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【発明の名称】 多部品のバルブハウジングを持つバルブ
【発明者】 【氏名】マヌエル・デ・ロサス

【氏名】ペーター・ゲー・ヴァイスジンガー

【要約】 【課題】一方の部材を他方の部材に滑り込ませることによって容易に係合させた後、一方の部材を他方の部材に対して捩じることによってこれらの部材を相互係止係合状態に保持する連結機構を提供する。

【解決手段】ガソリンタンク用ベントバルブは、タンクの壁に設けられた開口部を通してタンクに挿入される多部品バルブハウジングを有する。多部品ハウジングは、アセタール樹脂製のバルブ部材及び高密度ポリエチレン(HDPE)製のキャップ部材を含む。キャップ部材は、ガソリンタンクに超音波溶着されるフランジ及びガスタンク内への突出が最少のスカート部を有する。スカート部は、バルブ部材の上部分に嵌入し、バルブ部材の内方に突出したラグを受け入れてバルブ部材とキャップ部材とを互いに連結する複数のキー溝を有する。キャップ部材218は、バルブ部材216の内方に突出したラグ242を受け入れてバルブ部材とキャップ部材とを互いに連結するキー溝240を備えた連結スカート部238を有する。ラグは、キー溝の内端に設けられたノッチ244によって連結位置に保持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の部材を第2の部材に連結するための装置であって、前記第1の部材は、第1の外径を持つ円筒形の壁を有し、前記第2の部材は、前記第1の部材の前記第1の外径よりも大きい第2の外径を持つフランジ及び前記第1の部材の前記円筒形の壁の内側に嵌着する環状のスカート部を有し、前記第2の部材の前記環状のスカート部には周方向キー溝が設けられ、前記第1の部材の前記円筒形の壁には半径方向内方に延びる半径方向ラグが設けられ、このラグは、前記第2の部材を前記第1の部材に対して回転させることによって、連結位置で、前記第2の部材の前記キー溝内に係合し、更に、前記半径方向ラグを連結位置に保持するための手段が設けられており、この手段は、前記第1の部材の弾性部分と、前記第2の部材の前記環状のスカート部のノッチを含む、装置において、ノッチ(224)は、周方向キー溝(240)内に配置される、ことを特徴とする装置。
【請求項2】 前記ラグ(242)は、前記第1の部材の前記弾性部分(248)から半径方向内方に延びており、前記ノッチ(224)は前記周方向キー溝(240)の末端にあり、前記ラグ(242)は、連結位置では、前記キー溝(240)の前記ノッチ(224)内に保持されている、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】 前記弾性部分(248)は、前記ラグ(242)よりも長い細長いスロット(246)によって前記円筒形の壁(222)から離間された円筒形の壁(222)のビーム部分である、ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】 前記周方向キー溝(240)は、前記ノッチまで上方に傾斜した傾斜部(243)を有する、ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】 間隔が隔てられた複数の周方向キー溝(248)、間隔が隔てられた複数のラグ(242)、及び前記ラグ(242)を前記キー溝(248)の夫々一つに保持するための複数の手段を有する、ことを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の装置。
【請求項6】 前記周方向キー溝(240)は、前記第2の部材の環状のスカート部(238)の外部分に配置されており、前記環状スカート部(238)は、前記周方向キー溝(240)によって中断されていない内部分を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一つの部材を別の部材に取り付けるための連結機構、及び一つのハウジング部材を別のハウジング部材に取り付けるためのこのような連結機構を含む多部品バルブハウジングを持つバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】一つの部材を別の部材に取り付けるための連結機構は、様々な構造で既に周知である。例えば、キャヴァリエリ(Cavalieri)に賦与された米国特許第1,812,583号、ヤング(Young)に賦与された米国特許第2,027,803号、レデル(Reddle)に賦与された米国特許第2,781,148号、モリカワ(Morikawa)に賦与された米国特許第4,313,649号、モーガン・ジュニア(Morgan,Jr)等に賦与された米国特許第5,251,776号、及びボイレット(Boiret)等に賦与された米国特許第5,397,196号を参照されたい。これらは、いわゆるバヨネットスロット型の連結機構を様々な用途で開示している。
【0003】多部品ハウジングを持つバルブもまた周知であるが、バヨネットスロット又は迅速脱着型の連結機構を使用するものは知られていない。1995年5月9日にディビッドR.ギムビー(David R,Gimby)に賦与された米国特許第5,413,137号には、多部品バルブハウジングを持つ燃料蒸気抜きアッセンブリが開示されている。ハウジングは、キャップ部材を一体に備えた本体部材を有する。ハウジングは、挿入体及びばね座を更に備えている。挿入体を本体部材の上端にプレス嵌めし、燃料蒸気を燃料タンクから逃がすためのオリフィスを形成する。燃料タンクからオリフィスを通って出た燃料蒸気に同伴された液体燃料を捕捉するための液体捕捉皿をオリフィスの上方に形成する。ばね座は、本体部材の孔に保持のためにスナップ嵌めされたフックを有する。燃料タンク及びバルブ部材は、高密度ポリエチレン(HDPE)で形成されている。この材料は、高強度であり且つ溶着性に優れ、ガソリン燃料に対して抵抗があることが知られている。この挿入体は、好ましくはアセタールコポリマーで形成されている。これは、燃料の浸透に対する抵抗が高く、ガソリンに浸漬された場合に膨張しない。
【0004】1996年6月4日にカズキ・トモイカ(Kazuyki Tomoika)及びアツシ・タカハシ(Atsushi Takahashi)に賦与された米国特許第5,522,417号には、車輛用燃料タンク用の溢流防止バルブが開示されている。このバルブは多部品のバルブハウジングを有する。ハウジングは、バルブチャンバ、取り付け部材、及び弁座リングを含む。ガソリン中に浸漬されるバルブチャンバは、有利には、膨張を最少にするため、ポリアセタール樹脂で形成されている。これに対し、取り付け部材は、有利には、一般的に高密度ポリエチレンで製造される燃料タンクに対する溶着性が優れた高密度ポリエチレン(HDPE)で形成されている。ポリアセタール樹脂で形成された予備成形したバルブチャンバの上端にHDPE樹脂製の取り付け部材を被せることによって、三つの部品を製造し、組み立てる。次いで、弁座リングを超音波溶着によってバルブチャンバに固定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一方の部材を他方の部材に滑り込ませることによって容易に係合させることができ、その後、一方の部材を他方の部材に対して捩じることによってこれらの部材を相互係止係合状態に保持する連結機構を提供することである。この連結機構は、何等かの作用を手作業で及ぼさない限り、外すことができない。
【0006】本発明の別の目的は、一方のバルブハウジング部材を他方のバルブハウジング部材に取り付けるためのこのような連結機構を含む多部品バルブハウジングを持つバルブを提供することである。
【0007】本発明の更に別の目的は、ガソリン燃料タンクに挿入するための、多部品バルブハウジングを持つバルブを提供することである。多部品バルブハウジングは、様々な材料を有利に使用するように形成された部材を含み、これらの部材を互いに容易にしっかりと連結するための連結機構が有利に組み込まれている。
【0008】本発明の別の目的は、もつれ防止連結機構(snag−proof coupling mechanism)を組み込んだ多部品のアッセンブリを提供することである。からみ防止連結機構により、多部品のアッセンブリの二つの部材が互いに取り付けられる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の部材を第2の部材に連結するための装置であって、第1の部材は、第1の外径を持つ円筒形の壁を有し、第2の部材は、第1の部材の第1の外径よりも大きい第2の外径を持つフランジ及び第1の部材の円筒形の壁の内側に嵌着する環状のスカート部を有し、第2の部材の環状のスカート部には周方向キー溝が設けられ、第1の部材の円筒形の壁には半径方向内方に延びる半径方向ラグが設けられ、このラグは、第2の部材を第1の部材に対して回転させることによって、連結位置で、第2部材のキー溝内に係合し、更に、半径方向ラグを連結位置に保持するための手段が設けられており、この手段は、第1の部材の弾性部分と、第2の部材の環状のスカート部のノッチを含む、装置において、ノッチは、周方向キー溝内に配置される、ことを特徴とする装置である。
【0010】本発明のこれらの及び他の目的、特徴、及び利点は、好ましい実施例の以下の説明を添付図面と関連して読むことにより明らかになるであろう。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、添付図面のうち、図1乃至図4を参照すると、燃料蒸気抜きアッセンブリ即ちベントバルブ10は、図2に最もよく示すように、燃料タンク14の壁に設けられた開口部を通してタンクに挿入される成形プラスチック構造の多部品のバルブハウジング12を含む。ハウジング12は、バルブ部材16及びキャップ部材18を含み、これらの部材は、全体に参照番号20を附した連結装置によって互いに取り付けられている。バルブ部材16は、好ましくは、ガソリン燃料の浸透に対する抵抗が高く、アセチル樹脂及びコポリマーのようなガソリンに浸漬された場合にほとんど又は全く膨張しない材料で形成されている。他方、キャップ部材18は、好ましくは、高密度ポリエチレン(HDPE)のようなガソリンタンクに容易に、例えば超音波溶着により接合できる材料で成形されている。
【0012】構造的には、バルブ部材16は、燃料タンク14の壁に設けられた開口部の直径よりも外径が幾分小さい円筒形の壁22を有し、そのため、バルブ部材16を燃料タンク14に開口部を通して容易に挿入できる。バルブ部材16は、垂直チューブ25を支持する鍔付き帽子形の頂壁24を有する。垂直チューブ25は、上下の整合したカラー26及び28、及び頂部を通る垂直通路30を画成する。通路30は、上カラー26に形成された上液体捕捉皿、中央オリフィス、及び下カラー28に形成された下弁座31を含む。
【0013】キャップ部材18は、燃料タンク14の壁に設けられた開口部の直径よりも外径がかなり大きいフランジ32を有する。かくして、フランジ32は、バルブ部材16を燃料タンクに挿入するとき、燃料タンク14の壁の外面に取り付けられるようになっている。キャップ部材18は、好ましくは、図2に示すように燃料タンク14の頂部に溶着される。
【0014】キャップ部材18は上カラー33及び下カラー34を含み、これらのカラーは、バルブ部材16の上カラー26用の座、上カラー26の液体捕捉皿の上方の蒸気キャビティ35、及びフランジ32の上に設けられた出口パイプを貫通した横方向出口通路36を画成する。
【0015】バルブ部材16の上カラー26及びキャップ部材18の下カラー34は、バルブ部材16及びキャップ部材18を互いに連結することによってバルブ部材16の上カラー26をキャップ部材18の下カラー34に着座させたとき、弁座31から出口パイプの外端まで延びる密封通路を形成する。
【0016】バルブ部材16をキャップ部材18に連結するための手段には、キャップ部材18の垂下するスカート部38が含まれる。このスカート部の大きさは、円筒形の壁22の上端部分に挿入されるように定められている。スカート部38の外壁には、周方向に間隔が隔てられた複数のキー溝40が設けられている。これらのキー溝40は全体にL形をなしており、端部が開放した軸線方向脚部を有し、この脚部は、周方向端部が閉鎖した周方向脚部に続いている。バルブ部材16の円筒形の壁22の内面には、周方向に間隔が隔てられた同数のラグ42が設けられている。これらのラグは、半径方向内方に突出している。ラグ42は、スカート部38を円筒形の壁22に挿入するとき、端部が開放した軸線方向脚部の入口を通ってキー溝40に進入し、これに続いてバルブ部材16をキャップ部材18に関して時計廻り方向に回転させたとき、周方向脚部と連結位置で係合する。ラグ42は、好ましくは、周方向脚部の閉鎖端と連結位置で係合する。
【0017】キャップ部材18及びバルブ部材16には、ラグ42を連結位置に保持するための手段が設けられている。この手段は、スカート部38の底部に設けられた周方向に間隔が隔てられた複数のノッチ44、及びバルブ部材16の二つの弾性係止フィンガ46を含む。これらのフィンガは、ラグ42が連結位置にあるとき、周方向に間隔が隔てられた二つのノッチ44と係合する。係止フィンガ46は、一端が鍔付き帽子形の頂壁24に取り付けられており、半径方向外方に片持ち梁式に延びている。半径方向の係止フィンガ46は、バルブ部材16の成形を容易にするため、好ましくは、円筒形の壁22の内面のところで終端する。その結果、半径方向係止フィンガ46は円筒形の壁22の外方に突出せず、スナッギング(snagging)即ちもつれの問題を生じない。円筒形の壁22の上部分には、ラグ42の成形を容易にするため、周方向に間隔が隔てられた四つのスロットと、半径方向係止フィンガ46の成形を容易にする直径方向に向き合った二つの矩形の窓が設けられている。矩形の窓は、更に、係止フィンガ46の端部を押して係止フィンガ46をノッチ44から外すためのアクセスを提供する。
【0018】係止フィンガ46は、好ましくは、ノッチ44を係合している場合には弛緩していて、実質的に応力が加わっていない状態になる。二つの係止フィンガは、好ましくは、バルブ部材16及びキャップ部材18が誤って外れることがないようにする安全性策としても使用される。これは、解放即ち取り外しを開始するためには、両係止フィンガ46を同時に押さなければならないためである。更にしっかりと取り付けるため、幾つかの係止フィンガを使用できる。これは、各係止フィンガの追加に伴って、解放を開始する上での困難性が高まるためである。他方、取り外しを頻繁に行う必要がある場合には、単一の係止フィンガが好ましい。
【0019】バルブ部材16の内側には、フロート48が配置されており、壁22の底部分のスロット54にスナップ嵌めした外方に突出したフック52で壁22の底部に取り付けられた座50によって保持されている。フロート48は、バルブ部材16の下弁座31と協働するステム状の中空バルブ56を含む。フロート48は、座50によって支持されたコイルばね58に載止している。ベントバルブ10は常開であり、燃料タンク14内の燃料蒸気をチャコールキャニスタ(図示せず)等の蒸気貯蔵装置に通気する。しかしながら、ベントバルブ10は、燃料タンク14が傾いたり逆様になったとき、又は燃料で一杯になっている場合には、フロート48によって閉鎖され、液体燃料が通路30を通って流れないようにする。
【0020】図5は、多部品のバルブハウジング12' を持つ変形例のベントバルブ10'を示す。このベントバルブでは、バルブ部材16' の係止フィンガ46' が周方向で再位置決めされており、キャップ部材18' のノッチ44' がL型スロット40の入口部分と一致するようにスカート部38' に再位置決めされている。ベントバルブ10' は、これ以外はベントバルブ10と同じであり、対応する部品に同じ参照番号が附してある。変形例のベントバルブ10' では、弾性の係止フィンガ46' の各々がキー溝40' の開放端のところで壁部分と係合し、部材を係止位置に固定する。この位置ではラグ42の各々は、キー溝の閉鎖端のところで壁と係合する。
【0021】図6は、全体に参照番号110を附した本発明のバルブ連結機構の第2の好ましい実施例を含む多部品ハウジングを持つ別のベントバルブを開示する。この実施例では、キャップ部材即ち継手部材120の外径は、バルブ部材即ち本体部材140の円筒形の壁の外径と同じである。この場合、バルブ部材140は上ネック部分142を有し、この部分にはキャップ部材120のスカート部が連結のために嵌着する。バルブ連結機構110は、バルブ部材140に対して配置された矩形形状で半径方向のラグ144と、継手に対して配置されたL形スロット又はバヨネットスロットを持つキー溝124とを含む保持手段114を備えている。
【0022】バルブ連結機構110は、更に、対応するキー溝124と協働して係合する弾性係止エレメント146を含む。第2実施例の弾性の係止エレメント146は、好ましくは、バルブ部材140に半径方向ラグ144と共に配置されている。
【0023】各弾性の係止エレメント146は、好ましくは、突出したフィンガの形状をなしており、バルブ部材140のネック142の上方に延びている。更に、バルブ部材140には、キャップ部材120をバルブ部材140から着脱するときに弾性係止エレメント146が押し込まれる凹所148が設けられている。凹所148は、好ましくは、円弧状であり、弾性の係止エレメント146と形状が類似しており、そのため、フィンガ及び凹所148を持つバルブ部材140を単一の部品から形成できる。各弾性の係止エレメント146は、係合中には弛緩しており、キャップ部材120をバルブ部材140から着脱するときに応力が加えられる。
【0024】バルブ部材140は、図6、図7、及び図8に示すように、好ましくは、互いに直径方向に向き合った二つの弾性の係止エレメント146を含む。部材を係合状態から解放するためには、弾性の係止エレメント146を隣接した凹所148に手作業によって押し込む(図9参照)と同時に、最初は接線方向平面内で捩じり、次いで軸線方向平面に沿って引き抜く。
【0025】保持手段114及び弾性の係止エレメント146を組み合わせ、バルブ部材140とキャップ部材120との間を、半径方向で、接線方向で、及び軸線方向でしっかりと係合させることができる。
【0026】継手部材即ちキャップ部材120の大きさを周方向で本体部材即ちバルブ部材140よりも大きくし、バルブ部材140がキャップ部材120内にぴったりと入れ子式に嵌まり込むようにすることによって、係合中、キャップ部材120がバルブ部材140に対して半径方向に相対的に移動しないようにされている。
【0027】弾性の係止エレメント146の面147がキー溝124の入口部分125に当接し、反時計廻り方向相対回転が起こらないようにすることによって、係合中、キャップ部材120がバルブ部材140に対して接線方向に相対的に移動しないようにされている。半径方向ラグ144とキー溝124の端部分126との間の係合により、部材間の時計廻り方向の相対回転を阻止する。
【0028】キー溝124と組み合わせられたラグ144をキャップ部材120の突出延長部の周りで挟むことによって、キャップ部材120がバルブ部材140に対し、係合中に軸線方向に相対的に移動しないようにされている。
【0029】反対側の弾性の係止エレメント146は、弾性の係止エレメント146が誤って押されることがないようにする安全装置として作動する。キャップ部材120とバルブ部材140との間を永久的に取り付ける必要がある用途では、弾性係止エレメント146を二つ以上設けることが推奨される。各係止エレメントを追加する度毎に、キャップ部材120とバルブ部材140とを係合状態から解放する上での困難性が高まる。係合解除を頻繁に行う必要がある用途では、弾性の係止エレメント146を一つだけにするのが好ましい。
【0030】第8図は、バルブ部材140に取り付けられつつある図6のキャップ部材120を開示する。先ず最初に、キャップ部材120を、バルブ部材140に対し、軸線方向平面に沿って半径方向ラグ144がキー溝124と整合するように位置決めする。
【0031】半径方向ラグ144をキー溝124に滑り込ませるとき、弾性の係止エレメント146は、半径方向ラグ144が夫々のキー溝124の第1ストップに達するまで、バルブ部材140に設けられた対応する凹所148に向かって内方に押される。
【0032】次いで、半径方向ラグ144が夫々のキー溝124の端部分126に達するまで、キャップ部材120及びバルブ部材140を互いに対して回転させる。弾性の係止エレメント146は、これらのエレメントがキー溝124に進入したときに弛緩し、係合が生じる。弾性の係止エレメント146は、係合中、弛緩している。
【0033】図9は、バルブ部材140から外す際の図6のキャップ部材120を開示する。バルブ部材140は、最初は、キャップ部材120に対して係合位置にある。解放を開始するためには、弾性の係止エレメント146の面147がキー溝124の入口部分125から図9に仮想線で示すように外れるまで、全ての弾性の係止エレメント146を同時に夫々の凹所148に向かって押し、半径方向ラグ144から遠ざけなければならない。次いで、半径方向ラグ144がキー溝124の半径方向ストップに当たるまで、キャップ部材120を捩じり、即ちバルブ部材140に対して回転させる。
【0034】次いで、キャップ部材120をバルブ部材140に対して軸線方向に引抜く。この際、半径方向ラグ144は、キャップ部材120がバルブ部材から外れるまで、キー溝124の軸線方向入口部分125を通って摺動する。
【0035】第10図は、非常に類似したバルブ連結機構110の第2の好ましい実施例の変形例を開示する。変形例のバルブ連結機構110' では、弾性係止エレメント146' 、半径方向ラグ144' 、及び凹所148’がキャップ部材120のスカート部に配置されており、対応するキー溝124' がバルブ部材140' に配置されている。図10のベントバルブは、これ以外は、図6乃至図9のベントバルブと同じである。
【0036】図11乃至図15は、本発明の更に別の燃料蒸気抜きアッセンブリ即ちベントバルブ200を開示する。ベントバルブ200は、図2に示す燃料タンク14等の燃料タンクの壁に設けられた開口部を通して燃料タンクに挿入するための成形プラスチック構造の多部品のバルブハウジング212を含む。
【0037】ハウジング212は、バルブ部材216及びキャップ部材218を含み、これらの部材は、全体に参照番号220を附したもつれ防止(snag−proof)継手装置によって互いに取り付けられている。バルブ部材216は、好ましくは、アセチル樹脂及びコポリマーのようなガソリン燃料の浸透に対する抵抗が高く、ガソリンに浸漬された場合にほとんど又は全く膨張しない材料で形成されている。他方、キャップ部材218は、好ましくは、ガソリンタンクに、例えば超音波溶着により容易に接合できる高密度ポリエチレン(HDPE)等の材料で成形されている。
【0038】構造的には、バルブ部材216は、燃料タンク14の壁に設けられた開口部の直径よりも外径が幾分小さい円筒形の壁222を有し、そのため、バルブ部材216を燃料タンク14に開口部を通して容易に挿入できる。バルブ部材216は、垂直チューブ225を支持する鍔付き帽子形の頂壁224を有する。垂直チューブ225は、上カラー226及び頂部を通る垂直通路230を画成する。この通路230は、図1乃至図4に示す中央オリフィス30、下弁座31、及び下カラー28と同様の、上カラー226に形成された上液体捕捉皿、中央オリフィス、及び下カラーに形成された下弁座を含む。
【0039】キャップ部材218は、燃料タンク14の壁に設けられた開口部の直径よりも外径がかなり大きいフランジ232を有する。かくして、フランジ232は、バルブ部材216を燃料タンクに挿入するとき、燃料タンク14の壁の外面に取り付けられるようになっている。キャップ部材218は、キャップ部材18と同様に、好ましくは、図2に示すように燃料タンク14の頂部に溶着される。
【0040】キャップ部材218は下カラー234を含み、このカラーは、バルブ部材216の上カラー226用の座を画成する。キャップ部材218は、図1乃至図4に示すキャップ部材18と同様に、更に、上カラー226の液体捕捉皿の上方の蒸気キャビティ、及びフランジ232の上に設けられた出口パイプ236を貫通した横方向出口通路を画成する。
【0041】バルブ部材216の上カラー226及びキャップ部材218の下カラー234は、バルブ部材216及びキャップ部材218を互いに連結することによってバルブ部材216の上カラー226をキャップ部材218の下カラー234に着座させたとき、通路230の下端の弁座から出口パイプ236の外端まで延びる密封通路を形成する。
【0042】バルブ部材216をキャップ部材218に連結するための手段には、キャップ部材218の垂下するスカート部238が含まれる。このスカート部の大きさは、円筒形の壁222の上端部分に挿入されるように定められている。スカート部238の外壁には、周方向に間隔が隔てられた複数のキー溝240が設けられている。これらのキー溝240は全体にL形をなしており、端部が開放した軸線方向脚部を有し、この脚部は、周方向の端部が閉鎖した周方向脚部に続いている。バルブ部材216の円筒形の壁222の内面には、周方向に間隔が隔てられた同数のラグ242が設けられている。これらのラグは、半径方向内方に突出している。ラグ242は、スカート部238を円筒形の壁222に挿入するとき、端部が開放した軸線方向脚部の入口を通ってキー溝240に進入し、これに続いてバルブ部材218をキャップ部材218に関して時計廻り方向に回転させたとき、周方向脚部と連結位置で係合する。
【0043】キャップ部材218及びバルブ部材216には、ラグ242を連結位置に保持するための手段が設けられている。この手段は、キー溝240の夫々の周方向脚部の内端に設けられた周方向に間隔が隔てられた複数の半径方向ノッチ244を含む。これらのノッチ244は、ラグ242が図12及び図15に示す連結位置にあるとき、キー溝240の内端にラグ242を捕捉する。
【0044】円筒形の壁222の上部分には、ラグ242の成形を容易にするため、周方向に間隔が隔てられた四つのスロット246が設けられている。これらのスロット246もまた、周方向で細長く、ラグ242の周方向長さの約3倍の長さを有する。スロット246を細長くすることによって、ラグ242を中央で支持する円筒形の壁222のビーム部分248の可撓性を高める。更に、細長いスロット246は、ラグ242をノッチ244から外すためにビーム部分248を外方に強制的に移動するためのアクセスを提供する。そのため、カバー218は、ラグ242がキー溝240の端部の開放している軸線方向部分と整合するまでカバー218を捩じることによって外すことができる。
【0045】可撓性が高められているため、ノッチ244に続くキー溝240の周方向脚部の傾斜243に沿ってラグ242を移動させる連結プロセスを行うことができる。ラグ242が図12及び図15に示すようにノッチ244と係合したとき、ビーム部分248は、好ましくは弛緩しており、実質的に応力が加わっていない状態になる。好ましくは、バルブ部材216及びキャップ部材218が誤って外れることがないようにする安全策として、少なくとも二つのラグ242を使用する。これは、解放即ち取り外しを開始するためには、二つのビーム部分248を外方に同時に膨出させなければならないためである。膨出はねじ廻し等を適当なスロット246に挿入し、ビーム部分248を半径方向外方に強制的に、ラグ242がノッチ244から外れるまで移動させることによって行うことができる。更に永久的に取り付けるためには、図11乃至図15に示す四つのラグ242等の幾つかのラグを使用するのがよい。これは、解放を開始する上での困難性が、各ラグの追加により高まるためである。他方、取り外しを頻繁に行う必要がある場合には、単一の係止ラグ242が好ましい。
【0046】バルブ部材216の内側には、フロートが配置されており、図1乃至図4に示すフロート48及び座50と同様に、壁222の底部に取り付けられた座によって保持されている。フロートは、更に、バルブ部材216の下弁座と協働するステム状中空バルブを含む。フロートは、壁222の底部に取り付けられた座50によって支持されたコイルばね(図1乃至図4に示すコイルばね58等)に載止している。ベントバルブ200は常開であり、燃料タンク内の燃料蒸気をチャコールキャニスタ(図示せず)等の蒸気貯蔵装置に通気する。しかしながら、ベントバルブ200は、燃料タンクが傾いたり逆様になったとき、又は燃料で一杯になっていると場合には、フロートによって閉鎖され、液体燃料が通路230を通って流れないようにする。
【0047】本発明のバルブ連結機構を多部品ハウジングを持つベントバルブに関して例示したが、本発明は、多部品ハウジングを持つ任意のバルブに適用でき、更に広く捉えると、二つの部材を互いに連結するための任意の連結機構に適用できるということは理解されるべきである。
【0048】明らかに、以上の教示に鑑みて本発明の多くの変形及び変更を行うことができる。従って、本発明を、添付の特許請求の範囲の範囲内で、特定的に説明された以外の態様で実施できるということは理解されるべきである。
【出願人】 【識別番号】591001709
【氏名又は名称】ボーグ・ワーナー・オートモーティブ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Borg−Warner Automotive, Inc.
【住所又は居所原語表記】3001 west Big Beaver Road Suite 200 P.O.Box 5060 Troy, Michigan 48007−5060 U.S.A
【出願日】 平成11年7月13日(1999.7.13)
【代理人】 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
【公開番号】 特開2000−120901(P2000−120901A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平11−198528