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【発明の名称】 制御弁
【発明者】 【氏名】富岡 総一郎

【要約】 【課題】ガイド部材の径方向への弁体の動きを適切に規制し、振動音の発生しないように改良された制御弁を提供すること。

【解決手段】筒状のガイド部材13により形成される弁体支持孔15に、このガイド部材13の軸線方向に移動可能に挿入され、ガイド部材13に案内されてその軸線方向に移動して弁ポート9を開閉する弁体17を有する制御弁において、ガイド部材13に対する軸線方向への移動を許した態様で弁体17をガイド部材13の径方向に付勢し、弁体17の外周面の部分を弁体支持孔15の内周面の部分に押し付ける、鋼球51とCリングばね55とからなる横揺れ防止機構を組み込む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒状のガイド部材により形成される弁体支持孔に、前記ガイド部材の軸線方向に移動可能に挿入され、前記ガイド部材に案内されて前記軸線方向に移動して弁ポートを開閉する弁体を有する制御弁において、前記ガイド部材に対する前記軸線方向への移動を許した態様で前記弁体を前記ガイド部材の径方向に付勢し、前記弁体の外周面の部分を前記弁体支持孔の内周面の部分に押し付ける横揺れ防止機構が組み込まれていることを特徴とする制御弁。
【請求項2】 前記横揺れ防止機構は、前記ガイド部材により前記径方向に移動可能に保持されて前記弁体の外周面に当接する押圧子と、前記押圧子を前記弁体の外周面に向けて付勢するばねとにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項3】 前記押圧子は鋼球により構成されて前記ガイド部材に形成された貫通孔に挿入され、前記ばねは前記ガイド部材の外周面に掛装されて前記鋼球に前記ガイド部材の外方から当接する可撓性の弧状ばねであることを特徴とする請求項2に記載の制御弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動式コントロールバルブ等の制御弁に関し、特に、ガイド部材に案内されてこのガイド部材の軸線方向に移動する弁体を有する制御弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷凍・冷房機器で使用される電動式コントロールバルブ等の制御弁として、筒状のガイド部材により形成される弁体支持孔に、このガイド部材の軸線方向に移動可能に挿入され、ガイド部材に案内されてその軸線方向に移動して弁ポートを開閉する弁体を有する制御弁が知られており、この種の制御弁は、例えば、特開平10−2450号公報に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のような制御弁では、弁体がガイド部材の軸線方向に移動し得るように、弁体の外径よりも弁体支持孔の内径を少し大きくし、ガイド部材と弁体との間に所要のクリアランスを設ける必要があり、弁体はガイド部材に対してクリアランス分、横方向(径方向)に移動可能になっている。
【0004】このため、特に、微少弁開度状態では、弁体が高速の流体より力を受けて横方向に振動し、振動音を発生すると云う問題点がある。このため、振動音の発生防止のために、微少弁開度状態での振動を避ける制御プログラムにより流量制御を行わざるを得ず、流量制御精度に影響を及ぼすことになる。
【0005】この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、弁ポートの開閉には無関係な弁体の横方向の動きを適切に規制し、振動音の発生しないように改良された制御弁を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、請求項1に記載の発明による制御弁は、筒状のガイド部材により形成される弁体支持孔に、前記ガイド部材の軸線方向に移動可能に挿入され、前記ガイド部材に案内されて前記軸線方向に移動して弁ポートを開閉する弁体を有する制御弁において、前記ガイド部材に対する前記軸線方向への移動を許した態様で前記弁体を前記ガイド部材の径方向に付勢し、前記弁体の外周面の部分を前記弁体支持孔の内周面の部分に押し付ける横揺れ防止機構が組み込まれているものである。
【0007】請求項2に記載の発明による制御弁は、前記横揺れ防止機構が、前記ガイド部材により前記径方向に移動可能に保持されて前記弁体の外周面に当接する押圧子と、前記押圧子を前記弁体の外周面に向けて付勢するばねとにより構成されているものである。
【0008】請求項3に記載の発明による制御弁は、前記押圧子が鋼球により構成されて前記ガイド部材に形成された貫通孔に挿入され、前記ばねが前記ガイド部材の外周面に掛装されて前記鋼球に前記ガイド部材の外方から当接する可撓性の弧状ばねであるものである。
【0009】請求項1に記載の発明による制御弁によれば、横揺れ防止機構によって弁体が径方向に付勢され、弁体の外周面の部分が弁体支持孔の内周面の部分に押し付けられる。
【0010】請求項2に記載の発明による制御弁によれば、ばねにより押圧子を介して弁体がガイド部材の径方向に付勢され、この付勢力により弁体の外周面の部分が弁体支持孔の内周面の部分に押し付けられる。
【0011】請求項3に記載の発明による制御弁によれば、弧状ばねにより鋼球を介して弁体がガイド部材の径方向に付勢され、この付勢力により弁体の外周面の部分が弁体支持孔の内周面の部分に押し付けられ、ガイド部材の軸線方向への弁体の移動に際して鋼球は、ガイド部材の貫通孔内にて転動する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】図1〜図3はこの発明による制御弁を電動式コントロールバルブに適用した一つの実施の形態を示している。
【0014】電動式コントロールバルブは弁ハウジング1を有しており、弁ハウジング1はに、入口ポート3、弁室5、弁座部7、弁ポート9、出口ポート11が形成されている。
【0015】弁ハウジング1には円筒状のガイド部材13が固定されており、ガイド部材13は貫通孔である弁体支持孔15を画定している。換言すれば、弁体支持孔15はガイド部材13より形成されて図にて上下に貫通延在しており、この弁体支持孔15に弁体17の円筒ステム部19が軸線方向(上下方向)に移動可能に嵌合している。
【0016】弁体17が軸線方向移動し得るよう、従来のもの同様に、円筒ステム部19の外径より弁体支持孔15の内径は少し大きく設定されており、ガイド部材13と円筒ステム部19との間に所要のクリアランスが設けられている。
【0017】弁体17は、ガイド部材13に案内されて軸線方向移動し、弁体支持孔15の先端側に設けられた円錐弁部20にて弁座部7に選択的に着座し、弁ポート9を開閉する。
【0018】弁ハウジング1にはマウント部材21によってステッピングモータ23が取り付けられている。ステッピングモータ23は、マウント部材21に固定されたキャップ状のカバー25と、カバー25の外側に固定されたステータコイル27と、カバー25内に上下動且つ回転可能に設けられたロータ29とを有している。ロータ29は、円筒状の永久磁石31とロータ本体33との組立体により構成され、ステータコイル27との電磁作用により回転する。
【0019】ロータ本体33には連結ロッド35の上端部が、回転可能で軸方向動不能に連結されており、この連結ロッド35の下端部は、弁体17の円筒ステム部19に連結されている。なお、この連結構造のより詳細な構成については、必要に応じて特開平10−2450号公報を参照されたい。
【0020】また、カイド部材13の上部にはスリーブ状の雌ねじ部材39が固定されており、この雌ねじ部材39には筒状の雄ねじ部材37の下端部が螺着されていて、この雄ねじ部材37の内部を連結ロッド35が挿通されている。また、雄ねじ部材37の上部には、ロータ29に固着された雌ねじ部材29Aが螺着されており、これにより、ロータ29が回転すると雌ねじ部材29Aが雄ねじ部材37に対して螺動して、ロータ29が連結ロッド35と共に上下動し、この連結ロッド35の上下動により弁体17が上下動(軸線方向移動)するように構成されている。
【0021】ロータ29の上部にはピン41が固定され、カバー25内には固定ロッド43が天井部より垂下された態様で固定されている。固定ロッド43の外周には螺旋ガイド部材45が取り付けられており、螺旋ガイド部材45には可動ストッパ片47が係合している。
【0022】可動ストッパ片47は、ロータ29の回転によりピン41によって蹴られ、螺旋ガイド部材45に案内されて螺旋移動し、上端側のストッパ部48に当接することによって弁体17の上限位置、すなわち全開位置を規定する。なお、このストッパ構造のより詳細な構成についても、必要に応じて特開平10−2450号公報を参照されたい。
【0023】弁体17の横揺れ防止機構として、ガイド部材13に形成された貫通孔49に押圧子である鋼球51が移動可能に挿入され、貫通孔49を含んでガイド部材13の外周に形成された周溝53にCリングばね55が係合装着されている。
【0024】Cリングばね55は、ガイド部材13を取り囲んで鋼球51の背面側と当接し、鋼球51を径方向内側、すなわち弁体17の外周面に向けて付勢している。鋼球51は、Cリングばね55のばね力によって図にて右方へ付勢され、弁体17の外周面に形成されたキー溝状の縦溝57に係合している。
【0025】これにより、弁体17、特に円筒ステム部19の外周面の部分(図中右側外周面部分)が、弁体支持孔15の内周面の部分(図中右側内周面部分)に押し付けられている。
【0026】上述のように、弁体17の外周面部分が弁体支持孔15の内周面の部分に押し付けられることにより、弁体17はガイド部材13の径方向へのプリロードを与えられた状態になる。このことにより、ガイド部材13の径方向における弁体17の動きが適切に規制され、微少弁開度状態で、弁体17が、高速の非定常流により力を受けても、ガイド部材13の径方向に振動することがなく、振動音を発生することが回避される。これにより、微少弁開度状態での制御が可能になり、弁開制御精度が向上する。
【0027】弁体17の上下動に際しては、縦溝57に係合した状態で鋼球51が転動するから、横揺れ防止機構による弁開閉の摺動抵抗の増加が小さい値に抑えられ、弁開閉用のステッピングモータ23の出力を大きくしなくて済む。
【0028】尚、本実施形態では、鋼球51を弁体17の外周面に向けて付勢するのが、ガイド部材13の外周に形成された周溝53に係合装着されたCリングばね55であるものとしたが、ガイド部材13の外方から鋼球51に当付られたばね板やコイルスプリング等によって鋼球51を弁体17の外周面に向けて付勢するようにしてもよく、また、弁体17の外周面に当付られるのを鋼球51に代えて、弁体17の外周面上を滑動可能な部材としてもよい。
【0029】さらには、ガイド部材13の内周面と弁体17の外周面との間に介設されて、ガイド部材13と弁体17とのどちらか一方に固定された方の面上を滑動する突っ張り式のばね板等によって、請求項中の横揺れ防止機構を構成してもよい。
【0030】また、本発明は、本実施形態で示した電動式コントロールバルブだけに限らず、ガイド部材に案内されてこのガイド部材の軸線方向に移動する弁体を有する制御弁に広く適用可能であることは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、請求項1に記載の発明による制御弁によれば、筒状のガイド部材により形成される弁体支持孔に、前記ガイド部材の軸線方向に移動可能に挿入され、前記ガイド部材に案内されて前記軸線方向に移動して弁ポートを開閉する弁体を有する制御弁において、前記ガイド部材に対する前記軸線方向への移動を許した態様で前記弁体を前記ガイド部材の径方向に付勢し、前記弁体の外周面の部分を前記弁体支持孔の内周面の部分に押し付ける横揺れ防止機構が組み込まれているものとした。
【0032】このため、弁体が径方向に付勢され、弁体の外周面の部分が弁体支持孔の内周面の部分に押し付けられ、弁体はガイド部材のへのプリロードを与えられた状態になって、ガイド部材の径方向への弁体の動きが適切に規制され、微少弁開度状態で弁体が高速の非定常流より力を受けても、弁体がガイド部材の径方向に振動することがなくなり、振動音を発生することが回避される。
【0033】請求項2に記載の発明による制御弁よれば、前記横揺れ防止機構が、前記ガイド部材により前記径方向に移動可能に保持されて前記弁体の外周面に当接する押圧子と、前記押圧子を前記弁体の外周面に向けて付勢するばねとにより構成されているものとした。
【0034】このため、ばねにより押圧子を介して弁体がガイド部材の径方向に付勢され、この付勢力により弁体の外周面の部分が弁体支持孔の内周面の部分に押し付けられ、弁体はラジアル方向のプリロードを与えられた状態になって、ガイド部材の径方向への弁体の動きが適切に規制され、微少弁開度状態で弁体が高速の非定常流より力を受けても、弁体がガイド部材の径方向に振動することがなくなり、振動音を発生することが回避される。
【0035】請求項3に記載の発明による制御弁によれば、前記押圧子が鋼球により構成されて前記ガイド部材に形成された貫通孔に挿入され、前記ばねが前記ガイド部材の外周面に掛装されて前記鋼球に前記ガイド部材の外方から当接する可撓性の弧状ばねであるものとした。
【0036】このため、弧状ばねにより鋼球を介して弁体がガイド部材の径方向に付勢され、この付勢力により弁体の外周面の部分が弁体支持孔の内周面の部分に押し付けられ、弁体はラジアル方向のプリロードを与えられた状態になって、ガイド部材の径方向への弁体の動きが適切に規制され、微少弁開度状態で弁体が高速の流体より力を受けても、弁体がガイド部材の径方向に振動することがなくなり、振動音を発生することが回避される。
【0037】また、ガイド部材の軸線方向への弁体の移動に際して鋼球は、ガイド部材の貫通孔内にて転動するから、横揺れ防止機構による弁開閉の摺動抵抗の増加が小さい値に抑えられ、弁開閉用の駆動源の出力を大きくしなくて済むようになる。
【出願人】 【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
【出願日】 平成10年10月13日(1998.10.13)
【代理人】 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外1名)
【公開番号】 特開2000−120883(P2000−120883A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−290644