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【発明の名称】 圧力逃がし弁
【発明者】 【氏名】ラルフ・サントロ・ジュニア

【氏名】ブライアン・エル・クンケルマン

【要約】 【課題】弁の通常圧力逃がし機能を保持しながら、中間冷却器の迅速な排気を行うことのできる簡単で低コストの逃がし弁を提供する。

【解決手段】逃がし弁(10)は、圧力源から空気圧力を直接的に受け取る主ポート(28)を横切るように配置された弁体(26)を有するハウジング(22)を備えている。圧力源からパイロット圧力を受け取るようにパイロットポート(36)が設けられており、このパイロットポートに近接させてピストン(41)が配置されている。主ポートから受け取られ、弁体を押し付ける空気を大気に排気するように、少なくとも1つの排気ポート(34)がハウジングに設けられている。パイロット圧力による空気圧信号は、弁内部のピストンの下方に送られ、弁を直ちに開放し、それによって主ポート、すなわち中間冷却器内の圧力を排気ポートを介して排気する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気圧力を圧力源から迅速に排気する圧力逃がし弁であって、前記圧力源から空気圧力を直接的に受け取るように連結された主ポートを横切るように配置された弁体を有するハウジングと、前記圧力源からパイロット圧力を受け取るように連結された第2ポートと、該第2ポートに近接させて配置されたピストンと、前記ハウジングに設けられ、前記主ポートから受け取られて前記弁体を押し付ける空気を大気に排気する少なくとも1つの排気ポートとを備えている圧力逃がし弁。
【請求項2】 前記ピストンおよび前記第2ポートは、前記ハウジングの前記主ポートと反対の端部に固着された端部キャップ内に設けられている請求項1記載の圧力逃がし弁。
【請求項3】 ばねが前記弁体に抗して前記ハウジング内に配置され且つ圧縮されている請求項1記載の圧力逃がし弁。
【請求項4】 横壁が前記ピストンを前記ばねから分離しており、該横壁に、前記ピストンの下方に位置し、前記第2ポートから前記パイロット圧力を受け取る窪み部が設けられている請求項1記載の圧力逃がし弁。
【請求項5】 第2ばねが、前記弁体と前記ハウジングの前記主ポートの周囲に配置された前記ハウジングの端部壁部分との間に配置されている請求項1記載の圧力逃がし弁。
【請求項6】 前記圧力源は、空気圧縮機に空気圧連結された中間冷却器である請求項1記載の圧力逃がし弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気を迅速に排気する弁構造体に関し、特に、空気圧縮機から圧縮空気を受け取るように連結された中間冷却器内の空気圧力を迅速に逃がす弁に関する。
【0002】
【従来の技術】ゲーテル(Goettel)他の米国特許第5,106,270号明細書は、2つの低圧シリンダからなる空気圧縮機であって、その各々が低圧空気をそれぞれの中間冷却器に送り込んで、そのような圧縮空気が圧縮機の高圧シリンダの共通マニホルド連結および入口フランジに流入する前に、この圧縮空気を冷却するようにした空気圧縮機を開示している。低圧シリンダのヘッドから送り出された圧縮空気を集合的に受け取って、第2段圧縮用の高圧ヘッドに流入する前に、この圧縮空気を冷却する単一中間冷却器コア構造も使用可能である。
【0003】圧縮機は、ゲーテル他の特許に開示されているように、電動モータで駆動することができるが、従来の機関車の圧縮機は、直接、機関車のディーゼルエンジンで駆動されていた。このように、ディーゼルエンジンのアイドリング中も、圧縮機は、低速のアイドル速度で作動し続けていた。
【0004】最近の圧縮機構造は、電動モータで停止/始動式に作動され、圧縮機は、加圧空気が必要な時に始動し、加圧空気が必要ない時に停止する。そのような電動モータは、機関車の交流発電機で生成される電圧で作動し、その交流発電機は、機関車のディーゼルエンジンで駆動する。アイドリング状態等でディーゼルエンジンの回転数が低い時、交流発電機は、限られた量の電力しか生成することができない。そのような限られた量の電力は、圧縮機が必要量の圧縮空気を送り出すことができる速度で圧縮機モータを作動させるには不十分であろう。この状態が発生した時、空気圧縮機は、モータが交流発電機の電気特性によって供給される時に作動し得る速度より高速で作動しなければならない。
【0005】この理由から、圧縮機モータは、二極二速度構造を有している、すなわち、供給電圧交流発電機の磁極と同数の第1磁極群を設けて、低速作動の場合に圧縮機が交流発電機(およびディーゼルエンジンの機械的駆動部)と実質的に同一速度で回転しるようにし、モータおよび交流発電機の極が同一であるため、損失が少なくなるようになっている。しかし、十分な圧縮空気出力を確保すると共に、列車線損失に打ち勝つために、圧縮機は、アイドル速度等のエンジン速度より高速で作動できなければならない。交流発電機の磁極の半数の第2モータ極群が設けられている場合、圧縮機は、ディーゼルエンジン/交流発電機の2倍の速度で作動する。このように、機関車乗員は、(燃料の節約とエンジン摩耗の軽減のために)低速のエンジン速度で機関車を作動させながら、同時に、ブレーキおよび他の空気圧作動装置用に十分な量の圧縮空気を生成することができる。
【0006】空気圧力をより多く必要とする場合には、圧縮機のモータに信号を送って、より高速で作動させる。これが行われる時、圧縮機の空気圧力を除去して(排気して)、モータが無負荷状態で始動(移行)することができるようにする。圧縮機が無負荷状態である時、この圧縮機は自由に回転し、従って圧縮機を駆動するモータに加わる負荷が非常に小さくなる。モータを圧縮機の圧力負荷に抗して始動または移行させる必要がある場合、圧縮機のロータは、モータに対してロックされるように見え、そのため、圧縮機内の圧縮力に打ち勝つためにモータが大量の電流を引き込む際、モータが焼き付く可能性がある。圧縮機のロータは、圧縮機のシリンダ内のピストンを作動させるクランク軸を有しており、これらのピストンは、圧縮空気を生成させるものである。従って、シリンダ内の空気圧力がピストンに、従って圧縮機のクランク軸に逆らって作動する状態では、圧縮機の駆動モータは、クランク軸を回転させることが困難である。
【0007】二極構造のモータが相対的な低速作動から2倍高速作動に移行するための時間長さは、1秒程度である。このため、モータの速度が変化すると、圧縮機の高圧ヘッド内に中間冷却器によって供給される空気圧力がまだ存在する場合がある。従って、圧縮機のモータが圧縮機の高圧シリンダ内の圧力負荷に抗して始動する、すなわち速度を変化させる必要がないように、中間冷却器の空気圧力を迅速に排出する必要がある。
【0008】
【発明の概要】従って、本発明の第1の目的は、1秒程度であるが、二極圧縮機モータを移行させるのに掛かる時間内に中間冷却器の排気を行うことである。
【0009】本発明の別の目的は、弁の通常圧力逃がし機能を保持しながら、中間冷却器のそのような迅速な排気を行う簡単で低コストの逃がし弁を提供することである。
【0010】中間冷却器には、通常、中間冷却器の圧力が過大である時に、開放して中間冷却器圧力を逃がす構造の逃がし弁が設けられている。本発明は、この機能を維持しながら、弁に送られた空気圧信号を使用してパイロット機能を弁に組み込む。信号は、弁内部の補助ピストンの下方に送られて弁を直ちに開放し、それによって中間冷却器の圧力を排気する。ピストンは、既存の逃がし弁のハウジングの一端部に固着される別体のキャップ内に配置することができる。そのような逃がし弁の他端部は、中間冷却器から直接的に圧力を受け取るように配置された弁体を収容している。中間冷却器内の過大圧力は、弁体を移動させて、弁が開放する。この移動は、中間冷却器内の圧力が過大でない時には、弁を閉鎖位置に保持するばねに逆らって行われる。
【0011】始動のために圧縮機の負荷を除去する時、調整器の補助によってそのような負荷除去を命令するために空気信号を使用する。本発明では、この信号は、ばねに加わる圧力を逃がすように補助ピストンを移動させることによって、逃がし弁を開放するためにも使用される。これによって、逃がし弁内の弁体が直ちに移動して、弁のハウジングに設けられている排気ポートを通り過ぎることによって、中間冷却器が受け取った空気を大気に排気することができる。
【0012】本発明の弁装置は、ゲーテル他の米国特許第5,106,270号明細書か、単一中間冷却器構造の上述した圧縮機/中間冷却器に使用される逃がし弁またはブローダウン弁のパッケージングを行う簡単で低コストの手段である。本発明の弁は、新しい構成部材を総て使用して、完全に新しい独自の構造にすることができるが、補助ピストンと空気圧(パイロット)信号を受け取る小ポートとを含む端部キャップを追加することによって、既存の中間冷却器逃がし弁を使用することもできる。
【0013】いずれの場合も、本発明の弁は、直ちに、すなわち1秒程度で作動するので、圧縮機は、無負荷となり、モータを無負荷状態で始動させることができる。
【0014】機関車および車両列が圧縮空気の作動レベルの回復を必要とする時、調整器は、圧縮機に信号を送って、そのような圧力回復を行わせる。これには、本発明の逃がし弁を閉じて、圧縮機が必要な圧力を蓄積できるようにする必要がある。圧縮機の負荷除去を命令したパイロット信号は、調整器によって取り除かれ、この調整器は、また、本発明の逃がし弁からパイロット信号も取り除く。この時、弁内のばねが弁体を閉鎖させるため、排気ポートが閉鎖されて、圧縮機は、必要な圧力を蓄積する。
【0015】本発明は、その利点および目的と共に、以下の詳細な説明および添付の図面からさらに十分に理解されるであろう。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のさらに詳細な説明を始める前に、分かり易くすると共に本発明を理解し易くするために、幾つかの図面を通して同一機能を有する同一部材には、同一の参照番号を付けて示していることに注意されたい。
【0017】図1を参照すると、本発明の逃がし弁10は、圧縮機/中間冷却器結合体(部分図として示されている)の2つのそれぞれの中間冷却器14の2つのマニホルド12に空気圧連結されている、すなわち、マニホルドが弁10を中間冷却器の冷却管16に、また他の部分は図1に示されていない圧縮機のそれぞれの低圧シリンダ18に連結している。管継手20は、マニホルドの内側端部を共に連結させると共に、逃がし弁に連結しており、この逃がし弁は、継手20に設けられた上向きの開口(図示せず)にねじ込まれている。
【0018】管継手20は、また、逃がし弁10および中間冷却器14を(図1に示されていない)圧縮機の高圧シリンダに空気圧連結している。
【0019】図1の部分図は、上記ゲーテル他の特許に開示されている圧縮機/中間冷却器/後置冷却器結合体を示しているが、本発明の逃がし弁は、他の空気圧環境や、過大圧力を逃がす必要がある圧縮空気源を提供する他の装置でも機能する。
【0020】図2は、本発明の好適な実施例の断面図である。さらに詳しく言うと、図2は、ばね24と主弁体26とを含む逃がし弁10のハウジング22を示している。ばね24は、弁体をハウジングの下端部壁(端部壁部分)30に設けられた主ポート28に上から当接する閉鎖位置に押し付ける。下端部壁30は、加圧状態のガスを収容している部材、例えば図1の管継手20にねじ込まれる一体形ねじ付きニップル32を有している。
【0021】以上に説明したように、図2および図3の弁は、主ポート28で受け取った圧力が過大になった時に、開放するために用いられる標準的な逃がし弁である。そのような過大圧力は、弁体26がばね24に抗して上昇して、図3の排気ポート34を通り過ぎた時に、この排気ポート34から大気に排気される。
【0022】本発明では、図2および図3の逃がし弁は、ハウジング22の主ポート28側の端部と反対の端部に固着された端部キャップ38に設けられたパイロットポート(第2ポート)36に空気圧信号を受け取った時、開放して空気圧力を排気するように変更されている。端部キャップ38は、弁のハウジング22の上端部に配置されたリング40にねじ込まれた複数のボルト39(図3参照)によって、ハウジング22に固着することができる。リング自体は、リングの内側およびハウジング端部の外側に設けられた適当なねじで、ハウジングに固着することができる。
【0023】元の逃がし弁に、この弁を閉鎖する上端部壁またはキャップが設けられている場合、そのような端部壁またはキャップを取り外して、端部キャップ38に交換する。端部キャップ38は、下側でパイロット圧力を受け取るように配置されたピストン41を収容できる寸法になっている。そのようなパイロット圧力が存在しない場合、主ポート28内の圧力は逃がす必要がない状態にあって、ばね24の伸長力が弁体26を主ポート28に当接した状態に維持する。ピストン41は、ピストンと弁体との間に延在したシャフト42に機械的に連結されている。図2および図3におけるシャフト41の上端部は、ばね24をピストン41から分離する上側の横壁44を貫通している。また、横壁44は、ハウジング22の内部を端部キャップ38の内部から分離している。横壁44には、一体のボスが設けられており、このボス45が、ばね24の上端部を受け取ってそれの中心を定めており、一方、ばねの下端部は、シャフト42の拡大端部46に中心が定められている。
【0024】パイロット圧力信号がパイロットポート36に送られていない状態で、通常圧力が主ポート28内に存在している状態では、ピストン41は、横壁44に着座している一方、シャフト42およびばね24は、弁体26を下端部壁30に当接した状態に維持し、これによって主ポート28が閉じられる。
【0025】パイロットポート36で圧力信号を受け取った時、その圧力によってピストン41が横壁44から離脱し、シャフト42が上方へ並進して弁体26から離れる。それによって、ばね24が横壁44に抗して圧縮され、弁体26は、主ポート28内の中間冷却器の圧力の力を受けて、排気ポート34(図3参照)を主ポート28に連通させる位置へ移動する。この状態になった時、主ポート28および中間冷却器14内の圧力は、排気ポート34から大気へ迅速に排気される。同じ空気圧信号を圧縮機が受け取って、圧縮機の空気圧力を逃がすことによって駆動モータの二極構造間で移行を行う時、このことが起きる。このように、モータは、無負荷状態の圧縮機および排気された中間冷却器に対抗して始動する。また、このようにして、モータの寿命は、相当に長くなる。
【0026】排気ポート34の寸法は、1秒程度であるモータの移行の時間枠内で、中間冷却器の空気が排気されるような寸法である。
【0027】横壁44には、またピストン41の方向に面した隆起部分すなわち延出部分47が設けられており、ピストン41の下方に環状空間48を画成している。この環状空間48は、パイロットポート36からパイロット圧力を受け取る小さい環状プレナム(窪み部)を提供し、ピストン41および弁体26をばね24の力に抗して迅速に並進させて、中間冷却器の空気を排気するように機能する。
【0028】パイロット圧力信号がパイロットポート36および環状空間(環状プレナム)48から取り除かれると、ピストン41は、弁体26に当接したばね24の伸長力を受けて隆起部分47に着座する位置に戻る。これによって、主ポート28は、閉鎖される。この動作によって、圧縮機は、空気を圧縮して目的の用途に使用できるようにし、その空気は、中間冷却器14で冷却されてから、圧縮機の高圧シリンダに送られる。
【0029】図2および図3に示されているように、Oリング50をピストン41の周囲に配置して、空気がピストンを通って漏れないようにしている。パイロット信号が存在しない場合、ばね24は、ピストン41を上側横壁44に当接した状態に保持しており、パイロット信号がなく、且つ通常圧力が主ポート28に存在する状態では、ばね24は、弁体26を閉鎖位置に保持している。
【0030】また、シャフト42の上端部でこのシャフトと横壁44のボス45との間に第2Oリング52を配置して、パイロット空気がばね24の室内へ漏れないようにしている。
【0031】軽量の波形ばね(第2ばね)56を弁体26と弁の下端部壁30との間に配置して、ピストン41に送られたパイロット信号によってシャフト42が上昇する時の弁体26の羽ばたき運動(flapping)または粗動・フラッター(fluttering)を防止することもできる。
【0032】以上に本発明を実施するための現時点で好適な実施例を詳細に説明してきたが、本発明の属する圧縮機のシステム技術の専門家であれば、添付の請求項の精神および範囲から逸脱することなく本発明を実施する様々な変更方法を理解するであろう。
【0033】従って、本発明は、添付の請求項だけでなく、下記の項目に記載の概念も、その保護の対象とすることができる。
(1) 前記端部キャップは、前記ハウジングの前記主ポートと反対の端部に固定されるリングにねじ込まれる複数のボルトにより、前記ハウジングに固着されている請求項2記載の圧力逃がし弁。
(2) 前記リングは、前記ハウジングの前記端部にねじ止めされている上記(1)項記載の圧力逃がし弁。
(3) 前記第2ポートは、前記ピストンの下方に位置し、前記第2ポートが前記パイロット圧力を受け取った時、前記ピストンを移動させて前記弁体が前記排気ポートを通過することができるようにする請求項3記載の圧力逃がし弁。
(4) 前記ばねは、前記ピストンと前記弁体との間に延在するシャフト上に中心が定められている請求項3記載の圧力逃がし弁。
(5) 前記ばねは、前記ピストンに近接して設けられたボスと、前記弁体に近接して設けられた前記シャフトの拡大端部とによって前記シャフト上に中心が定められている上記(4)項記載の圧力逃がし弁。
【出願人】 【識別番号】591093069
【氏名又は名称】ウエスチングハウス・エヤー・ブレーキ・コンパニー
【氏名又は名称原語表記】WESTINGHOUSE AIR BRAKE COMPANY
【出願日】 平成11年7月1日(1999.7.1)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外6名)
【公開番号】 特開2000−46217(P2000−46217A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平11−187432