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【発明の名称】 ダイヤフラム型減圧弁
【発明者】 【氏名】藤澤 一人

【要約】 【課題】組立が簡単であり、長期使用に対して剥離を生じないダイヤフラム型減圧弁を得る。

【解決手段】カツプ状のハウジング15の中心に入口室33を、入口室33の周囲に出口室32をそれぞれ区画する。ハウジング15の上端部を閉鎖するダイヤフラムAの中心部に、ばね10の力により入口室33の上端面へ当接される当て板16を結合する。入口室33の内部に設けた弁孔20aに、ばね18により弁孔20aの下端へ当接されるポペツト弁22を挿通支持する。当て板16が入口室33の上端面へ当接する時、ポペツト弁22が当て板16により押し下げられて弁孔20aを開くようにする。ダイヤフラムAを材質の異なる2種のダイヤフラム13,14から一体に形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】カツプ状のハウジングの中心に筒形の入口室を、入口室の周囲に出口室をそれぞれ区画し、前記ハウジングの上端部を閉鎖するダイヤフラムに、第1のばねの力を受けて前記入口室の上端面に当接する当て板を結合した減圧弁において、前記ダイヤフラムを材質の異なる2枚のダイヤフラムから一体に形成したことを特徴とするダイヤフラム型減圧弁。
【請求項2】前記入口室の内部に設けた弁孔に、第2のばねの力を受けて前記弁孔の下端を閉じるポペツト弁を挿通支持し、前記当て板が前記入口室の上端面へ当接する時、前記ポペツト弁が前記当て板により押し下げられて前記弁孔を開くようにした、請求項1に記載のダイヤフラム型減圧弁。
【請求項3】前記ダイヤフラムは基布の一面にフツ素ゴムのダイヤフラムを重ね合せ、基布の他面にシリコンゴムのダイヤフラムを重ね合せ、プレスによる成形と同時に加硫される、請求項1に記載のダイヤフラム型減圧弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイヤフラム型圧力調整弁、特に2種の材質からなるダイヤフラムを用いたダイヤフラム型減圧弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のダイヤフラム型減圧弁では、2種のダイヤフラムを重ね合せたうえ、中心部分をカシめて一体化し、ハウジングへ組み込んでいた。しかし、上述の構成では、2種のダイヤフラムを一体化する時にダイヤフラム相互間にずれが生じやすい。2種のダイヤフラムを一体化してダイヤフラム型減圧弁へ組み付けるのに手数がかかる。ダイヤフラム型減圧弁の動作中にダイヤフラムの1枚が周縁部分から剥離してずれると、流体洩れに至る。……などの問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上述の問題に鑑み、組立が簡単であり、長期使用に対して剥離が生じないダイヤフラム型減圧弁を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の構成はカツプ状のハウジングの中心に筒形の入口室を、入口室の周囲に出口室をそれぞれ区画し、前記ハウジングの上端部を閉鎖するダイヤフラムに、第1のばねの力を受けて前記入口室の上端面に当接する当て板を結合した減圧弁において、前記ダイヤフラムを材質の異なる2種のダイヤフラムから一体に形成したことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明では2種のダイヤフラムを同時に成形することにより、部品の組付性を向上し、組付後の剥離を防止する。減圧弁のダイヤフラムを2種の材料を用いて二重構造とすることにより、液体に接する部分と大気に接する部分とにそれぞれ適した物性をもたせることができる。基布の上面にフツ素ゴムのダイヤフラムを重ね合せ、基布の下面にシリコンゴムのダイヤフラムを重ね合せ、プレスにより同時加硫を行う。
【0006】
【実施例】図1は本発明に係るダイヤフラム型減圧弁の正面断面図である。ダイヤフラム型減圧弁は全体としてカツプ状のハウジング15の上端面に、ダイヤフラムAの周縁部を挟んで、大気孔7を有する円錐形のカバー(大気孔7は図示のものよりも十分大きくてもよい)6の下端フランジ6aを重ね合せ、複数のボルト8により締結され、ダイヤフラムAの上側に大気室31が、ダイヤフラムAの下側に環状の出口室32と円筒状の入口室33がそれぞれ形成される。ダイヤフラム型減圧弁はカバー6の上端壁に一体に形成したねじ部4を所要の装置の取付孔へ挿通したうえ、ナツト5を螺合して装置へ取り付けられる。ねじ部4にカバー6の内部つまり大気室31へ突出する調整ボルト2が螺合される。カバー6の下端フランジ6aには径内方へ突出する複数のストツパ6bが一体に形成され、ダイヤフラムAの過大な上方移動を制限する。
【0007】ダイヤフラムAは後述するように材質の異なるダイヤフラム13とダイヤフラム14とからなり、ダイヤフラムAの上側に座板12を、下側に当て板16をそれぞれ重ね合せ、当て板16の中心から上方へ突出する軸部16aを、ダイヤフラムAと座板12を貫通させたうえ、軸部16aの上端をかしめて締結される。調整ボルト2の下端に当接するばね座9と座板12との間にばね10が介装される。当て板16はばね10の力により入口室33を区画する円筒部23の上端面へ当接される。
【0008】円筒部23はハウジング15の中心に配され、円筒部23の上端縁には多数の径方向の溝23bが周方向等間隔に形成され、円筒部23の下端部は通孔23aを経て入口管28へ連通される。ハウジング15の底壁から円筒部23の内部へ、シール部材24を装着された弁座体25が嵌合され、ハウジング15の底壁面に座板26を当接しかつ複数のボルト27によりハウジング15へ固定される。弁座体25の周壁には入口管28に連通する通孔23aが形成され、弁座体25の上端部には、シール部材(Oリング)を装着された金属製のばね座19と合成樹脂製の弁座20とが嵌合される。弁座20の弁孔20aにポペツト弁22が挿通支持される。ポペツト弁22は下端部に弁孔20aの下端に当接する弁体を形成される。ポペツト弁22は上端をばね18の力により当て板16の中心のくぼみへ係合される。ばね18はばね座19と、ポペツト弁22の上端部に係止したばね座22aとの間に介装される。
【0009】図1に示す状態では、当て板16がばね10の力により円筒部23の上端面へ押し付けられ、また当て板16によりポペツト弁22が押し下げられ、弁孔20aが開かれている。圧液は入口管28から通孔23a、弁座20の弁孔20aを経て入口室33へ入り、当て板16を押し上げながら溝23b、出口室32を経て出口管29へ流れ出る。当て板16とダイヤフラムAと座板12が上方へ移動すると、座板12がストツパ6bに当り、ダイヤフラムAの過大な上方移動が抑えられる。この時、ポペツト弁22により弁孔20aが狭められ、入口管28から入口室33へ流れる圧液は減圧される。入口室33の液圧が低くなると、ばね10の力により当て板16が再び円筒部23の上端面へ押し付けられるとともに、ポペツト弁22が押し下げられ、弁孔20aの開度が大きくなる。以上の動作の繰返しにより、入口管28からの圧液は減圧されて出口管29へ流れる。圧液の減圧度はロツクナツト3を緩め、調整ボルト2によりばね10の荷重を加減して行う。
【0010】図2〜4に示すように、本発明ではダイヤフラムAの組付性を向上し、組付後の剥離を防止するために、材質の異なる2種のダイヤフラム13,14を成形と同時に加硫する。具体的には、基布17(図4)を境界とし、基布17の上面に、環状の突起13bを両面に形成したフツ素ゴムのダイヤフラム13を重ね合せ、基布17の下面にシリコンゴムのダイヤフラム14を重ね合せた重合せ体を形成し、プレスにより重合せ体の中心に当て板16の軸部16aを挿通する通孔ないし肉厚の筒部13aを成形し、周縁部に下面へ突出する肉厚の挟持縁14aを一体に成形すると同時に加硫を行う。環状の突起13bは重合せ体のプレス成形時、基布17に対する面圧を高めて密着性をよくする。
【0011】加硫成形されたダイヤフラムAは耐酸化性に富むフツ素ゴムのダイヤフラム13が大気室31に、耐液性に富むシリコンゴムのダイヤフラム14が出口室32にそれぞれ接するようにし、挟持縁14aをハンジング15の上端面に形成した環状溝15aへ係合する。
【0012】
【発明の効果】本発明は上述のように、カツプ状のハウジングの中心に筒形の入口室を、入口室の周囲に出口室をそれぞれ区画し、前記ハウジングの上端部を閉鎖するダイヤフラムに、第1のばねの力を受けて前記入口室の上端面に当接する当て板を結合した減圧弁において、前記ダイヤフラムを材質の異なる2種のダイヤフラムから一体に形成したから、組付工数を削減でき、ダイヤフラムのずれや剥離による液洩れを防止できる。
【出願人】 【識別番号】390008877
【氏名又は名称】株式会社日本ウォルブロー
【出願日】 平成10年10月16日(1998.10.16)
【代理人】 【識別番号】100075889
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 俊夫
【公開番号】 特開2000−120895(P2000−120895A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−295647