| 【発明の名称】 |
容器弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】伊崎 隆一郎
【氏名】池田 拓也
【氏名】羽坂 智
【氏名】長谷川 英晴
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| 【要約】 |
【課題】簡単な構造で、混入不純物を効率的に除去することができ、残留不純物を低減させることができる高純度ガス用に適した容器弁を提供する。
【解決手段】弁室12と口金部14とを接続する2本の外部側ガス流路15a,15bを設けるとともに、口金部14には、前記2本の外部側ガス流路15a,15bにそれぞれ接続する2本の接続流路20a,20bを有し、かつ、一方の流路がパージガス導入側に、他方の流路がパージガス導出側に接続される連結金具21を装着する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガス充填容器に装着される容器弁であって、容器弁内の弁室と該容器弁の一側方に開口した口金部とを接続するガス流路を2本設け、該ガス流路の弁室への開口部を離間させて配置するとともに、前記口金部に、前記2本のガス流路にそれぞれ接続する2本の流路を有し、かつ、一方の流路がパージガス導入側に、他方の流路がパージガス導出側に接続される連結金具を装着したことを特徴とする容器弁。 【請求項2】 前記弁室が容器内部側に連通する内部側流路を中心としたリング状に形成され、前記2本のガス流路の弁室への開口部が前記内部側流路を挟んで対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の容器弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、容器弁に関し、詳しくは、半導体産業において、電子デバイスの製造プロセスに使用される半導体材料ガスやパージガス,キャリアガス等の高純度ガスを供給するガス充填容器用の容器弁として適した構造の容器弁に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】半導体プロセスに使われる半導体材料ガス,パージガス,キャリアガス等は、高純度かつ高清浄度が求められ、これらのガス中にパーティクルや酸素、水分等の不純物が存在すると、酸化や金属汚染に起因したデバイス特性不良や、製品の歩留まり低下といった問題を引き起こす。 【0003】一般に、ガス容器を半導体プロセスガスの供給設備や製造設備に取付ける際には、ガス容器弁の口金部が大気に暴露されているため、口金部とガス設備の取付用配管との間に大気が混入してしまう。このとき混入した大気は、窒素やアルゴンガスといった不活性ガスによるパージや、真空排気により除去されるが、混入した不純物の除去が不十分であると、ガス製造時には、残留不純物が容器内に混入することになる。例えば、酸素や水分等の大気成分ガスとの反応性を有するガスの場合は、ガス濃度の経時変化を引起こし、酸化反応による不純物生成や、容器と容器弁との接ガス部の金属表面に腐食を生じさせる原因となる。 【0004】また、ガス供給時には、ガス供給設備から消費設備にかけて、残留不純物による汚染が発生する。ガス供給時における汚染の影響は、ガスシステムに対してだけでなく、製品の歩留りの低下や電気的特性の不良としても現れる。 【0005】従来から最も多く使用されている容器弁は、一つの口金部がガスの取出口と充填口とを兼用する一口構造であり、容器弁内にデッドスペースが存在するため、容器弁を取付けたときに混入した容器弁内の大気成分を除去するには長時間を必要としていた。 【0006】一方、特開平5−106749号公報や特開平6−281026号公報に記載された容器弁は、この問題を解決するために提案されたもので、容器弁内の不純物を速やかに除去することはできるが、二個の容器弁が一体化したブロック弁構造になっているため、弁自体が非常に大きくなり、容器の輸送時に転倒しやすいという保安上の問題点を有していた。さらに、通常の容器弁に比較して複雑な構造を有しており、また、この容器弁を使用するためには、ガス設備側にパージガス用配管の増設が必要になるなど、コストが大幅に増加するという問題を有していた。さらに、容器弁自体にパージ用弁を組み込んだものも知られているが、弁の構造が複雑で、比較的大型であり、コスト的にも高価なものとなっていた。 【0007】そこで本発明は、容器弁接続時に混入したパーティクルや大気成分を速やかに効率よく除去することができ、真空排気時のコンダクタンスを低下させず、かつ、簡単な構造で小型化も図れ、しかも安価に製造することができる容器弁を提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の容器弁は、ガス充填容器に装着される容器弁であって、容器弁内の弁室と該容器弁の一側方に開口した口金部とを接続するガス流路を2本設け、該ガス流路の弁室への開口部を離間させて配置するとともに、前記口金部に、前記2本のガス流路にそれぞれ接続する2本の流路を有し、かつ、一方の流路がパージガス導入側に、他方の流路がパージガス導出側に接続される連結金具を装着したことを特徴としている。 【0009】さらに、前記弁室が容器内部側に連通する内部側流路を中心としたリング状に形成され、前記2本のガス流路の弁室への開口部が前記内部側流路を挟んで対向する位置に設けられていることを特徴としている。 【0010】 【発明の実施の形態】図1は本発明の容器弁の一形態例を示す要部の断面正面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は連結金具を取外した状態の容器弁を示す一部断面正面図、図4は同じく側面図である。 【0011】この容器弁10は、ガス容器装着部11の中心に形成されて容器内と弁室12とに連通する内部側ガス流路13と、容器弁10の一側方に開口した口金部14と弁室12とに連通する2本の外部側ガス流路15a,15bとを有しており、前記弁室12内には、内部側ガス流路13の端部外周に設けられたリング状の弁シート16と、この弁シート16に密着することにより流路を閉塞するダイヤフラム17とが設けれ、容器弁10の上部には、ダイヤフラム17を駆動する開閉機構18が設けられている。 【0012】図2に示すように、前記2本の外部側ガス流路15a,15bにおける弁室12への開口部19a,19bは、前記内部側ガス流路13を中心としたリング状に形成されている弁室12内で、できるだけ離間するように、内部側ガス流路13を挟んで対向する位置に設けられている、すなわち、一方の外部側ガス流路から弁室12内に流入したガスが、他方の外部側ガス流路へ平均的に流れるように設定されている。 【0013】また、口金部14から遠い位置に開口する外部側ガス流路15aは、内部側ガス流路13に影響を与えない範囲でできるだけ中心側に位置するように形成されており、これによって両外部側ガス流路15a,15b間の距離を最小にすることができ、従来と同じ口径の口金部14内に2本の外部側ガス流路15a,15bを容易に形成することができる。 【0014】前記口金部14には、前記外部側ガス流路15a,15bにそれぞれ接続する2本の接続流路20a,20bを有する連結金具21が装着される。この連結金具21は、従来の通常の連結金具と同様に、口金部14の外周に形成されている雄ネジ部に螺合する袋ナット22によって口金部14に装着され、口金部14との接続部には、外部リークを防止するためのシール材23が設けられている。 【0015】接続流路20a,20bには、ガス製造設備やガス供給設備等の各種取付用配管がそれぞれ接続されるが、少なくとも一方の接続流路にはパージガス導入系統を有する配管系が、他方の流路にはパージガス導出系統を有する配管系統が接続される。 【0016】容器弁10や連結金具21は、従来のものと同様に、真鍮,ステンレス鋼,ニッケル合金等から鍛造され、機械加工されることによって製作されるもので、水分等のガス分子やパーティクルが接ガス部表面に吸着する影響を少なくし、金属表面の耐食性を向上させる目的から、接ガス部表面には、機械研磨,砥粒研磨,電解研磨,複合電解研磨,化学研磨,複合化学研磨等が施されている。 【0017】また、前記ダイヤフラム17は、通常、ステンレス鋼やニッケル基合金で形成されるものであって、容器弁10に設けられた開閉機構18によって開閉作動する。開閉機構18としては、従来からこの種の容器弁に用いられている各種機構、例えば、圧縮空気による空気作動方式、モーターでネジ棒を回転させる電動式、ハンドルを手動で操作する手動式等、任意の形式の開閉機構を適宜に採用することができる。一方、弁シート16は、フッ素樹脂(商品名テフロン,ダイフロン等),ポリイミド等の各種高分子材料が一般に使用される。さらに、水分の除去効率を考慮した容器弁ボディーとシートとが一体型のオールメタルバルブ構造を採用することもできる。 【0018】また、各流路は、真空排気時におけるコンダクタンスの低下を抑えるため、内径を大きくすることが望ましいが、通常は、2〜6mmが適当である。同様の理由から、各流路の長さはできる限り短くすることが望ましく、弁室12の高さ(弁室底面とダイヤフラムとの距離)も、3mm以下にすることが望ましい。 【0019】なお、容器弁10のガス容器への装着は、従来と同様に行うことができ、また、接続流路20a,20b部分への取付用配管の接続は、従来の連結管と同様にして行うことができるので、これらの詳細な図示及び説明は省略する。 【0020】前記連結金具21は、容器弁10に装着した状態としておき、使用時に連結金具21の接続流路20a,20b部分と取付用配管とを接続するようにしてもよいが、通常は、連結金具21をガス製造設備やガス供給設備の所定の取付用配管に接続した状態としておき、使用時に、連結金具21を容器弁10の口金部14に連結することによって容器弁10と各配管とを接続するようにすることが好ましい。また、口金部14に連結金具21を取付ける際の方向性を確実なものとするため、両者の接触部に、凹凸係合するガイド部を設けておくこともできる。 【0021】このように形成された容器弁10をガス供給設備等の取付用配管に接続する際には、容器弁10内の弁室12や外部側ガス流路15a,15b及び連結金具21の接続流路20a,20b、ガス供給設備等の取付用配管内に大気が混入するが、前述のように2本の外部側ガス流路15a,15bと接続流路20a,20bとを設け、接続流路の一方にパージガス導入系統を、他方にパージガス導出系統を接続することにより、混入した大気成分のパージを効率よく確実に行うことができる。 【0022】すなわち、一方の接続流路20aにパージガスを供給して他方の接続流路20bからパージガスを導出する場合、接続流路20aに流入したパージガスは、該流路に接続されている外部側ガス流路15aを流れて弁室12内に流入した後、二手に別れて弁室12を半周し、外部側ガス流路15bから接続流路20bを経て導出される。このとき、弁室12への開口部19a,19bを前述のように対向した位置に設けたので、弁室12内を流れるパージガスの流量や流速を均等化することができ、効率よく効果的なパージを行うことができる。 【0023】したがって、パージガスは、弁室12及び各流路内を一方向に流れ、しかも、ガス通路におけるデッドスペース(ガス溜まり)を極小にすることができるので、ガス置換特性を大幅に向上させることができ、パージガスを流し続ける流通パージを行うことにより、混入した大気成分を速やかに除去することができる。また、パージガスで系内を加圧した後、大気圧以下に排気する(加圧−排気)回分式パージを繰返すことによっても大気成分を除去することができる。この回分式パージは、一般に、10回以上繰返すことが好ましく、その回数が多いほど確実なパージを行うことができる。 【0024】また、通常の一口構造の容器弁と同じ大きさで製造することが可能であり、現有の設備にも容易に適用できるため、容器弁10を使用するにあたり、ガス設備側に新規のコストが発生することはほとんどない。 【0025】半導体プロセスにおけるパージガスとしては、一般に、窒素,アルゴン,ヘリウム,水素が使用され、その純度は、水分0.1ppm以下,酸素0.1ppm以下,0.3μmの大きさのパーティクルが100個/cfであり、特に、水分0.01ppm以下,酸素0.01ppm以下,パーティクル10個/cf以下のパージガスが好適に使用される。 【0026】なお、弁室12への外部側ガス流路15a,15bの開口部19a,19bの位置は、弁室12の形状等に応じて適宜に設定することができ、例えば、弁室12がU字状に形成されている場合は、その両端に開口部19a,19bを儲ければよい。 【0027】 【実施例】実施例1図1に示す構造のダイヤフラム容器弁10及び連結金具21を製作した。弁本体は、SUS316L材の鍛造品を機械加工したものであり、ダイヤフラム17はNi基合金製である。これらの接ガス面には複合化学研磨を施した。また、弁シート16にはダイフロン(商品名)を使用した。各流路径は3mmとした。 【0028】図5に示すように、上記容器弁10の口金部14に装着した連結金具21の一方の接続流路に高純度窒素導入管31を、他方の接続流路に導出管32をそれぞれ接続し、導出管32に等速吸引サンプラー33を介してレーザ式パーティクルカウンター34を接続した。 【0029】ステンレス製オールメタルフィルター35で、0.1μm以上のパーティクルを1個/cf以下に除去した窒素ガスを、毎分100リットルで高純度窒素導入管31から導入するとともに、容器弁10から導出管32に導出されたガスを等速吸引サンプラー33に導入し、毎分2.8ミリリットルを配管36に分流してレーザ式パーティクルカウンター34に導入することにより、0.05μm以上のパーティクル数を計測した。 【0030】また、比較として、通常の一口型及び二口型容器弁をそれぞれ用意し、一口型容器弁については、従来の一般的な連結金具を使用して同様の試験を行い、二口型容器弁については、パージポート弁から前記窒素ガスを導入してサンプルガス取出口からガスを導出させた。 【0031】各計測結果を図6に示す。図6から明らかなように、本実施例の容器弁は、従来の一口型容器弁よりも速やかにパーティクルを除去することが可能であり、そのレベルは二口型容器弁と同程度であることが確認された。 【0032】実施例2図7に示すように、導出管32の下流に大気圧質量分析計(API−MS)40を接続し、導出ガス中の水分を測定することにより、パージ特性を調べた。なお、導出管32の下流側には、API−MS40用のパージガスを導入するための配管41及び弁42と、API−MS40におけるガス流量を一定に保つための流量制御器(マスフローコントローラー)43,44と、切換弁45,46とを設けている。 【0033】本実施例では、実際のガス容器交換作業に基づいたパージ操作を行った。すなわち、連結金具21にあらかじめ高純度窒素導入管31と導出管32とを接続した状態とし、ガス容器交換時には、容器弁10の口金部14に連結金具21を着脱して行うようにした。連結金具21を口金部14に装着する際には、高純度窒素導入管31から微量の高純度窒素ガスを流しながら行った。 【0034】容器弁10に連結金具21を装着した後、高純度窒素導入管31から高純度窒素ガス(水分1ppb以下)を毎分2リットルで容器弁10に導入し、導出管32に導出されたガスの一定量をAPI−MS40に導入した。API−MS40で定量した不純物の質量数は、水分のZ/M=18とした。また、一口型及び二口型容器弁についても同様の測定を行った。 【0035】図8は、測定した不純物(水分)濃度(イオン強度)の経時変化を示すものである。本実施例の容器弁及び二口型容器弁は、一口型容器弁よりも速やかに水分が除去されており、そのレベルは、双方共に同程度であることが確認された。すなわち、実際の容器交換時に混入する大気成分についても十分な除去効果を有していることがわかる。 【0036】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の容器弁によれば、簡単な構造で十分なパージ特性を得ることができ、しかも、外形的には、従来の一口型容器弁と同一に形成することが可能なため、既存のガス製造設備やガス供給設備にも、容易に対応できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000231235 【氏名又は名称】日本酸素株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月29日(1998.7.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086210 【弁理士】 【氏名又は名称】木戸 一彦 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−46212(P2000−46212A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−214313 |
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