| 【発明の名称】 |
高真空・高圧バルブ及び高圧熱分析装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉山 毅
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| 【要約】 |
【課題】高真空と高加圧を繰り返す圧力容器と真空ポンプとの間に介装できる高真空・高圧バルブを提供する。
【解決手段】真空ポンプ2と、真空排気された上で高圧ガスが導入される圧力容器1との間に介装され、真空排気時に開かれ、高圧ガス導入時に閉じられる高真空・高圧バルブ3Aであり、隔壁14によって互いに仕切られた圧力容器1側に接続される第1室12と真空ポンプ2側に接続される第2室13とを有するケーシング11と、隔壁14に形成されて第1室12と第2室13を連絡する開口15と、開口15の周囲に確保された弁座16と、第1室12側に配されると共に弁座16に対して接触離脱可能とされた弁体17と、一端が弁体17に連結され他端が第2室13の壁を気密に貫通して外部に導出された弁体開閉用のシャフト20とを備えている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 真空ポンプと、該真空ポンプにより真空排気された上で高圧ガスが導入される圧力容器との間の真空排気路の途中に介装され、真空排気時に開かれると共に、高圧ガス導入時に閉じられる高真空・高圧バルブにおいて、隔壁によって互いに仕切られた、前記圧力容器側に接続される第1室と真空ポンプ側に接続される第2室とを有するケーシングと、前記隔壁に形成されて前記第1室と第2室を連絡する開口と、該開口の周囲に確保された弁座と、前記第1室側に配されると共に、前記弁座に対して接触離脱可能とされた弁体と、一端が前記弁体に連結され、他端が前記第2室の壁を気密に貫通して外部に導出された弁体開閉用の操作部材とを備えてなることを特徴とする高真空・高圧バルブ。 【請求項2】 真空排気された上で高圧ガスが導入される圧力容器の内部に熱分析用電気炉を装備し、前記圧力容器と該圧力容器内を真空排気する真空ポンプとの間の真空排気路の途中に請求項1記載の高真空・高圧バルブを介装したことを特徴とする高圧熱分析装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高真空・高圧バルブ、及びそのバルブを装備した高圧熱分析装置に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、高圧熱分析装置のように、材料を高圧容器内にセットする装置において、加圧する前の大気が被加圧物に対して不純物として影響する場合、加圧する前に高圧容器を真空排気する必要がある。このような場合、高圧容器と真空ポンプとの間にバルブを設け、真空排気するときにはバルブを開いて内部ガスを排気し、その後、バルブを閉じて高圧ガスを導入して、容器内を加圧するようにしている。 【0003】ところで、高圧容器内の不純ガスをより完全に取り除くためには、真空排気時の真空度を上げる必要があり、そのためにはバルブの口径を大きくして排気速度を上げる必要がある。しかし、バルブの口径を大きくすると、バルブを閉じて加圧した場合に、そのバルブの口径に対応してバルブに大きな荷重が作用する。例えば、口径10cm2 のバルブの場合、そのバルブの面積は5×5×πcm2 となり、仮に容器内圧を10kg/cm2 とした場合、バルブ全体に作用する力は785kgとなり、一般の高圧バルブでは荷重に耐えられなくて破損する可能性がある。 【0004】例えば、従来一般に市販されている高真空バルブとして、アングルバルブ、バタフライバルブ、ゲートバルブなどがあるが、これらを上記の用途に使用するにはそれぞれに問題がある。以下、各バルブの構成とその問題点について簡単に述べる。 【0005】図3はアングルバルブの一例を示している。このバルブ101Aは、3つのフランジ102、103、104を有するT字形の本体105に、弁体107を組み込み、カバー112を取り付けたものであり、直交する関係にある第1、第2のフランジ102、103に、それぞれ管路を接続するようになっている。弁体107は、第1のフランジ102の内面側に設けた弁座106に、Oリング108を介して気密に密着できるように設けられている。カバー112は、第1のフランジ102と対向する第3のフランジ104にOリング118を介して固定されており、このカバー112に形成されたボス部に、弁体107を開閉操作するためのシャフト110が、Oリング113を介して気密に貫通配備されている。このシャフト110は、先端が弁体107に連結されており、外部のハンドル115を回すことで、ネジ部14の作用により、弁体107を、弁座106に対して密着させたり、弁座106から離間させたりすることができるようになっている。 【0006】このバルブ101Aを高圧容器と真空ポンプ間に取り付けて使用する場合、第1のフランジ102側に高圧容器を接続すると、加圧した際に弁体107に大きな力が作用することになり、シャフト110あるいはネジ部14が破損することが考えられる。一方、第2のフランジ102側に高圧容器を接続すると、弁体107よりも高圧容器側にシャフト110の貫通部分が位置することになるので、真空排気した状態において、当該シャフト110の貫通部分を通しての外部からのガスリークが問題となる。 【0007】また、図4に示すアングルバルブ101Bは、特に外部からのガスリークが問題となる場合に利用されるものである。このバルブ101Bでは、弁体107の開閉機構であるシャフト110の貫通部分からのガスリークを防止するように、弁体107とカバー112の間に、シャフト110を覆うベローズ117を溶接して取り付けている。 【0008】このバルブ101Bの場合は、第2のフランジ102側に高圧容器を接続した際の真空排気状態における外部からのガスリークの問題は解消可能であるが、高圧に加圧した際にベローズ117に外部から大きな力が作用することになり、ベローズ117が破損するおそれがある。 【0009】従って、上記従来のアングルバルブ101A、101Bは、高真空・高圧バルブとして使用するには問題があった。 【0010】図5(a)、(b)はバタフライバルブの一例を示している。このバルブ121は、リング状の本体ケーシング123に、円盤状の弁体125をシャフト124で回動可能に取り付けたものである。弁体125は、その直径方向に配したシャフト124にネジ126で取り付けられており、弁体125の外周にはOリング127が嵌められている。そして、開閉レバーハンドル128を操作することにより、シャフト124を介して弁体125を回転させ、バルブの開閉を行うようになっている。 【0011】このバルブ121を上記の用途に使用する場合、本体ケーシング123の一方のフランジ面を真空ポンプ側に接続し、他方のフランジ面を高圧容器側に取り付けて使用することになるが、弁を閉じて高圧に加圧した際に、弁体125に作用する力が一本のシャフト124に曲げ荷重として作用することになるため、高真空・高圧バルブとして使用することはできない。 【0012】図6(a)、(b)はゲートバルブの一例を示している。このゲートバルブ141は、第1、第2のフランジ142a、142bを有する本体ケーシング142の内部にスライド空間143を形成し、そのスライド空間143に弁体145をスライド自在に配したものである。弁座144は第1のフランジ142aの内面側に形成されており、その弁座144に弁体145がOリング146を介して密着するようになっている。また、弁体145の背後には、弁体145を弁座144に密着させるための弁体押さえ機構148が設けられ、弁体145の側方には、弁体145をスライドさせるスライド操作機構147が設けられている。 【0013】このバルブ141を高圧容器に取り付けて使用する場合、図の下側の第1のフランジ142a側に高圧容器を接続すると、加圧した際に弁体145に大きな力が作用し、弁体押さえ機構148が破損することが考えられる。一方、図の上側の第2のフランジ142b側に高圧容器を接続すると、弁体145よりも高圧容器側にスライド操作機構147が位置することになるので、真空排気した状態において、当該スライド機構147部分を通しての外部からのガスリークが問題となる。 【0014】そこで、図4に示すものと同様に、スライド操作機構147にベローズを設けたものを使用することも考えられるが、そうすると、高圧容器を高圧に加圧した際にベローズに外部から大きな力が作用することになり、ベローズが破損するおそれがある。 【0015】従って、上記従来のゲートバルブ141は、高真空・高圧バルブとして使用するには問題があった。 【0016】 【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来公知のバルブはいずれも、高真空・高圧バルブとして使用するには問題があり、高圧熱分析装置のように高真空と高加圧を維持する必要のある用途には使用できなかった。 【0017】本発明は、上記事情を考慮し、高真空と高加圧を維持する必要のある用途に使用できる高真空・高圧バルブ、及びそのバルブを使用した高圧熱分析装置を提供することを目的とする。 【0018】 【課題を解決するための手段】請求項1の発明の高真空・高圧バルブは、真空ポンプと、該真空ポンプにより真空排気された上で高圧ガスが導入される圧力容器との間の真空排気路の途中に介装され、真空排気時に開かれると共に、高圧ガス導入時に閉じられる高真空・高圧バルブにおいて、隔壁によって互いに仕切られた、前記圧力容器側に接続される第1室と真空ポンプ側に接続される第2室とを有するケーシングと、前記隔壁に形成されて前記第1室と第2室を連絡する開口と、該開口の周囲に確保された弁座と、前記第1室側に配されると共に、前記弁座に対して接触離脱可能とされた弁体と、一端が前記弁体に連結され、他端が前記第2室の壁を気密に貫通して外部に導出された弁体開閉用の操作部材とを備えてなることを特徴とする。 【0019】請求項2の発明の高圧熱分析装置は、真空排気された上で高圧ガスが導入される圧力容器の内部に熱分析用電気炉を装備し、前記圧力容器と該圧力容器内を真空排気する真空ポンプとの間の真空排気路の途中に請求項1記載の高真空・高圧バルブを介装したことを特徴とする。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は第1実施形態の高圧熱分析装置50Aの概略構成を示す断面図である。この高圧熱分析装置50Aでは、圧力容器1の内部に熱分析用電気炉30を装備し、圧力容器1と、この圧力容器2内を真空排気する真空ポンプ2との間の真空排気経路途中に、本発明の高真空・高圧バルブ3Aを介装している。 【0021】まず、このバルブ3Aから説明する。バルブ3Aのケーシング11には、流路方向に隔壁14で仕切られた第1室12と第2室13とが設けられている。第1室12は圧力容器1に直結され、第2室13は管路25を介して真空ポンプ2に接続されている。隔壁14には、第1室12と第2室13を連絡する開口15が設けられ、この開口15の第1室側の周囲には弁座16が設けられている。そして、第1室12側に、弁座16に対して接触離脱可能とされた弁体17が配されている。弁体17の背面の弁座16に対する密着面には、Oリング19が設けられている。 【0022】弁体17の背面中央には、第2室13側からシャフト(弁体開閉用の操作部材)20が連結されている。シャフト20の先端は、開口15を挿通して、回転ジョイント18により弁体17の背面中央に結合されている。また、シャフト20の基端は、前記隔壁14と平行な第2室13側のケーシング11の外壁を貫通して外部に導出されている。その導出端には回転操作用のハンドル21が設けられている。シャフト20にはネジ部22が設けられ、ケーシング11の貫通孔にはそのネジ部22の螺合するネジ孔23が設けられている。そして、ハンドル21でシャフト20を回すことにより、ネジの作用で、弁体17を開位置に操作したり閉位置に操作したりできるようになっている。なお、第2室13のシャフト20の貫通部分にはボス部26が設けられ、そのボス部26に、シャフト20の貫通部分をシールするOリング24が配されている。 【0023】高真空・高圧バルブ3Aは、以上のように構成されて、圧力容器1と真空ポンプ2の間に介装されている。そして、高真空・高圧バルブ3Aの第1室12に、バルブ5付きの高圧ガス導入管4が接続され、第2室13に真空計29が接続され、圧力容器1に、ガス放出バルブ7付きのガス放出管6が接続されている。更に、必要に応じて、第1室12と第2室13とを連絡するスロー排気バルブ28付きのスロー排気管路27が設けられている。 【0024】また、圧力容器1内に装備された熱分析用電気炉30は周知のものであり、ヒータ32を配した炉体31と、感熱センサ33と、感熱板34と、基準試料載置部37と、試料載置部38とから構成されている。なお、圧力容器1には、熱分析用電気炉30に対して試料等をセットするための図示略の蓋付きの開口部が形成されている。 【0025】次に運転方法及び作用を説明する。まず、圧力容器1内を真空排気する場合は、ハンドル21の操作によって弁体17を上方の開位置まで移動させて真空ポンプ2を駆動する。真空排気した後で圧力容器1内を高圧に加圧する場合は、弁体17を最下方に移動させて、弁体17に取り付けられたOリング19を弁座16に押し付けるようにする。 【0026】この状態で、高圧ガス導入管4より高圧ガスを圧力容器1内及び第1室12内に導入すると、弁体17に大きな力が作用して、Oリング19を弁座16に押し付けるため、ガス漏れを確実に防止することができる。この場合、加圧時の力は弁体17及び弁座16のみに作用し、シャフト20にはほとんど作用しない。従って、弁体17と弁座16部分の強度のみを考慮して構造設計を行えば、高真空や高圧に十分に耐えることができ、シャフト20やその操作機構には、弁体17を単に支えられるだけの強度を持たせるだけでよい。また、弁体17よりも真空ポンプ2側にシャフト20類が位置するので、シャフト20の貫通部分からのガスリークの心配もない。 【0027】なお、圧力容器1内を加圧した後で真空排気する場合には、ガス放出バルブ7を開いて圧力容器1の内部を常圧にしてから、高真空・高圧バルブ3Aの弁体17を開けばよいのであるが、圧力容器1内に僅かでもガスが残っている場合は、高真空・高圧バルブ3Aの弁体17に大きな力が作用して開閉が困難となることがある。そのような場合には、スロー排気バルブ28を開いて、弁体17の前後の第1室12と第2室13の圧力を同じにしてから、メインのバルブ3Aの開閉を行うと、容易に開閉可能となる。 【0028】図2は別の実施形態の高圧熱分析装置50Bを示す。この実施形態では、高真空・高圧バルブ3Bの弁体47のシール構造に若干の変更を加えている。即ち、弁体47の主たる部分をなす円板部47aの下面中央に、隔壁14の円形の開口15に嵌合する円柱凸部47bを形成し、その円柱凸部47bの外周に、開口15の内周面と円柱凸部47bの外周面との隙間を気密に封止するOリング49を装着している。 【0029】この構造では、弁体47の円板部47aの下面が弁座16に直接当接することで、弁体47に作用する下向きの圧力を弁座16で直接受けている。つまり、前の実施形態では、Oリング19を介して弁体17が弁座16に当たっていたが、この実施形態では、Oリングを介さずに弁体47の力を弁座16が受けている。そして、円柱凸部47bのOリング49のみでシールを行っており、このOリング49に対し、上下方向の力が及ばないようになっている。 【0030】従って、一層のシール性能の向上が図れる。また、円柱凸部47bが開口15の内周によってガイドされるので、弁体47の開閉操作性もよくなる。 【0031】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の高真空・高圧バルブによれば、弁体を圧力容器に接続される第1室側に配置し、弁体の開閉操作部材を、真空ポンプに接続される第2室側に配置したので、弁体開閉操作部材に、圧力容器内を加圧した際の高い圧力が作用しないようにすることができる。しかも、弁体開閉操作部材は、弁体よりも真空ポンプ側に位置するので、弁体開閉操作部材の外部への貫通部分を通してのガスリークの問題も解消することができる。従って、高圧熱分析装置のように、高真空と高加圧を交互に繰り返すような用途にも適用することができ、高い信頼性をもって高圧熱分析装置の運転を行うことが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000137395 【氏名又は名称】株式会社マック・サイエンス
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| 【出願日】 |
平成10年7月29日(1998.7.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091362 【弁理士】 【氏名又は名称】阿仁屋 節雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−46240(P2000−46240A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−214046 |
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