| 【発明の名称】 |
バルブ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】水町 昭二
|
| 【要約】 |
【課題】弁座21や弁体8が傾きや歪み等の成形上の不都合が発生し易い樹脂製であっても、閉弁時にこれらの間からエア等の移送流体が漏洩することがなく、もって閉弁時におけるシール性に優れたバルブ装置を提供し、併せて、安定したシール性を長期間に亙って確保することが可能なバルブ装置を提供する。
【解決手段】閉弁時に弁座21に当接して閉弁荷重を受ける荷重受け部8aとパッキン装着用の凹部8bとを設けた弁体8と、前記凹部8bに装着され、閉弁および開弁に応じて前記弁座21に接離するゴム状弾性材製のパッキン22とが設けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 閉弁時に弁座(21)に当接して閉弁荷重を受ける荷重受け部(8a)とパッキン装着用の凹部(8b)とを設けた弁体(8)と、前記凹部(8b)に装着され、閉弁および開弁に応じて前記弁座(21)に接離するゴム状弾性材製のパッキン(22)とを有することを特徴とするバルブ装置。 【請求項2】 請求項1のバルブ装置において、閉弁時に移送流体圧力がパッキン(22)の背圧として作用することを特徴とするバルブ装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、流路の開閉を切り換えるバルブ装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、図3に示すバルブ装置が知られており、以下のように構成されている。尚、このバルブ装置は、車両等の内燃機関の吸気系におけるインタークーラーバイパスバルブとして用いられるものである。 【0003】すなわち先ず、ブラケット51を介して内燃機関等に固定される樹脂製のバルブボディ52が設けられており、このバルブボディ52の内部に可撓材製のダイアフラム53が架設されており、このダイアフラム53の作動部に樹脂製のロッド54が連結されており、このロッド54の先端部に弁体55が一体成形されている。この弁体55は、ダイアフラム53およびロッド54の作動に伴って軸方向に変位し、これに伴って、バルブボディ52の内部に一体成形された弁座56に接離してその内側の弁孔57を開閉するものであり、この開閉作動に伴って吸気ポート58から弁孔57および弁室59を経由して排気ポート60に至る流路61が開閉される。ダイアフラム53およびロッド54は、ダイアフラム53の上側に設けられた負圧室62に設置されたスプリング63に押圧されて常時下方に変位しており、これにより弁体55が弁座56に着座して弁孔57を閉塞している。 【0004】そして、この閉弁状態で、バルブボディ52に設けられた負圧ポート64から負圧室62に絶対値が所定値以上の大きさの負圧が導入されると、この負圧によってダイアフラム53およびロッド54がスプリング63の弾性に抗して引き上げられ、弁体55が弁座56から離れて弁孔57を開放し、流路61が開放される。またこの開弁状態で、負圧室62に導入される負圧の絶対値が所定値を下回るように変化すると、スプリング63の弾性によってダイアフラム53およびロッド54が下降し、弁体55が弁座56に着座して弁孔57を閉塞し、流路61が閉塞される。インタークーラーバイパスバルブは、このようにして吸気系における供給圧力の大きさが過大であるときに開弁し、高過ぎる圧力の一部を還流させることにより、供給圧力の大きさを自動調整する機能を果たすものである。 【0005】しかしながら、上記従来のバルブ装置には、以下のような不都合がある。 【0006】すなわち、近年における部品の軽量化等の観点から上記したようにバルブボディ52やロッド54等が樹脂化されると、樹脂の材質上の特性から、バルブボディ52に一体成形される弁座56やロッド54に一体成形される弁体55のシール部55aに傾きや歪み等の成形上の不都合が発生することが多い。したがってこのようなことがあると閉弁時に弁座56と弁体55の間に円周上所々の隙間が発生し、この隙間からエア等の移送流体が漏洩する虞がある。 【0007】また、この移送流体の漏洩を防止するため、図4に示すように、樹脂製の弁体55にゴム状弾性材製のパッキン65を被せ、閉弁時にこのパッキン65を弁座56に着座させることが考えられる。 【0008】しかしながら、この図4のバルブ装置においては、閉弁時に弁体55を弁座56に押し付ける閉弁荷重をパッキン65が圧縮されつつ全て受けることになる。したがってこのパッキン65にへたりが発生し易く、これにより安定したシール性を長期間に亙って確保することができないことがある。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑み、弁座や弁体が傾きや歪み等の成形上の不都合が発生し易い樹脂製であっても、閉弁時にこれらの間からエア等の移送流体が漏洩することがなく、もって閉弁時におけるシール性に優れたバルブ装置を提供することを目的とする。また併せて、安定したシール性を長期間に亙って確保することが可能なバルブ装置を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるバルブ装置は、閉弁時に弁座に当接して閉弁荷重を受ける荷重受け部とパッキン装着用の凹部とを設けた弁体と、前記凹部に装着され、閉弁および開弁に応じて前記弁座に接離するゴム状弾性材製のパッキンとを有することを特徴とするものである。 【0011】また、本発明の請求項2によるバルブ装置は、上記した請求項1のバルブ装置において、閉弁時に移送流体圧力がパッキンの背圧として作用することを特徴とするものである。 【0012】上記構成を備えた本発明の請求項1によるバルブ装置においては、閉弁時に荷重受け部が閉弁荷重を受け、パッキンが移送流体をシールすると云うように機能が分担される。したがってパッキンがその弾性により弁座の傾きや歪み等の成形上の不都合に追随するために優れたシール性が発揮され、その一方で荷重受け部が閉弁荷重を受けることによりパッキンのへたりが軽減されるため、安定したシール性を長期間に亙って確保することが可能となる。 【0013】またこれに加えて、請求項2のように閉弁時に移送流体圧力がパッキンの背圧として作用すると、パッキンの弁座に対する追随性が一層向上する。 【0014】 【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。 【0015】図1は、当該実施形態に係るバルブ装置の断面を示しており、図2はその要部を拡大して示している。当該バルブ装置は、車両等の内燃機関の吸気系におけるインタークーラーバイパスバルブとして用いられるものであり、以下のように構成されている。 【0016】すなわち先ず、平板状を呈する金属製のブラケット1を介して内燃機関等に固定される樹脂製のバルブボディ(ボディまたはハウジングとも称する)2が設けられており、このボディ2にボディ本体(ロアカップとも称する)2aとアッパーカップ2bとが設けられており、このボディ本体2aとアッパーカップ2bとの間にゴム等の可撓材製のダイアフラム3が架設されている。ダイアフラム3の作動部の下側にダイアフラムリテーナ4が配置されるとともに同じく作動部の上側にスプリングリテーナ5が配置されて三層構造の積層部6が設けられており、この積層部6の平面中央に樹脂製のロッド7の上端部が連結固定されており、同じくロッド7の下端部に弁体(バルブとも称する)8が一体成形されている。弁体8については後述する。 【0017】ダイアフラム3とアッパーカップ2bとに囲まれた気密空間は負圧室9とされており、この負圧室9に内燃機関の負圧を導入することができるよう、アッパーカップ2bに負圧ポート10が設けられている。またこの負圧室9に、スプリングリテーナ5、ダイアフラム3、ダイアフラムリテーナ4、ロッド7および弁体8等よりなるアッセンブリを下方に向けて弾性付勢するコイル状のスプリング11が配置されている。 【0018】ダイアフラム3およびダイアフラムリテーナ4等よりなる積層部6の下側に、ロッド7を軸方向に摺動自在に支持するベアリング12が設けられており、このベアリング12の更に下側に、ロッド7の周面に摺動自在に密接するシールリップ13aを備えたロッドシール13が設けられている。このベアリング12およびロッドシール13はそれぞれ、その外周縁部をもってボディ2内壁の段部に圧入、カシメまたは溶着等の手段により固定されている。ダイアフラム3とロッドシール13との間の気密空間は大気圧室14とされており、この大気圧室14に常に大気圧を導入することができるよう、ボディ2に大気圧ポート15が設けられている。 【0019】ボディ2の下部に、ロッド7と軸心を同じくして弁孔16が設けられており、この弁孔16の下側に適宜屈折して吸気ポート17が一連に設けられている。弁孔16はその上端開口においてボディ2内部の弁室18に開口しており、この弁室18の側壁に排気ポート19が設けられている。 【0020】ロッド7は、その上端において先止まりとされた中空体状ないし円柱状に成形されており、その下端部に平板状の弁体8が径方向外方に向けてフランジ状に一体成形されている。弁体8の上側に補強用のリブ20が所要数等配状に設けられており、このリブ20がそれぞれロッド7および弁体8に対して一体成形されている。 【0021】弁体8のシール部である下面に、閉弁および開弁に応じて弁座(バルブシートまたはバルブシール面とも称する)21に直接接離し、閉弁時に上記スプリング11等による閉弁荷重を受ける環状の荷重受け部8aが弁体8の一部として設けられており、この荷重受け部8aの外周側に環状を呈するパッキン装着用の凹部8bが下面に開口するように設けられており、この凹部8bに環状を呈するゴム状弾性材製のパッキン(ゴムパッキンまたはシール部材とも称する)22が装着されている。弁座21はボディ本体2aの内部に一体成形されている。パッキン22は、上面部22a、側面部22bおよび下面部22cを一体に備えて内周を開口した断面略コ字形に成形されており、更に上面部22aの上面および下面部22cの下面にそれぞれ環状のビード22d,22eが一体成形されている。ビード22d,22eはそれぞれ断面半円形ないし円弧形に成形されている。上面側のビード22dは凹部8bの内面に密接している。下面側のビード22eは図2の左半分に示すように開弁時、荷重受け部8aないし弁体8の下面より所定量x下方に突出しており、開弁および閉弁に応じて弁座21に接離する。弁体8の凹部8b開口周縁部に環状を呈するパッキン脱落防止用の係合突起8cが設けられている。また同じく弁体8にあって荷重受け部8aに、閉弁時に弁孔16内の移送流体圧力がパッキン22に対して背圧として作用するよう、スリット状の背圧流路8dが所要数放射状ないし等配状に設けられている。 【0022】上記構成のバルブ装置は、図1の左半分または図2の右半分に示したように、当初、スプリング11の弾性によりスプリングリテーナ5、ダイアフラム3、ダイアフラムリテーナ4、ロッド7、弁体8およびパッキン22が押し下げられて軸方向変位の下端限に位置しており、弁体8がその荷重受け部8aにおいて弁座21に着座するとともにパッキン22がその下面側のビード22eにおいて弁座21に接触している。したがって弁孔16は非連通状態にあり、吸気ポート17から弁孔16および弁室18を経由して排気ポート19に至る流路25は閉塞されている。 【0023】そして、この閉弁状態で、バルブボディ2のアッパーケース2bに設けられた負圧ポート10から負圧室9に絶対値が所定値以上の大きさの負圧が導入されると、図1の右半分または図2の左半分に示したように、この負圧によってスプリングリテーナ5、ダイアフラム3、ダイアフラムリテーナ4、ロッド7、弁体8およびパッキン22がスプリング11の弾性に抗して引き上げられて軸方向変位の上端限に移動し、荷重受け部8aおよびビード22eがそれぞれ弁座21から離れる。したがって弁孔16が連通状態となって流路25が開放され、この開弁作動中、一部の過大な供給圧力が還流される。またこの開弁状態で、負圧ポート10から負圧室9に導入される負圧の絶対値が所定値を下回ると、スプリング11の弾性によりスプリングリテーナ5、ダイアフラム3、ダイアフラムリテーナ4、ロッド7、弁体8およびパッキン22が下降して軸方向変位の下端限位置に復帰動し、荷重受け部8aが弁座21に着座するとともにビード22eが弁座21に接触して弁孔16を閉塞し、流路25が閉塞される。 【0024】このように作動する当該バルブ装置は、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。 【0025】すなわち先ず、閉弁時に弁座21に当接して閉弁荷重を受ける荷重受け部8aが弁体8に設けられるとともに、閉弁および開弁に応じて弁座21に接離する断面略コ字形を呈するゴム状弾性材製のパッキン22が弁体8の凹部8bに装着されているために、閉弁時におけるスプリング11等による閉弁荷重を荷重受け部8aが受けるとともに移送流体をパッキン22がシールし、荷重支持作用とシール作用とを荷重受け部8aとパッキン22とが分担することになる。したがってパッキン22がその弾性により弁座21の傾きや歪み等の成形上の不都合に追随するために優れたシール性を発揮し、その一方で、荷重受け部8aが閉弁荷重を受けることによりパッキン22のへたりが軽減されるために、安定したシール性を長期間に亙って確保することができる。 【0026】また、閉弁時に弁孔16内の移送流体圧力が背圧流路8dを経由して断面コ字形のパッキン22の内側に入り込んで背圧として作用するために、このパッキン22に設けられた上面側のビード22dが凹部8bの内面に強く密接するとともに下面側のビード22eが弁座21に強く密接する。また弁座21に比較的大きな傾きや歪み等の成形上の不都合があっても、下面側のビード22eが背圧に押されてこの傾き等に良く追随し、弁座22に密接する。したがってこれらのことからシール性を一層向上させることができ、閉弁時に弁座21と弁体8の間からエア等の移送流体が漏洩するのを有効に防止することができる。 【0027】ゴム状弾性材製のパッキン22の成形材料としては、耐ガソリン性に優れ、かつ樹脂と粘着しにくい(耐ガソリン性に優れている)ことからして、HNBRが最も適している。またこのパッキン22の断面形状はコ字形に限定されず、閉弁時に弁孔16内の移送流体圧力を背圧として利用できるものであれば良く、例えば断面U字形、J字形またはC字形等であっても良い。またリップシールであっても良い。 【0028】 【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。 【0029】すなわち先ず、上記構成を備えた本発明の請求項1によるバルブ装置においては、閉弁時に弁座に当接して閉弁荷重を受ける荷重受け部が弁体に設けられるとともに、閉弁および開弁に応じて弁座に接離するゴム状弾性材製のパッキンが弁体の凹部に装着されているために、閉弁時における閉弁荷重を荷重受け部が受けるとともに移送流体をパッキンがシールし、荷重支持作用とシール作用とを荷重受け部とパッキンとが分担する。したがって、パッキンがその弾性により弁座の傾きや歪み等の成形上の不都合に追随するために優れたシール性を発揮することができ、その一方で、荷重受け部が閉弁荷重を受けることによりパッキンのへたりが軽減されるために、安定したシール性を長期間に亙って確保することができる。 【0030】またこれに加えて、上記構成を備えた本発明の請求項2によるバルブ装置においては、閉弁時に移送流体圧力がパッキンに対して背圧として作用することからこのパッキンが弁座に対して強く密接する。また弁座に比較的大きな傾きや歪み等の成形上の不都合があっても、このパッキンが背圧に押されてこの傾き等に良く追随し、弁座に密接する。したがってこれらのことからシール性を一層向上させることができ、閉弁時に弁座と弁体の間からエア等の移送流体が漏洩するのを有効に防止することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004385 【氏名又は名称】エヌオーケー株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年7月31日(1998.7.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071205 【弁理士】 【氏名又は名称】野本 陽一
|
| 【公開番号】 |
特開2000−46202(P2000−46202A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−217352 |
|