トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 弁体シート構造
【発明者】 【氏名】今林 大輔

【要約】 【課題】盛金作業を容易に行ない得るとともに、盛金の補修作業も容易に行なうことができる弁体シート構造を提供する。

【解決手段】回転弁体14に着脱自在に装着する弁体シート17を環状に形成し、弁体シート17のシート面17aに弁箱シート18に摺接する弁体シール部17bを盛金により形成し、弁体シート17の外周面に雄ねじ部S1を形成するとともに、回転弁体14の対応する部位に雌ねじ部S2を形成して、弁体シート17を回転弁体14に螺合装着し、弁体シート17の雄ねじ部S1に螺合する固定用ナット17dを回転弁体14に対して締め付けて弁体シート17を緩み止め固定した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁箱内に弁箱内流路を開閉する弁体を弁棒の軸心廻りに回転自在に配置し、弁体に摺接する弁箱シートを弁箱の内側面に配置する弁において、弁箱シートに摺接して弁体に着脱自在に装着する弁体シートを環状に形成し、弁体シートのシート面に弁箱シートに摺接するシール部を盛金により形成し、弁体シートの外周面に雄ねじ部を形成するとともに、弁体の対応する部位に雌ねじ部を形成して、弁体シートを弁体に螺合装着し、弁体シートの雄ねじ部に螺合する固定用ナットを弁体に対して締め付けて弁体シートを緩み止め固定したことを特徴とする弁体シート構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転弁やバタフライ弁等におけるメタルシートに係り、弁体シート構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転弁やバタフライ弁においてはメタルシートを装着するものがある。この種のメタルシートの取付構造としては、例えば図3に示すものがある。図3は、回転弁1におけるメタルシート2の取付構造を示すものである。回転弁体3は開ポート4の開口周縁に弁体シート面5を有し、弁体シート面5に直接に表面硬化材を盛金することによりシール部5aを形成している。弁箱6の内側面には弁体シート面5のシール部5aに摺接するメタルシート2を配置している。メタルシート2は環状をなし、弁体シート面5のシール部5aに摺接するシール部2aと、シール部2aを支持する座部2bとを一体成形しており、座部2bにおいて取付ボルト7により弁箱6に直接に固定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の構成において、回転弁体3に直接に盛金する場合には、加熱炉内に回転弁体3を挿入する必要がある。このため、回転弁体3の口径が大きくなるにしたがって、加熱炉や盛金を施す施工設備を大型化する必要があるとともに、加工の困難性が増すことから盛金の歩留まりが悪くなる問題があった。また、盛金施工不良やシート面の損傷が認められたときにおいて補修する場合に、回転弁体3が大口径である程にその姿勢の変更等に労力を要し、補修作業に手間が係る問題があった。
【0004】本発明は上記した課題を解決するものであり、盛金作業を容易に行ない得るとともに、盛金の補修作業も容易に行なうことができる弁体シート構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために、本発明の弁体シート構造は、弁箱内に弁箱内流路を開閉する弁体を弁棒の軸心廻りに回転自在に配置し、弁体に摺接する弁箱シートを弁箱の内側面に配置する弁において、弁体に着脱自在に装着する弁体シートを環状に形成し、弁体シートのシート面に弁箱シートに摺接するシール部を盛金により形成し、弁体シートの外周面に雄ねじ部を形成するとともに、弁体の対応する部位に雌ねじ部を形成して、弁体シートを弁体に螺合装着し、弁体シートの雄ねじ部に螺合する固定用ナットを弁体に対して締め付けて弁体シートを緩み止め固定したものである。
【0006】上記した構成により、弁体とは別途の部材として弁体シートを形成し、この弁体シートに盛金を施すので、盛金施工時には環状の弁体シートのみを取り扱って施工作業を容易に行なうことができ、外形および重量の大きな弁体を取り扱って盛金作業を行なう必要がない。このため、施工に使用する加熱炉や盛金施工設備として、弁体シートに応じたコンパクトなものを使用することができ、盛金や加工等の作業を容易に行なえる。また、盛金施工不良やシート面における損傷は、弁体シートを弁体から取り外した状態で容易に補修することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図2において、回転弁11は、弁箱12を流体の流れ方向において第1弁箱12aと第2弁箱12bとに分割形成しており、弁箱12の内部に弁箱内流路13を開閉する回転弁体14を弁棒15およびトラニオン15aの軸心廻りに回転自在に配置し、弁棒15の基端側に操作機16を接続している。
【0008】回転弁体14は、円筒状の開ポート部14aと、開ポート部14aの軸心に直交する方向に配置する有底筒状の閉ポート部14bとを一体成形したもので、開ポート部14aおよび閉ポート部14bの開口周縁部には、環状の弁体シート17を着脱自在に設けており、弁体シート17のシート面17aには盛金により弁体シール部17bを形成している。
【0009】弁体シート17は、外周面に形成した雄ねじ部S1を、開ポート部14aおよび閉ポート部14bの開口周縁部の対応する部位に形成した雌ねじ部S2に螺合して回転弁体14に装着しており、弁体シート17の奥端にはガスケット17cを介在させている。弁体シート17は、雄ねじ部S1に螺合する固定用ナット17dを回転弁体14に対して締め付けることにより緩み止め固定している。
【0010】第1弁箱12aと第2弁箱12bの内側面には、回転弁体14の弁体シート17に摺接する弁箱シート18を配置している。弁箱シート18は、回転弁体14の弁体シート17に弁体シール部17aにおいて摺接する環状のシール部18aと、シール部18aを支持する筒胴状の座部18bとを一体成形したものであり、座部18bを弁箱内流路13に内嵌して配置するとともに、弁箱内流路13の軸心方向において回転弁体14に接近離間自在に設けている。シール部18aは、径方向において湾曲する断面U字状のフレキシブルサポート部18cを有し、弁箱シート18の移動方向においてフレキシブルサポート部18cの端面と弁箱12の内側面との間に所定間隙tを設けている。弁箱シート18の座部18bの端面側には軸心方向に突出する環状突起部18dを形成している。
【0011】弁箱シート18に対向して配置する環状のパッキン押さえリング19は、弁箱内流路13の軸心方向に移動可能に設けており、弁箱シート18の座部18bに対向する側に環状突起18dに内嵌する小径部19aを有し、小径部19aに、弁箱シート18の外周面と弁箱12と内周面との間隙をシールするためのパッキン20を配置している。パッキン押さえリング19は、弁箱シート18に螺入する締付ボルト21を複数箇所に有しており、締付ボルト21は弁箱シート18の座部18bとパッキン押さえリング19の間においてパッキン20を締め付ける。パッキン押さえリング19の端面側には、弁箱内流路13の内周面に螺合して流路の軸心方向に出退するシート押さえリング22を設けている。
【0012】以下、上記した構成における作用を説明する。弁体シート17に対する盛金施工は、弁体シート17を回転弁体14とは別途の部材として形成しているので、環状の弁体シート17のみを取り扱って施工作業を容易に行なうことができる。このために、従来のように、外形および重量の大きな弁体自体を取り扱って盛金作業を行なう必要がなく、施工に使用する加熱炉や盛金施工設備として、弁体シート17の形状に応じたコンパクトなものを使用することができ、盛金や加工等の作業を容易に行なえる。また、盛金施工不良やシート面における損傷がある場合には、弁体シートを弁体から取り外した状態で容易に補修することができ、必要ならば新たなものに取り替えることで容易に対処できる。尚、弁体シート17を弁箱シート18と同材質とすることにより、高温の使用時においても、線膨張係数の差に依るシート間のずれを抑制することができる。
【0013】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、弁体に対して弁体シートを着脱自在とし、弁体シートに盛金を施すことにより、盛金施工時に環状の弁体シートのみを取り扱って施工作業を容易に行なうことができ、施工に使用する加熱炉や盛金施工設備をコンパクトなものとすることができ、盛金や加工等の作業を容易に行なえ、盛金施工不良やシート面における損傷を、弁体シートを弁体から取り外した状態で容易に補修することができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成10年7月29日(1998.7.29)
【代理人】 【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開2000−46204(P2000−46204A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−213348