トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 油圧弁
【発明者】 【氏名】村上 宏明

【要約】 【課題】大流量の圧油に対応できる油圧弁を提供する。

【解決手段】メインスプール12内周に圧油を吸い込むポート17を開口させ、メインスプール12の内周に嵌合したパイロットスプール15の位置を切り替え、選択的にメインスプール12の両側に形成されたシリンダ18、19に圧油を導くことで、圧油が導かれたシリンダ18、19とは反対側へメインスプール12を移動させ、メインスプール12の位置を切り替え、出口ポート14の開口量を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧油の入口側流路と出口側流路を構成するそれぞれのポートを開口させたボディと、このボディの内周に嵌合させたスプールとを具備してなり、このスプールの位置を切り替えることで、吐き出される圧油量を制御する油圧弁において、前記スプール内周に前記圧油を吸い込むポートを開口させるとともに、このスプールの内周にパイロットスプールを嵌合させ、このパイロットスプールの位置を切り替えて、選択的に前記スプールの両側に形成されたシリンダに前記圧油を導き、この圧油の油圧力により、前記ボディに対して前記スプールの位置を切り替えることを特徴とする油圧弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧・大流量の圧油の流量制御に適した油圧弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図2に示したような油圧弁において、油圧弁の流量を切り替えるスプール52は、外部のアクチュエータにより直接操作されている。例えば、ソレノイドのON/OFFにより、スプールを進退させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような油圧弁では、図3に示したように、弁52aが開いたとき、弁付近Sにおいて、出口ポート方向への流速が速くなることで、スプール52のスラスト方向にかかる油圧力は低下する。したがって、スプール52において、この力とは逆方向にかかる力、すなわち、ボディ51内へ導入される際の圧油の流体力(フローフォース)が発生し、弁52aを閉じる方向(図中左側)にスプール52が移動しようとする。特に、大流量を対象とする場合、このようなフローフォースも増大するので、スプール52に油圧力が作用するため外部からの必要な操作力が変化し、スプール52の位置決め精度が低下するため、流量制御精度を変化させる原因となっていた。
【0004】そこで、スプール52の形状を変形することで、フローフォースによるスプール52への影響を抑制する試みがなされている。しかしながら、スプール52の形状を変形する方法では、完全な効果が得られず限界があった。
【0005】本発明の目的は、このような課題を解決して、大流量の圧油に対応できる油圧弁を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記したような課題を解決するため、本発明は、圧油の入口側流路と出口側流路を構成するそれぞれのポートを開口させたボディと、このボディの内周に嵌合させたスプールとを具備してなり、このスプールの位置を切り替えることで、吐き出される圧油量を制御する油圧弁において、スプール内周に圧油を吸い込むポートを開口させ、スプールの内周に嵌合したパイロットスプールの位置を切り替え、選択的にスプールの両側に形成されたシリンダに圧油を導くことで、圧油の力で圧油が導かれたシリンダとは反対側へスプール移動させ、スプールの位置を切り替えることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を、図1を参照して説明する。この油圧弁は、図1に示すように、ボディ11の内周にはメインスプール12が嵌合されるとともに、圧油が導入される入口ポート13と、圧油が外部へ吐き出される出口ポート14とが開口されている。
【0008】メインスプール12には、パイロットスプール15が嵌合されるとともに、パイロットスプール15を所定の位置に位置決めして弁16を開くことにより、ボディ11内周に導入された圧油がポート17を通過して収納されるシリンダ18、19がメインスプール12内周の2箇所に形成されている。そして、パイロットスプール15の位置に応じて、選択的にこれら2つのシリンダ18、19の片方に圧油が導かれるよう油路20、21が形成されている。
【0009】さらに、両シリンダ18、19には、それぞれ、ボディ11に固定されたピストン22、23が嵌合されており、メインスプール12は、シリンダ18、19内に導かれた圧油の油圧力により、圧油の導かれたシリンダ18、19とは反対側へ、ボディ11に対して相対的に移動するよう構成されている。なお、24は油をタンクへ戻すためのリターンポートである。
【0010】次に、図1に記載された油圧弁の動作について説明する。出口ポート14から吐き出す圧油の量を増加させるとき、結果的にメインスプール12を図1中の右側へ移動させて、弁12aによる出口ポート14における開口面積を増加させるのであるが、本実施例の構成において、かかる操作を行う場合、まず、パイロットスプール15をメインスプール12を移動させた方向と同じ方向、即ち、図1中の右側へ移動させる。すると、パイロットスプール15に設けられた弁16が動き、ポート17から圧油が流入することになる。
【0011】さらに、流入した圧油は油路20を介してシリンダ18へ導入される。やがてシリンダ18内に充満した圧油の油圧力により、ボディに固定されたピストン22に対して、メインスプール12は図1中の右側へ移動する。この弁16によるポート17の開口量を制御することで、メインスプール12の移動量を制御する。
【0012】したがって、ソレノイドによる電磁力でパイロットスプール15の位置制御を行い、シリンダ18へ圧油の供給量を設定し、メインスプール12の位置を保持する際は、圧油による油圧力を利用することで、電磁力よりも大きな保持力が得られるので、メインスプール12を所定の位置に保持することが容易となる。すなわち、ソレノイドによる電磁力はメインスプール12を保持するのに大きさが不足していたのに対し、本実施例では油圧力を使用することで、メインスプール12の保持が容易となる。
【0013】なお、メインスプール12を左側へ移動して出口ポート14の開口量を小さくするとき、即ち、メインスプール12を図1中の左側へ移動するときは、上記したような右側へ移動するのとは逆の方向、すなわち、パイロットスプール15を左側へ移動し、弁16を開くとともに、油路21を介して圧油をシリンダ19へ導けばよい。
【0014】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、メインスプールに嵌合したパイロットスプールの位置を位置決めし、メインスプール内に設けた2個所のシリンダのうち選択的に片方に圧油を導くことで、フローフォースの影響を直接受けないメインスプールの位置決めが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
【出願日】 平成10年7月31日(1998.7.31)
【代理人】 【識別番号】100097892
【弁理士】
【氏名又は名称】西岡 義明
【公開番号】 特開2000−46233(P2000−46233A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−218179