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【発明の名称】 浄水器用切り換え弁に用いるバルブパッキンおよび封止弁
【発明者】 【氏名】岩渕 宗之

【氏名】原 弘子

【要約】 【課題】浄水器用切り換え弁に用いる部材であって、チェンジバルブとの十分なシール性能を得ることができるバルブパッキン、および、チェンジバルブと原水通過孔とのシール性を向上させ、シャワー状態における水ダレを防止することができる封止弁を提供する。

【解決手段】水道から供給される原水を、浄水器本体へ供給する浄水位置と、通過させる原水位置と、シャワーとして吐出させるシャワー位置の3状態に切り換えるために使用する浄水器用切り換え弁に用いられ、前記3状態の切り換えを行うチェンジバルブ11へ原水を供給するためのバルブパッキン1において、チェンジバルブ1と接触するパッキンシール部3を可動構造とするか、さらに、バルブパッキン本体2に異物混入防止用のネット4を設けてバルブパッキン1を構成する。また、前記3状態の切り換えを行うチェンジバルブの原水位置において、封止弁をチェンジバルブから原水出口までの原水の通路にチェンジバルブと接触して設け、原水の通路の周囲に画成されるシャワー室を独立密閉構造とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】水道から供給される原水を、浄水器本体へ供給する浄水位置と、通過させる原水位置と、シャワーとして吐出させるシャワー位置の3状態に切り換えるために使用する浄水器用切り換え弁に用いられ、前記3状態の切り換えを行うチェンジバルブへ原水を供給するためのバルブパッキンにおいて、前記チェンジバルブと接触するパッキンシール部を可動構造としたことを特徴とする浄水器用切り換え弁に用いるバルブパッキン。
【請求項2】水道から供給される原水を、浄水器本体へ供給する浄水位置と、通過させる原水位置と、シャワーとして吐出させるシャワー位置の3状態に切り換えるために使用する浄水器用切り換え弁に用いられ、前記3状態の切り換えを行うチェンジバルブへ原水を供給するためのバルブパッキンにおいて、前記チェンジバルブと接触するパッキンシール部を可動構造とするとともに、バルブパッキン本体に異物混入防止用のネットを設けたことを特徴とする浄水器用切り換え弁に用いるバルブパッキン。
【請求項3】前記ネットがステンレス(JIS:SUS304)からなる請求項2記載のバルブパッキン。
【請求項4】前記パッキンシール部の可動構造を、肉厚を薄くしたパッキンシール部をバルブパッキン本体に一体に形成して構成した請求項1〜3のいずれか1項に記載のバルブパッキン。
【請求項5】前記バルブパッキンの材質が、NBR(ニトリルブタジエンラバー)とテフロン(ポリテトラフルオロエチレン)の混合物、または、バイトン(商品名)である請求項1〜4のいずれか1項に記載のバルブパッキン。
【請求項6】前記NBRとテフロンとの混合物の組成が、NBR:80〜90重量%、テフロン:20〜10重量%である請求項5記載のバルブパッキン。
【請求項7】水道から供給される原水を、浄水器本体へ供給する浄水位置と、通過させる原水位置と、シャワーとして突出させるシャワー位置の3状態に切り換えるために使用する浄水器用切り換え弁に用いられる封止弁であって、前記3状態の切り換えを行うチェンジバルブの原水位置において、チェンジバルブから原水出口までの原水の通路にチェンジバルブと接触して設けられ、原水の通路の周囲に画成されるシャワー室を独立密閉構造とすることを特徴とする浄水器用切り換え弁に用いる封止弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道から供給される原水を、浄水器本体へ供給する浄水位置と、通過させる原水位置と、シャワーとして吐出させるシャワー位置の3状態に切り換えるために使用する浄水器用切り換え弁に用いられ、前記3状態の切り換えを行うチェンジバルブへ原水を供給するためのバルブパッキン、および、チェンジバルブから原水出口までの通路に設けられた封止弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、水道から供給される原水を、浄水器本体へ供給する浄水位置と、通過させる原水位置と、シャワーとして吐出させるシャワー位置の3状態に切り換えるために使用する浄水器用切り換え弁は、種々の構成のものが知られている。本出願人は、このような浄水器用切り換え弁の一例を、特開平7−108257号公報においてすでに開示している。
【0003】図5および図6は上述した特開平7−108257号公報において本出願人が開示した浄水器用切り換え弁の一例の構成を示す図である。図5および図6に示す例において、55はABS樹脂からなるコックケースであり、コックケース55は、原水入口55−1、原水通過出口55−2、原水シャワー出口55−3および原水浄水器用出口55−4を有する。67はポリアセタール樹脂からなるチェンジバルブであり、チェンジバルブ67は、原水入口55−1と原水通過出口55−2とを、または、原水入口55−1と原水シャワー出口55−3とを連結するための第1の原水通過孔67−1と、原水入口55−1と原水浄水器用出口55−4とを連結するための第2の原水通過孔67−2とを有する。また、位置固定手段をプランジャボール59とプランジャスプリング60とで構成する。さらに、第2の原水通過孔67−2に、安全弁受け57を介して印加される安全弁スプリング58のバネ力に抗する安全弁56を設けている。
【0004】さらに、図5および図6に示す例において、51は水道の蛇口に取り付けるためのアタッチメント、52は水道の蛇口をアタッチメント51に固定するためのネジ、53はアタッチメントロック、54はバルブパッキンである。また、61および64は原水通過用のOリング、62はノズルアタッチメント、63は原水通過出口55−2を構成するノズル、78はノズルメッシュである。さらにまた、65は原水シャワー出口55−3を構成するシャワーキャップ、66はシャワーキャップ65用のOリングである。また、68、69はチェンジバルブ67用のOリング、70はチェンジバルブ67用のパッキンである。さらに、72はレバー、73はレバー72を固定するためのネジ、74はレバーキャップである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した構成の浄水器用切り換え弁においては、浄水位置、原水位置およびシャワー位置の3状態の切り換えを行うチェンジバルブ67へ原水を供給するためにバルブパッキン54を使用する。図7は従来のバルブパッキン54の一例の構成を詳細に示す図であり、図7(a)はその上面図を、図7(b)および図7(c)は図7(a)における各断面を示している。図7に示す例において、バルブパッキン54は、バルブパッキン本体54−1と、このバルブパッキン本体54−1と一体に形成され、チェンジバルブ67と接触するパッキンシール部54−2とから構成されている。パッキンシール部54−2の端部は、接触するチェンジバルブ67の形状に対応して湾曲している。
【0006】上述した構成のバルブパッキン54では、バルブパッキン本体54−1とパッキンシール部54−2とがリジットな構造である。そのため、パッキンシール部54−2の端部を湾曲させてチェンジバルブ67とのシール性能を高めようとしても、バルブパッキン54は水道の蛇口に取り付けられる毎に異なる力で押されることから、あるいは、チェンジバルブ67の外周面に存在する凹凸のため、パッキンシール部54−2の端部とチェンジバルブ67との間の十分なシール性能を得ることができない問題があった。そして、パッキンシール部54−2の端部とチェンジバルブ67との間に十分なシール性能を得ることができないと、この間を通り抜けた水がチェンジバルブ67用のOリング68と69との間、第1の原水通過孔67−1、第2の原水通過孔67−2等を通過して外部へ漏れ出てしまう問題があった。
【0007】また、上述した構成の浄水器用切り換え弁においては、原水通過出口55−2を形成する孔部84を、コックケース55と一体に形成した管部91で形成する。しかし、この管部91では、上述したバルブパッキン54のパッキンシール部54−2のように、チェンジバルブ67と接触する部分がなく、管部91とチェンジバルブ67との間はシールされていない。そのため、図8にシャワー位置の状態の断面を示すように、エアーが管部91の原水通過出口55−2から、チェンジバルブ67とコックスケース55との間、第1の原水通過通過孔67−1、第2の原水通過孔67−2等を通過して内部へ侵入し、シャワー状態においてシャワー室92内の残留水がダラダラとたれ落ちてしまう問題もあった。
【0008】本発明の目的は上述した課題を解消して、浄水器用切り換え弁に用いる部材であって、チェンジバルブとの十分なシール性能を得ることができるバルブパッキン、および、チェンジバルブと原水通過孔とのシール性を向上させ、シャワー状態における水ダレを防止することができる封止弁を提供しようとするものである。
【0009】
【発明解決しようとする課題】本発明の浄水器用切り換え弁に用いるバルブパッキンの第1発明は、水道から供給される原水を、浄水器本体へ供給する浄水位置と、通過させる原水位置と、シャワーとして吐出させるシャワー位置の3状態に切り換えるために使用する浄水器用切り換え弁に用いられ、前記3状態の切り換えを行うチェンジバルブへ原水を供給するためのバルブパッキンにおいて、前記チェンジバルブと接触するパッキンシール部を可動構造としたことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の浄水器用切り換え弁に用いるバルブパッキンの第2発明は、水道から供給される原水を、浄水器本体へ供給する浄水位置と、通過させる原水位置と、シャワーとして吐出させるシャワー位置の3状態に切り換えるために使用する浄水器用切り換え弁に用いられ、前記3状態の切り換えを行うチェンジバルブへ原水を供給するためのバルブパッキンにおいて、前記チェンジバルブと接触するパッキンシール部を可動構造とするとともに、バルブパッキン本体に異物混入防止用のネットを設けたことを特徴とするものである。
【0011】さらに、本発明の浄水器用切り換え弁に用いる封止弁は、水道から供給される原水を、浄水器本体へ供給する浄水位置と、通過させる原水位置と、シャワーとして突出させるシャワー位置の3状態に切り換えるために使用する浄水器用切り換え弁に用いられる封止弁であって、前記3状態の切り換えを行うチェンジバルブの原水位置において、チェンジバルブから原水出口までの原水の通路にチェンジバルブと接触して設けられ、原水の通路の周囲に画成されるシャワー室を独立密閉構造とすることを特徴とするものである。
【0012】本発明の浄水器用切り換え弁に用いるバルブパッキンでは、バルブパッキンの構成を、チェンジバルブと接触するパッキンシール部を可動構造として構成するか、チェンジバルブと接触するパッキンシール部を可動構造とするとともに、バルブパッキン本体に異物混入防止用のネットを設けた構成とすることで、バルブパッキンが水道の蛇口に取り付けられる毎に異なる力で押された場合でも、パッキンシール部の端部とチェンジバルブとの接触状態を常に一定の圧力に保つことができ、その結果両者の間の十分なシール性能を得ることができる。また、ネットを設けた場合は、原水中の異物を予め除去できる。
【0013】上述した構成のバルブパッキンにおいて、肉厚を薄くしてパッキンシール部をバルブパッキン本体と一体に形成してパッキンシール部の可動構造を構成すること、および、バルブパッキンの材質を、NBRとテフロンの混合物またはバイトンとすると、上記シール性能をより高めることができ好ましい。さらに、バルブパッキンの材質をNBRとテフロンの混合物とした場合は、その組成をNBR:80〜90重量%、テフロン:20〜10重量%とすると、上記シール性能をさらにより高めることができ好ましい。
【0014】本発明の浄水器用切り換え弁に用いる封止弁では、封止弁を、チェンジバルブの原水位置において、チェンジバルブから原水出口までの原水の通路にチェンジバルブと接触して設け、それにより、原水の通路の周囲に画成されるシャワー室を独立密閉構造とすることで、シャワー状態における切り換え弁内部へのエアーの侵入を防止でき、その結果シャワー状態における水ダレを無くすことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の浄水器用切り換え弁に用いるバルブパッキンおよび封止弁について説明するが、それらの部品が使用される浄水器用切り換え弁の構成は、図5を参照して説明した従来の浄水器用切り換え弁の構成と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0016】図1は本発明の第1発明に係る浄水器用切り換え弁に用いるバルブパッキンの一例の構成を示す図であり、図1(a)はその斜視図を、図1(b)は図1(a)におけるA−A線に沿った断面図をそれぞれ示している。図1に示す例において、本発明のバルブパッキン1は、バルブパッキン本体2と、バルブパッキン本体2と一体に設けたパッキンシール部3とから構成されている。本発明のバルブパッキン1において重要な点は、パッキンシール部3を可動構造とした点である。すなわち、パッキンシール部3の厚さを他の部分と比較して薄く構成することで、パッキンシール部3を可動構造としている。なお、パッキンシール部3のチェンジバルブ11と接触する端部は、従来の例と同様に、円筒形状のチェンジバルブ11の外周形状に応じた形状としている。また、バルブパッキン本体2の外形形状は、従来と同様に、コックケースに収容できる形状としている。
【0017】上述した構成の本発明のバルブパッキン1では、水道の蛇口への取付毎に異なる押圧力の変化により、または、チェンジバルブ11の外周面に存在する凹凸により、パッキンシール部3が上下左右に動くため、チェンジバルブ11とパッキンシール部3との間のシール性の低下を防止することができる。すなわち、図2(a)に示すようにチェンジバルブ11とパッキンシール部3とが接触してシール性が保たれている状態から、図2(b)に示すようにチェンジバルブ11方向にパッキンシール部3が押されても、パッキンシール部3が上下に可動するため、チェンジバルブ11とパッキンシール部3とのシール性を保つことができる。
【0018】図3は本発明の第2発明に係る浄水器用切り換え弁に用いるバルブパッキンの一例の構成を示す図である。図3に示す例においても、図1に示す例と同様に、パッキンシール部3を可動構造とする点が特徴の一つである。図3に示す例では、それに加えて、バルブパッキン本体2の原水通路5にネット4を一体に設けている。ネット4の材質は腐食に強い材料であれば何でも使用することができるが、その中でもSUS304(JIS)のステンレス鋼から構成することが好ましい。また、ネット4の目開きについても特に限定するものではないが、目開き1mmであれば圧力損失は0.1kg/cm2 以下であり問題ない。
【0019】次に、上述した本発明の第1発明および第2発明に係るバルブパッキンの材質について説明する。本発明のバルブパッキン1の材質については、上述したパッキンシール部3を可動構造に構成できる材質であればいずれの材料でも使用することができる。その一例として、例えばシリコン、EPDM、NBR(ニトリルブタジエンラバー)、バイトン(商品名)等のゴム材料を好適に使用することができる。その中でも、NBRとテフロン(ポリテトラフルオロエチレン)の混合物、特にその組成がNBR:80〜90重量%、テフロン:20〜10重量%の混合物、および、バイトンを使用すると、シール不良がさらに発生しにくくなるため好ましい。また、NBRとテフロンの混合物およびバイトンを使用した場合の各材料の硬度については以下の通りである。なお、ここで硬度は、JIS:K6253に記載のIRHD(国際ゴム硬さ単位)で示した硬度を示す。まず、NBRとテフロンの混合物では、硬度50以上のものが良好で、硬度50未満のものは柔らかすぎて流路形状が不安定となる場合もあり、硬度50以上のものが好ましいことがわかった。また、バイトンの例でも硬度50以上のものが好ましい。
【0020】図4は本発明の浄水器用切り換え弁に用いる封止弁の一例の構成を示す図であり、図4(a)は封止弁を、図4(b)は封止弁を切り換え弁に装着した例の要部をそれぞれ示している。図4に示す例において、本発明の封止弁21は、チェンジバルブ11から原水出口22までの原水の通路23を構成する、コックケース24と一体に構成された管部25の内周面に設けられ、封止弁21の端部が、上述したバルブパッキン1の端部と同様に、チェンジバルブ11と接触するよう構成されている。そのため、封止弁21のチェンジバルブ11と接触する端部は、円筒形状のチェンジバルブ11の外周形状に応じた形状としている。図4(b)に示すように、本発明の封止弁21を原水の通路23に設けることで、封止弁21の端部が常にチェンジバルブ11と接触する。そのため、原水の通路23と、チェンジバルブ11とコックケース24との隙間とを、常にシールされた状態に保つことができ、シャワー室26を独立密閉構造とすることができる。その結果、例えばシャワー位置にチェンジバルブ11がある場合、エアの侵入による浄水器用切り換え弁からの水ダレを完全に防止することができる。この封止弁21の材質も特に限定しないが、チェンジバルブ11と接触してシール性を維持できる必要があるため、EPDM等のゴム材料を使用することが好ましい。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の浄水器用切り換え弁に用いるバルブパッキンによれば、バルブパッキンの構成を、チェンジバルブと接触するパッキンシール部を可動構造として構成するか、チェンジバルブと接触するパッキンシール部を可動構造とするとともに、バルブパッキン本体に異物混入防止用のネットを設けた構成としているため、バルブパッキンが水道の蛇口に取り付けられる毎に異なる力で押された場合でも、パッキンシール部の端部とチェンジバルブとの接触状態を常に一定の圧力に保つことができ、その結果両者の間の十分なシール性能を得ることができる。また、ネットを設けた場合は、原水中の異物を予め除去できる。
【0022】さらに、本発明の浄水器用切り換え弁に用いる封止弁によれば、封止弁を、チェンジバルブの原水位置において、チェンジバルブから原水出口までの原水の通路にチェンジバルブと接触して設け、それにより、原水の通路の周囲に学生されるシャワー室を独立密閉構造としているため、シャワー状態における切り換え弁内部へのエアーの侵入を防止でき、その結果シャワー状態における水ダレを無くすことができる。
【出願人】 【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
【識別番号】593157781
【氏名又は名称】エヌジーケイ・フィルテック株式会社
【出願日】 平成10年10月9日(1998.10.9)
【代理人】 【識別番号】100059258
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 暁秀 (外8名)
【公開番号】 特開2000−120893(P2000−120893A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−287681