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【発明の名称】 スプール弁
【発明者】 【氏名】廣田 和生

【氏名】梅村 克哉

【氏名】川崎 哲夫

【氏名】川崎 健太

【要約】 【課題】直動型の操作シリンダあるいは回転型の油圧モータと組み合わされ、油圧サーボ系の操作部に使われるスプール弁において、同スプール弁に発生する振動を大幅に抑止するようにしたものを提供することを課題とする。

【解決手段】戻りポートへ連なる弁室を区画するランドの表面に設置した弾性体の振動部分質量と作動油による付加質量及び同弾性体の剛性で決まる固有振動数をスプールの軸方向固有振動数よりも低く設定すると共に、スプールの応答振動数の設計上限よりも高く設定することにより、戻り流れに起因して同戻り流れを増大する様なスプールの動きを抑えて同戻り流れの増大に伴う振動の成長を抑制し、かつ、弾性体等の共振の発生も抑えてスプールの振動発生を防止し、スプールの破損や騒音、動作不良等の不具合を防止した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 戻りポートへ連なる弁室を区画するランドの表面に弾性体を設置し、同弾性体の振動部分質量と作動油による付加質量及び同弾性体の剛性で決まる固有振動数をスプールの軸方向固有振動数よりも低く、かつ、スプールの応答振動数の設計上限よりも高く設定したことを特徴とするスプール弁。
【請求項2】 中間ポートから戻りポートへの流れを中間ポート側に寄せるように戻りポートの上流側をくぼませると共に、スプール弁駆動軸の戻りポートに近接する部分を盛り上がらせ、かつ、中間ポートから戻りポートへの流路ではく離した流れに渦を作らせるように戻りポートの下流側をくぼませたことを特徴とするスプール弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直動型の操作シリンダあるいは回転型の油圧モータと組み合わされ、油圧サーボ系の操作部に使われるスプール弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のスプール弁の概要について、図7に基づいて説明する。なお、図7は従来のスプール弁の作動中の状態を示す断面図であり、以下、スプール2がスリーブ1に対して図7に示すような位置にある場合を例にとって説明する。
【0003】図示省略の油圧源から供給される定圧作動油は、供給ポート3からランド6a、6bで区画されるスリーブ1内の弁室に流入し、次いで供給流れ10となって中間ポート5aから流出し、油導管16を経てシリンダ右室17に流入してピストン12を図で左向きに動かす。
【0004】一方、シリンダ左室18にあった作動油は、中間ポート5bからランド6c、6dで区画されるスリーブ1内の弁室へ流入し、戻り流れ11となって左側の戻りポート4bを経て図示省略の油タンクに戻っていく。
【0005】図示のものからわかるように、スプール2のランド6a、6bが中間ポート5a、5bを同時に閉じる位置が中立点であり、図7はそれよりもスプール2が右側に位置している。
【0006】この状態と逆にスプール2が中立点よりも左側にある場合は、供給ポート3から供給された作動油は、中間ポート5bからピストン12のシリンダ左室18へ流入してピストン12を右側へ動かし、シリンダ右室17に有った作動油を油導管16を経て中間ポート5aからスリーブ1へ流入させ、戻りポート4aを経て図示省略の油タンクへ戻すことになる。
【0007】このようにしてスプール2を中立点から右側又は左側に動かすと、スプール2を動かすだけの非常に小さいパワーでシリンダ13のピストン12が動いて大きなパワーを発生し、同ピストン12にロッド14を介して連結された負荷15を動かすことができる。
【0008】なお、前記したようにスプール2がスリーブ1に対して図7のような位置にある場合には、このような位置では供給ポート3から供給される作動油の流れは右向きに移動して中間ポート5aから出ていく流れが形成されるが、供給流れ10が右向きに移動するのはランド6bから右向きの力が加えられているからであり、逆にランド6bは供給流れ10から左向きの力を受けることになる。
【0009】ここで、スプール2とスリーブ1は図7のようなの位置関係にあるので、さらにスプール2が右向きに速度を持っている場合を考えると、このときは中間ポート5aから出ていく流量が増えるため、ランド6bが受ける左向きの力が増大する。
【0010】すなわちスプール2が右向きの速度を持っている場合、つまり同スプール2が右向きに移動している場合には、ランド6bに対して左向きの力が増大するためスプール2の動きを阻害するような流れの力がランド6bに働く。
【0011】また、スプール2がスリーブ1に対して図7のような位置にある場合において、今度は逆に中間ポート5bから戻りポート4bへの戻り流れ11を考えると、このときには中間ポート5bからの戻り流れ11は左向きに移動して戻りポート4bから出ていく。
【0012】この戻り流れ11が左向きに移動するのは、ランド6bから左向きの力が加えられているからであり、逆にランド6bは戻り流れ11から右向きの力を受けることになる。
【0013】ここで、スプール2とスリーブ1は、図7のような位置関係にあるので、さらにスプール2が右向きに速度を持っている場合を再び考えると、このときは中間ポート5bから入ってくる流量が増えるため、このランド6bが受ける右向きの力が増大する。
【0014】この様にスプール2が右向きの速度を持っている場合、つまり右向きに移動している場合に、右向きの力が増大するためスプール2の動きをさらに助長するような流れの力が働く。
【0015】他方、スプール2は通常駆動軸7を介して図示省略のモータなどのアクチュエータに接続されているが、この駆動軸7とアクチュエータの間は通常弾性体を介してつながれているため、スプール2の質量と弾性体のばね定数で決まる固有振動数を持っている。そしてスリーブ1の中の流れの乱れによってランダムな外力がスプール2に働くとスプール2はこの固有振動数で振動することになる。
【0016】ここで、例として図7に示すような位置にスプール2がある場合において、流れの乱れによってスプール2が微小に振動したと仮定し、スプール2が右向きに速度を持つある瞬間を考える。このとき、先に述べたように供給ポート3から中間ポート5aに至る流れはこの振動を抑えようとする。逆に中間ポート5bから戻りポート4bに至る流れはこの振動をさらに助長しようとする。
【0017】更に供給ポート3、中間ポート5a、5b、戻りポート4a、4bの位置関係やポート形状によっては、中間ポート5bから戻りポート4bに至る流れが振動を助長しようとする働きが、供給ポート3から中間ポート5aに至る流れが振動を抑えようとする働きよりも大きくなり振動が成長して大振動を起こし、スプール2の破損や騒音、動作不良などの問題を起こすことがある。
【0018】このような問題に対して別途提案された実用新案公報昭59−11232では、図8に示すようにスリーブ01内面とスプール02端面間に多孔質柔軟弾性体19を挿入するとともに、多孔質柔軟弾性体19挿入部と作動油の流路とを連通する連通流路20を形成している。
【0019】この手段によれば、連通流路20を介して作動油が多孔質柔軟弾性体19挿入部に流入し、多孔質柔軟弾性体19に作動油が含浸される。そして、スプール02の軸方向の移動に伴ってスプール02端面により多孔質柔軟弾性体19が圧縮され、多孔質柔軟弾性体19の各孔の作動油が流出するときに、作動油の流出速度に比例して大きくなる粘性抵抗力がスプール02に作用する。この粘性力がスプール02の振幅を所定値以上にならないように抑制する。
【0020】しかしこの構造は、スリーブに対するスプールの移動に対して抵抗力を加えようとするもので振動を抑える効果はあるが、スプールの応答性を悪くするという問題がある。
【0021】また、更に別途提案された特許公報昭50−39567では、図9(a)、(b)に示すように、内向きの環状噴流がスプール02に作用するスプール弁において、スプール02の中心軸線に対して非対称な突出部分21をスプール環状溝の環状噴流流入側に設け、該環状噴流により発生するリング渦によるスプール02の振動を防止するようにしている。
【0022】しかし、この構造のものは軸対称性を壊すことによりスプール02の振動を助長させようとする流れの力を低減しようとするものであるが、軸対称性を壊すだけでは流れによって振動を発生させる力が大きい場合には、全く振動を抑止することはできないという問題がある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】前記した様に従来のスプール弁は作動時に振動が発生し、その振動は成長してスプールの破損や騒音、動作不良等の不具合に結びつき易いものであり、しかも、これを抑止するための工夫も完璧のものではなく、これの問題解決が大きなテーマであった。
【0024】本発明はこの様な背景の下になされたもので、前記従来のスプール弁に発生が避けられなかった振動を大幅に抑止するようにしたものを提供することを課題とするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した課題を解決すべくなされたものであり、戻りポートへ連なる弁室を区画するランドの表面に弾性体を設置し、同弾性体の振動部分質量と作動油による付加質量及び同弾性体の剛性で決まる固有振動数をスプールの軸方向固有振動数よりも低く、かつ、スプールの応答振動数の設計上限よりも高く設定したスプール弁を提供するものである。
【0026】すなわち本発明によれば、戻りポートへ連なる弁室を区画するランドの表面に設置した弾性体の振動部分質量と作動油による付加質量及び同弾性体の剛性で決まる固有振動数をスプールの軸方向固有振動数よりも低く設定することにより、戻り流れに起因して同戻り流れを増大する様なスプールの動きを抑えて同戻り流れの増大に伴う振動の成長を抑制し、また、前記弾性体の振動部分質量と作動油による付加質量及び同弾性体の剛性で決まる固有振動数をスプールの応答振動数の設計上限よりも高く設定することにより、弾性体等の共振の発生も抑えてスプールの振動発生を防止を図るようにしたものである。
【0027】また本発明は、中間ポートから戻りポートへの流れを中間ポート側に寄せるように戻りポートの上流側をくぼませると共に、スプール弁駆動軸の戻りポートに近接する部分を盛り上がらせ、かつ、中間ポートから戻りポートへの流路ではく離した流れに渦を作らせるように戻りポートの下流側をくぼませたスプール弁を提供するものである。
【0028】すなわち、本発明によれば、戻りポートの上流側をくぼませると共に、スプール弁駆動軸の戻りポートに近接する部分を盛り上がらせることで、中間ポートから戻りポートへの流れを中間ポート側に寄せて戻り流れに起因する振動の成長を抑制し、またこれに加えて、戻りポートの下流側をくぼませることにより、中間ポートから戻りポートへの流路ではく離した流れに、渦を作らせるようにして戻り流れに起因する振動発生防止を図るようにしたものである。
【0029】
【発明の実施の形態】図1乃至図4に基づいて本発明の実施の第1形態について説明する。なお、前記した従来のものと同一部分については、図中同一の符号を付して示し、冗長となる重複する説明は省略し本実施の形態に特有の事項について整理して説明する。
【0030】図1に全体の概要を示し、図2に要部を拡大して示すように、9は弾性体で、戻りポート4b側に面したランド6bの表面にくぼみを形成してここに埋め込まれている。
【0031】また、8は受圧板で、前記弾性体9の表面に設置されている。そしてこの受圧板8の質量と弾性体9の振動部分質量と作動油による付加質量、及び弾性体9の剛性で決まる固有振動数f1 を、スプール2の軸方向固有振動数f2 よりも低く、さらにスプール2の応答振動数の設計上限f3 よりも高く次式のように設定する。
【0032】
【数1】

【0033】この様にスプール2の軸方向固有振動数f2 は、前記のようにスプール2の質量とその周囲の作動油による付加質量、及びスプールとアクチュエータ間の支持剛性で決まる。
【0034】なお、受圧板8や弾性体9をスプール2に取り付け易くするために、受圧板8や弾性体9は周方向に半分に分割したものを周方向で組み合わせるなど、分割構造としてもよい。
【0035】また、中間ポート5bからの流れが直接当たる角12はランド6bをそのまま残し、受圧板8と弾性体9の構造はその内側とする。なお、受圧板8や弾性体9の飛散防止のために、それらをランド6と一体構造にしても良いが、その場合も固有振動数は前記振動数に設定することが必要である。
【0036】この様に構成された本実施の形態において、スプール2が図1に示す位置にある場合について説明すると、このとき中間ポート5bからの戻り流れ11は、左向きに移動して戻りポート4bからスプール1の外へ出ていく。
【0037】戻り流れ11が左向きに移動するのはスプール2の受圧板8から左向きの力が加えられているからであり、その為に逆に受圧板8は流れから右向きの力を受ける。
【0038】ここで、スプール2が右向きに速度を持っている場合には中間ポート5bから入ってくる戻り流れ11の流量が増えるため、このスプール2の受圧板8が受ける右向きの力が増大する。
【0039】このとき、受圧板8の質量と弾性体9の振動部分質量と作動油による付加質量、及び弾性体9の剛性で決まる固有振動数f1 がスプール2の軸方向固有振動数f2 よりも低い場合には、受圧板8にかかる右向きの力は左向きの力として弾性体9を通じてランド6dにかかる。そしてこの様にスプール2が右向きの速度を持っている場合、つまり右向きに移動している場合に、ランド6b及びランド6dにはトータルとして左向きの力が増大するためスプール2の動きを妨げるような流れの力が働く。
【0040】すなわち、ランドに剛性Kの弾性体を介して質量M1 が支持されているとき、質量M1 に正弦波上の加振力Fが加えられている状態を模式的に設定して考察してみる。このときの質量M1 の変位をXとすると、変位Xは次の式で与えられる。
X=(F/K)/{1−(f2 /f1 2 }・・・式(A);
ここで、f1 =(1/2π)√(K /M1 )は、質量M1 と弾性体の剛性Kで決まる固有振動数であり、f2 は加振振動数である。スプールの軸方向固有振動数がf2 である場合は、流れが振動数f2 で変動するため加振振動数はf2 に相当する。
【0041】他方、ランドにかかる力F’は、弾性体剛性Kと変位Xの積であり、次の式で与えられる。
F’=KX=F/{1−(f2 /f1 2 }・・・式(B);
ここでf1 <f2 なら、上記の式(B)より加振力Fとランドにかかる力F’の符号が逆、つまり、逆向きに力が伝わることになる。これは、f1 <f2 の場合には慣性力(変位と同じ向き)の方が復元力(変位と逆向き)より大きくなるため、力の釣合いを考えると共振力と変位の向きが逆になり、つまり、加振力とランドに伝わる力が逆向きになるからである。
【0042】一方、供給ポート3から供給流れ10として中間ポート5aに至る供給流路の方は、これを区画するランド6a、6bに受圧板8と弾性体9が設けられていないため、中間ポート5aから出ていく流量が増えると、ランド6bが受ける左向きの力が増大し、供給流路の方もスプール2の動きを阻害するような流れの力がランド6bに働く。
【0043】この様に本実施の形態によれば、前記したスプール2の動きを阻害するような流れの力を得ることによってスプール2が振動を起こさなくなる。なお、この受圧板8と弾性体9を持つ構造はスプール2とスリーブ1の相対移動に対しては全く抵抗力とならないのでスプール2の応答性を損なうことがない。
【0044】さらに、受圧板8と弾性体9で決まる固有振動数がスプール2の応答振動数の設計上限よりも高く設定されているため、使用範囲内で受圧板8及び弾性体9が共振を起こして大きく振動することもない。
【0045】すなわち、スプールの応答振動数も加振振動数f2 の一因となるが、この設計上限がf1 よりも低いため、上記の式(A)の分母が0となって変位Xが無限大(実際には減衰効果により有限値である)になる共振を起こすことはない(変位を抑えるためには設計上限をf1 よりも充分低くすることが望ましい)。
【0046】また、戻り流れ11がスプール2の振動をさらに助長させようとする力に対して、受圧板8と弾性体9を介することでランド6bには全く逆向きの力を発生させて対抗させるので、振動を完全に抑えることができる。
【0047】なお、前記図1においては、受圧板8と弾性体9を戻り流れを形成する弁室に面して設置したものを示したが、この受圧板8と弾性体9の設置は、これに限らず、図3のように受圧板8と弾性体9の設置位置を増やしても良い。また、ランド6a、6b、6cと3つ設けたスプール弁構造では、図4のような位置に受圧板8と弾性体9を設置することで振動を抑えることができる。
【0048】次に本発明の実施の第2形態について、図5に基づいて説明する。本実施の形態は前記した実施の第1形態のものに比べ、受圧板8を省略し、弾性体9のみを設置したものであり、その他の構成は同実施の第1形態のものと全く同じであるので、図2に対応する図面表示に止め、その余の重複する説明は省略する。
【0049】すなわち本実施の形態においては、ランド6bに図5に示す形状に弾性体9のみ設置して振動を抑える効果を得るものであり、この場合は、弾性体の固有振動数f1 を次の様に設定する。
【0050】
【数2】

【0051】なお、本実施の形態は、弾性体9がコイルばねや発泡材のように油が入り込むものでなく、受圧板8がなくても、f3 <f1 <f2 の関係を満足することができる場合には弾性体9のみで十分効果がある。
【0052】従って弾性体9のみではf3 <f1 <f2 になるように振動数の調節ができないとき、または、油が入り込むような弾性体9の場合は受圧板を設置することが好ましいものである。
【0053】次に図6に基づいて本発明の実施の第3形態について説明する。なお、前記した従来の装置及び実施の第1、第2形態と同一の部分については図中に同一の符号を付して示し、重複する部分については説明を省略する。
【0054】本実施の形態では中間ポート5bから流入した流れは戻りポート4bから流出していくが、スプール2の駆動軸7の表面に突起24をつけること、及び戻りポート4b上流側のスリーブにくぼみ22を形成することにより、流れの中心は中間ポート5b側に寄ってくる。
【0055】スプール2が右側に微少に動いたとき、増大する流れは中間ポート5bから入って戻りポート4bから出ていく。このとき流れが左側に向きを変えているのは、流れがランド6bから左側に力を受けているからであり、その反作用としてランド6bは流れから右側の力を受ける。
【0056】引き続きスプール2が右側に動くときさらに流れから右側の力を受けるので、スプール2が微少振動した場合には、その振動が成長していく。このとき、流れからランドが受ける力は中間ポート5bから戻りポート4bへ向かって左側に移動するほど大きく、すなわち振動を助長させやすいものとなる。
【0057】従って本実施の形態では、スプール2の駆動軸7に突起24をつけ、かつ、スリーブ1の戻りポート4b上流側にくぼみ22を形成することで流れが左に移動する距離を小さくして振動を助長させようとする力を抑える。
【0058】この流れはさらに下流側に行くと戻りポート4bのほぼ中心まで移動することになるが、スリーブ内径延長線(想像線)21を横切った後左側に移動する分の力は同スリーブ内径延長線21以降、すなわちスリーブ1にかかるため振動を助長しない。
【0059】さらに、スプール2の駆動軸7に突起24を設けることに加え、スリーブ1の戻りポート4bの下流側に他のくぼみ23を形成することにより、中間ポート5bから戻りポート4bへと流れる主流からはく離した流れは図6に示すような渦20を生成する。
【0060】この渦20の流れをスリーブ内径延長線21の内側の部分に限って考えると、同スリーブ内径延長線21の外側の流れによる力は結局スリーブ1にかかるので振動には関係せず、スリーブ内径延長線21へ流入した渦20の流れは渦巻いた後、流入した位置より右側の位置でこのスリーブ内径延長線21から流出していく。
【0061】すなわち、この渦20の流れは右側に移動する流れであるから振動を抑制する力となり、かくして本実施の形態によれば振動発生を防止することができるものである。
【0062】以上、本発明を図示の実施の形態について説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【0063】
【発明の効果】以上、本発明によれば、戻りポートへ連なる弁室を区画するランドの表面に弾性体を設置し、同弾性体の振動部分質量と作動油による付加質量及び同弾性体の剛性で決まる固有振動数をスプールの軸方向固有振動数よりも低く、かつ、スプールの応答振動数の設計上限よりも高く設定してスプール弁を構成しているので、戻りポートへ連なる弁室を区画するランドの表面に設置した弾性体の振動部分質量と作動油による付加質量及び同弾性体の剛性で決まる固有振動数をスプールの軸方向固有振動数よりも低く設定することにより、戻り流れに起因して同戻り流れを増大する様なスプールの動きを抑えて同戻り流れの増大に伴う振動の成長を抑制し、また、前記弾性体の振動部分質量と作動油による付加質量及び同弾性体の剛性で決まる固有振動数をスプールの応答振動数の設計上限よりも高く設定することにより、弾性体等の共振の発生も抑えてスプールの振動発生を防止し、以てスプールの破損や騒音、動作不良等の不具合を防止することができたものである。
【0064】また、請求項2の発明によれば、中間ポートから戻りポートへの流れを中間ポート側に寄せるように戻りポートの上流側をくぼませると共に、スプール弁駆動軸の戻りポートに近接する部分を盛り上がらせ、かつ、中間ポートから戻りポートへの流路ではく離した流れに渦を作らせるように戻りポートの下流側をくぼませてスプール弁を構成しているので、戻りポートの上流側をくぼませると共に、スプール弁駆動軸の戻りポートに近接する部分を盛り上がらせることで、中間ポートから戻りポートへの流れを中間ポート側に寄せて戻り流れに起因する振動の成長を抑制し、これに加えて、戻りポートの下流側をくぼませることにより、中間ポートから戻りポートへの流路ではく離した流れに、渦を作らせるようにして戻り流れに起因する振動発生防止を達成することができたものである。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成10年9月17日(1998.9.17)
【代理人】 【識別番号】100069246
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 新 (外1名)
【公開番号】 特開2000−88119(P2000−88119A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−263102