| 【発明の名称】 |
真空揚水槽の開放弁装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古小高 三夫
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】蓋体を使用して真空揚水槽の開口を閉鎖若しくは開放する真空揚水槽の開放弁装置において、開口を閉鎖する蓋体に開口周囲を包囲する輪形の突縁を設置したことを特徴とする真空揚水槽の開放弁装置。 【請求項2】蓋体が開口を有する真空揚水槽の面に対して平行に摺動して閉鎖若しくは開放が行われる請求項1記載の真空揚水槽の開放弁装置。 【請求項3】蓋体が開口を有する真空揚水槽の面に対してほぼ直角に移動して閉鎖若しくは開放が行われる請求項1記載の真空揚水槽の開放弁装置。 【請求項4】蓋体の移動がソレノイドコイルのプランジャーによって制御される請求項1記載の真空揚水槽の開放弁装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、真空揚水槽に揚水貯留された液体を集水槽に落下させるために使用する真空揚水槽の開放弁に関するものである。 【0002】 【従来の技術】本件出願人は平成9年特許願第102342号により真空揚水装置なる発明を提案した。該発明による真空揚水装置は、真空ポンプにより真空揚水槽内に負圧を生ぜしめ、その負圧と、真空揚水槽の内部に導かれている取水管によって取水池の水を真空揚水槽に取り入れる形式で、真空揚水槽が満水した時点で真空度調節手段(例えば電磁真空弁等)を作動させて、真空揚水槽を大気圧に開放し、貯水されている水を送水管を経て下方の集水槽へ落下させる構成となっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前記の発明は、用水の汲み上げ、浄化のための廃水の汲み上げ、揚水を利用した小規模発電等々に利用されるが、その場合重要なことは、揚水完了後に如何に迅速に真空揚水槽内の液体を目的の個所へ送給或は落下させることができるかである。 【0004】真空ポンプの運転に電気を使用しているので、真空揚水槽から液体を排出するもっとも簡単な方法は、真空揚水槽の一部を大気中に開口させ、大気圧と液体の自重により液体を真空揚水槽の外部へ排出するものであり、前記発明に於ては電磁弁を利用してその操作を行っていることは前述の通りである。 【0005】しかしながら、真空揚水槽からの液体の迅速な排出のためには、真空揚水槽へ大量の大気を取り入れるための口径の大きな電磁弁が必要とされ、そのような電磁弁を採用することは装置全体の製造コストを大幅に増加させる結果を生む。逆に電磁弁のコストを考えて口径の小さなものを使用すると、真空揚水槽内部への大気の取入れに時間を要するため、液体を槽外へ迅速に排出することができないことになる。 【0006】一般的な電磁弁の使用を避け、真空揚水槽の一部に開口を設置し、その開口を閉鎖する蓋を電気的に操作して、真空揚水槽への大気の取入れを図る場合には、真空揚水槽内の負圧によって開口部に強力に吸着されている蓋を移動させるための強力なソレノイドコイルが必要となり、これもまた製造コストの増加を生む原因となりかねない。 【0007】加えて、前記発明装置を設置する環境を具体的に考慮すると、単に一般家庭及び工場に於て使用されるのみならず、山間若しくは海岸等の僻地、開発途上にある各種の地域等で使用する場合に、点検、監視及び補修の作業を可能な限り省略できる構造が要求される。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題点を解決すべく前記発明に改良を加え更に構造を簡単にするとともに、真空度調整手段として使用していた電磁弁を、ソレノイドコイルにより操作される蓋体に交換して、製造費用の低減と運転の安定化、及び管理補修の簡略化を達成することにした。真空揚水槽の開口を閉鎖している蓋体をソレノイドコイルによって開放する場合、大きなトルクを要求されるため、蓋体の構造を改良することによって、最小限度の力で開放が行える蓋体を達成する。 【0009】 【実施例】まず、図面に従って本発明の開放弁装置が適用されるべき真空揚水槽の全体構成を説明し、然る後に開放弁の具体的構造を説明する。図3は本発明開放弁が適用される真空揚水システムの構成を示す概念図で、1は真空揚水槽、2は集水槽であり、一端を取水池に挿入された揚水管3の逆止弁4を備えた他端が真空揚水槽1の内部上方に開口している。5は一端が真空揚水槽1の底部に開口し、逆止弁6を備えた他端が集水槽2の内部上方に開口する送水管である。7は一端が集水槽2の底部に開口し、他端が下方に設置した貯水槽8に向けて開口している放水管である。更に9は真空揚水槽1内部の水面位置を外部に視認させるためのガラス管からなる液面計、10a及び10bは液面計9内の最上方と最下方それぞれの水面位置を検知する検知装置、11は検知装置10a及び10bの検知信号により制御装置12を介して運転される真空ポンプ、13は真空ポンプと真空揚水槽1を連結する連結管である。 【0010】図中20は真空揚水槽1に付設した開放弁装置であり、その詳細は図1に示す通りである。図1に示す第一の実施例において、真空揚水槽1の開口1’に連続する開口21’を有する基盤21が真空揚水槽1に装着されており、基盤21上にはソレノイドコイル22とそれにより吸引されるプランジャー23、プランジャー23により移動せしめられ、コイルスプリング24によって復帰させられる蓋体25が載置されている。蓋体25はソレノイドコイル22の非作動状態において真空揚水槽1の開口1’に連続する基盤21の開口21’を閉鎖するとともに、ソレノイドコイル22の作動状態ではその一部に穿設された透孔26が前記開口21’に合致して、真空揚水槽1内部を外界の大気圧に向けて開放する。 【0011】図1に示されるごとく、蓋体25の基盤21の開口21’に接する蓋体25の下面には突縁27が突設されている状態が表されている。 【0012】突縁27は、蓋体25の対面する基盤21の開口21’の周囲を完全に包囲する輪形の構造で、その突出部分の断面は半円形である。ソレノイドコイル22の非作動状態では、突縁27が基盤21の開口21’の周囲にあり、真空揚水槽1の負圧が蓋体25を吸引し、突縁27は基盤21の開口21’の周囲に密着し、開口21’及びそれに連続する真空揚水槽1の開口1’を完全に閉鎖している。 【0013】図2に示す第二の開放弁装置の実施例に於ては、第一の実施例がソレノイドコイル22により蓋体25を真空揚水槽1の壁面に沿って移動させて開放を行うのに対し、蓋体25’を真空揚水槽1の壁面と直角に移動させて開放を行う形式である。この実施例に於て蓋体25’の上面には誘導突杆28が突設されており、また下面には第一の実施例と同様の突縁27が突設されている。突縁27が真空揚水槽1の壁面に穿設された開口1’の周囲を完全に包囲する輪形の構造で、その突出部分の断面が半円形であることは第一の実施例と同様であるが、突縁27の略中心から下方へ向かって、接触杆29が突設されており、接触杆29が真空揚水槽1の開口1’を貫通して真空揚水槽1の内部に突入せしめられている点は、第一の実施例の構造と相違する。 【0014】第二の実施例に於ては、真空揚水槽1の内部に開放弁装置20を起動するための浮子30が、内部の液面の昇降に従い支持杆31に沿って移動できるように設置されており、槽内の液面が所定の位置まで上昇すると、浮子30が蓋体25’の接触杆29に当接してこれを押し上げ、蓋体25’の開放のきっかけが与えられる。 【0015】本実施例に於ては、蓋体25’にソレノイドコイル22のプランジャー23を連結し、ソレノイドコイル22と蓋体25’の間にコイルスプリング31を張設して、より確実な作動の安定を図っている。 【0016】本発明が適用される真空揚水槽1及びこれを使用した真空揚水システムの全体的な作動説明を図3に従って行う。システムの始動に際して、制御装置12及び真空ポンプ11の回路に通電すると、液面計9に設置された上方の検知装置10a及び下方の検知装置10bが共に真空揚水槽1内に液体が貯留されていないことを確認し、その信号が制御装置12を介して真空ポンプ11を作動させる。 【0017】真空ポンプ11の作動により真空揚水槽1内の空気は連結管13を介して排出され、真空揚水槽1内の真空度が高まるにつれて、図3下方に示す取水池(水源)の液体は揚水管3により吸引上昇せしめられ、逆止弁4を経て真空揚水槽1内に流入する。真空揚水槽1内の液面が上昇し、上方の検知装置10aのレベルまで液面が到達すると、制御装置12によって真空ポンプ11の運転停止と開放弁装置20の開放の操作が行われる。 【0018】開放弁装置20が作動すると、真空揚水槽1内部は大気中に開口し、槽内の液体は送水管5及び逆止弁6を経て真空揚水槽1よりも低い位置に設置した集水槽2内へ流下する。その間、揚水管3の逆止弁4は真空揚水槽1内に於て揚水管3の端部を閉鎖しているので、揚水管3はそのほぼ全長にわたって取水池からの液体を保持し続ける。集水槽2に流下した液体は、集水槽2の底部に開口する放水管7を経て更に流下され、各種の目的に従って使用され最終的に貯水槽8に集められる。 【0019】真空揚水槽1の液面が下がり、下方の検知装置10bが液面の所在を検知すると、制御装置12を介して開放弁装置20が閉鎖され、同時に真空ポンプ11の運転が再開され、揚水管3を介して再び揚水が行われ、以下、揚水と送水の手順が繰り返される。 【0020】図3に示す真空揚水システムは例えば上水に使用すべき水を取水池からくみ上げ、貯水槽8に貯水した後に使用個所へ配水するサイクルに適した構成である。この真空揚水システムを、限られた水量を繰り返し使用して小規模の発電に利用するような場合には、取水池と貯水槽8を一体にした構成で、繰り返し貯水槽8の水をくみ上げて循環させ、放水管7に連続して設置したタービン発電機7’を駆動させれば、連続して発電を行うことができる。また、取水池からの水を浄化浄る場合には、放水管7からの水を浄化装置に供給することによって、連続的な浄化作業が可能となる。 【0021】以上概略した真空揚水システムに使用するに適した本発明の開放弁装置20の第一の実施例の動作を詳述すると、前述の如く開口21’(図1)を閉鎖する蓋体25は突縁27を備えており、突縁27が開口21’を取り囲む状態で閉鎖しているので、断面が半円形の突縁27の一部が基盤25に接触する状態が保たれている。従って、蓋体25が閉鎖すべき面に接触する面積は最小限度にとどめられており、開口21’により吸着された蓋体をその吸着力に抗して移動させるための力はわずかなもので良い。しかも、突縁27が図1に於てわずかに右方へ摺動し突縁27の図中左側の部分が開口21’の縁を通過すると、その時点から真空揚水槽1への大気の流入が始まり、真空による蓋体25の吸着力は急激に低下するため、ソレノイドコイル22のプランジャー23による蓋体25の移動は比較的小さなトルクで瞬間的に行うことができる。 【0022】これは図2に示す第二の実施例の場合も同様で、浮子30の上昇により蓋体25’の接触杆29が上方へ押し上げられると、蓋体25’の突縁27の一部が真空揚水槽1の壁面からわずかに浮き上がり大気が流入し、それに前後してソレノイドコイル22のプランジャー23による蓋体25’の牽引が行われるので、この蓋体25’の移動も比較的小さなトルクで瞬間的に行うことができる。 【0023】因に、本発明が適用される真空揚水システムの図3に示す各部品の仕様を述べると、真空揚水槽1は幅930mm、奥行き930mm、高さ1500mm、集水槽2は幅920mm、奥行き1220mm,高さ920mm、揚水管3、送水管5及び放水管7は直径200mm、真空ポンプ11は日本真空技術株式会社製D−650K回転翼式二段型の油回転真空ポンプである。このような装置を使用して行った実験プラントによると、約10メートルの揚水管3により運転をした場合、揚水管3がまったく水を保持していない第一回目の運転を開始すると、真空揚水槽1を満水させるのに約100秒、その後第二回目以降揚水管3が全長にわたって水を保持している場合には約20秒を要することが判明した。 【0024】図3に示す概念図においては、集水槽2に対して一基の真空揚水槽1が配置されているが、集水槽2から放水管7を介して放水する時間次第で、一基の集水槽2に対して複数の真空揚水槽1を設置し、それらを適宜運転することによって集水槽2の満水状態を常に確保できるようにすることも容易である。また真空揚水システムの使用途、設置場所の状況等に応じて、真空揚水槽1、集水槽2の寸法、真空ポンプ11の性能等は任意に選択することができる。 【0025】 【発明の効果】本発明による開放弁装置を使用して真空揚水システムを運転することにより、安定した確実な揚水及び送水が可能になるとともに、特に固体廃棄物を含んだ水を汲み上げる際に、揚水管並びに本発明弁装置に詰まりによる故障が生じる恐れが無い効果は極めて高く、上水用の揚水、水浄化のための揚水、発電のための揚水等々に、設置場所を選ばず建設可能であり、弁装置の構造は簡単であるがそれゆえに故障が発生しない効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596130956 【氏名又は名称】古小高 三夫
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| 【出願日】 |
平成10年10月7日(1998.10.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079337 【弁理士】 【氏名又は名称】早川 誠志
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| 【公開番号】 |
特開2000−120884(P2000−120884A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−300371 |
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