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【発明の名称】 電磁作動式弁アセンブリ及びその弁組立作動方法
【発明者】 【氏名】ダニエル リー デランド

【要約】 【課題】燃料蒸気を浄化するキャニスタ制御装置での低電圧作動に対して適合する電磁作動式弁アセンブリ及びその弁組立作動方法を提供すること。

【解決手段】回転ソレノイド作動式弁アセンブリ10は、コイル36を貫通して伸びる筒状磁極片40の一端に設けたボールレース55に軸受されたロータ44を有する。ボールレースと反対側の筒状磁極片の端部がカップ形状のステータ56の底部に設けた開口に受け入れられ、ステータは、ロータに形成された複数の磁極部分との間に半径方向のエアギャップを形成する。ロータに形成したカム48は、ロータ軸を横切る方向に球形の弁部材26を移動し、入口ポート14または出口ポート16に設けた弁座24を通過する流量を制御する。ロータは、その軸回りにバランスされて、弁10がロータ軸を横切る方向に振動を受ける時、カムの運動を防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】(a) 入口ポート及び出口ポートを有する弁室を形成する弁本体と、(b) カム面を有しかつ透磁率を有する複数の磁極部分を備えて、前記弁本体に対して回転するように配置されるロータと、(c) 前記入口ポート及び出口ポートの一方に対して移動するように配置され、前記 両ポート間の流れを制御する弁部材と、(d) 内部に筒状磁極片を有し、電気的作動により前記ロータを回転させ、前記カム面によって前記弁部材を移動するためのコイルと、(e) 前記磁極片と協同して前記コイルの回りに磁束ループを形成するステータとを備えていることを特徴とする電磁作動式弁アセンブリ。
【請求項2】前記ロータは、回転するために前記筒状磁極片上に軸受されていることを特徴とする請求項1記載の弁アセンブリ。
【請求項3】前記ステータは、内部にコイルが収容された略カップ形状部材を有していることを特徴とする請求項1記載の弁アセンブリ。
【請求項4】前記ロータは、前記筒状磁極片上のボールレースを用いて軸受されていることを特徴とする請求項1記載の弁アセンブリ。
【請求項5】前記ステータは、前記ロータの磁極部分の数に対応する複数のステータ磁極部分を形成するカップ形状部材を有していることを特徴とする請求項1記載の弁アセンブリ。
【請求項6】前記弁部材は、球形状であることを特徴とする請求項1記載の弁アセンブリ。
【請求項7】前記ロータは、動作時にコイルの磁気トルクに対抗する方向に前記カム面を付勢するためのねじりばねを有することを特徴とする請求項1記載の弁アセンブリ。
【請求項8】前記ロータは、ボールレースからなる第1軸受と、ピンからなる第2軸受を有することを特徴とする請求項1記載の弁アセンブリ。
【請求項9】前記ロータは、ロータ回転軸まわりにカウンタウエイトを備えてバランスをとっていることを特徴とする請求項1記載の弁アセンブリ。
【請求項10】回転ソレノイド弁を組立作動させる方法であって、(a) 強磁性体の筒状磁極片の外側にコイルを配置し、複数の磁極部分を有するロータが前記筒状磁極片上で回転するように前記ロータを軸受し、(b) 弁本体内に入口ポートと出口ポートを有する弁室を形成し、この弁室内に弁部材を配置し、(c) 前記ロータにカム面を配置し、このカム面に前記弁部材を接触させ、前記弁部材を前記両ポートの一方に対して移動し、(d) 前記コイルを前記弁本体上に軸受されたロータに対して配置し、前記ステータの磁束ループを前記コイルの回りに形成し、(e) 前記コイルを励磁してロータを回転させ、前記両ポート間の流れを制御するために前記弁部材を移動する、各工程を有することを特徴とする方法。
【請求項11】磁束ループを形成する工程は、前記コイルの外側に強磁性体のカップ形状部材を配置することを含んでいる請求項10記載の方法。
【請求項12】ロータを軸受する工程は、前記筒状磁極片の一端部にボールレースを配置することを含んでいる請求項10記載の方法。
【請求項13】弁部材を配置する工程は、前記両ポートの一方に隣接する球形部材を配置してこの球形部材をカム面に接触させることを含んでいる請求項10記載の方法。
【請求項14】ロータを軸受する工程は、前記ロータをその軸回りにカウンターバランスさせることを含んでいる請求項10記載の方法。
【請求項15】電気作動式流量制御弁を組立作動させる方法であって、(a) ロータ上に複数の強磁性体の磁極部分を配置しかつ前記ロータ上にカムを形成し、(b) コイル内に磁極片を配置しかつ前記ロータをこの磁極片上に軸受し、(c) 入口ポート及び出口ポートを有する弁室を備える弁本体内に移動可能な弁部材を配置し、(d) 強磁性体部材を用いて、前記コイルの回りに磁束ループを完成し、(e) 前記コイルを励磁してロータを回転させ、前記弁部材を前記カムに接触させ前記弁部材を前記両ポートの一方に対して移動し、前記入口ポートと出口ポート間の流れを制御する、各工程を有することを特徴とする方法。
【請求項16】前記ロータを軸受する工程は、前記ロータの回りにボールレースを配置することを含んでいる請求項15記載の方法。
【請求項17】移動可能な弁部材を配置する工程は、前記両ポートの一方に隣接する球形部材を配置することを含んでいる請求項15記載の方法。
【請求項18】前記ロータを軸受する工程は、前記ロータをカウンターウエイトしてバランスさせることを含んでいる請求項15記載の方法。
【請求項19】キャニスタからエンジン入口への浄化した燃料蒸気の流れを制御する方法であって、(a) 前記キャニスタに接続するための入口ポートと、前記エンジン入口に接続するための出口ポートと、を有する弁室を備えた弁本体を形成し、かつ前記弁室内に移動可能な弁部材を配置し、(b) 磁化可能な材料からなる複数の磁極部分を有するロータを形成し、かつこのロータにカムを配置し、(c) 磁極片の外側にコイルを配置し、前記ロータを前記磁極片上に軸受し、(d) コイルの外側にステータを配置して突起状ステータステータ磁極を形成し、このステータとロータの磁極部分との間にエアギャップを形成し、(e) コイルを励磁してロータカムを回転させ、前記弁部材を前記カムに接触させ前記弁部材を前記ロータの回転軸を横切る方向に移動させ、前記入口ポートと出口ポート間の流れを制御する、各工程を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気作動式弁、特に、電気制御信号のレベルに比例した流量制御のために使用する形式の電磁アクチュエータによって作動する弁に関する。
【0002】
【従来の技術】電気作動の比例流量制御弁は、自動車用エンジンの排出ガス処理装置に用いられ、特に、チャコールキャニスタを通ってエンジンのインテークマニホルド内に流れる浄化した燃料蒸気の流量を電気的に制御するために使用される。
【0003】このような利用において、キャニスタからの燃料蒸気量は、ある作動状況におけるエンジンの燃空比を劇的に変えることができるので、電気的にキャニスタからの浄化した燃料蒸気量を制御することが必要である。また、ある場合には、浄化した燃料蒸気量は、不安定なエンジン動作を生じさせる。この問題は、エンジンアイドル時に起こる低流量比において特に発生する。このアイドリング時にキャニスタからの蒸気流は、エンジンに供給される燃料の大部分であり、注意して制御されなければ、エンジンが失速することになる。
【0004】それゆえ、キャニスタからエンジンへの浄化した燃料蒸気の流量を制御するために利用される公知の電気作動式制御弁は、キャニスタからエンジン取入口への燃料蒸気の流量を制御するための弁部材を動作させるリニアソレノイドオペレータが利用されてきた。キャニスタの浄化流量制御弁の形式の例としては、エバリンガム(Everingham)他に与えられた米国特許第5,551,406号明細書に開示かつ記載されている。
【0005】上記形式の弁は、一般的にリニアソレノイドによって作動され、図8に示すように、低流量比において不安定となる欠点を有している。図8には、エンジンマニホルドにおける3つの圧力レベルに対する一組の上側曲線が、電気制御信号のデューティーサイクル対浄化流量比としてプロットされている。さらに、従来のリニアソレノイドは、臨界軸線、即ち、リニアソレノイド用のソレノイドコイルの軸線に沿う振動に対して特に影響を受けやすいことがわかってきた。図10のグラフに示されるように、このような公知の作動弁は、一般的な自動車での応用において遭遇する振動周波数の範囲全体にわたり不安定であることがわかってきた。
【0006】このように、自動車の応用において、電気信号を用いて流量のリニア制御、即ち、比例制御を与え、低い流量範囲で正確にかつ振動に対して抵抗力があるように、エンジンへ供給されるキャニスタからの浄化した燃料蒸気の流量を電気的に制御する方法を見いだすことが長いこと望まれてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような事情に鑑みて、本発明の目的は、可変デューティサイクルまたはパルス幅変調(PWM)による電気制御信号によって作動するようにした電気作動式流量制御弁を提供することであり、特に、燃料蒸気を浄化するキャニスタ制御装置において生じる低電圧作動に対して適合する電磁作動式弁アセンブリ及びその弁組立作動方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、各請求項に記載の構成を有している。本発明の流量制御弁は、カムを備えた回転ソレノイドを有し、このソレノイドは、移動可能で、好ましくは球形の弁部材に対して作動し、弁室内に配置された弁部材の位置を電気的に制御できる。そして、弁部材は、弁室内の入口ポートと出口ポート間の流量を制御するために弁室内に配置されている。
【0009】本発明の回転ソレノイド作動式の制御弁は、筒状磁極片の一端部に配置されたボールレース上に軸受されたロータを有し、筒状磁極片は、ソレノイドコイルの中央部分に収納されている。ロータは、複数の強磁性体の磁極部分を有し、コイルを受け入れた強磁性体のカップ形状部材としてのステータによって、磁束ループがコイルの回りに形成される。ステータは、カップ形状の底部に形成された開口を有し、そこに磁極片の一端部を受け入れる。好ましくは、ステータは、突起状磁極(salient pole)を形成し、ロータの磁極部分と磁気的な相互作用を行う。ボールレースから離れたロータの遠方端は、縮径した部分を有し、筒状磁極片内に配置されたスリーブ軸受に軸受されるピンを備えている。
【0010】ロータは、与えられたカム形状に対して時計方向または反時計方向のいずれにも付勢される。そして、ロータは、好ましくはカウンタバランスによって回転軸回りにバランスされている。
【0011】本発明の回転ソレノイド式作動弁は、バランスしたロータ構造によってロータの回転軸を横切る弁の移動方向における振動に対する抵抗力が向上する。本発明に係るロータの摩擦が軽減、即ち最小化されるので、弁を通過するわずかな流量に対する低デューティサイクルまたは低コイル電流信号に対して弁位置を正確にかつ繰り返して移動できる。また、本発明の弁アセンブリは、最小のコストで供給でき、これにより、高容量の軽重量のモータ車両での利用において、適切なものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1ないし図7において、本発明の弁アセンブリ10は、弁本体12を含み、弁本体にはその内部に形成された弁室18に連通する入口ポート14と出口ポート16が設けられている。入口ポート14は、チューブを連結する適当な連結具20を有し、出口ポート16も同様に、チューブを連結する適当な連結具22を有する。連結具22は、エンジン入口マニホルドに連結され、一方、連結具20は、燃料蒸気を蓄積するキャニスタに連結されるようになっている。
【0013】入口チューブの連結具20における内端部24は、好ましくは球形を有する移動可能な弁部材26が配置される環状の弁座を形成している。弁室18は、その中に形成される内部部品の組立が完了した後の校正用として形成される接続用孔28,30を有し、この孔は、適当な手段、例えば、開口34を貫通するねじ固定具(図示略)によって、弁本体12に取り付けた適当なカバー32によって閉鎖される。
【0014】コイル36は、強磁性体の筒状磁極片40の外側に収容されるボビン38に巻き付けられる。磁極片40の一端部には環状フランジ42が形成され、そこにボビン38の上端部が配置される。ロータ44は、その周回りに各々間隔を置いて配置された複数の強磁性体の磁極部分46を有し、ロータの磁極部分に隣接して軸方向に配置されたペリフェラルカム48を有している。カム48から離れた磁極部分46の軸方向側には、参照番号50で示すようなテーパ形状を有し、その小径端部にピン52が設けられている。ピン52は、ボビン38の小径部分内に圧入されたスリーブ軸受に軸受されている。磁極片40の環状フランジ42は、その上端部にボールレース55を有し、テーパ50の大径端部においてボールレース55上にロータ44が軸受される。
【0015】ロータ44の上端部には、適切にカウンタバランスされる重り49が配置されており、必要ならば、カウンタバランス用の穴51がロータの端部に穴明けされている。回転軸の回りにロータをバランスさせることにより、弁アセンブリ10がロータ軸を横切る方向に振動するとき、ロータ及びカム48の回転を防止するように機能する。
【0016】コイルのまわりの磁束ループは、カップ形状をした強磁性体のステータ56によって完成し、このステータは、その閉鎖端部に開口を形成しており、この開口に筒状磁極片40の下方端を収容している。ステータ56の上部開放端には、複数の突起状ステータ磁極60が、ロータを取り囲む形で形成され、その間に半径方向のエアギャップが形成される。非磁性体のハウジングシェル62は、コイルカップ形のステータ56の外側に配置され、開口64を介して適当な固定具(図示略)によって弁本体12に取付けられている。
【0017】コイルは、外部接続用にコイル巻線36のリード線の両端部に接続されている接続端子ストリップ66,68を有する。一端部がロータ部分に固定され、他端部が弁本体12に固定されるねじりばね70が設けられ、このばねはロータを所望の弁開閉位置に付勢する。
【0018】コイルの励磁動作において、ロータ44は、コイル電流によって決められた量だけ回転を生じ、カム48の回転移動により、弁部材26を弁座24に対して線形移動させ、弁の入口ポートおよび出口ポート間の流量を制御する。本発明の弁における作動は、球形の弁部材26に対してカム48の低摩擦運動を利用する。これにより、回転運動に対するロータの抵抗を最小化し、ヒステリシスを減少させる。
【0019】図8において、本発明の弁は、エンジンマニホルドの三段階で作動され、曲線によって示されるようにレンジが0から8までの単位分当たりの標準リッタ流量の正確な流れを与える。
【0020】図9において、本発明の弁の単位分当たりの標準リッタ流量における流れ応答が、ロータの回転軸線に対して直交するあるいは弁部材26の運動方向にある臨界軸線に沿う振動周波数の関数としてプロットされており、この流れ特性が、発生する振動の範囲全体に対してほぼ平坦となることに注目すべきであろう。
【0021】図10は、同じ振動範囲にわたりテストされた時の同様な応用に対する従来の弁における流れ特性を示す。振動を受ける時の流れにおける変化は、本発明の弁における図9に示された流れ特性と比較すると、かなりの相違があることに注目すべきである。
【0022】校正用ねじ72は、弁本体12にねじ嵌合し、案内穴76内でピン74を動かし、コイルが励磁されていないとき、ロータの休止位置を調整する。
【0023】本発明は、ここで、例示した実施形態に関して説明してきたが、修正及び変更が可能であり、添付の請求の範囲によってのみ限定されるものであることは、明らかであろう。
【出願人】 【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
【住所又は居所原語表記】Eaton Center,Cleveland,Ohio 44114,U.S.A.
【出願日】 平成11年10月8日(1999.10.8)
【代理人】 【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫 (外3名)
【公開番号】 特開2000−120906(P2000−120906A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平11−287983