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【発明の名称】 ロータリ式流路切換弁
【発明者】 【氏名】平田 和夫

【氏名】寺西 敏博

【氏名】野田 光昭

【氏名】杉田 三男

【氏名】大野 道明

【氏名】金崎 文雄

【氏名】中川 昇

【氏名】相原 一登

【氏名】鈴木 和重

【要約】 【課題】コイルボビン自体に位置決めのための構造を新たに形成することなく、磁極片の周方向の位置決めが確実に行われるようにすること。

【解決手段】弁ハウジング1の主弁体案内筒部6の外周面の一部に扁平面6aを設け、磁極片付き電磁コイル取付体76の下板69に扁平面6aと面係合する回り止め片69cを設け、扁平面6aと回り止め片69cとの面係合により磁極片付き電磁コイル取付体74を弁ハウジング1に対して周方向に位置決めする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に弁座部を有する円筒状の弁ハウジングと、前記弁ハウジング内に回転変位可能に設けられて、該弁ハウジングに対する回転変位可能な範囲が所定角度内に規制され、回転変位により前記弁座部と共働して流路切換を行う弁体と、前記弁体に固定された多極マグネットと、電磁コイルと、前記電磁コイルを固定されて前記弁ハウジングに固定装着され、前記電磁コイルにより磁化し、前記弁ハウジングの外周面に接合して前記多極マグネットとの磁気作用により前記弁体を回転駆動するための磁極片を含む磁極片付き電磁コイル取付体と、により構成されたロータリ式流路切換弁において、前記弁ハウジングは外周面の一部に扁平面を有し、前記磁極片付き電磁コイル取付体は扁平面に面係合する回り止め片を有し、前記扁平面と前記回り止め片との面係合により前記磁極片付き電磁コイル取付体が前記弁ハウジングに対して周方向に位置決めされる、ことを特徴とするロータリ式流路切換弁。
【請求項2】 前記磁極片付き電磁コイル取付体は、前記電磁コイルを取り付けられ互いに180度回転変位した一対の主磁極片を有する板金製の外函と、前記外函と位置決め連結され互いに180度回転変位し且つ主磁極片とは90度回転変位した一対の副磁極片を有する板金製の下板とを有し、前記下板に前記回り止め片が折曲されていることを特徴とする請求項1記載のロータリ式流路切換弁。
【請求項3】 内部に弁座部を有する円筒状の弁ハウジングと、前記弁ハウジング内に回転変位可能に設けられて、該弁ハウジングに対する回転変位可能な範囲が所定角度内に規制され、回転変位により前記弁座部と共働して流路切換を行う弁体と、前記弁体に固定された多極マグネットと、電磁コイルと、前記電磁コイルを固定されて前記弁ハウジングに固定装着され、前記電磁コイルにより磁化し、前記弁ハウジングの外周面に接合して前記多極マグネットとの磁気作用により前記弁体を回転駆動するための磁極片を含む磁極片付き電磁コイル取付体と、により構成されたロータリ式流路切換弁において、前記弁ハウジングは扁平側面を有する取付嵌合部を有し、前記磁極片付き電磁コイル取付体は前記取付嵌合部に嵌合する凹部を有し、前記取付嵌合部と前記凹部との嵌合により前記磁極片付き電磁コイル取付体が前記弁ハウジングに対して周方向に位置決めされる、ことを特徴とするロータリ式流路切換弁。
【請求項4】 前記磁極片付き電磁コイル取付体は、前記電磁コイルを取り付けられ互いに180度回転変位した一対の主磁極片を有する板金製の外函と、前記外函と位置決め連結され互いに180度回転変位し且つ主磁極片とは90度回転変位した一対の副磁極片を有する板金製の下板とを有し、前記外函に前記凹部がプレス成形されていることを特徴とする請求項3記載のロータリ式流路切換弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ロータリ式流路切換弁に関し、特にヒートポンプシステムで使用される電磁式の四方弁や三方弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】四方弁や三方弁として使用されるロータリ式流路切換弁として、内部に弁座部を有する円筒状の弁ハウジングと、前記弁ハウジング内に回転変位可能に設けられ、回転変位により前記弁座部と共働して流路切換を行う弁体と、前記弁体に固定された多極マグネットと、電磁コイルと、前記電磁コイルを固定されて前記弁ハウジングに固定装着され、前記電磁コイルにより磁化し、前記弁ハウジングの外周面に接合して前記多極マグネットとの磁気作用により前記弁体を回転駆動するための磁極片を含む磁極片付き電磁コイル取付体とにより構成されたロータリ式流路切換弁が知られている。
【0003】上述のようなロータリ式流路切換弁では、電磁コイルにより磁化される弁ハウジング側の磁極片が弁体側の多極マグネットとの磁気作用により弁体を回転駆動するから、弁体を予め規定されている流路切換位置間に正しく回転駆動するために、磁極片は弁ハウジングの周方向に位置決め配置される必要がある。
【0004】このことに対して、たとえば、特開平8−42737号公報に示されている四方弁では、ボティ(弁ハウジング)のボティキャップに位置決め用突起を設けると共に、鉄芯(磁極片)を有する電磁石のコイルボビンのうち、上述したボティキャップに対する接合端面に凹部を形成し、これらボディキャップの位置決め用突起とコイルボビンの凹部との嵌合により、電磁石を弁ハウジングに対して位置決めし、磁極片の周方向位置を決めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような四方弁における磁極片の位置決めは、所期の目的を達成するが、しかし、電磁弁のコイルボビンとボディとの間に直接の嵌合関係を持たせて両者間の位置決めを行うことから、打ち抜きやプレス加工といった方法で比較的凹凸を形成しやすいボディ側に比べて、元々の金型を凹凸に合わせて設計するといった面倒な作業を必要とするコイルボビンへの凹凸の形成を必要とする点において、改良の余地があった。
【0006】この発明は、上述の如き問題点に着目してなされたものであり、コイルボビン自体に位置決めのための構造を新たに形成することなく、磁極片の周方向の位置決めが確実に行われる位置決め構造によるロータリ式流路切換弁を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、請求項1に記載の発明によるロータリ式流路切換弁は、内部に弁座部を有する円筒状の弁ハウジングと、前記弁ハウジング内に回転変位可能に設けられて、該弁ハウジングに対する回転変位可能な範囲が所定角度内に規制され、回転変位により前記弁座部と共働して流路切換を行う弁体と、前記弁体に固定された多極マグネットと、電磁コイルと、前記電磁コイルを固定されて前記弁ハウジングに固定装着され、前記電磁コイルにより磁化し、前記弁ハウジングの外周面に接合して前記多極マグネットとの磁気作用により前記弁体を回転駆動するための磁極片を含む磁極片付き電磁コイル取付体とにより構成されたロータリ式流路切換弁において、前記弁ハウジングは外周面の一部に扁平面を有し、前記磁極片付き電磁コイル取付体は扁平面に面係合する回り止め片を有し、前記扁平面と前記回り止め片との面係合により前記磁極片付き電磁コイル取付体が前記弁ハウジングに対して周方向に位置決めされるものである。
【0008】請求項2に記載の発明によるロータリ式流路切換弁は、前記磁極片付き電磁コイル取付体は、前記電磁コイルを取り付けられ互いに180度回転変位した一対の主磁極片を有する板金製の外函と、前記外函と位置決め連結され互いに180度回転変位し且つ主磁極片とは90度回転変位した一対の副磁極片を有する板金製の下板とを有し、前記下板に前記回り止め片が折曲されているものである。
【0009】請求項3に記載の発明によるロータリ式流路切換弁は、内部に弁座部を有する円筒状の弁ハウジングと、前記弁ハウジング内に回転変位可能に設けられて、該弁ハウジングに対する回転変位可能な範囲が所定角度内に規制され、回転変位により前記弁座部と共働して流路切換を行う弁体と、前記弁体に固定された多極マグネットと、電磁コイルと、前記電磁コイルを固定されて前記弁ハウジングに固定装着され、前記電磁コイルにより磁化し、前記弁ハウジングの外周面に接合して前記多極マグネットとの磁気作用により前記弁体を回転駆動するための磁極片を含む磁極片付き電磁コイル取付体とにより構成されたロータリ式流路切換弁において、前記弁ハウジングは扁平側面を有する取付嵌合部を有し、前記磁極片付き電磁コイル取付体は前記取付嵌合部に嵌合する凹部を有し、前記取付嵌合部と前記凹部との嵌合により前記磁極片付き電磁コイル取付体が前記弁ハウジングに対して周方向に位置決めされるものである。
【0010】請求項4に記載の発明によるロータリ式流路切換弁は、前記磁極片付き電磁コイル取付体は、前記電磁コイルを取り付けられ互いに180度回転変位した一対の主磁極片を有する板金製の外函と、前記外函と位置決め連結され互いに180度回転変位し且つ主磁極片とは90度回転変位した一対の副磁極片を有する板金製の下板とを有し、前記外函に前記凹部がプレス成形されているものである。
【0011】請求項1に記載の発明によるロータリ式流路切換弁によれば、弁ハウジングの外周面に形成された扁平面に磁極片付き電磁コイル取付体の回り止め片が面係合することにより、弁体の回転変位可能な範囲が所定角度内に規制される対象の弁ハウジングに対して、磁極片付き電磁コイル取付体が周方向に位置決めされる。
【0012】請求項2に記載の発明によるロータリ式流路切換弁によれば、磁極片付き電磁コイル取付体が、主磁極片を有する板金製の外函と、副磁極片を有する板金製の下板とにより構成され、下板に回り止め片が折曲されており、下板の回り止め片が弁ハウジング外周面の扁平面に面係合することにより、磁極片付き電磁コイル取付体が弁ハウジングに対して周方向に位置決めされる。
【0013】請求項3に記載の発明によるロータリ式流路切換弁によれば、弁ハウジングに形成された扁平側面を有する取付嵌合部に磁極片付き電磁コイル取付体の凹部が嵌合することにより、弁体の回転変位可能な範囲が所定角度内に規制される対象の弁ハウジングに対して、磁極片付き電磁コイル取付体が周方向に位置決めされる。
【0014】請求項4に記載の発明によるロータリ式流路切換弁によれば、磁極片付き電磁コイル取付体が、主磁極片を有する板金製の外函と、副磁極片を有する板金製の下板とにより構成され、外函にプレス成形された凹部が取付嵌合部に嵌合することにより、磁極片付き電磁コイル取付体が弁ハウジングに対して周方向に位置決めされる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】(実施の形態1)図1〜図13はこの発明によるロータリ式流路切換弁の実施の形態1を示している。ロータリ式流路切換弁は、円筒状の弁ハウジング1と、弁ハウジング1内に回転変位可能に且つ回転軸方向に移動可能に設けられた主弁体3(弁体)と、弁ハウジング1の底部に固定された弁座板5と、主弁体3に設けられたパイロット弁9と、弁ハウジング1の上部に取り付けられた電磁ソレノイド11とを有している。
【0017】このロータリ式流路切換弁は、図11及び図12に示されているように、ヒートポンプシステムで使用される四方弁100として構成され、弁座板5には、ヒートポンプシステムにおけるコンプレッサPの吸入側からの低圧側配管13を接続される低圧側ポート15と、コンプレッサPの吐出側からの高圧側配管17を接続される高圧側ポート19と、室内熱交換器Eの配管21を接続される第一の切換ポート23と、室外熱交換器Cの配管25を接続される第二の切換ポート27とを有している。
【0018】主弁体3は、図1に示されているように、底部に設けられた中心ガイト孔29にて弁座板5に固定されたセンタピン31に嵌合していると共に、上部に舌片状に突出形成されたガイド部4にて、弁ハウジング1の上部に大径円筒部2と同心に設けられた主弁体案内筒部6に軸線方向に移動可能に嵌合し、これらの嵌合ガイドにより自身の中心軸線の周りに第一の流路切換位置と第二の流路切換位置との間に回転変位し、軸線方向に直線的に上昇位置と降下位置との間に上下変位する。
【0019】なお、ガイド部4は後述する高圧側連絡溝37の側とは反対側に形成され、主弁体案内筒部6との当接関係により、高圧側の流入圧力による主弁体3の傾き偏倚を抑制する。
【0020】主弁体3は降下位置においては、底面(一方の端面)33にて弁座板5と接触しており、その底面部に互いに独立した低圧側連絡溝35と高圧側連絡溝37とを有している。
【0021】主弁体3は、第一の流路切換位置では、図11に示されているように、低圧側連絡溝35により低圧側ポート15と第一の切換ポート23とを連通接続すると共に高圧側連絡溝37によって高圧側ポート19と第二の切換ポート27とを連通接続し、第二の流路切換位置では、図12に示されているように、低圧側連絡溝35により低圧側ポート15と第二の切換ポート27とを連通接続すると共に高圧側連絡溝37によって高圧側ポート19と第一の切換ポート23とを連通接続する。
【0022】これにより、主弁体3が第一の流路切換位置である切換状態では、図11に示されているように、コンプレッサP→四方弁100→室外熱交換器C→絞りD→室内熱交換器E→四方弁100→コンプレッサPと云う冷媒循環路が確立し、ヒートポンプシステムは冷房モードになる。
【0023】これに対し、主弁体3が第二の流路切換位置である切換状態では、図12に示されているように、コンプレッサP→四方弁100→室内熱交換器E→絞りD→室外熱交換器C→四方弁100→コンプレッサPと云う冷媒循環路が確立し、ヒートポンプシステムは暖房モードになる。
【0024】なお、高圧側配管17の先端は、高圧側ポート19を貫通して高圧側連絡溝37内に突出しており、高圧側連絡溝37の内壁面との当接により、主弁体3の回動変位範囲を第一の流路切換位置と第二の流路切換位置との間の往復回動範囲に制限するストッパを兼ねている。
【0025】主弁体3の上側(他方の端面側)には、図1に示されているように、弁ハウジング1と、弁ハウジング1の上部に形成されているパイロット弁案内筒部39に嵌合しているパイロット弁9とによって圧力室41が画定されている。圧力室41は、パイロット弁9と主弁体3との間のバイパス間隙43や、主弁体3のピストンリング溝45に嵌め込まれている略C字状のピストンリング47の両端部間の連通用間隙(図示せず)を経て、高圧側連絡溝37、高圧側ポート19と連通しており、高圧側ポート19の圧力を導入される。
【0026】パイロット弁案内筒部39は大径円筒部2や主弁体案内筒部6と同心に設けられており、パイロット弁9のステム部10は、パイロット弁案内筒部39や、主弁体3の中心部に形成された円形横断面の弁保持孔51に、軸線方向に移動可能に嵌合しており、先端のニードル弁部53にて主弁体3に形成された弁ポート55を開閉する。
【0027】この構造により、パイロット弁9は、弁ハウジング1側のパイロット弁案内筒部39と主弁体3側の弁保持孔51に軸線方向に移動可能に嵌合し、弁ハウジング1と主弁体3の両方より個別に支持されていることになる。
【0028】なお、ステム部10と弁保持孔51との間の隙間により圧力室41と弁ポート55とを連通する通路(図示せず)が形成される。
【0029】弁ポート55は、弁保持孔51の底部中央にあり、一方でバイパス間隙43を介して圧力室41に連通し、他方で連通孔57によって低圧側連絡溝35に連通している。
【0030】また、弁ハウジング1は主弁体を受け入れる円筒部である大径円筒部2と主弁体案内筒部6とパイロット弁案内筒部39とを互いに同心にプレス深絞り加工により一体成形されている。
【0031】パイロット弁9は、固定吸引子59との間に設けられたばね61により閉弁方向に付勢され、電磁ソレノイド11の電磁コイル63に通電が行われることにより、ばね61のばね力に抗して固定吸引子59に吸着し、弁ポート55を開放、すなわち開弁する。
【0032】なお、固定吸引子59は、弁ハウジング1のパイロット弁案内筒部39の先端に固定装着されており、この固定吸引子59を含んだ全体を弁ハウジングと云うことがある。
【0033】そして、この実施の形態では、高圧側連絡溝37やバイパス間隙43、ピストンリング47の連通用隙間を経て高圧側ポート19から圧力室41に流入する冷媒の流量が、圧力室41から、パイロット弁9のステム部10の周面に形成された不図示のカット面と弁保持孔51との間隙(図示せず)を介して弁ポート55に至り、さらに、連通孔57を経て低圧側連絡溝35に流入する冷媒の流量を下回るように構成されている。
【0034】主弁体3の上部にはプラスチックスマグネットによる多極マグネット71がインサート成形により一体的に設けられている。多極マグネット71は、図13に示されているように、主弁体3と同心のリング状をなし、主弁体3の回転方向にN極部72とS極部74とを交互に2個ずつ有している。
【0035】図1に示されているように、電磁コイル63は磁極片付き電磁コイル取付体76により弁ハウジングの一部をなす固定吸引子59に固定される。磁極片付き電磁コイル取付体76は、図2に示されているように、互いに180度回転変位した一対の主磁極片66を有するステープル形状の板金製の外函65と、図10に示されているように、外函65と位置決め連結され互いに180度回転変位し且つ主磁極片66とは90度回転変位した一対の副磁極片70を有する板金製の下板69の組立体により、図4に示されているように構成されている。
【0036】そして、図2に示されているように、外函65の裏面の四隅には、外函65の表面側から見ると凹状の凸部75が各々形成されていて、この合計4個の凸部75を、電磁コイル63のうち、平面視略楕円状を呈するコイルボビン63aの一方の端面の周縁部に各々係止すると共に、このコイルボビン63aから導出されるリード線64の根元を補強するためコイルボビン63aの端面に突設された肉厚部63bの側縁63cに、外函65の側縁65eを当て付けることで、電磁コイル63が外函65に対して、主弁体3の回転方向において位置決めされている。
【0037】外函65は電磁コイル63の上側の一方の磁極と磁気的に連結され、下板69は電磁コイル63の下側の他方の磁極と磁気的に連結されている。図4及び図9に示されているように、主磁極片66と副磁極片70は各々、弁ハウジング1の大径円筒部2の外周面に接合して多極マグネット71との磁気作用により主弁体3を回転駆動する。この場合、主磁極片66は弁ハウジング1の周壁を隔てて多極マグネット71の一方の磁極と対向し、副磁極片70は弁ハウジング1の周壁を隔てて多極マグネット71の他方の磁極と対向することができる。
【0038】磁極片付き電磁コイル取付体76は、図1に示されているように、外函65にて固定吸引子59の上端面にボルト67により固定されている。下板69は副磁極片70とは90度回転変位方向に延在する接続用ブリッジ片69a、69bを有しており、接続用ブリッジ片69a、69bは、図4及び図5に示されているように、各々先端部にて外函65に形成された小開口部65a、65bにはめ込み係合し、この係合により外函65に対して位置決め固定されている。これにより主磁極片66と副磁極片70との相対位置関係が画一的に決まり、この位置関係が変動することがない。
【0039】下板69には、図4に示されているように、回り止め片69cが下向きに折曲成形されている。弁ハウジング1の主弁体案内筒部6の外周面の一部には、図6に示されているように、扁平面6aがプレス成形されており、図4などに示されているように、扁平面6aと回り止め片69cとの面係合により、磁極片付き電磁コイル取付体76の全体が弁ハウジング1に対して周方向に位置決めされる。
【0040】この位置決めにより、主磁極片66と副磁極片70は主弁体3を予め規定されている流路切換位置間に正しく回転駆動するために必要な周方向位置に位置決め配置される。
【0041】尚、コイルボビン63aの他方の端面と下板69の接続用ブリッジ片69a、69bとの間には、ゴム等の弾性部材からなる緩衝用シート63Aが介設されており、この緩衝用シート63Aにより、電磁コイル63の通電によって固定吸引子59に吸着されたパイロット弁9が固定吸引子59との衝突で起こして電磁コイル63に伝わった振動を、下板69や弁ハウジング1に伝わらないようにしている。
【0042】上述のような電磁ソレノイド11と多極マグネット71による電磁アクチュエータ構造では、電磁ソレノイド11の電磁コイル63に対し通電する電流の方向により主磁極片66がN極、副磁極片70がS極に帯磁、あるいはその反対の極性に帯磁する。
【0043】上述のような構成による四方弁100では、図1に示されているような状態において、電磁ソレノイド11の電磁コイル63に通電が行われると、固定吸引子59が励磁し、パイロット弁9がばね61のばね力に抗して上昇変位して固定吸引子59に吸着し、弁ポート55が開放される。
【0044】これにより圧力室41が低圧側連絡溝35、低圧側ポート15と連通し、圧力室41の内圧が高圧側ポート19と同じ高圧から低圧側ポート15と同じ低圧に向かって低下する。これにより主弁体3の下側に比べて主弁体3の上側が低圧になり、圧力差で主弁体3が上昇変位して弁座板5より離れ、低抵抗で回転変位し得る状態になる。
【0045】上述の状態になると、電磁コイル63に対する通電によってN極に帯磁している主磁極片66とこれに対向する多極マグネット71のN極部72との磁気的反発作用と、電磁コイル63に対する通電によってS極に帯磁している副磁極片70とこれに対向する多極マグネット71のS極部74との間での磁気的反発作用により、主弁体3が、図11及び図12で反時計廻り方向に回転し、主弁体3が第一の流路切換位置(図11、図13(a)の位置)より第二の流路切換位置(図12、図13(b)の位置)へ回転変位する。
【0046】これにより、N極に帯磁している主磁極片66に多極マグネット71のS極部74が対向して吸引されると共に、S極に帯磁している副磁極片70に多極マグネット71のN極部72が対向して吸引されて、主弁体3が第二の流路切換位置に保持され、ヒートポンプサイクルが冷房モードより暖房モードに切り換えられる。
【0047】この後に、電磁コイル63に対する通電を停止すると、一対の主磁極片66が、磁極のなくなった単なる金属として多極マグネット71のS極部74に吸着され、また、副磁極片70も、磁極の無くなった単なる金属として多極マグネット71のN極部72に吸着されて、主弁体3が第二の流路切換位置に保持される。
【0048】電磁コイル63に対する通電の停止に伴ってばね61のばね力によりパイロット弁9が降下して閉弁し、圧力室41と低圧側連絡溝35との連通が遮断され、バイパス間隙43やピストンリング47の連通用間隙を経て、高圧側連絡溝37、高圧側ポート19の圧力が圧力室41に導入され、圧力室41が主弁体3の下部の圧力と同圧になり、ばね61のばね力と主弁体3の自重とによって主弁体3が元の降下位置に戻り、弁座板5と密着することで、主弁体3が第二の流路切換位置(流路切換完了位置)に安定保持される。これにより動作信頼性が高くなる。
【0049】ヒートポンプサイクルを暖房モードより冷房モードに切り換える場合には、冷房モードより暖房モードへの切換時とは反対の方向に電磁ソレノイド11の電磁コイル63に通電を行い、パイロット弁9を開弁して主弁体3を上昇変位させる共に、主磁極片66をS極に帯磁させ、副磁極片70をN極に帯磁させる。
【0050】すると、電磁コイル63に対する通電によってS極に帯磁している外函65の主磁極片66とこれに対向する多極マグネット71のS極部74との磁気的反発作用や、電磁コイル63に対する通電によってN極に帯磁している下板69の副磁極片70とこれに対向する多極マグネット71のN極部72との間での磁気的反発作用により、主弁体3が、図11及び図12で時計廻り方向に回転し、主弁体3が第二の流路切換位置(図12、図13(b)の位置)より第一の流路切換位置(図11、図13(a)の位置)へ回転変位する。
【0051】これにより、N極に帯磁している主磁極片66に多極マグネット71のS極部74が対向して吸引されると共に、S極に帯磁している副磁極片70に多極マグネット71のN極部72が対向して吸引されて、主弁体3が第一の流路切換位置に保持され、ヒートポンプサイクルが暖房モードより冷房モードに切り換えられる。
【0052】この後に、電磁コイル63に対する通電を停止すると、一対の主磁極片66が、磁極の無くなった単なる金属として多極マグネット71のN極部72に吸着され、また、副磁極片70も、磁極の無くなった単なる金属として多極マグネット71のS極部74に吸着されて、主弁体3が第一の流路切換位置に保持される。
【0053】電磁コイル63に対する通電の停止に伴ってばね61のばね力によりパイロット弁9が降下して閉弁し、圧力室41と低圧側連絡溝35との連通が遮断され、バイパス間隙43やピストンリング47の連通用間隙を経て、高圧側連絡溝37、高圧側ポート19の圧力が圧力室41に導入され、圧力室41が主弁体3の下部の圧力と同圧になり、ばね61のばね力と主弁体3の自重とによって主弁体3が元の降下位置に戻り、弁座板5と密着することで、主弁体3が第一の流路切換位置(流路切換完了位置)に安定保持される。これにより動作信頼性が高くなる。
【0054】(実施の形態2)図14〜図19はこの発明によるロータリ式流路切換弁の実施の形態2を示している。なお、図14〜図15において、図1〜13に示されているもの同等あるいは同一の構成要件には、図1〜図13に付けた符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0055】この実施の形態では、図16乃至図18に示されているように、固定吸引子59の上端近傍部が二面取り加工により扁平側面59aを有する取付嵌合部59bに形成されている。
【0056】磁極片付き電磁コイル取付体76の外函65の上面部には、図14及び図15に示されているように、ルーバプレス加工により凹部65cが形成されている。凹部65cは、図15に示されているように、平面形状が矩形をなし、図16に示されているように、二面取り加工による扁平側面59aとぴったりと係合する平行辺部65dを有している。
【0057】外函65の凹部65cの平行辺部65dが扁平側面59aとぴったりと係合した状態で、凹部65cと取付嵌合部59bとが嵌合することにより、磁極片付き電磁コイル取付体76の全体が弁ハウジング1に対して周方向に位置決めされる。
【0058】この位置決めにより、主磁極片66と副磁極片70は主弁体3を予め規定されている流路切換位置間に正しく回転駆動するために必要な周方向位置に位置決め配置される。
【0059】なお、上述の実施の形態では、二面取り加工により扁平側面59aを有する取付嵌合部59bを固定吸引子59の上端近傍部に直接形成したが、これは、図20〜図22に示されているような、扁平側面80を有する位置決め板81を固定吸引子59の上端に溶接等により固着することにより取付嵌合部59bを形成することもできる。
【0060】また、取付嵌合部59bは二面取り加工形状に限定されることはなく、四角形、六角形等の多角形形状であってもよい。
【0061】また、上述の実施形態では、四方弁を例に取って説明したが、本発明はロータリ式の三方弁においても同様に適用可能であり、また、本実施形態のように回転の際に主弁体3が弁座板5から離間した状態となるようなパイロット弁付のロータリ式流路切換弁でなく、弁座板に接したまま弁体が回転するロータリ式流路切換弁にも適用可能であることは言うまでもない。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、請求項1に記載の発明によるロータリ式流路切換弁によれば、内部に弁座部を有する円筒状の弁ハウジングと、前記弁ハウジング内に回転変位可能に設けられて、該弁ハウジングに対する回転変位可能な範囲が所定角度内に規制され、回転変位により前記弁座部と共働して流路切換を行う弁体と、前記弁体に固定された多極マグネットと、電磁コイルと、前記電磁コイルを固定されて前記弁ハウジングに固定装着され、前記電磁コイルにより磁化し、前記弁ハウジングの外周面に接合して前記多極マグネットとの磁気作用により前記弁体を回転駆動するための磁極片を含む磁極片付き電磁コイル取付体とにより構成されたロータリ式流路切換弁において、前記弁ハウジングは外周面の一部に扁平面を有し、前記磁極片付き電磁コイル取付体は扁平面に面係合する回り止め片を有し、前記扁平面と前記回り止め片との面係合により前記磁極片付き電磁コイル取付体が前記弁ハウジングに対して周方向に位置決めされるものとした。
【0063】このため、弁ハウジングの外周面に形成された扁平面に磁極片付き電磁コイル取付体の回り止め片が面係合することにより、弁体の回転変位可能な範囲が所定角度内に規制される対象の弁ハウジングに対して、磁極片付き電磁コイル取付体が周方向に位置決めされるから、電磁コイルのコイルボビン自体に位置決めのための構造を新たに形成することなく、磁極片の周方向の位置決めが確実に行われる。
【0064】請求項2に記載の発明によるロータリ式流路切換弁によれば、前記磁極片付き電磁コイル取付体は、前記電磁コイルを取り付けられ互いに180度回転変位した一対の主磁極片を有する板金製の外函と、前記外函と位置決め連結され互いに180度回転変位し且つ主磁極片とは90度回転変位した一対の副磁極片を有する板金製の下板とを有し、前記下板に前記回り止め片が折曲されているものとした。
【0065】このため、磁極片付き電磁コイル取付体が、主磁極片を有する板金製の外函と、副磁極片を有する板金製の下板とにより構成され、下板に回り止め片が折曲されており、下板の回り止め片が弁ハウジング外周面の扁平面に面係合することにより、磁極片付き電磁コイル取付体が弁ハウジングに対して周方向に位置決めされるから、電磁コイルのコイルボビン自体に位置決めのための構造を新たに形成することなく、磁極片の周方向の位置決めが確実に行われる。
【0066】請求項3に記載の発明によるロータリ式流路切換弁によれば、内部に弁座部を有する円筒状の弁ハウジングと、前記弁ハウジング内に回転変位可能に設けられて、該弁ハウジングに対する回転変位可能な範囲が所定角度内に規制され、回転変位により前記弁座部と共働して流路切換を行う弁体と、前記弁体に固定された多極マグネットと、電磁コイルと、前記電磁コイルを固定されて前記弁ハウジングに固定装着され、前記電磁コイルにより磁化し、前記弁ハウジングの外周面に接合して前記多極マグネットとの磁気作用により前記弁体を回転駆動するための磁極片を含む磁極片付き電磁コイル取付体とにより構成されたロータリ式流路切換弁において、前記弁ハウジングは扁平側面を有する取付嵌合部を有し、前記磁極片付き電磁コイル取付体は前記取付嵌合部に嵌合する凹部を有し、前記取付嵌合部と前記凹部との嵌合により前記磁極片付き電磁コイル取付体が前記弁ハウジングに対して周方向に位置決めされるものとした。
【0067】このため、弁ハウジングに形成された扁平側面を有する取付嵌合部に磁極片付き電磁コイル取付体の凹部が嵌合することにより、弁体の回転変位可能な範囲が所定角度内に規制される対象の弁ハウジングに対して、磁極片付き電磁コイル取付体が周方向に位置決めされるから、電磁コイルのコイルボビン自体に位置決めのための構造を新たに形成することなく、主、副磁極片の周方向の位置決めが確実に行われる。
【0068】請求項4に記載の発明によるロータリ式流路切換弁よれば、前記磁極片付き電磁コイル取付体は、前記電磁コイルを取り付けられ互いに180度回転変位した一対の主磁極片を有する板金製の外函と、前記外函と位置決め連結され互いに180度回転変位し且つ主磁極片とは90度回転変位した一対の副磁極片を有する板金製の下板とを有し、前記外函に前記凹部がプレス成形されているものとした。
【0069】このため、磁極片付き電磁コイル取付体が、主磁極片を有する板金製の外函と、副磁極片を有する板金製の下板とにより構成され、外函にプレス成形された凹部が取付嵌合部に嵌合することにより、磁極片付き電磁コイル取付体が弁ハウジングに対して周方向に位置決めされるから、電磁コイルのコイルボビン自体に位置決めのための構造を新たに形成することなく、主、副磁極片の周方向の位置決めが確実に行われる。
【出願人】 【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
【出願日】 平成10年9月4日(1998.9.4)
【代理人】 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外1名)
【公開番号】 特開2000−46229(P2000−46229A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−251147