定数ではない。つまり、上記弾性力Fにはロッド9が右にフルストロークした状態での最小値から左にフルストロークした状態での最大弾性力までを含んでいる。このように、巾を持った弾性力Fに対して、上記条件p×A>F>p×Bを満たすように、第1、第2ポペット20、21の受圧面積A、Bを設定している。また、この実施例では、スプリング22をロッド9の第1ポペット側の端部と固定部23との間に圧縮して設け、スプリング22が伸長する方向の弾性力を利用しているが、スプリングは、第2ポペット側に設けたり、収縮力を利用したりすることもできる。要するに、ロッド9を高圧側に付勢する弾性力を発揮できれば、どのような弾性部材をどのように取り付けてもかまわない。 【0018】なお、上記実施例の切換弁は、第1ポペット20の受圧面積Aを第2ポペット21の受圧面積Bより大きくすることによって、p×A>F>p×Bの条件を満たしている。もしも、従来例のように、第1、第2ポペットの受圧面積が等しければ、上記条件を満たすことはできない。例えば、F>p×A=p×Bの場合、ロッド9が右方向へフルストロークして、第2ポペット21がポンプポート2を閉鎖した状態では、右方向の力Fの方が、左方向の力p×Bより大きいので、上記実施例と同様に、第2ソレノイド13の通電を切っても、第2ポペット21の位置を保持することができる。しかし、ロッド9が左にフルストロークして第1ポペット20がタンクポート3を閉鎖している状態では、右方向の力Fの方が、左方向の力p×Aより大きいため、第1ソレノイド12の通電を切ると、第1ポペット20が右方向へ移動してしまう。つまり、タンクポート3を閉じた状態を維持することができない。 【0019】 【発明の効果】この発明によれば、ロッドが左右どちらかの方向にフルストロークして、タンクポート、あるいはポンプポートを閉鎖したら、ロッドを移動させたソレノイドの通電を切っても、その状態を維持することができる。したがって、従来のようにロッドのフルストローク位置を保つために、ソレノイドへ通電し続けなければならないようなことがない。そこで、全体として、ソレノイドへの通電時間を短くでき、電力を節約することができる。また、停電などによって、不用意に電源が切れるようなことがあっても、フルストロークしたロッドの位置を保つことができる。そのため、アクチュエータポートに接続したシリンダなどの動作が不安定になることもない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000929 【氏名又は名称】カヤバ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月13日(1998.10.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076163 【弁理士】 【氏名又は名称】嶋 宣之
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| 【公開番号】 |
特開2000−120910(P2000−120910A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−306328 |
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