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【発明の名称】 ソレノイドバルブ
【発明者】 【氏名】加藤 昌明

【氏名】前田 和彦

【要約】 【課題】ソレノイドバルブを大型化させないこと。

【解決手段】ハウジング5と、該ハウジング5内に配設され外側にコイルが22巻かれるヨーク2・3と、該ヨーク2・3内に同軸的且つ摺動可能に配設されたプランジャ4とを備え、前記コイル22への通電量により前記プランジャ4が可変摺動するソレノイドバルブにおいて、少なくとも前記ヨーク2・3の内周面及び前記プランジャ4の外周面のいずれか一方にコーテイング処理を施したこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジングと、該ハウジング内に配設され外側にコイルが巻かれるヨークと、該ヨーク内に同軸的且つ摺動可能に配設されたプランジャとを備え、前記コイルへの通電量により前記プランジャが可変摺動するソレノイドバルブにおいて、少なくとも前記ヨークの内周面及び前記プランジャの外周面のいずれか一方にコーテイング処理を施したことを特徴とするソレノイドバルブ。
【請求項2】 前記コーテイング処理はテフロン系の物質を用いたことを特徴とする、請求項1記載のソレノイドバルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両の変速機等に使用されるソレノイドバルブに関するものであり、特に、コイルへの通電量を可変にすることによりリニアな状態で摺動を行うリニアソレノイドバルブに係わる。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のソレノイドバルブとしては、例えば、特開平6−123378号公報に開示されているものがある。このソレノイドバルブは、ボビンに巻かれたコイルと、ボビンを支持する第1ヨークと第2ヨークと、第1ヨークおよび第2ヨーク側に設けられた軸受によって両側を支持されて、コイルへの通電によって摺動を行うプランジャと、第1ヨークと第2ヨーク間に配設されコイルの外周を覆うよう設けられた筐体とを備える。
【0003】しかしてプランジャの円滑なリニア移動のためにはプランジャとヨークとの間を磁気的に隔離しておく必要がある。このため、この従来技術においては、プランジャとヨークとの間にエアギャップを形成し、このエアギャップをして両者間を磁気的に隔離している。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した従来のソレノイドバルブにおいては、プランジャが第1ヨークと第2ヨークに固定された軸受によってシャフトにより軸方向両側が支持されるため、軸受けの組み付け誤差などでプランジャが傾くとプランジャがヨークに接触する惧れがあり、かような事態が惹起されないように、エアギャップを大きく設定せねばならない。そうすると、ソレノイドバルブが大型化してしまうという不具合がある。
【0005】そこで、本発明は上記の不具合が惹起されないソレノイドバルブを提供することを、その技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、ハウジングと、該ハウジング内に配設され外側にコイルが巻かれるヨークと、該ヨーク内に同軸的且つ摺動可能に配設されたプランジャとを備え、前記コイルへの通電量により前記プランジャが可変摺動するソレノイドバルブにおいて、少なくとも前記ヨークの内周面及び前記プランジャの外周面のいずれか一方にコーテイング処理を施したことである。
【0007】
【作用及び効果】上記の構成を採用することにより、プランジャとヨークとの間には限りなく薄い薄膜を形成でき、この薄膜により、プランジャとヨークとの間の磁気的離隔を確立することができ、従来のような不具合は解消される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0009】図1は、車両の自動変速器等に使用されるソレノイドバルブ1の非通電時の断面図である。この図1において以下、説明を行うと、鉄系の磁性体材料(例えば、SUM等)から成るフランジ2aを一端に備えた円筒状のヨーク2に対し、ヨーク2と同じ材料から成るヨーク3が圧入により固着されている。この場合、ヨーク3の軸方向に中空のボス部3bがヨーク2の内径2cに入るよう設けられ、ヨーク2の内径2cに圧入により挿入され、圧入された状態ではヨーク2の内周に段部3bが形成されている。
【0010】ヨーク2には段部3bが形成された位置の近傍に、非磁性体部2bが加工処理により一体で設けられている。この非磁性体部2bは、ヨーク2を形成する鉄等の材料にニッケル等を添加し、レーザ光を照射することにより添加物を溶け込ませ、ヨーク2の周方向に環状に設けられている。つまり、非磁性体部2bを設ける方法を具体的に述べると、鉄等の強磁性体であるヨーク2の改質部分(非磁性体部2bとなる場所)にニッケル箔を巻付け、その部分にレーザ光を照射してニッケルを合金化させ、その部分をオーステナイト(非磁性または弱磁性)に改質する方法をとっている。
【0011】圧入により一体となったヨーク2,3両側のフランジ2a,3a間の外周には導電性の良い材質(ニクロム線等)によりコイル22が巻かれており、コイル22の2つの線の端部は互いに異なる略L字型をしたターミナル6(一方のみを図示)に、フュージングにより溶接され、電気的に接続されている。
【0012】ここで、ヨーク2,3、コイル22およびターミナル6等を金型にインサートして、樹脂成形を行い、サブアッセンブリ13を形成する。この場合、樹脂成形には耐熱性を向上させるために樹脂に6−6ナイロンを用い、6−6ナイロンに対して強度を向上させるためにガラスを含有させると良い。このように樹脂により成形されたサブアッセンブリ13は、ヨーク2,3およびコイル22が樹脂により一体になりると共に、コネクタ8が一体に形成されるものとなる。
【0013】このようにして成形されたサブアッセンブリ13に対し、ヨーク2の内径2cに沿って摺動可能となるSUM等の磁性体材料から成るプランジャ4が配設される。このプランジャ4は摺動方向の一方(図1に示す左側)に段部4cを有している。また、プランジャ4の一方向の動きを規制する非磁性ストッパ7が一側面から嵌め込まれた状態で、有底を有する円筒状の冷間圧延鋼板(例えば、SPCC等のプレス材)からできたハウジング5の中に、サブアッテンブリ13を配設する。
【0014】この場合、プランジャ4の外周またはヨーク2,3の内周2c,3cの摺動面には、摺動抵抗を小さくするテフロン系のコーティング処理が施される。このテフロン系のコーティング処理によりプランジャ4の外周とヨーク2の内周2c(ヨーク3の内周3c)との間には、両者を磁気的に隔離する薄膜が限りなく薄く形成される。プランジャ4は非磁性ストッパ7により一方向規制されるため、ヨーク3の段部3bにプランジャ4の段部4cが当接するまでの範囲内でヨーク2の内径2cに沿って摺動が可能となる。プランジャ4は段部4cからヨーク3の内径3cに沿うガイド面4aが形成され、ガイド面4aから径方向にフラットな先端に対してはテーパ面4bが設けられている。このテーパ面4bはガイド面4aに対して一定角度θで設けられるものであり、コイル通電時に磁界が形成され易い傾斜角度で設けることが望ましい。
【0015】ハウジング5内にサブアッセンブリ13を配設し、ヨーク2をハウジング5と係合させ、コイル22の外周を閉塞した状態で、ヨーク3のフランジ3aの側面と当接するようにアルミ等でできた筒状のバルブボデー10を配設した上で、ハウジング5の端部をバルブボデー10に対して、かしめ固定を行い固定する。
【0016】バルブボデー10には複数のポート23,24,25,26等が設けられており、スプールバルブ15がバルブボデー10内部のシリンダ部10aで摺動するように配設される。このスプールバルブ15は内部に1箇所、ポート24,26を連通させる連通孔15cが設けられている。バルブボデー10の端部にはねじ孔が設けれ、その孔に螺合して配設されたプラグ17にコンプレッションスプリング19の一端が係止され、スプールバルブ15は図1に示す右方に付勢されている。バルブボデー10には自動変速機内部の油圧回路切換用の入力ポート24、出力ポート23、ドレインポート25等が設けられているので、プランジャ4の移動により、軸方向に大径部15a(直径:d1)と小径部15b(直径:d2)をもったスプールバルブ15を押動させ(図2参照)、ポート間が連通して、その調整圧を外部に供給できるようになっている。尚、圧力と力の関係は以下のようになる。つまり、ばね反力:Fk、Fm:プランジャ4にかかる力(電流に比例)、出力ポート23の圧力Pとした場合、Fk=Fm+π/4・P・(d1―d2)となる。
【0017】プランジャ4は、図1に示す左端においてコンプレッションスプリング19からの付勢力を受けたスプールバルブ15の右の端部15dと当接した状態で、プランジャ4の右端は非磁性ストッパ7によって規制され、非磁性ストッパ7に当接するものとなる。
【0018】次に、ソレノイドバルブ1の作動を説明する。コネクタ8のターミナル6を介して外部からコイル22に通電されない場合には、プランジャ4はコンプレッションスプリング19からの右方向の付勢力を受けるため、スプールバルブ15が右方に押圧され、プランジャ4は非磁性ストッパ7に当接するものとなる(図1参照)。
【0019】この状態においてコイル22に通電を行うと、ヨーク2,3とプランジャ4との間にコイル22に流れる電流の大きさに応じた吸引力が発生する。つまり、コイル22に通電することで、ヨーク2、プランジャ4、プランジャ4のテーパ面4bを介してヨーク3、ハウジング5の回りに磁界Hが発生する。この場合、ヨーク2には非磁性体部2bが一体で設けられ、非磁性体2bの近傍には段部3bが設けられているため、非磁性体部2bには磁界が通らず、非磁性体部2bの両側からは磁界が直接通過することはなくなり、磁界はプランジャ4を経由して発生することから、プランジャ4が図1において左方に向けてスプールバルブ15を押動させるものとなる。この場合、コイル22への通電量(通電電流)に応じた吸引力と、コンプレッションスプリング19の付勢力が釣合うところまでスプールバルブ15は移動し、スプールバルブ15の移動位置により調圧された圧力がポートに発生し、外部に供給できるようになっている。
【0020】尚、第1実施形態においては、コイル22が巻かれるヨーク2,3は圧入により設けられるようにしたが、図3に示されるように、ヨーク2,3の形状を一体としたヨーク12を設け、ヨーク12上に非磁性体部12bを加工処理により環状に設けてやれば、部品点数の削減ができ、同軸がより出し易くなる。
【0021】尚、図4に示すように、ボビン50に延在部50aを設け、この延在部50aをヨーク2に形成された穴2xに嵌め込むことにより、上記非磁性体部2bの代替構成としても良い。
【出願人】 【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
【出願日】 平成11年5月27日(1999.5.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−46225(P2000−46225A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平11−148529