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【発明の名称】 往復動軸用密封装置
【発明者】 【氏名】宮澤 誠司

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】往復動軸の2方向で2種類の対象物をシールする往復動軸用密封装置において、相反する方向に設けられるそれぞれのリップ先端をシャープエッジに形成するとともに、該シャープエッジとされたそれぞれのリップ先端の位置を、該それぞれのリップ先端が往復動する軸上を摺動するストローク範囲が互いにラップしない位置に設定したことを特徴とする往復動軸用密封装置。
【請求項2】相反する方向に設けられたそれぞれのリップを単一の密封体に形成したことを特徴とする前記請求項1記載の往復動軸用密封装置。
【請求項3】相反する方向に設けられたそれぞれのリップを別体の密封体に形成したことを特徴とする前記請求項1記載の往復動軸用密封装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2方向で2種類のシール対象物を密封するのに、2方向で2種類のシール対象物のいずれをも完全に密封可能とした往復動軸用密封装置に関する。
【0002】
【従来技術】この種の従来の密封装置は、図4に示すように、往復動する軸20におけるオイルとダストのような2種類のシール対象物をシールするには相反する2方向に主リップ21とダストリップ22が設けられるが、この2方向の主リップ21及びダストリップ22の位置が往復動する軸20のストロークより短い距離の範囲内に設けられているのが通常である。そして、前記したように、主リップ21及びダストリップ22が往復動する軸20のストロークより短い幅で位置していると、主リップ21が軸上を摺動する幅Aとダストリップ22が軸上を摺動する幅Bとが幅Cの部分においてラップすることとなり、両リップが掻出し効果を有しているため前記のラップした部分Cにおいてシール対象物が軸に付着し、その分だけ漏れが生じることとなる。
【0003】そこで従来においては、2方向で2種類のシール対象物のうち何れか一方のシール対象物を優先してシールし、該優先させた一方の対象物をシールするための密封体のシール先端をシャープエッジ化し、他方のシール先端をラウンド化して掻出しを抑えるいわゆるシール性を多少低下させるようにしていた。例えば、農機具関係である田植機の植付爪部のシールにおいては、図4に示すように、その作業の性質上ダスト側Dである泥水部のシールを優先させダストシール22の先端23をシャープエッジとし、油室側Oのリップ21の先端24をラウンド化としてシール性を多少低下させることにより往復動軸のシールを行っていた。
【0004】また、前記と反対に二輪車のフロントフォークのシールの場合は油室側のシール性を優先して主リップの先端をシャープエッジ化し、大気側のダストリップの先端をラウンド化していた。しかしながら、近来においては2方向で2種類のシール対象物のいずれのシール対象物も完全にシールすることが要望されるようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した要望に応えるためになされたもので、2方向2種類のシール対象物のいずれのシール対象物も完全にシール可能な往復動軸用密封装置の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る往復動軸用密封装置は、前記した目的を達成するために、往復動軸の2方向で2種類の対象物をシールする往復動軸用密封装置において、相反する方向に設けられるそれぞれのリップ先端をシャープエッジに形成するとともに、該シャープエッジとされたそれぞれのリップ先端の位置を、該それぞれのリップ先端が往復動する軸上を摺動するストローク範囲が互いにラップしないように設定したことをその特徴とし、前記のそれぞれリップは、一体的に形成してもまた別体の密封体に形成してもよいものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明すると、図1において、往復動軸1はストロークSで往復動し、往復動軸1の密封に供される密封体2は金属補強環3によって補強され、2方向の一方のリップである主リップ4と該主リップ4の相反する方向に設けられる他方のリップであるダストリップ6とからなり、主リップ4の先端5はシャープエッジとされ、また、ダストリップ6の先端7もシャープエッジとされている。また8は副リップである。
【0008】前記した密封体2の主リップ4及び該主リップ4と相反する方向に設けられるダストリップ6の軸方向の間隔を本実施の形態においては往復動軸1のストロークSの長さ以上に設定してある。このように設定することにより、往復動軸1の作動時に主リップ4が軸1上を摺動する範囲Aとダストリップ6が軸1上を摺動する範囲Bとはラップすることがなく、したがってシール対象物の掻き出しを起こさせないようにすることができ、両リップのシャープエッジ化と相まって2方向で2種類の対象物を完全にシールすることができる。
【0009】図1に示す本発明の実施の形態の例では、主リップ4とダストリップ6とは一体的に形成したものが示されているが、往復動軸のストロークが長くなった場合には、密封体2全体が長大化することも考えられるので、図2に示す第2実施例のように主リップ11とダストリップ15とをそれぞれオイルシール10とダストシール14のように別体の密封体で形成するようにしてもよく、これを説明すると、オイルシール10はL型金属補強環13で補強されその主リップ11のリップ先端12はシャープエッジとされ、また、金属補強環17で補強されたダストリップ15のリップ先端16がシャープエッジとされたダストシール14が前記のオイルシール10とは別体で形成され、これら両密封体を背合せ状にハウジング18内で組み付けしたものであり、この場合においてもオイルシール10のシャープエッジ化されたリップ先端12の軸に当接する位置及びダストシール14のシャープエッジ化されたリップ先端16の軸に当接する位置は、往復動軸のストロークの範囲外に設定してある。このように、オイルシール10及びダストシール14を別体とすることにより往復動軸のストローク長さに対応することができるものである。
【0010】図3に示す第3実施例の密封装置は、往復動軸のストローク長さが更に長い場合に有用な密封装置であって、図3においては、先に説明した図2と同一部材は同一の符号を付してあり、オイルシール10とダストシール14とは別体で形成され、ハウジングに組み付けられるときに、ハウジングの内周に設けられる突状壁部19を介してオイルシール10及びダストシール14を相反する方向に設置する。この場合においても両リップ先端の軸に当接する位置は往復動軸のストローク長さの外側に位置させるものであり、前記のハウジングの内周の突状壁19の幅を設定することにより往復動軸のストローク長さに対応することができる。
【0011】
【発明の効果】本発明に係る往復動軸用密封装置は、往復動軸の2方向で2種類の対象物をシールする往復動軸用密封装置において、相反する方向に形成されるそれぞれのリップの先端をシャープエッジとするとともに、該シャープエッジとされたそれぞれのリップの位置を、それぞれのリップ先端が往復動する軸上で摺動するストローク範囲が互いにラップしない位置に設定したので、それぞれのリップ先端の軸上での摺動幅がラップしないためそれぞれのリップが相反する方向に設けられていても掻出し現象がないので、2種類のシール対象物の漏れは両リップ先端のシャープエッジ化と相まって全くなくすることができた。
【出願人】 【識別番号】000143307
【氏名又は名称】株式会社荒井製作所
【出願日】 平成11年5月18日(1999.5.18)
【代理人】 【識別番号】100089381
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 謙二
【公開番号】 特開2000−329236(P2000−329236A)
【公開日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【出願番号】 特願平11−137547