| 【発明の名称】 |
熱ヒューズ付き圧力調整器 |
| 【発明者】 |
【氏名】山下 富功
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| 【要約】 |
【課題】熱ヒューズ機能を付加しても配管変更の必要がなく、経済的負担が少く、火災時等には高い安全性を確保できる熱ヒューズ付き圧力調整器を提供することである。
【解決手段】本発明の熱ヒューズ付き圧力調整器1は、ノズル部3を開閉する開閉弁8と調圧室11を有する圧力調整器本体12が中心に作動棹13を持つダイアフラム14を大気圧に通じるカバー部16とで挟持する。また、ダイアフラム14を調圧室11側に付勢する調圧機構17と、調圧室11内に作動棹13の動きを開閉弁8に伝達するリンク機構24とを備えている。また、開閉弁8を閉鎖する方向にリンク機構24を押さえる圧縮バネ31が圧縮状態で特定温度で溶融する固定部材32により保持されている。従って、固定部材32が特定温度に達した時に溶融して弾性体31が復元することで、リンク機構24の動きを押さえて開閉弁8を閉鎖する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上流側入口及び前記上流側より低い圧力の下流側出口と、上流側ノズル部を開閉する開閉弁と、調圧室とを有する圧力調整器本体と、中心に作動棹を有し、大気圧室を形成するダイアフラムを前記圧力調整器本体とで挟持するカバー部と、該カバー部内に前記ダイアフラムを前記調圧室側に付勢する調圧機構と、前記調圧室内に前記作動棹の動きを前記開閉弁に伝達するリンク機構とを備えた圧力調整器において、前記リンク機構の動きを押さえる方向に付勢された弾性体が特定温度で溶融する固定部材により保持されており、前記特定温度に達した時に前記固定部材が溶融して前記弾性体が復元することで、前記リンク機構の動きを押さえて前記開閉弁を閉鎖することを特徴とする熱ヒューズ付き圧力調整器。 【請求項2】 前記固定部材が、前記圧力調整器本体の内壁面の所定位置に突設された柱体に圧縮状態の前記弾性体を外嵌した状態で、前記柱体の上方から固定されることを特徴とする請求項1記載の熱ヒューズ付き圧力調整器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、LPガス容器等から燃焼器等への供給圧力を安定させるための圧力調整器に関し、詳しくはガス容器周辺の温度が火災等により急上昇して危険温度に達した場合、自動的にガス供給路を閉鎖するための熱ヒューズ付き圧力調整器に関する。 【0002】 【従来の技術】従来からLPG等のガス用熱フューズ付き安全弁に関しては種々なものがあり、市販されている。しかし、圧力調整器に別のバルブを設けることなく簡単な構造で熱ヒューズ機能が付いたものはなかった。例えば、図5に示した従来のガス用の圧力調整器には熱ヒューズ機能は付いていない。 【0003】図5に示した圧力調整器51は、上流側の入口52とノズル部53を有する入力金具54が接続される入口接続ネジ55と、上流側より低い圧力の下流側の出口56における出口接続ネジ57と、上流側のノズル部53を開閉する開閉弁58と、調圧室61とを備えた圧力調整器本体62がある。この圧力調整器本体62は、中心に作動棹63を有するダイアフラム64を挟持して内部に大気圧室65を形成するためのカバー部66が装着される。このカバー部66内にはダイアフラム64を調圧室61側に付勢する調圧機構67が設けられている。また、調圧室61内には作動棹63の動きを開閉弁58に伝達するリンク機構74が設けられている。 【0004】上記開閉弁58は、ノズル部53と先端にゴム等の耐久弾性材から成る弁座59が装着され、圧力調整器本体62にノズル方向に摺動可能に支持されたピストン60とから構成されている。また、リンク機構74は圧力調整器本体62にピボットピン75によって回動可能に支持されたレバー76と、ピストン60後端に取り付けられた受動ピン77と、この受動ピン77を引っ掛けて係合し、かつレバー76後端に設けられたU字溝78と、レバー76先端に係合し、かつ作動棹63下端に設けられたレバー係合孔79とから構成されている。 【0005】さらに、上記調圧機構67は、ダイアフラム64を調圧室61側に付勢する調圧バネ68と、調圧バネ力を受けるバネ受け座69と、カバー部66の円筒部66aの内側に切られた調圧ネジ71と、この調圧ネジ71に螺合しかつ中心に六角レンチ孔70aを有する調圧プラグ70と、通気路73を有し円筒部66aに被せられるキャップ72とから構成されている。 【0006】なお、作動棹63がダイアフラム64に固定されていると、例えば出口56側からガスが逆流したりして調圧室61内の圧力が急上昇すると、ダイアフラム64が大気圧室側に強く押され、ノズル部53や弁座59又はリンク機構74を破損したりする可能性がある。そこで、ダイアフラム64は作動棹63の調圧室61側のフランジ部と大気圧室65側の破損防止バネ80とで挟持される構造になっている。従って、ダイアフラム64が大気圧室側に強く押されても、開閉弁58やリンク機構74は破損を免れる。 【0007】上記構成の圧力調整器51においては、先ず入口52側にLPG等の高圧ガスボンベが接続され、出口56側に燃焼器等のガス器具が接続されている家屋内配管が接続される。すると、ガスは入口52からノズル部53を通り、調圧バネ68とリンク機構74により開放された開閉弁58を通って調圧室61に入り、出口56から家屋内配管に流れると共に、ダイアフラム64は大気圧室65側に押されて調圧バネ68を圧縮する。 【0008】この時、調圧バネ68はダイアフラム64を調圧室61側に押圧力F1で押し、逆にダイアフラム64は大気圧室65方向に押圧力F2(=調整圧力p×ダイアフラム面積A)で押される。そして、上記F1とF2の力がバランスしたところで弁座59がノズル部53を閉鎖するように調整される。すなわち、出口56側のガスが使用されて調圧室61の圧力が下降すれば開閉弁58が開いてガスが補充され、調整圧力pに達すれば開閉弁58は閉鎖されてガスの補充は止められる。また、調整圧力pを変更する場合は、キャップ72を外して六角レンチ孔70aで調圧プラグ70を回して調圧バネ68の付勢力を調整すれば良い。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の圧力調整器51においては、火災時にガスを遮断する機構を備えていないので、市販の熱ヒューズ付き安全弁を上流側又は下流側に接続しなければならない。そのため、既存の配管を変更しなければならず、新たな費用が発生して経済的な負担がかかるという問題があった。また、最近は生産性を向上させるために、上記作動棹63を合成樹脂で形成することが検討されているが、火災時等に溶融してしまう可能性がある。すると、高圧ガスはノズル部53から吹き出すと共に、ダイアフラム64の中心を通り、六角レンチ孔70aから通気路73を経由して大気中に際限なく放出される事態になる。すなわち、カバー部66の円筒部66a外周からガスが吹き出ることになり、非常時における安全性の面で問題を残している。 【0010】本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、熱ヒューズ機能を付加しても配管変更の必要がなく、火災時にはガス源側のノズル部を確実に閉鎖できる熱ヒューズ付き圧力調整器を提供することである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明に係わる上記課題は、上流側入口及び前記上流側より低い圧力の下流側出口と上流側ノズル部を開閉する開閉弁と調圧室とを有する圧力調整器本体と、中心に作動棹を有し、大気圧室を形成するダイアフラムを前記圧力調整器本体とで挟持するカバー部と、該カバー部内に前記ダイアフラムを前記調圧室側に付勢する調圧機構と、前記調圧室内に前記作動棹の動きを前記開閉弁に伝達するリンク機構とを備えた圧力調整器において、前記リンク機構の動きを押さえる方向に付勢された弾性体が特定温度で溶融する固定部材により保持されており、前記特定温度に達した時に前記固定部材が溶融して前記弾性体が復元することで、前記リンク機構の動きを押さえて前記開閉弁を閉鎖することを特徴とする熱ヒューズ付き圧力調整器によって解決することができる。また、前記熱ヒューズ付き圧力調整器においては、好ましくは前記固定部材が、前記圧力調整器本体の内壁面の所定位置に突設された柱体に圧縮状態の前記弾性体を外嵌した状態で、前記柱体の上方から固定される。 【0012】上記構成の熱ヒューズ付き圧力調整器によれば、前記リンク機構の動きを押さえる方向に付勢された弾性体が特定温度で溶融する固定部材により保持されているので、火災等により特定温度に達した時に、固定部材が溶融して弾性体が復元することで、リンク機構の動きを押さえて開閉弁を閉鎖する。従って、仮に作動棹が合成樹脂製で火災熱により溶融しても、開閉弁が確実に閉鎖されるので、上流側の高圧ガスが噴出する心配はなく、安全性を確保することができる。また、前記固定部材が圧力調整器本体の内壁面の所定位置に突設された柱体に圧縮状態の弾性体を外嵌した状態で柱体の上方から固定されるので、弾性体及び固定部材が圧力調整器本体内にコンパクトに設置される。従って、既成配管を変更することなく熱ヒューズ付き圧力調整器に容易に交換することができ、経済的負担を軽減することができる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の熱ヒューズ付き圧力調整器の一実施形態を図1乃至図4に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の熱ヒューズ付き圧力調整器の一実施形態を示す縦断面図、図2は図1における熱ヒューズ機構部分の拡大断面図、図3は図1における調圧室の加圧状態を示す作動説明図、図4は図1における熱ヒューズ機構が作動した状態を示す作動説明図である。 【0014】図1に示すように本実施形態の熱ヒューズ付き圧力調整器1は、上流側の入口2とノズル部3を有する接続金具4が取り付けられる入口側接続用ネジ5と、上流側より低い圧力の下流側の出口6における出口側接続ネジ7と、上流側のノズル部3を開閉する開閉弁8と、調圧室11とを有する圧力調整器本体12を備えている。この調整器本体12には、中心に作動棹13を有するダイアフラム14を挟持して内部に大気圧室15を形成するカバー部16が装着される。また、このカバー部16内には、ダイアフラム14を調圧室11側に付勢する調圧機構17が設けられている。また、調圧室11内には、作動棹13の動きを開閉弁8に伝達するリンク機構24が設けられている。 【0015】さらに詳しくは、開閉弁8は、ノズル部3と、硬質ゴム等の耐久弾性材から成る弁座9と、圧力調整器本体12にノズル方向に摺動可能に支持されたピストン10とから構成されている。また、リンク機構24は、調整器本体12にピボットピン25によって回動可能に支持されたレバー26と、ピストン10後端に取り付けられた受動ピン27と、この受動ピン27を引っ掛けて係合しかつレバー26後端に設けられたU字溝28と、レバー26先端に係合しかつ作動棹13下端に設けられたレバー係合孔29とから構成されている。 【0016】さらに、調圧機構17は、ダイアフラム14を調圧室11側に付勢する調圧バネ18と、調圧バネ力を受けるバネ受け座19と、カバー部16の円筒部16aの内側に切られた調圧ネジ21と、この調圧ネジ21に螺合しかつ中心に六角レンチ孔20aを有する調圧プラグ20と、通気路23を有し円筒部16aに被せられるキャップ22とから構成されている。 【0017】なお、作動棹13がダイアフラム14に固定されていると、例えば出口6側からガスが逆流して調圧室11の圧力が急激に上昇したりすると、ダイアフラム14が大気圧室側に強く押されるからノズル部3や弁座9又はリンク機構24を破損したりする心配がある。そこで、ダイアフラム14は、作動棹13の調圧室11側にあるフランジ部と大気圧室15側にある破損防止バネ30とで挟持される構造になっている。従って、ダイアフラム14が大気圧室側に強く押されても、衝撃力は緩衝されて開閉弁8やリンク機構24の破損を防ぐことができる。 【0018】図2に示すように、開閉弁8を閉鎖するようにリンク機構24の動きを押さえる方向に付勢された弾性体としての圧縮バネ31が、特定温度(160℃〜200 ℃)で溶融する金属又は合成樹脂材からなる円板状の固定部材32により圧力調整器本体12の底壁から突出した柱体33に圧縮状態で保持されることで熱ヒューズ機構34が構成されている。なお、固定部材32が、少なくとも作動棹13より融点温度の低い材料より成ることは言うまでもない。すなわち、熱ヒューズ機構34は、圧力調整器本体12の内壁底面上に、先端にネジ孔を有する円錐台状の柱体33が突設され、この柱体33に圧縮バネ31を圧縮状態で外嵌して、上方から固定部材32の下面中央に突設された固定ネジを柱体33のネジ孔に螺合させることで形成される。なお、固定部材32の固定はネジ式の他には圧入式や他の手段により固定することが可能である。 【0019】上記構成の熱ヒューズ付き圧力調整器1においては、先ず、入口2側に高圧のガスボンベ等のガス源が接続され、出口6側にガス器具等が接続されている家屋内配管が接続される。すると、図3に示すように、ガスは入口2及びノズル部3を通り、調圧バネ18とリンク機構24により開放された開閉弁8を通って調圧室61に入る。そして、出口6から家屋内配管に流れると共に、ダイアフラム14は大気圧室15側に押されて調圧バネ18を圧縮する。 【0020】このとき、図1に示すように調圧バネ18は、押圧力F1でダイアフラム14を調圧室11側に押す。また、ダイアフラム14は、大気圧室方向へ押圧力F2(=調整圧力p×ダイアフラム面積A)で押される。そして、押圧力F1、F2が均衡したところで弁座9がノズル部3を閉鎖するように調整されていれば、出口6側のガスが使用されて調圧室11の圧力が下降すると、開閉弁8が開いてガスが補充され、調整圧力pに達すると開閉弁8が閉鎖されてガスの補充が止められる。すなわち、流体圧機器等における減圧弁に相当する圧力調整器としての機能を果たす。なお、上記調整圧力pを変更する場合、キャップ22を外して六角レンチ孔20aで調圧プラグ20を回して調圧バネ18の付勢力を調整することで、適宜な調整圧力を設定することができる。 【0021】次に、熱ヒューズ付き圧力調整器1の作動中に、例えば火災が発生した場合、圧力調整器本体12の温度が上昇し、柱体33を伝わって固定部材32の温度を上昇させる。そして、図4に示すように、温度が160 ℃〜200 ℃まで上昇すると、ストッパ材として機能していた固定部材32が溶融することで、柱体33に案内されながら圧縮バネ31が上方に伸張してレバー26を大気圧室15方向に押圧する。従って、リンク機構24は開閉弁8を閉鎖するので高圧ガスはノズル部3で確実に止められる。また、仮に作動棹13が合成樹脂製であり、熱で溶融したとしても、作動棹13の溶融よりも先に固定部材32が溶融してノズル部3が閉鎖されていれば、高圧ガスがカバー部16の円筒部16a外周から吹き出すようなことはなく、安全性を確保することができる。従って、固定部材32が作動棹13より先に溶融するような材質を選ぶ必要がある。 【0022】上述したように本実施形態の熱ヒューズ付き圧力調整器においては、開閉弁8を閉鎖するようにリンク機構24の動きを押さえる方向に付勢された圧縮状態の圧縮バネ31が特定温度で溶融する固定部材32により保持されているので、火災等により特定温度に達した場合、固定部材32が溶融してレバー26を押し上げる。これにより、開閉弁8が閉鎖されることで、上流側の高圧ガスが外に噴出するのを確実に防止することができ、安全性を確保することができる。また、リンク機構24の動きを押さえる方向に付勢された圧縮バネ31と特定温度で溶融する固定部材32とから成る熱ヒューズ機構34は、構造が簡単であり圧力調整器本体12内にコンパクトに設置できる。従って、既成配管を変更することなく従来の圧力調整器を熱ヒューズ付き圧力調整器1に交換することができ、経済的負担を軽減することができる。 【0023】なお、本発明の熱ヒューズ付き圧力調整器は上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変更を行うことにより他の形態でも実施することができる。例えば、本実施形態では熱ヒューズ機構34の圧縮バネ31はコイルスプリングであり、固定部材32は円板状であったが、弾性体を板バネにして、この板バネを押さえる固定部材をコ字状のブラケットにしても差し支えない。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように本発明の熱ヒューズ付き圧力調整器によれば、リンク機構の動きを押さえる方向に付勢された弾性体が特定温度で溶融する固定部材により保持されているので、火災等により特定温度に達した時に、固定部材が溶融して弾性体が復元することで、リンク機構の動きを押さえて開閉弁を閉鎖する。従って、仮に作動棹が火災熱により溶融しても、その前に開閉弁が確実に閉鎖されるので、上流側の高圧ガスが噴出する心配はなく、安全性を確保することができる。また、固定部材が圧力調整器本体の内壁面の所定位置に突設された柱体に圧縮状態の弾性体を外嵌した状態で柱体の上方から固定されるので、弾性体及び固定部材が圧力調整器本体内にコンパクトに設置される。従って、既成配管を変更することなく熱ヒューズ付き圧力調整器に容易に交換することができ、経済的負担を軽減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006895 【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月24日(1998.7.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073874 【弁理士】 【氏名又は名称】萩野 平 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−46219(P2000−46219A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−209869 |
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