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【発明の名称】 逆止弁
【発明者】 【氏名】貝沼 隆司

【要約】 【課題】開弁感度を良好にしても、耐久性を向上させることができる逆止弁を提供すること。

【解決手段】逆止弁Vは、エア流入側のチューブとエア流出側のチューブとを接続させた弁ケース10内に、エア流路10aを閉塞するように、高分子弾性体からなる弁体20を配設させて、エアAの流出側からの逆流を防止する。弁体20は、エアAの下流側に狭まった傘部21を備えるとともに、傘部21の頂部24に、逆流時に周縁を押圧するエアAの圧力で閉塞可能として、エア流出方向と直交する方向に延びて開口するエア流出用のスリット25を備えて構成される。弁体20のスリット25周縁におけるスリット25と直交方向の一方の縁26側が、スリット25の閉塞方向に押圧力Fを作用されて、配設されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体流入側のチューブと流体流出側のチューブとを接続させた弁ケース内に、流体流路を閉塞するように、高分子弾性体からなる弁体が配設され、該弁体が、流体の下流側に狭まった傘部を備えるとともに、該傘部の頂部に、逆流時に周縁を押圧する流体の圧力で閉塞可能として、前記流体流出方向と直交する方向に延びて開口する流体流出用のスリットを備えて構成され、流体の流出側からの逆流を防止する逆止弁であって、前記弁体のスリット周縁における前記スリットと直交方向の一方の縁側が、前記スリットの閉塞方向に押圧力を作用されて、配設されていることを特徴とする逆止弁。
【請求項2】 前記弁体が、前記スリット周縁における前記スリットと直交方向の一方の縁側に、突起を備え、該突起が、前記弁体の前記弁ケース内への配設固定時に、前記弁ケースにおける流体流路の内周面に当接して、前記弁体のスリット周縁における前記スリットと直交方向の一方の縁側に作用する押圧力を生じさせていることを特徴とする請求項1に記載の逆止弁。
【請求項3】 前記弁ケースが、前記流体流入側チューブに接続されるニップル及び該ニップルに連通する筒部を備えた上流側部と、前記流体流出側チューブに接続されるニップル及び該ニップルに連通する筒部を備えた下流側部と、から構成されるとともに、前記上流側部と前記下流側部との筒部相互が、流体流路に沿う方向で嵌合するように構成され、前記弁体が、前記傘部の元部側で半径方向外方へ突出して、前記弁ケースの上流側部と下流側部との嵌合時に、前記筒部相互に全周を挟持されて、前記弁体を前記弁ケース内に配設固定するためのフランジ部を備えて、前記弁体の突起が、流体流出側へ先細り状に突出するように形成されるとともに、前記弁体の前記弁ケース内への配設固定時、前記下流側部の内周面に当接して、前記弁体のスリット周縁における前記スリットと直交方向の一方の縁側に作用する押圧力を生じさせていることを特徴とする請求項2に記載の逆止弁。
【請求項4】 流体流入側のチューブがエアポンプと連結されて、該エアポンプの作動停止時におけるエア流出側からの逆流を防止するように使用されることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の逆止弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体流路に配置されて、流体の逆流を防止するための逆止弁に関する。詳しくは、弁体が、高分子弾性体からなって、流体の下流側に狭まった傘部を備えるとともに、傘部の頂部に、逆流時に閉塞可能として、流体流出方向と直交する方向に延びて開口する流体流出用のスリットを備えて構成される、所謂、タックビルタイプの逆止弁に関し、特に、鑑賞魚飼育用水槽の水面下にエアポンプが配置されるような場合の微圧のエアポンプ用に好適な逆止弁に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、鑑賞魚飼育用のエアポンプが鑑賞魚飼育用水槽の水面下に配置されるような場合には、停電時、エアポンプの作動が停止されて、水槽の水が、エアポンプまで逆流し、その周囲を水浸しにしないように、エアポンプからのエア流路に、逆止弁が配置されていた。
【0003】そして、従来のこの種のエアポンプ用逆止弁では、エアポンプ側のチューブとエア供給先側のチューブとをそれぞれ接続させる弁ケース内に、エア流路を塞ぐようにシリコンゴム等からなる弁体が配置されていた。
【0004】この弁体は、流体の下流側に狭まった傘部を備えて構成されるとともに、その傘部に、傘部の成形後に薄いカッタを差し込むことにより形成したスリットが設けられて構成されていた。このスリットは、非常に狭く、常時、閉塞されるように周縁の部位から押圧されており、エアポンプの作動時、エア圧で開いて、エアをエア供給先側へ供給し、エアポンプの作動停止時、周縁の部位の押圧力で閉塞されるように、構成されていた。
【0005】そして、従来のこの種の、所謂、タックビルタイプの逆止弁では、微圧用のエアポンプの作動停止でも、容易にエア流路を閉塞できるように、開弁感度を良好にしようとする場合、スリット周縁の肉厚を薄くしたり、弁体自体の材質をさらに軟らかくすることとなっていた。
【0006】しかし、弁体のスリット周縁の肉厚を薄くしたり、弁体の材質を軟らかくする場合には、長期間の使用時、スリットの周縁がたるむ状態になり易く、耐久性が著しく低下してしまう。
【0007】本発明は、上述の課題を解決するものであり、開弁感度を良好にしても、耐久性を向上させることができる逆止弁を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る逆止弁は、流体流入側のチューブと流体流出側のチューブとを接続させた弁ケース内に、流体流路を閉塞するように、高分子弾性体からなる弁体が配設され、該弁体が、流体の下流側に狭まった傘部を備えるとともに、該傘部の頂部に、逆流時に周縁を押圧する流体の圧力で閉塞可能として、前記流体流出方向と直交する方向に延びて開口する流体流出用のスリットを備えて構成され、流体の流出側からの逆流を防止する逆止弁であって、前記弁体のスリット周縁における前記スリットと直交方向の一方の縁側が、前記スリットの閉塞方向に押圧力を作用されて、配設されていることを特徴とする。
【0009】前記弁体には、前記スリット周縁における前記スリットと直交方向の一方の縁側に、突起を設け、該突起を、前記弁体の前記弁ケース内への配設固定時に、前記弁ケースにおける流体流路の内周面に当接させて、前記弁体のスリット周縁における前記スリットと直交方向の一方の縁側に作用する押圧力を生じさせるように構成することが望ましい。
【0010】また、前記弁ケースを、前記流体流入側チューブに接続されるニップル及び該ニップルに連通する筒部を備えた上流側部と、前記流体流出側チューブに接続されるニップル及び該ニップルに連通する筒部を備えた下流側部と、から構成するとともに、前記上流側部と前記下流側部との筒部相互を、流体流路に沿う方向で嵌合させるように構成する場合には、前記弁体に、前記傘部の元部側で半径方向外方へ突出して、前記弁ケースの上流側部と下流側部との嵌合時に、前記筒部相互に全周を挟持されて、前記弁体を前記弁ケース内に配設固定するためのフランジ部を設け、前記弁体の突起を、流体流出側へ先細り状に突出するように形成するとともに、前記弁体の前記弁ケース内への配設固定時、前記下流側部の内周面に当接させて、前記弁体のスリット周縁における前記スリットと直交方向の一方の縁側に作用する押圧力を生じさせるようにすることが望ましい。
【0011】そして、流体流入側のチューブをエアポンプと連結させ、該エアポンプの作動停止時におけるエア流出側からの逆流を防止するように使用しても良い。
【0012】
【発明の効果】本発明に係る逆止弁では、開弁時、弁体のスリット周縁におけるスリットと直交方向の他方の縁側が移動して、スリットを開口させ、流体を流出することとなる。また、閉弁時には、弁体のスリット周縁におけるスリットと直交方向の他方の縁側が、一方の縁側に圧接される態様となって、流体流路を閉塞することとなる。
【0013】そして、本発明の逆止弁では、弁体のスリット周縁におけるスリットと直交方向の一方の縁側が、スリットの閉塞方向に押圧力を作用されて、配設されている。
【0014】そのため、開弁時に移動するスリット周縁の他方の縁側は、押圧力を受けていない従来の弁体での開弁しているような位置で、閉弁状態となっており、その位置では、押圧力の反力によって、スリット周縁の他方の縁側に閉じようとする引張力が作用することとなり、スリット周縁に押圧力や引張力が作用されて、たるみが抑えられることから、弁体の耐久性を向上させることができる。すなわち、開弁感度を良好にするように、スリット周縁の肉厚を薄くしたり、弁体の材質を軟らかくしても、開弁動作となるような、弁体におけるスリット周縁のたるみが抑えられ、弁体の耐久性を向上させることができる。
【0015】ちなみに、従来の弁体では、弁体自体の復元力で閉弁位置を維持しているだけであり、本発明のような外力(押圧力)が作用していない。そのため、たるみ始めれば、直ちに、開弁状態となり、流体の漏れを生じさせて、耐久性が低下することとなっていた。
【0016】したがって、本発明に係る逆止弁では、開弁感度を良好にしても、耐久性を向上させることができる。
【0017】なお、本発明に係る逆止弁では、僅かでも、スリット周縁の他方の縁が一方の縁から離れるように移動すれば、開弁することとなるため、微圧でも、開弁動作を確保することができる。
【0018】そして、弁体に、スリット周縁におけるスリットと直交方向の一方の縁側に、突起を設け、この突起を、弁体の弁ケース内への配設固定時に、弁ケースにおける流体流路の内周面に当接させて、スリット周縁の一方の縁側に作用する押圧力を生じさせるように構成すれば、弁ケース自体にスリット周縁を押圧する突起を設ける場合に比べて、弁体のスリット周縁に作用する押圧力を一定に確保し易くなり、良好な開弁感度等の高い弁性能を維持することができる。
【0019】すなわち、突起の形状寸法にバラツキがあっても、弾性体からなる弁体側に突起を設けておけば、弁体を形成した高分子弾性体材料のその弾性力で寸法精度のバラツキを吸収できるからである。
【0020】さらに、弁ケースを、流体流入側チューブに接続されるニップル及びこのニップルに連通する筒部を備えた上流側部と、流体流出側チューブに接続されるニップル及びこのニップルに連通する筒部を備えた下流側部と、から構成するとともに、上流側部と下流側部との筒部相互を、流体流路に沿う方向で嵌合させるように構成する場合、弁体に、傘部の元部側で半径方向外方へ突出して、弁ケースの上流側部と下流側部との嵌合時に、筒部相互に全周を挟持されて、弁体を弁ケース内に配設固定するためのフランジ部を設け、弁体の突起を、流体流出側へ先細り状に突出するように形成するとともに、弁体の弁ケース内への配設固定時、下流側部の内周面に当接させて、弁体のスリット周縁におけるスリットと直交方向の一方の縁側に作用する押圧力を生じさせるようにすれば、つぎの作用・効果を得ることができる。
【0021】すなわち、弁ケースにおける上流側部と下流側部との間に、弁体を配設させた状態で、上流側部と下流側部とを嵌合させれば、突起の先細り形状によって、自動的に、突起が下流側部の内周面に当接されて、スリット周縁の一方の縁側への押圧力を確保することができ、弁体の配設作業を簡便にすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】実施形態の逆止弁Vは、鑑賞魚飼育用の水槽にエアを供給する流路に配置されるものであり、図1・2に示すように、弁ケース10内に、弁体20を配設させて構成されている。
【0024】弁ケース10は、エアポンプと連結されるエア流入側のチューブ1に接続される上流側部11と、水槽側、すなわち、エア流出側のチューブ2に接続される下流側部16と、から構成され、上流側部11と下流側部16とは、AS樹脂、ポリプロピレン樹脂等の合成樹脂から形成されて、端部相互を嵌合組付けできるように構成されている。
【0025】上流側部11は、流入側チューブ1に接続されるニップル12と、ニップル12に連通される略円筒形状の筒部13と、備えて構成されている。
【0026】筒部13におけるニップル12の反対側端部は、図1・2に示すように、下流側部16との嵌合部位を構成しており、外周面側を徐々に狭めるように、円周方向に沿って設けられた2段の段差凹部13b・13cを配置させて、さらに、内周側を突出させた円筒状の先端部13aを備えて構成されている。段差凹部13bの外周面には、円周方向に沿って、嵌合突起13dが形成されている。また、先端部13aの先端は、僅かに先細り状となるとともに、先端面を半円弧状としている。
【0027】下流側部16は、一端に、エア流出側チューブ2に接続されるニップル17を備えて、下流側部16におけるニップル17の反対側端部は、上流側部11との嵌合部位とする筒部18としている。
【0028】筒部18は、上流側部11の筒部13に外嵌させるように、筒部13の段差凹部13bに外嵌される先端部18aを備えるとともに、内径を上流側部11の筒部13の内径と等しくさせ、上流側部11の段差凹部13cの端面との間で、弁体20のフランジ部30を挟持するように、内周側を円周方向に沿って凹ませた段差凹部18bを備えて構成されている。先端部18aの内周面には、嵌合突起13dを嵌合させる嵌合凹部18cが形成されている。また、段差凹部18dの端面における内周縁側には、図1・2に示すように、全周にわたって、上流側部11の先端部13a側に僅かに突出する突条18dが形成されている。
【0029】弁体20は、シリコンゴム等のゴムや熱可塑性エラストマー等の合成樹脂等の高分子弾性体から形成され、図1〜5に示すように、傘部21とフランジ部30とを備えて構成されている。
【0030】フランジ部30は、傘部21の元部22側で半径方向に円板状に突出するように形成され、弁ケース10の上流側部11と下流側部16との嵌合時に、先端部13aと突条18dとで挟持され、弁体20を弁ケース10内に配設固定する役目を果たす。
【0031】傘部21は、略円筒形状とするとともに、先端側を閉塞しつつ、斜めの2面で切除した斜面21a・21bを備えた先細りの形状とし、頂部24には、傘部21の軸方向X、すなわち、エアAの流出方向Xと直交するように、Y方向に延びて、表裏を貫通するスリット25が形成されている。このスリット25は、弁体20の成形後に薄いカッタを差し込むことにより形成されている。そして、スリット25の周縁の肉厚は、逆流時に周縁を押圧するエアAの圧力で閉塞可能な寸法として設定されている。
【0032】そして、傘部21には、元部22側から突出して、先端を頂部24から突出させるように、斜面21aの外表面に、突起28が形成されている。突起28は、先細りとなるように、弁体20の外周側の面を、テーパ面28aとして、先端を弧面28bとしている。突起28の寸法形状は、弁体20の弁ケース10内への配設固定時、弁ケース10の下流側部16の内周面16aにおける角部16bに当接されて、スリット25の周縁におけるスリット25と直交方向の一方の縁26側の中央部位26aを、スリット25の閉塞方向に、すなわち、他方の縁27側に僅かに押圧して、図6に示すように、0.05〜1.0mm程度の距離Lを移動する形状としている。
【0033】さらに、実施形態の弁体20は、傘部21の元部22側の外周面に、フランジ部30側から延びる4つのリブ23を突設させている。これらのリブ23は、先端側にテーパ状の案内面23aを備えて、弁ケース10の下流側部16における筒部18の内周面18eに対応して、弁体20が下流側部16の中央に配置されるように、案内して位置決めする役目を果たす。
【0034】なお、実施形態の弁体20は、突起28とリブ23とを除けば、開弁感度を向上させた従来の弁体と同様な構成である。
【0035】実施形態の逆止弁Vの製造について述べれば、予め、上流側部11、下流側部16、及び、弁体20を、所定の成形材料を使用して射出成形により形成して準備しておき、弁体20のフランジ部30を上流側部11の段差凹部13cに配置させた状態で、上流側部11の筒部13に対して下流側部16の筒部18を外嵌させて、嵌合突起13dを嵌合凹部18cに嵌合させれば、上流側部11と下流側部16とを嵌合組付けすることができて、逆止弁Vを製造することができることとなる。
【0036】このように製造した逆止弁Vのニップル17に、図示しない水槽に連結されたチューブ2を接続するとともに、ニップル12に、水槽の水面より下方に配置されている図示しないエアポンプに連結されたチューブ1を接続させ、エアポンプを作動させれば、エアポンプ側チューブ1からエアAが送給されて、図2・6の二点鎖線で示すように、弁体20のスリット25の周縁におけるの縁27側が移動して、スリット25に開口Oが形成され、エアAを流出することとなる。そして、エアAは、弁ケース10の流路10aと弁体20の開口Oとを経て、流出側チューブ2に流れ、図示しない水槽内にエアAを供給することとなる。
【0037】その後、エアポンプの作動が停止されば、弁体20のスリット25の周縁における縁27側が、復元して、一方の縁26側に圧接される態様となって、スリット25の開口Oを閉塞することとなる。
【0038】そして、実施形態の逆止弁Vでは、弁体スリット25の周縁における縁26側が、弁ケース10の角部16bに当接され、スリット25の閉塞方向に押圧力Fを作用されて、配設されている。
【0039】そのため、開弁時に移動する他方の縁27側は、押圧力を受けていない従来の弁体での開弁しているような位置(従来の弁体の開弁状態は、図5に二点鎖線で示す)で、図6の実線で示すように、閉弁状態となっており、その位置では、押圧力Fの反力によって、他方の縁27側に閉じようとする引張力Tが作用することとなる。また、一方の縁26自体には、押圧力Fが常時作用している。そのため、スリット25の周縁26・27のたるみが抑えられ、弁体20の耐久性を向上させることができる。すなわち、開弁感度を良好にするように、スリット25の周縁の肉厚を薄くしたり、弁体20の材質を軟らかくしても、開弁動作となるような、弁体20におけるスリット25の周縁のたるみが抑えられ、弁体20の耐久性を向上させることができる。
【0040】ちなみに、従来の弁体では、弁体自体の復元力で閉弁位置を維持しているだけであり、実施形態のような外力(押圧力F)が作用していない。そのため、たるみ始めれば、直ちに、開弁状態となり、エアの漏れを生じさせて、耐久性が低下することとなっていた。
【0041】したがって、実施形態の逆止弁Vでは、開弁感度を良好にしても、耐久性を向上させることができる。
【0042】なお、実施形態の逆止弁Vでは、僅かでも、スリット周縁の縁27が縁26から離れるように拡がれば、開弁することとなるため、微圧でも、開弁動作を確保することができる。
【0043】そして、実施形態では、スリット25の周縁の一方の縁26側に作用する押圧力Fを生じさせるよう、弁体20に突起28を設けている。そのため、弁ケース10側にスリット25周縁の縁26を押圧する突起を設ける場合に比べて、弁体20のスリット25周縁に作用する押圧力Fを一定に確保し易くなり、良好な開弁感度等の高い弁性能を維持することができる。
【0044】すなわち、突起の形状寸法にバラツキがあっても、弾性体からなる弁体20側に突起28を設けておけば、弁体20を形成した高分子弾性体材料のその弾性力で寸法精度のバラツキを吸収できるからである。
【0045】勿論、この点を考慮しなければ、弁ケース10側に、押圧力Fを生じさせる突起を設けても良い。
【0046】さらに、実施形態では、弁ケース10における上流側部11と下流側部16との間に、弁体20を配設させた状態で、上流側部11と下流側部16とを嵌合させれば、突起28のテーパ面28aが、自動的に、下流側部16の内周面側16aの角部16bに当接して、スリット25周縁の一方の縁26側への押圧力Fを確保することができ、リブ23の案内面23aの作用もあいまって、弁体20の配設作業を簡便にすることができる。
【0047】なお、位置決め部位としてのリブ23の代わりに、フランジ部30を筒部18の嵌合凹部18cの内径と略等しくし、フランジ部30を位置決め部位として、弁ケース10の下流側部16に対する弁体20の半径方向の位置決めを行なうようにしても良い。
【0048】また、実施形態では、スリット25の周縁におけるスリット25と直交方向の一方の縁26側の中央部位26aの移動距離Lを、0.05〜1.0mm程度とした場合を示した。この距離Lの境界概念は、0.05mm未満では、縁27側にたるみが発生し易くなって、耐久性の向上を図り難くなり、1.0mmを超えては、微圧で開弁し難くなるため、好ましくないからである。
【0049】さらに、実施形態の逆止弁Vでは、弁体20を所定位置に配置させて、弁ケース10の上流側部11と下流側部16とを嵌合組付けするだけで、接着剤等を利用することなく、容易に製造することができることとなる。
【0050】さらにまた、実施形態では、鑑賞魚飼育用の水槽にエアを供給するエアポンプ用の逆止弁Vについて説明したが、微圧で作動する流体の逆流を防止するものであれば、エア等の気体に限らず、医薬や自動車の分野の気体や液体等の流体の逆止弁に本発明を応用することができる。
【出願人】 【識別番号】598021476
【氏名又は名称】貝沼 隆司
【出願日】 平成10年7月28日(1998.7.28)
【代理人】 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫 (外1名)
【公開番号】 特開2000−46216(P2000−46216A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−213236