| 【発明の名称】 |
半導体マイクロバルブおよびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】友成 恵昭
【氏名】鎌倉 將有
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| 【要約】 |
【課題】小型で流量範囲の広い半導体マイクロバルブを提供する。
【解決手段】半導体マイクロバルブを構成する一方の弁座となるシリコン基板101の貫通孔102に設けた一対の斜面103a、103bと、その基板101の上部に位置する他方のシリコン基板104に形成された弁体106の側面107がほぼ平行となるように構成される。外部の作用により前記弁体106が変位し、前記一対の斜面103a、103bと前記弁体106の側面107との距離が変化することにより、前記斜面103a、103bと前記側面107との間を流れる流体の流量が制御される。流体の流量を制御するシール部として、貫通孔の側面を使用しているため、前記基板101の表面にシール部を設ける必要がなくバルブの小型化が図れると共に、シール部を斜面とすることで、シール部の長さを大きくとることができ、流体の流量範囲を広くできる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の位置に貫通孔を有する第1のシリコン基板と、前記貫通孔に対応する位置に設けられた弁体を有する第2のシリコン基板とによって構成される半導体マイクロバルブであって、前記貫通孔が一対の斜面を有すると共に、前記弁体の側面が前記貫通孔の斜面とほぼ平行であるよう構成され、前記斜面と前記側面の間の距離を変化させることにより、前記斜面と前記側面の間を流れる流体の流量制御を行うことを特徴とする半導体マイクロバルブ。 【請求項2】 請求項1に記載の半導体マイクロバルブの製造方法において、前記第1および第2のシリコン基板はそれぞれ同一の面方位を持ち、前記弁体の形成は前記第2のシリコン基板をその一表面側から異方性エッチングすることにより行い、前記貫通孔の形成は前記第1のシリコン基板をその一表面側から異方性エッチングすることによって行うことを特徴とする半導体マイクロバルブの製造方法。 【請求項3】 所定の位置に貫通孔を有する第1のシリコン基板と、前記貫通孔に対応する位置に設けられた弁体を有する第2のシリコン基板とによって構成される半導体マイクロバルブであって、前記貫通孔が前記第1のシリコン基板の前記弁体に対向する基板面側と、該基板面の反対側とのそれぞれに1対ずつの2対の斜面を有し、該2対の斜面のうち前記弁体に対向する基板面側にある第1の斜面と、前記弁体の側面がほぼ平行であるよう構成され、前記第1の斜面と前記側面の間の距離を変化させることにより、前記第1の斜面と前記側面の間を流れる流体の流量制御を行うことを特徴とする半導体マイクロバルブ。 【請求項4】 請求項3に記載の半導体マイクロバルブの製造方法において、前記第1および第2のシリコン基板はそれぞれ同一の面方位を持ち、前記第2のシリコン基板をその一表面側から異方性エッチングすることにより前記弁体を形成し、また前記第1のシリコン基板をその両方の基板面から異方性エッチングすることにより前記貫通孔の形成を行うことを特徴とする半導体マイクロバルブの製造方法。 【請求項5】 所定の位置に貫通孔を有する第1のシリコン基板と、前記貫通孔に対応する位置に設けられた弁体を有する第2のシリコン基板とによって構成される半導体マイクロバルブであって、前記貫通孔が前記第1のシリコン基板の前記弁体に対向する基板面側と、該基板面の反対側とのそれぞれに1対ずつの2対の斜面を有し、該2対の斜面の一方の対になる斜面と他方の対になる斜面の間に前記第1のシリコン基板の基板面に平行な水平面がそれぞれ形成され、前記2対の斜面のうち前記弁体がある基板面側にある第1の斜面と、前記弁体の側面がほぼ平行であるよう構成されて、前記第1の斜面および水平面と、前記側面の間の距離を変化させることにより、前記第1の斜面と前記側面の間を流れる流体の流量制御を行うことを特徴とする半導体マイクロバルブ。 【請求項6】 請求項5に記載の半導体マイクロバルブの製造方法において、前記第1および第2のシリコン基板はそれぞれ同一の面方位を持ち、前記第2のシリコン基板を一表面から異方性エッチングして前記弁体を形成し、また第1のシリコン基板を前記第1の斜面間の幅が前記第2の斜面間の幅より大きくなるように、その両方の基板面から異方性エッチングすることによって前記貫通孔の形成を行うことを特徴とする半導体マイクロバルブの製造方法。 【請求項7】 請求項3および請求項5に記載の半導体マイクロバルブにおいて、前記貫通孔は前記第1のシリコン基板の前記弁体に対向する基板面側に一対の斜面を有すると共に、前記基板面と反対側の基板面側に前記第1の基板の基板面と垂直な一対の面を有し、かつ前記弁体の側面が、前記貫通孔の斜面とほぼ平行であるよう構成され、前記斜面と前記側面の間の距離を変化させることにより、前記斜面と前記側面の間を流れる流体の流量制御を行うことを特徴とする半導体マイクロバルブ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、気体の流量制御に用いられるシリコンを用いた半導体マイクロバルブに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の半導体マイクロバルブとしては、U.S.Patent5,069,419(IC Sensors社)やU.S.Patent5,058,856(Hewlett-Packard社)や特開平5−126277号公報等に代表される図8に示したような構造のものが知られている。 【0003】図8は、従来の半導体マイクロバルブの構造を示す断面図である。半導体マイクロバルブは2つのシリコン基板801、804により構成され、それぞれの基板は図示しないそれぞれの基板の端部で連結されている。 【0004】801は第1のシリコン基板であり、前記第1のシリコン基板801にはその両面を貫通した貫通孔802が形成されている。また、804は前記第1のシリコン基板801の上部に位置する第2のシリコン基板であり、外部からの作用により撓む可撓部805と、前記貫通孔802に対向して形成されると共に前記可撓部805の撓みにより変位する弁体806が設けられている。 【0005】前記第1のシリコン基板801には、前記貫通孔802における基板801の上面側の開口部812の外側周辺に突起部811が設けられている。この突起部811と、突起部811と対向する前記弁体806の下面813との両面により流体の流路が形成され、前記弁体806の変位により、前記面813と突起部811の上面のシール面814との間の流路幅dが変化し、流体の流量が制御される。 【0006】ここで、流体の流れを止めるためのシール部の長さ(図8では突起811の上面814の長さ)をW、流路幅(図8では面813と突起部811の上面814との間の幅)をd、開口幅(図8では開口部812の幅)をDとすると、流路幅dが開口幅Dに対して十分に小さい場合には、バルブを流れる流体の流量Flowは、Flow ∝ W(Pin2−Pout2)d3/Poutにて表される。ここに、Pin,Poutはそれぞれバルブの入口および出口での流体の圧力である。 【0007】また、バルブが開いた状態でdが大きい場合には、バルブを流れる流体の流量Flowは、開口部D(図8で812に相当する)が正方形である場合、Flow ∝ D2・Pinにて表される(マイクロマシン研究会資料,Feb・1998,pp35-38)。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかし、広範囲にわたる流量の制御を行い、かつ流体の流れを締め切る締切特性を良好にするためには、大きな弁体と大面積のシール部が必要となる。そのため、従来の方式においては、弁体806およびシール面814を大きくする必要ができ、その分だけチップ面積が増大してしまうという問題があった。 【0009】本発明は上記の点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、上記課題を改善し、小型で流量範囲の広い半導体マイクロバルブを提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、所定の位置に貫通孔を有する第1のシリコン基板と、前記貫通孔に対応する位置に設けられた弁体を有する第2のシリコン基板とによって構成される半導体マイクロバルブであって、前記貫通孔が一対の斜面を有すると共に、前記弁体の側面が前記貫通孔の斜面とほぼ平行であるよう構成され、前記斜面と前記側面の間の距離を変化させることにより、前記斜面と前記側面の間を流れる流体の流量制御を行うことを特徴とする。 【0011】また、本発明の請求項2では、請求項1に記載の半導体マイクロバルブの製造方法において、前記第1および第2のシリコン基板はそれぞれ同一の面方位を持ち、前記弁体の形成は前記第2のシリコン基板をその一表面側から異方性エッチングすることにより行い、前記貫通孔の形成は前記第1のシリコン基板をその一表面側から異方性エッチングすることによって行うことを特徴とする。 【0012】また、本発明の請求項3では、所定の位置に貫通孔を有する第1のシリコン基板と、前記貫通孔に対応する位置に設けられた弁体を有する第2のシリコン基板とによって構成される半導体マイクロバルブであって、前記貫通孔が前記第1のシリコン基板の前記弁体に対向する基板面側と、該基板面の反対側とのそれぞれに1対ずつの2対の斜面を有し、該2対の斜面のうち前記弁体に対向する基板面側にある第1の斜面と、前記弁体の側面がほぼ平行であるよう構成され、前記第1の斜面と前記側面の間の距離を変化させることにより、前記第1の斜面と前記側面の間を流れる流体の流量制御を行うことを特徴とする。 【0013】また、本発明の請求項4では、請求項3に記載の半導体マイクロバルブの製造方法において、前記第1および第2のシリコン基板はそれぞれ同一の面方位を持ち、前記第2のシリコン基板をその一表面側から異方性エッチングすることにより前記弁体を形成し、また前記第1のシリコン基板をその両方の基板面から異方性エッチングすることにより前記貫通孔の形成を行うことを特徴とする。 【0014】また、本発明の請求項5では、所定の位置に貫通孔を有する第1のシリコン基板と、前記貫通孔に対応する位置に設けられた弁体を有する第2のシリコン基板とによって構成される半導体マイクロバルブであって、前記貫通孔が前記第1のシリコン基板の前記弁体に対向する基板面側と、該基板面の反対側とのそれぞれに1対ずつの2対の斜面を有し、該2対の斜面の一方の対になる斜面と他方の対になる斜面の間に前記第1のシリコン基板の基板面に平行な水平面がそれぞれ形成され、前記2対の斜面のうち前記弁体がある基板面側にある第1の斜面と、前記弁体の側面がほぼ平行であるよう構成されて、前記第1の斜面および水平面と、前記側面の間の距離を変化させることにより、前記第1の斜面と前記側面の間を流れる流体の流量制御を行うことを特徴とする。 【0015】また、本発明の請求項6では、請求項5に記載の半導体マイクロバルブの製造方法において、前記第1および第2のシリコン基板はそれぞれ同一の面方位を持ち、前記第2のシリコン基板を一表面から異方性エッチングして前記弁体を形成し、また第1のシリコン基板を前記第1の斜面間の幅が前記第2の斜面間の幅より大きくなるように、その両方の基板面から異方性エッチングすることによって前記貫通孔の形成を行うことを特徴とする。 【0016】また、本発明の請求項7では、請求項3および請求項5に記載の半導体マイクロバルブにおいて、前記貫通孔は前記第1のシリコン基板の前記弁体に対向する基板面側に一対の斜面を有すると共に、前記基板面と反対側の基板面側に前記第1の基板の基板面と垂直な一対の面を有し、かつ前記弁体の側面が、前記貫通孔の斜面とほぼ平行であるよう構成され、前記斜面と前記側面の間の距離を変化させることにより、前記斜面と前記側面の間を流れる流体の流量制御を行うことを特徴とする。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、図面に従って本発明の実施形態を説明する。 (実施形態1)図1は、本発明の請求項1に対応する半導体マイクロバルブの実施形態の断面図を示したものである。 【0018】半導体マイクロバルブは、2つのシリコン基板101、104により構成され、それぞれの基板は図示しないそれぞれの基板の端部で連結されている。弁座となる第1のシリコン基板101には両面が貫通した貫通孔102が形成されており、貫通孔102は前記シリコン基板101の上面の開口部120が下面の開口部112より大きくなるように、一対の斜面103a、103bを有している。 【0019】また、第2のシリコン基板104は、前記シリコン基板101の上部に位置され、外部からの作用で撓むようになる可撓部105と、前記可撓部105の撓みにより変位すると共に前記貫通孔102に対応する位置に形成された弁体106とを有する。このとき、弁体106の形状は貫通孔102の形状に対応しており、前記弁体の側面107は貫通孔の斜面103a、103bとほぼ平行である。 【0020】以上のように構成された半導体マイクロバルブは、熱膨張力、静電力、電磁力等の外部からの作用により前記可撓部105が撓み、前記弁体106が変位することにより、前記斜面103a、103bと前記側面107との距離d、即ち流体の流れる流路幅dが変化して、流体の流量が制御される。このとき、流体の流量は前記流路幅d、および貫通孔の斜面103a、103bの長さWによって決定される。 【0021】上述したように前記弁体106が変位して、前記斜面103a、103bと側面107が密着すると、バルブが閉じられた状態になり流体の流れがなくなるようシールされるが、このシール効果をあげるためには、シール部の長さを長くとる必要がある。本実施形態においては、前記貫通孔102の斜面103a、103bが流体の流れを止めるシール部となるので、例えば斜面103a、103bの傾きが第1のシリコン基板101の基板面に対して45度の場合、従来例のように前記基板面に水平にシール面がある場合と比較して、シール部の長さを同じにするためには、前記基板面に水平方向の距離は0.7倍の距離で良い。また従来例のように第1のシリコン基板101の表面上の貫通孔周辺にシール部のスペースを別途設ける必要がないので、チップ面積を減らすことができる。 【0022】図2(a)から(e)は、本実施形態の半導体マイクロバルブの製造方法を示した断面図である。 【0023】まず、図2(a)に示したように、弁座となる第1のシリコン基板101の全面に窒化膜等の保護膜210を形成した後、前記シリコン基板101の上部に位置する一部の保護膜211をエッチングで除去する。 【0024】次に、図2(b)に示すように、保護膜210の形成された第1のシリコン基板101を異方性エッチングして一対の斜面103a、103bを形成することにより、貫通孔102を形成し、その後前記保護膜210を完全に除去する。 【0025】一方、図2(c)に示すように、第1のシリコン基板と同一の面方位を持つ第2のシリコン基板104の全面に窒化膜等の保護膜220を形成し、前記第2のシリコン基板104の上面側の保護膜を中央部分221を一部残してエッチングで除去する。 【0026】そして、図2(d)に示すように、第2のシリコン基板104を異方性エッチングして、側面107を有する山形の弁体106が両側の可撓部105に挟まれる形で形成され、その後保護膜220を完全に除去する。 【0027】最後に、図2(e)に示すように、陽極接合等により第1のシリコン基板101、および第2のシリコン基板104の図示せぬそれぞれの端部を貼り合わせることで、半導体マイクロバルブを形成する。 【0028】本実施形態においては、前記第1のシリコン基板101と第2のシリコン基板104は同一の面方位を持ち、そして前記貫通孔102および弁体106の形成には異方性エッチングを用いているので、異方性エッチングの際の傾斜角度がエッチングされるシリコン基板の面方位に依存することから、前記貫通孔102の斜面103a、103bおよび、前記弁体106の側面107の角度をほぼ同じにすることができ、前記斜面103a、103bと前記側面107とがほぼ平行となる。 (実施形態2)図3は、本発明の請求項3に対応する半導体マイクロバルブの実施形態の断面図を示したものである。 【0029】半導体マイクロバルブは、2つのシリコン基板301、304により構成され、それぞれの基板は図示しないそれぞれの基板の端部で連結されている。 【0030】弁座となる第1のシリコン基板301には、その基板301の両面が貫通している貫通孔302が形成されており、前記貫通孔302は前記第1のシリコン基板301の上面側、すなわち後述するシリコン基板304に設けられる弁体306に対向する基板面側にある一対の第1の斜面303a、303bと、前記第1のシリコン基板301の下面側、すなわち前記基板面と反対側にある一対の第2の斜面308a、308bを有している。 【0031】また、第2のシリコン基板304は、前記シリコン基板301の上部に位置され、外部からの作用で撓むようになる可撓部305と、前記可撓部305の撓みにより変位すると共に前記貫通孔302に対応する位置に形成された弁体306とを有している。このとき、前記弁体306の形状は前記貫通孔302の上側の斜面303a、303bの形状に対応しており、その側面307は貫通孔の斜面303a、303bとほぼ平行である。 【0032】以上のように構成された半導体マイクロバルブは、熱膨張力、静電力、電磁力等の外部からの作用により前記可撓部305が撓み、前記弁体306が変位することにより、前記斜面303a、303bと前記側面307との距離d、即ち流体の流れる流路幅dが変化して、流体の流量が制御される。 【0033】上述したように、シール効果をあげるためには、シール部の長さを長くとる必要があり、本実施例においては、前記貫通孔302の第1の斜面303a、303bがシール部となるので、例えば斜面303a、303bの傾きが前記第1のシリコン基板301の基板面に対して45度の場合、従来例のように前記基板面と水平にシール面がある場合と比較して、シール部の長さ同じにするためには水平方向への距離では、0.7倍の距離で良い。また従来例のように第1のシリコン基板301の表面上の貫通孔の開口部周辺にシール部のスペースを別途設ける必要がないので、チップ面積を減らすことができる。 【0034】このとき流量は前記弁体306の側面307と前記貫通孔302の第1の斜面303a、303bの距離d(流路幅)、および前記貫通孔302の第1の斜面303a、303bの長さWによって決定され、また前記貫通孔302内で前記第1の斜面303a、303bと第2の斜面308a、308bが交わるところである開口部312の幅Dによって、最大流量が決定されることから、バルブの流量範囲を2段階で制御することができる。 【0035】図4(a)から(e)は、本実施形態の半導体マイクロバルブの製造方法を示した断面図である。 【0036】まず、図4(a)に示すように、第1のシリコン基板301の全面に窒化膜等の保護膜410を形成し、前記第1のシリコン基板301の上面側の一部411と下面側の一部412をエッチングで除去する。 【0037】次に、図4(b)に示すように、第1のシリコン基板301を異方性エッチングして貫通孔302を形成し、その後保護膜410を完全に除去する。この異方性エッチングは、シリコン基板301の両方の基板面から行われるので、貫通孔302は2対の斜面すなわち、前記第1のシリコン基板の上面側に、一対の第1の斜面303a、303b、および同基板301の下面側に一対の第2の斜面308a、308bができる。 【0038】一方、図4(c)に示すように、前記第1のシリコン基板301と同一の面方位を持つ第2のシリコン基板304の全面に窒化膜等の保護膜420を形成し、前記第1のシリコン基板の上面側を中央の一部の保護膜421を残して保護膜422をエッチングで除去する。 【0039】次に、図4(d)に示すように、第2のシリコン基板304を異方性エッチングして、側面307を有する山形の弁体306が両側の可撓部305に挟まれる形で形成され、その後保護膜420を完全に除去する。 【0040】最後に、図4(e)に示すように、陽極接合等により第1のシリコン基板301、および第2のシリコン基板304の図示せぬそれぞれの端部を貼り合わせることで、マイクロバルブを形成する。 【0041】本実施形態においては、第1および第2のシリコン基板には同一の面方位を持つものを使用しており、貫通孔302および弁体306の形成には異方性エッチングを用いているので、異方性エッチングの際の傾斜角度がエッチングされるシリコン基板の面方位に依存することから、貫通孔の第1の斜面303a、303bおよび弁体の両側の側面307の角度をほぼ同じにすることができる。よって、図4(e)に示すように前記斜面303a、303bと前記側面307とがほぼ平行になり、バルブのシール効果を高めることができる。 【0042】また、貫通孔302形成のための異方性エッチングを、第1のシリコン基板301の両方の基板面から行うので、一表面側からのみエッチングを行う場合と比較して、エッチング時間が約半分に短縮される。 (実施形態3)図5は、本発明の請求項5に対応する半導体マイクロバルブの実施形態の断面図を示したものである。 【0043】半導体マイクロバルブは、2つのシリコン基板501、504により構成され、それぞれの基板は図示しないそれぞれの基板の端部で連結されている。 【0044】弁座となる第1のシリコン基板501には、その基板501の両面が貫通している貫通孔502が形成されており、前記貫通孔502は前記第1のシリコン基板501の上面側、すなわち後述するシリコン基板504に設けられる弁体506に対向する基板面側に一対の第1の斜面503a、503bと、前記第1のシリコン基板501の下面側、すなわち前記基板面と反対側に一対の第2の斜面508a、508bを有している。 【0045】そして、前記2対の斜面の一方の対になる斜面503a、503bと他方の対になる斜面508a、508bの間に前記第1のシリコン基板の基板面に平行な水平面509a、509bがそれぞれ形成されている。 【0046】また、第2のシリコン基板504は、前記シリコン基板501の上部に位置され、外部からの作用で撓むようになる可撓部505と、前記可撓部505の撓みにより変位すると共に前記貫通孔502に対応する位置に形成された弁体506とを有する。このとき、前記弁体506の形状は前記貫通孔502の上側の斜面である第1の斜面503a、503bの形状に対応しており、その両側の側面507は前記第1の斜面503a、503bとほぼ平行である。 【0047】以上のように構成された半導体マイクロバルブは、熱膨張力、静電力、電磁力等の外部からの作用により前記可撓部505が撓み、前記弁体506が変位することにより、前記斜面503a、503bと前記側面507との距離d、即ち流体の流れる流路幅dが変化して、流体の流量が制御される。 【0048】上述したように、バルブが閉じられたときに、確実に流体の流れを止めるようシール効果をあげるためには、シール部の長さを長くとる必要がある。本実施例においては、前記貫通孔502の第1の斜面503a、503bおよび、前記水平面509a、509bがシール部となるので、例えば前記斜面503a、503bの傾きが前記第1のシリコン基板501の基板面に対して45度の場合、シリコン基板の基板面と水平にシール部を設ける場合と比較して、同じ長さのシール部を設けるのに前記基板面と平行な水平距離が0.7倍の距離で良い。 【0049】また、第1の斜面503a、503b、水平面509a、509bのように、シール部として貫通孔502の側面を用いているため、従来例のように第1のシリコン基板501の表面上の貫通孔周辺にシール部のスペースを別途設ける必要がなく、チップ面積を減らすことができる。 【0050】このとき、流量は前記弁体506の側面507と、前記貫通孔502の第1の斜面503a、503bおよび前記水平面509a、509bの距離d(流路幅)と、前記貫通孔の第1の斜面503a、503bの長さWによって決定され、また、最大流量は前記水平面509a、509bと同一水平面上にある開口部512の幅Dによって決定されることから、バルブの流量範囲を2段階で制御することができる。 【0051】さらに、シール部として水平面509a、509bを設けることによって、バルブを流れる流体の流れを締め切る締切特性を向上させることができる。 【0052】図6(a)から(e)は、本実施形態の半導体マイクロバルブの製造方法を示した断面図である。 【0053】まず、図6(a)に示すように、第1のシリコン基板501の全面に窒化膜等の保護膜610を形成し、前記基板501の上面側の一部の保護膜611と前記基板501の下面側の一部の保護膜612とをエッチングで除去する。このとき、前記保護膜611の長さが前記保護膜612の長さより長くなるように設定される。 【0054】次に、図6(b)に示すように、第1のシリコン基板501を異方性エッチングして貫通孔502を形成し、保護膜610を完全に除去する。この異方性エッチングは、シリコン基板501の両方の基板面側から行われるので、貫通孔502は2対の斜面、すなわち一対の第1の斜面503a、503b、および一対の第2の斜面508a、508bを有する。 【0055】また、上述したように、異方性エッチング前に除去する保護膜の幅をシリコン基板501の上面側の方を下面側よりも大きくしたので、第1の斜面503a、503b間の幅が第2の斜面508a、508bの間の幅よりも大きくなるように異方性エッチングされ、そのため水平面509a、509bが形成される。 【0056】一方、図6(c)に示すように、第1のシリコン基板501と同一の面方位を持つ第2のシリコン基板504の全面に窒化膜等の保護膜620を形成し、前記基板504の上面側の保護膜を一部の保護膜621を残して、保護膜622をエッチングで除去する。 【0057】次に、図6(d)に示すように、第2のシリコン基板504を異方性エッチングして、側面507を有する山形の弁体506が両側の可撓部505に挟まれる形で形成され、その後保護膜620を完全に除去する。 【0058】最後に、図6(e)に示すように、陽極接合等により第1のシリコン基板501、および第2のシリコン基板504の図示せぬそれぞれの端部を貼り合わせることで、マイクロバルブを形成する。 【0059】本実施形態においては、第1および第2のシリコン基板501、504はそれぞれ同じ面方位を持ち、前記貫通孔502および弁体506の形成には異方性エッチングを用いているので、異方性エッチングの際の傾斜角度がエッチングされるシリコン基板の面方位に依存することから、前記貫通孔502の第1の斜面503a、503bおよび弁体506の側面507の角度をほぼ同じにすることができる。 【0060】よって、図6(e)に示すように前記斜面503a、503bと側面507とをほぼ平行にすることができ、バルブのシール効果を高めることができる。 【0061】また、貫通孔502形成のための異方性エッチングを、第1のシリコン基板501の両方の基板面から行うので、一表面側からのみエッチングを行う場合と比較して、エッチング時間が約半分に短縮される。 (実施形態4)図7(a)、(b)は、本発明の請求項7に対応する半導体マイクロバルブの実施形態の断面図である。 【0062】図7(a)に示す半導体マイクロバルブは、2つのシリコン基板701、704により構成され、それぞれの基板は図示しないそれぞれの基板の端部で連結されている。 【0063】弁座となる第1のシリコン基板701には、その基板701の両面が貫通している貫通孔702が形成されており、前記貫通孔702は前記第1のシリコン基板701の上面側、すなわち後述するシリコン基板704に設けられる弁体706に対向する基板面側に一対の第1の斜面703a、703bと、前記第1のシリコン基板701の下面側、すなわち前記基板面と反対側に、前記基板面と垂直な一対の垂直面708a、708bを有している。 【0064】また、第2のシリコン基板704は、前記シリコン基板701の上部に位置され、外部からの作用で撓むようになる可撓部705と、前記可撓部705の撓みにより変位すると共に前記貫通孔702に対応する位置に形成された弁体706とを有する。このとき、前記弁体706の形状は前記貫通孔702の上側の斜面である斜面703a、703bの形状に対応しており、その側面707は前記斜面703a、703bとほぼ平行である。 【0065】図7(a)のように構成された半導体マイクロバルブと、図7(b)に示される半導体マイクロバルブとの違いは、図7(b)は図7(a)に示される前記斜面703a、703bと前記垂直面708a、708bとの間に前記第1のシリコン基板701の基板面と平行な水平面709a、709bが設けられているところである。 【0066】図7(a)(b)のように構成された半導体マイクロバルブは、熱膨張力、静電力、電磁力等の外部からの作用により前記可撓部705が撓み、前記弁体706が変位することにより、前記斜面703a、703bと前記側面707との距離d、即ち流体の流れる流路幅dが変化して、流体の流量が制御される。 【0067】本実施形態において、図7(a)(b)に示す構造は、本発明の第3図、第5図の実施形態と同様であるが、貫通孔の下側の加工には異方性エッチングではなく、イオン反応性エッチング(RIE)等によるドライエッチングを用い、管状の孔部710を設けている点が異なる。 【0068】上述したように、シール効果をあげるためには、シール部の長さを長くとる必要がある。本実施形態においては、前記貫通孔702の第1の斜面703a、703b、および前記水平面709a、709bがシール部となるので、例えば前記斜面703a、703bの傾きが前記第1のシリコン基板701の基板面に対して45度の場合、前記基板面と水平にシール面設ける場合と比較して、シール部の長さを同じにするためには前記基板面と水平方向に0.7倍の距離で良い。 【0069】また、第1の斜面703a、703b、水平面709a、709bのように、シール部として貫通孔702の側面を用いているため、従来例のように第1のシリコン基板701の表面にシール部のスペースを別途設ける必要がないので、チップ面積を減らすことができる。 【0070】このときバルブを流れる流体の流量は前記弁体706の側面707と前記貫通孔702の第1の斜面703a、703bの距離d(流路幅)および貫通孔の第1の斜面703a、703bの長さWによって決定され、また、最大流量は前記孔部710の開口部712の幅Dによって決定されるので、バルブの流量範囲を2段階で制御することができる。 【0071】また、前記孔部710の高さHを変更することにより、流量の調節が可能となる。 【0072】さらに、図7(b)の場合、水平なシール面709a、709bを設けることによって、バルブが閉じた際の流体の流れを止める締切特性を向上させることができる。 【0073】 【発明の効果】本発明の請求項1、3、5、7に記載の半導体マイクロバルブにおいては、2つのシリコン基板から構成され、一方のシリコン基板に設けられた貫通孔に形成された斜面と他方のシリコン基板に設けられた弁体の側面との距離を変化させて、流体の流量を制御しているため、すなわち前記貫通孔に形成された斜面が流体の流量を制御するシール部となっているので、シリコン基板の基板面と水平にシール部を設ける場合と比較して、同じ長さのシール部を設けるのに前記基板面と平行な水平距離が短くて良い。よって、シール部の長さを長くすることが可能である。また貫通孔の側面をシール部としてしており、貫通孔を有する基板表面の開口部の外側周囲にシール部のスペースを別途設ける必要がないので、チップ面積を減らすことができる。 【0074】これに加えて、本発明の請求項3、5、7に記載の半導体マイクロバルブにおいては、半導体マイクロバルブを構成するシリコン基板の貫通孔に2対の斜面を設けたため、一方の対になる斜面と他方の対になる斜面との間にできる貫通孔の開口幅によってバルブに流れる流体の最大流量を制御できる。 【0075】さらに本発明の請求項5、7に記載の半導体マイクロバルブにおいては、前記貫通孔の2対の斜面の間、すなわち一方の対になる斜面と他方の対になる斜面との間に、前記貫通孔を有するシリコン基板の基板面に水平な水平面を設けたため、そのバルブを流れる流体の流れを締め切る締切特性を更に向上させることができる。 【0076】また、本発明の請求項2、4、6に記載の半導体マイクロバルブの製造方法においては、異方性エッチングの際の傾斜角度がエッチングされるシリコン基板の面方位に依存することを利用し、同一の面方位を持つシリコン基板を使用して、それぞれの基板に貫通孔、弁体を設けたため、シール部となる貫通孔の斜面と弁体の側面を平行にすることが容易となり、バルブのシール効果を高めることができる。 【0077】これに加えて、本発明の請求項4、6に記載の半導体マイクロバルブの製造方法においては、貫通孔を形成する際の異方性エッチングを、シリコン基板の両方の基板面から同時に行うことによって、エッチングのプロセス時間をほぼ半分に短縮することができる。 【0078】そして、本発明の請求項7に記載の半導体マイクロバルブにおいては、貫通孔を有するシリコン基板の基板面と垂直な面を前記貫通孔に設けたため、前記垂直な面の高さを変えることでバルブに流れる流体の流量も調節することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月27日(1998.10.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087767 【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−46234(P2000−46234A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−305080 |
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