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【発明の名称】 特に座標測定デバイス用の負荷担持軸受の為のシール配置機構
【発明者】 【氏名】クラウス ヤコブス

【氏名】フォルケル ピヴェック

【氏名】フランツ ヴォレッツ

【氏名】ラルフ ベルンハルト

【要約】 【課題】汚染に対する案内要素部分の特に低い感受性と、浮遊粒子、煙霧物および湿気の侵入に対して改良された保護とを確かなものとすると同時に、全体的に良好な移動系の静的および動的特性を提供する改良シール配置機構を提供する。

【解決手段】担持体(3)上に配備された案内経路(2)上に支持されると共に上記案内経路の丈に沿って可動となる如く配置された、特に座標測定デバイス用の負荷担持軸受(1)の為のシール配置機構において、上記軸受(1)は軸受カバー(6)と接続される。該軸受カバーは、上記担持体(3)の少なくとも一側にて該担持体上に張り亙り且つ該担持体の側部に向けて屈曲された側部(14、15)を有し、各側部(14、15)は、上記案内経路(2)の全長に亙り上記担持体(3)の対応側部上に配置されたラビリンス凹所(16、17)内に突出してラビリンス・シールを形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 担持体(3)上に配備された案内経路(2)上に支持されると共に該案内経路(2)の丈に沿って可動となる如く配置された、特に座標測定デバイス用の負荷担持軸受(1)の為のシール配置機構において、上記軸受(1)は軸受カバー(6)と接続され、該軸受カバー(6)は、上記担持体(3)の少なくとも一側にて該担持体(3)上に張り亙り且つ該担持体(3)の側部に向けて屈曲された側部(14、15)を有し、各側部(14、15)は、上記案内経路(2)の全長に亙り上記担持体(3)の対応側部上に配置されたラビリンス凹所(16、17)内に突出してラビリンス・シールを形成することを特徴とする、シール配置機構。
【請求項2】 前記担持体(3)の側部表面および前記軸受カバー(6)の前記側部(14、15)は前記案内経路(2)の表面に対して本質的に直角であることを特徴とする、請求項1記載のシール配置機構。
【請求項3】 前記側部(14、15)の各々はU形状断面の構造を有し、該構造を以て対応ラビリンス凹所(16、17)内に突出することを特徴とする、請求項1もしくは2に記載のシール配置機構。
【請求項4】 前記/各側部(14、15)のU形状断面の閉塞端は前記ラビリンス凹所(16、17)内に配置されることを特徴とする、請求項3記載のシール配置機構。
【請求項5】 前記案内経路(2)はその全長に沿って案内経路カバー(31)により張り亙られ、該案内経路カバー(31)は断面U形状であり且つ前記軸受カバー(6)および該軸受カバー(6)の前記側部(14、17)をカバーすると共に、該案内経路カバー(31)は自身のひとつの/各々の側辺部(33、34)を以て前記軸受(1)の領域内において上記軸受カバー(6)の対応側部(14、15)のU形状断面の凹所内に突出し、且つ、ひとつの/各々の側部(14、15)のU形状断面の側方外辺部(12、13)は、上記U形状軸受カバー(6)の中央辺部(7)のレベルを越えて延長されると共に、その位置において、前記軸受(1)により支持されるべき構造(21)に接続されることを特徴とする、請求項4記載のシール配置機構。
【請求項6】 各ラビリンス凹所(16、17)は、前記担持体(3)の側方に配置された成形部材(18、19)から形成されることを特徴とする、請求項5記載のシール配置機構。
【請求項7】 前記成形部材(18、19)および前記担持体(3)は機械基部(5)に取付けられることを特徴とする、請求項6記載のシール配置機構。
【請求項8】 前記成形部材(18)により形成された前記ラビリンス凹所(16)は、前記担持体(3)から離間した側にて、該ラビリンス凹所(16)内に係合する前記側部(14)の外側辺部(12)の自由端を越えて延長されると共に、該ラビリンス凹所(16)自身の端部にては前記軸受(1)により支持されるべき前記構造(21)に向けて屈曲された端部領域(35)を備えることを特徴とする、請求項6または7に記載のシール配置機構。
【請求項9】 前記軸受カバー(6)はその側部(14、15)と共に一体片板金成形材として構成されることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載のシール配置機構。
【請求項10】 前記成形部材(18、19)は一体片板金成形材として構成されることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれかに記載のシール配置機構。
【請求項11】 前記軸受(1)は空気軸受として構成されることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載のシール配置機構。
【請求項12】 前記成形部材(18、19)は、前記担持体(3)に面する側部において、上記担持体(3)の側部表面に対して本質的に平行であると共に前記案内経路(2)の方向に延在し乍らも該案内経路(2)の位置レベルの所定距離以前にて終端する側辺部(24;27)を有することを特徴とする、請求項6乃至11のいずれかに記載のシール配置機構。
【請求項13】 前記成形部材(18、19)はその側辺部(24、27)により、面する方の前記担持体(3)の側部表面に接触することを特徴とする、請求項12記載のシール配置機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に座標測定デバイスの為に、担持体上に配備された案内経路上に支持されると共に上記案内経路の丈に沿って可動となるべく配置された負荷担持軸受用のシール配置機構に関する。
【0002】
【従来の技術】担持体上に配置された案内経路上に支持されると共に上記案内経路の丈に沿って可動である負荷担持軸受は、たとえば工作機械用の可動加工台を支持する多くの技術分野において、又は、座標測定デバイスにおけるウェブ用すなわちポータル用の支持軸受として使用されている。
【0003】上記した種類の軸受の最も単純な構成は、問題となる軸受が可動となる如く、協働する案内経路上に単純に支持され乍らも、汚れ、浮遊物、粒状物、煙霧物、湿気などが軸受表面に侵入するのを防止する特定のシールデバイスが何ら配備されていないという構成である。斯かる配置機構は、汚れに対する案内要素の不感受性に関する要件が比較的に要求されない場合、又は、問題となるデバイスが適切な清浄室内で作動する場合には可能である。
【0004】しかし乍ら上記した種類のデバイスは製造環境において益々使用されており、即ち、斯かる機械は製造手段によるアクセスから保護されるべく閉鎖されて空調された空間および箇所に設置されるのでは無く製造を行う為の空間および箇所に設置されることから、斯かる製造箇所に存在する汚染物質などの全てが案内経路を阻害して軸受表面の特性低下に繋がる虞れがある。これは特に、問題となる機械が高精度の測定デバイスであって斯かる影響が排除されるべき場合には不都合である。
【0005】従って、座標測定デバイスにおいては、上述の種類の軸受をシールすべくシール配置機構が既に配備されている。このシール配置機構においては、案内経路および該案内経路上に支持された軸受はボックス状のカバー・プレートによりカバーされると共に、案内経路の反対側において該カバー・プレート上には中央長手スロットが形成され、上記カバー・プレートの外側に配置されて支持されるべき構造に対して上記軸受を接続する接続要素は上記中央長手スロットを介して案内される。上記カバー・プレートにより囲繞された空間内で上記長手スロットの近傍において、該接続要素は、上記長手スロットの側縁に沿って両側に延伸する広幅案内体であって(上記長手スロットの長手方向から見たときに)貫通開口により貫通される広幅案内体を有している。その形状が上記貫通開口に適合されると共に上記カバー・プレートの内側においてその全長に沿って延在するカバー細片は、この貫通開口を貫通すると共に上記カバー・プレートの内側で上記長手スロットをカバーする役割を果たしている。その幅も上記長手スロットの両側部上に突出する該カバー細片は、その両端部にて適切な手法で固定される。上記カバー細片は上記案内体の上記貫通開口を貫通することから、上記軸受はそれに連結された上記接続要素および該接続要素に接続されて支持されるべき構造と一体的に上記細片に沿って移動され得るものであり、故に、上記軸受に対して要求される長手方向移動は確かなものとされるが、上記軸受の外側領域において上記カバー細片は上記カバー・プレートの内側と反対側となる開放長手スロットを常に隠している。上記カバー細片は全体的構成の故に上記カバー・プレートの上記長手スロットから一定距離に配置されることから、この距離が僅かだとしても汚れ、塵埃などの侵入に対して一定のシールが配備され得るが、存在する間隙は比較的に大きいことから、上記案内要素の汚染または浮遊粒子の侵入に対する特に良好なシール作用は依然として保証されない。
【0006】別の公知の構造的解決策においては、(軸受の移動方向において)軸受の各側に対してはベローズが接続され、軸受側となり乍らも軸受によりカバーされていない案内経路の部分をシール保護体としてカバーする。しかし乍ら、この目的の為に必要とされる案内表面の全ての丈および幅に亙るベローズによる密閉収納のコストは相当であり、しかも、ベローズの変位の為に付与される力は、使用された軸受に対して所望される可及的に未拘束の長手方向移動に対して有用ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上に基づき本発明の目的は、汚染に対する案内要素部分の特に低い感受性と、浮遊粒子、煙霧物および湿気の侵入に対して改良された保護とを確かなものとすると同時に、全体的に良好な移動系の静的および動的特性を提供する改良シール配置機構を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に依れば該目的は上述した種類のシール配置機構において達成される、と言うのも、軸受は軸受カバーと接続され、該軸受カバーは、担持体の少なくとも一側にて該担持体上に張り亙り且つ該担持体の側部に向けて屈曲された側部を有し、各側部は、案内経路の全長に亙り上記担持体の対応側部上に配置されたラビリンス凹所内に突出してラビリンス・シールを形成するからである。
【0009】本発明に依り提案されたシール配置機構は、製造雰囲気が存在する外部環境に対する上記軸受の顕著に良好なシーリングに帰着し、且つ、汚染に対する不感受性に関する厳しい指導基準値さえも容易に満足され得る。同時に、浮遊粒子、煙霧物および湿気の侵入に対する優れた保護が提供されると共に、全体的構造も移動軸受システムの全体的に良好な静的および動的特性に繋がる。
【0010】本発明に係るシール配置機構は設置位置に関しても容易に変更され得るものであり;故に、シール作用を実質的に阻害することなく、垂直に、水平に、または他の定義位置で設置が行われ得る。同時に、本発明に係るシール配置機構はブロック・システムを構築する手法でのモジュール構成に依る経済的配置構成を許容し;ブロック・システムを構築する斯かるモジュール要素は例えば、両側で屈曲された側部を備えた軸受カバー、および、ラビリンス凹所を形成する部材、並びに、案内経路を備えた担持体および軸受自体である。
【0011】本発明に係るシール配置機構はまた、容易に組立てられると共に保守に適した接合に依る全体的配置構成を有するが、これは定期的な保守間隔における清掃に対して特に好適である。
【0012】本発明に係るシール配置機構における軸受の外側からラビリンス・シールへと浮遊粒子および煙霧物が侵入しても、それらの流速に関してはラビリンスの第1アーム内でラビリンス・シールを通る途中で既に低下せしめられ、故に、引き続くラビリンスの偏向の間において且つ逆方向に延伸する他方のラビリンス・アームに侵入するときに重量粒子は上記ラビリンス凹所の底部に堆積する。この効果は、ラビリンス・チャネルが実質的に鉛直に延在することからラビリンス・チャネル内における重力がこの方向に汚染粒子を侵入せしめるべく作用する如く本発明に係るシール配置機構が設置されたときに、特に重要である。ラビリンス・チャネルの180°の偏向に関し、汚れもしくは残存汚れの堆積効果は極めて良好である。上記ラビリンス・シール内における極めて長寸かつ極めて狭幅な屈曲流れチャネルは、極めて長寸の流路を提供するだけでなく、特に内部気体流の場合には相当の壁部摩擦損失が存在するという極めて狭幅のチャネル断面に関して発生流速の強力な減速を提供する。
【0013】本発明に係るシール配置機構の格別の利点は、該シール配置機構が全体的に無接触で作動し、軸受の移動の間において該軸受を変位する為に必要な力以外の付加的な力の消費が無いことである。本発明に係るシール配置機構は比較的に迅速に組立ておよび分解され得るが、これは特に保守作業を行うときに好都合である。これに加え、上記ラビリンス・シールの屈曲経路内に堆積し得る汚れおよび塵埃粒子なども分解後に迅速かつ容易に除去され得る。
【0014】本発明に係るシール配置機構の特に好適な構成は、活用された軸受が空気軸受として構成されることである。この様にして、無接触様式で作動する軸受/シール・ユニットが作成され得るが、これは、非常な高精度で作動する座標測定デバイスなどの機器に対して正に好適である、と言うのも、シールを行うにも関わらず調節移動においては摩擦力を克服する必要が無いからである。この特徴がそれほど重要でなければ、使用される軸受はたとえば転がり軸受または例外的な場合には滑り軸受などの他の任意な適宜形態の軸受としても容易に構成され得ることは勿論である。
【0015】本発明の別の好適な構成において、上記案内経路が配置される上記担持体の側部表面、および、上記軸受カバーの屈曲側部は上記案内経路の表面に対して本質的に直角に延在する。この様にして、上記案内経路の行程の側方における本発明のシール配置機構のスペース要件は最小化される。但し、特殊な使用状況においては、上記担持体の側部表面が案内経路の平面に対して直角とならずに斜めに延在することも有用であり、この場合に軸受カバーの屈曲側部も好適に対応整列を有さねばならない。
【0016】本発明に係るシール配置機構の特に好適で有用な構成は、軸受カバーのひとつのもしくは各々の屈曲側部がU形状断面を有してこれにより対応ラビリンス凹所内に突出する構成を有することで達成され得るが、この場合に上記配置機構は、この種類の側部のU形状断面の閉塞端がラビリンス・シールの内側に配置される如く、即ち、U形状断面の開放側がラビリンス凹所の外方に向けられる如く、好適に実施される。この場合においてU形状の側辺部はU形状のラビリンス凹所内に突出することから、ラビリンス・シールの内側においては特に長寸の流路が達成され、故に、直角の偏向が2回に亙り即ちU形状側部の中央辺部の2つの端縁部にて生ずる。この場合、一方が他方の内側に配置された2つのU形状断面の2つの中央辺部の間におけるこのラビリンス・シール内の流れ断面の屈曲行程内には汚れ堆積領域が生成され、また、ラビリンス・チャネルが清掃領域の外側に本質的に鉛直に延在するという本発明の別好適実施例において重量粒子の全ては偏向に加えて上記チャネル内で該粒子に作用する重力に依り特にこの汚れ堆積領域内に堆積し得る。これは保守目的に対する簡素で迅速な清掃を可能とし、軸受の精密箇所の外側に位置する全ての領域においてラビリンス凹所の底部は容易にアクセス可能である。
【0017】上記屈曲側部もU形状断面であると共にU形状断面の中央ウェブを以てラビリンス凹所内に位置するという構成を有する場合、本発明の特に好適な構成において上記案内経路はその全長に沿って案内経路カバーによりカバーされ、該案内経路カバーはU形状断面であると共に上記軸受カバーおよびその側部を同様にカバーし且つその側辺部を以て軸受の領域にて上記軸受カバーの対応側部のU形状断面の凹所内に突出し、上記側部もしくは各側部のU形状断面の外側辺部は上記U形状の案内経路カバーの中央辺部の位置のレベルを越えて延長されると共にその位置において、上記軸受により支持されるべき構造と接続される。これは本発明に係るシール配置機構の構成に帰着するが、該構成は、上記案内経路を完全にカバーする案内経路カバーにも関わらず且つ上記案内経路カバーによりカバーされた領域の内側における軸受の配置にも関わらない優れたシール作用に加え、上記シール配置機構の外側に配置されて支持されるべき(座標測定デバイスのブリッジもしくはポータルなどの)構造を問題を生じること無く支持可能とする。本発明のこの好適な構成において、上記軸受を介して上記被支持構造により支持されるべき力は該軸受に伝達されるが、この伝達は、上記軸受カバーがそれらの間の力伝達要素として使用されると共に、該軸受カバーがそのU形状構造に依り上記案内経路カバーの下端の回りに係合することにより上記案内経路カバーの外側からその内側に到達することで外側の被支持構造から上記軸受までの接続を生成し得る如くに行われ得る。一方が他方の内側に係合するという種々の部材は外側に対する良好なシールを協働して形成すると同時に、案内経路カバーの選択形状に依り、上記案内経路カバーの外側に配置されて支持されるべき構造から上記案内経路カバーの内側の支持軸受へと力が問題無く伝達され得る。この見地において特に顕著なのはこの目的の為に使用される構築方法であるが、該方法は、ラビリンス・シールをカバーかつ形成するという軸受カバーの機能とは別に、支持されるべき構造に対して力を伝達する接続部材としても該軸受カバーを同時に使用したものである。
【0018】上記ラビリンス凹所は、上記案内経路の側方において担持体に任意の適切な手法で形成もしくは配置され得る。但し、全てのラビリンス凹所が成形部材から形成され、該成形部材は担持体の側方に配置されると共に、担持体も同時に取付けられ得る機械基部に対して好適に取付けられることが望ましい。この様にして上記成形部材と担持体との間には両者間の直接的な固着なしで固定接続が提供されることから、必要であれば上記成形部材もまた組立ての間に上記担持体に対する配向に関して変更され得る。
【0019】上述の本発明に係るシール配置機構の実施例において、上記成形部材により形成されたラビリンス凹所は、上記担持体から離間した側にて、自身内に係合する上記側部の外側辺部の自由端を越えて、特に上記側部と支持されるべき構造との間の固定箇所を越えて突出する程度まで延長されると共に、その端部にては上記軸受により支持されるべき上記構造に向けて屈曲された端部領域を備えることが特に好適である。該端部領域に面する被支持構造の側部近傍に到達するに十分なほどに該端部領域が突出し但し該側部に接触しない場合、支持されるべき上記構造が上記軸受カバーの上記側部の外側辺部に固定される箇所の上方にて軸受部分には更なるカバーが達成され得ることから、上記シール配置機構のシール作用は更に改善される。
【0020】上記ラビリンス凹所を形成する上記成形部材と同様に、上記軸受カバーもまた任意の適宜な形状で構成され得ると共に相互に接続される複数の別体部材から形成され得る。但し、その側部を備えた軸受カバーおよび/または上記成形部材が板金成形材から一体片で形成されてからモジュール構成要素として使用され得ると共に比較的に簡素な手法で作成され得るのが特に好適である。この様にして、側部を備えた軸受カバーの一体片構造により組立ては全体的に促進されると共に、軸受と支持されるべき構造との間における特に良好な力伝達が達成される。
【0021】本発明に係るシール配置機構の別の好適な構成においては、ラビリンス凹所を形成する上記成形部材は、上記担持体に面する側にて側辺部を有し、該側辺部は上記担持体の側部表面に対して本質的に平行であると共に案内経路の方向に延在し乍らも該案内経路の位置レベル以前の所定距離にて終端し、同様に好適に、上記成形部材は該成形部材に面する上記担持体の側部表面に対して該成形部材の側辺部を以て接触する。この様にすれば、成形部材のこの側辺部と軸受カバーの対応側部との間に形成されたラビリンス・チャネルに対して残存汚れの僅かな部分が実際に通過したとしても、斯かる汚れは、(案内経路が配置される担持体の表面に到達する前に、)担持体の側部表面と、この側部表面に面する軸受カバーの側部の側部表面との間に形成されたチャネルの延伸部分の後において堆積することから、上記案内経路には到達し得ない。
【0022】以下においては、基本的に例示的である添付図面を参照して本発明を更に十分に記述する。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、外部環境に対して空気軸受として構成された軸受1をシールする役割を果たすシール配置機構の断面を示している。
【0024】上記軸受1は案内経路上に支持されるが、該案内経路は、中空担持体として構成された担持体3上に配置されると共に該担持体3の丈に沿って延在する。上記担持体3はその丈に沿い、該担持体3の長手延長に対して横向きに位置せしめられた2本以上の担持用ウェブ4を介して、図1において示唆のみされた座標測定デバイスの機械基部5上に支持される。
【0025】上記軸受1は(案内経路2の反対側に配置された)該軸受1の上側部にて、6により概略的に示される軸受カバーと接続される。上記軸受カバー6は横断ウェブ7を有するが、該横断ウェブ7は、上記軸受1の上方に配置されると共に、該軸受1の上方において上記案内経路2と平行に位置し且つ軸受1の両側において案内経路2および担持体3の両者に対して張り亙るべく側方に十分に延在する。
【0026】その2つの側方端部領域において軸受カバー6の横断ウェブ7は、担持体3が配置された側に、即ち図1に関して下方に、90°屈曲された側部8、9へと移行する。その下端において側部8、9の各々は、該側部8、9に対して外側に向けて(即ち、担持体3から離間すべく配向されて)直角に延在する中間ウェブ10、11へと移行し、該中間ウェブ10、11はそれらの外端において該中間ウェブ10、11に対して90°屈曲された外側ウェブ12、13へと夫々移行する。外側ウェブ12、13は夫々の側辺部8、9に対して平行に延在すると共にそれらに対して外側に向けてオフセットされるべく所定距離だけ離間され乍ら頂部に向けて戻り延在することから、側辺部8、中間ウェブ10および外側ウェブ12、並びに、側辺部9、中間ウェブ11および外側ウェブ13は協働して、各々が担持体3の一側に在る軸受カバー6の側部14、15を夫々形成し、これらの側部14および15は夫々断面がU形状である。
【0027】図2は、上記軸受カバー6(を他の部材なしでそれ自体)の全体形状の概略的斜視図を示している。此処に示された軸受カバー6は、適切な板状金属から一体片で製造される。それはまた、たとえば鋳造合金などの鋳造部品から形成され得るか、または、相互に締着されて最終的に図示形状となるべく相互接続される(不図示の)複数の別体部材から形成され得る。
【0028】上記軸受カバー6は、案内経路2の長手方向において満足する程度に軸受1をカバーするに十分な長さLに沿ってのみこの方向に延在する。図1および図2に示された如く外側ウェブ12、13は、軸受カバー6の横断ウェブ7または(設置状態において)軸受1が配置される側に向けて夫々の協働中間ウェブ10、11に対して本質的に直角で屈曲されるべく中間ウェブ10、11から延在すると共に、外側ウェブ12、13の丈は、横断ウェブ7の表面および軸受1の位置レベルを相当に越えて軸受1の頂部上に両者が突出するまで延在する。
【0029】(図1および図2においては締着孔20により示唆のみされた)端部領域にて夫々の外側ウェブ12、13は、支持されるべき構造に対して適切に接続される。図1に概略的にのみ示されると共に参照番号21により概略的に示された該構造は本願の場合には座標測定デバイスに関してたとえば測定基部(ブリッジ測定デバイス)上に張り亙るブリッジから形成され、該ブリッジ上には、加工片の寸法を検出するたとえば(不図示の)検知ヘッドを下端に備えた(これも不図示の)鉛直移動可能な心押台スリーブもしくはスピンドル・スリーブを担持すると共に可動となるべく案内される(不図示の)横送り台着座部が案内される。
【0030】上記軸受カバー6はその側部14、15によりラビリンス開口16、17内に突出するが、該ラビリンス開口16、17は本質的に断面U形状となるべく構成されると共に夫々輪郭用成形材18、19により形成される。各輪郭用成形材18、19は機械基部5に適切に固定されるが、この固定自体は図1には示されていない。
【0031】図3は、図1の左側に示された輪郭用成形材18の部分的斜視図である。上記輪郭用成形材18は板金成形材から形成されると共に、その外側には、本質的に機械基部5に対して鉛直に且つ担持体3の側部表面に対して平行に延在する外側辺部22を有し;該外側辺部22からは担持体3の方向に向けて横手辺部23が直角に突出し、担持体3の対応側壁の近傍にて直角に上方に向けられた内側辺部24に再度移行している。上記外側辺部22、横手辺部23および内側辺部24はラビリンス凹所16を形成するが、該ラビリンス凹所16は断面がU形状であると共に図1に示された如く軸受カバー6の側部14は、ラビリンス凹所16の内側で中間ウェブ10が該ラビリンス凹所16の横手辺部23に対して所定距離にて平行に存在する如く突出する。
【0032】完全に同一の様式により、上記シール配置機構の反対側の輪郭用成形材19は外側辺部25を有し、該外側辺部25からは担持体3の方向へと直角に横手辺部26が突出し、該横手辺部26はその端部にて、担持体3の対応側部表面の直近で上方に延在する内側辺部27へと移行している。また、断面がU形状であるラビリンス凹所17は上記外側辺部25、横手辺部26および内側辺部27により形成され、この側に配置された軸受カバー6の側部15は上記の反対側と同様にしてラビリンス凹所17内に突出する。ここでも、側部15の下端表面を形成する中間ウェブ11は輪郭用成形材19の横手辺部26から所定距離に配置され、該横手辺部26は中間ウェブ11と平行に延在してラビリンス凹所17の基部を形成する。
【0033】上記側部14、15のU形状断面の夫々の開放側は、協働するラビリンス凹所16および17の基部から離間する方向、即ち、図1に関して頂部の方に向いている。側部14、15の各々は協働するラビリンス凹所16および17内に導入されたときに該ラビリンス凹所と共にラビリンス・シールを形成するが、該ラビリンス・シールにおいては、頂部の外方からラビリンス内に開口して最終的には軸受1を囲繞する内部へと開口するラビリンス・チャネルが、相互に平行に延在する2個のラビリンス・チャネル28および29と、これらの両者に対して横方向に(即ち、直角に)延在する接続チャネル30とを備えた屈曲状チャネルガイドを形成する。反対側には、完全に同一の構成が配置される。
【0034】最後に、図1に示された如く、軸受1から離間する方向を向く軸受カバー6またはその横断ウェブ7の上側部と、支持されるべき構造21の下側部との間には、案内経路カバー31が配備される。図1から理解される如くこの案内経路カバー31は下方に開口する全体U形状断面を有し;これは横方向部分32を備えるが、該横方向部分32は、頂部に配置されると共に軸受カバー6の横断ウェブ7の上側部の上方にて該上側部に平行に延在して横断ウェブ7の側方に及んでから側部33、34へと移行し、該側部33、34は、横方向部分32に対して直角に屈曲されると共に、各側にて側部14、15により形成されたU形状凹所内へと下方に向けて夫々の側辺部8、9および夫々の協働外側ウェブ12、13と平行に延在する。また、各側部33および34の自由端は夫々の側部14、15の中間ウェブ10、11から所定距離にて終端する。同様に、各側部33および34は、該側部33、34と、これに面する2つの側辺部8、9および外側ウェブ12、13との間に間隙が存在する如く、軸受カバー6の対応側部14および15のU形状受容空間内に突出する。案内経路カバー31の全ての側部33、34は好適には、軸受カバー6の各側部14および15のU形状受容空間の略々中央に配置される。
【0035】上記案内経路カバー31は上記案内経路2の全長に亙り延在すると共に、その両端部により、機械基部5に対して又は該機械基部5上に取付けらた(不図示の)ホルダに対して適切に固定される。
【0036】図面中に示された配置構成によれば、案内経路2はその全長に亙り外側から案内経路カバー31によりカバーされ得ると同時に、頂部に向けて開口したU形状の側部14、15を備えた軸受カバー6の図示配置構成に依り、該軸受カバー6は該配置構成の外側にて案内経路カバー31によりカバーされた領域の外方へ案内されると共に頂部に向けて戻り案内されることにより支持構造21への接続も可能となる。
【0037】相互に接触する代わりに一方が他方の内側に係合する、という案内経路カバー31、軸受カバー6の側部14および15、およびラビリンス凹所16および17のU形状断面の図示配置構成によれば、軸受1および案内経路2を囲繞する軸受カバー6の内部空間は全体配置機構の外側に対して効果的にシールされ得ると同時に、軸受カバー6はその回りに係合するラビリンス・シールの構成部分として機能することにより該シーリングに寄与するだけでなく、支持されるべき構造21と協働軸受1との間で力を伝達すべく機能する。
【0038】図1および図3に示された如く、左側(即ち上記座標測定デバイスの外側)に配置された輪郭用成形材18の外側辺部22はその上側部にて端部領域35を有し、該端部領域35は支持されるべき構造21の方向に向けて略々直角に延在すると共に輪郭用成形材18の全長に沿って延在し且つ構造21の対応側部表面よりも短距離だけ手前の自由端にて終端している。この様にして、頂部に向かう軸受1の軸受配置の領域において外側に対する付加的なシールが存在する、と言うのも、頂部において、輪郭用成形材18と支持されるべき構造21との間に形成された内部空間36内への侵入はこの狭幅間隙37を介してのみ生じ得るからであり、故に、相当に阻止される。
【0039】汚染粒子がたとえばこの空間36から、輪郭用成形材18と該輪郭用成形材18内に突出する側部14とにより形成されたラビリンスの外側垂直上方延伸ラビリンス・チャネル28内に侵入する限りにおいて、汚染粒子は輪郭用成形材18の内側にてラビリンス・チャネル28の長手方向に流れる空気により下側横手チャネル30へと案内される。チャネル28内を流れる気体流もしくは空気流は横手チャネル30内へと直角に偏向されると共に、上方に向けて延在するラビリンス・チャネル29内に侵入し得る為には反対側端部にて再び直角に偏向されねばならない。断面の寸法は上記ラビリンス・チャネルのチャネル断面が極めて小さくなる如く選択されることから、上記ラビリンス・チャネル内において入口から出口まで流れる空気の速度には相当の減少が生じ、且つ、これもまた有効な重力に関する2重の直角偏向によれば空気中に存在し得る粒子および汚染粒子の殆どは輪郭用成形材18の横手辺部23の頂部上の横手チャネル30内に堆積せしめられる。この様にして堆積された粒子はラビリンス凹所16の底部に集まり(反対側の状況と完全に同一である);更に、それでも尚、ラビリンス・チャネル29内に存在し得る極めて小寸の粒子の移動は内部ラビリンス・チャネル29内における空気の上方流の必要性により再び阻止される、と言うのも、重力が粒子に対して逆方向に作用するからである。
【0040】図1から理解され得る如く輪郭用成形材18の内側辺部24の上端は案内経路2が配置される担持体3の上側表面よりも所定距離だけ下方にて終端することから、内側チャネル29内を流れる空気内に依然として存在し得る極めて小寸の粒子はこのチャネルを抜けた後に(担持体3の上側閉塞表面に到達するまで)広幅となるチャネル断面に堆積され即ち内側辺部24の上縁部の上方に直接的に堆積され、案内経路2に到達さえしない。
【0041】更に、使用される空気軸受1は、直角に上方に向けられた内側ラビリンス・チャネル38から該空気軸受1を囲繞する空間内に向かう粒子の侵入に対抗する逆方向に向けて、常に一定の空気を吹き出している。
【0042】図示された配置構成は、案内経路カバー31の内側となる空気軸受1および案内経路2の回りに配置された内部空間の良好なシーリングに帰着し;活用されたラビリンス・シールは、完全に無接触となるべく作動すると共に、軸受カバー6の特殊形状および力伝達構造要素としての同時的機能に依り、空気軸受1を介して案内経路2上に支持されるべき構造21に対して問題の生じない負荷担持を実行し得る。
【0043】個々の部材の間において別様に生じるラビリンス・チャネルおよび間隙の寸法決めは、極めて小寸のチャネル断面を介して十分に良好なシーリングが達成され得ながらもシールおよび空気軸受1から成る図示配置構成の完全無接触の作動が常に提供される如く実行され得る。故に、この配置構成は摩擦無しで作動するが、このことは高精度で作動する測定器具における使用に関して測り知れない利点である。
【0044】選択され得る狭幅チャネルの故に、案内経路2の長手方向で見たときに軸受をカバーする軸受カバー6の前後に配置されると共に移動方向に同様に存在する間隙が全体的なシーリング効果に実質的に影響しないことも確かなものとされる。
【0045】ラビリンス・シールの主要チャネルが案内経路2の平面に対して直角に延在すると共に案内経路カバー6は支持体3の表面よりも相当下方となる如く下向きに突出し得るという図示配置構成は、全体として、組立ておよび作成が簡素であり乍らも極めて効果的であるという極めて好適な図示シール配置機構の可能性に帰着する。
【0046】上記ラビリンス凹所14および15の底部に堆積する残存汚れは常に、軸受カバー6によりカバーされた領域の外側における困難性を伴わずに容易に除去され得る、と言うのも、ラビリンス凹所16および17は軸受箇所の外側におけるこれらの領域の上方から容易にアクセスされ得るからである。
【0047】図4は、シール配置機構の別実施例の概略的断面図である。該実施例は、この場合の軸受カバー6が一側のみ即ち図中の左外側においてのみ担持体3をカバーしもしくは突出すると共にその位置でのみ屈曲側部8を有する、という点において図1の実施例から本質的に異なる。他の見地においては、この軸受側上の構造的配置構成は図1に本質的に対応し、図1に関連する記述を参照すべきである。
【0048】この場合に案内経路カバー31は空気軸受1の反対側にては、案内経路カバーの側部34が軸受カバー6の側部のラビリンス凹所内に突出する代わりに図4に示された如く担持用ウェブ4に向けて下方に延在して担持体の対応側部表面に直接的に接触して担持用ウェブ4に固定される如く、延在する。故に、一方の軸受側部(図4において内側に配置された軸受側部)は案内経路カバー34により完全にカバーかつシールされることから、ラビリンス・シールは他側のみに形成される。
【0049】この場合もまた軸受カバーは、支持されるべき構造21の重量をラビリンス構造の屈曲路を介して支持用軸受1の上側部へと伝達する力伝達構造要素部材である。
【0050】各図面は、一方が他方の内側に係合する、というラビリンス・チャネルおよび相互に面する部品の各表面の平行配置を示しているが、所望であればチャネル断面の別形状も選択され得るものであり、但し図示されてはいない。例えば、一方が他方の内側に配置されもしくは相互に近接されるという個々の部材の辺部の対応形状により、軸受1または案内経路2の囲繞空間を介した空気または気体の流れを更に困難とすべく外側から内側に向けてラビリンス・チャネルの流れ方向に収束するチャネル幅を達成することが可能である。但し、矩形のU形状受容断面、個々の部材において相互に直角に配向された屈曲、および、一定の壁厚によれば、例えば個々の部材が一定厚みの板金成形材から形成され得るという大きな利点が実現される。
【0051】尚、記述された軸受およびシーリング配置機構は軸受1の長手ガイドを含まないことから、案内経路2に沿った該軸受の移動に対して必要とされる案内部が全体デバイスの別の箇所に配置されるべきことは自明である。
【0052】
【発明の効果】本発明に依れば、担持体3上に配備された案内経路2上に支持されると共に該案内経路2の丈に沿って可動となる如く配置された、特に座標測定デバイス用の負荷担持軸受1の為のシール配置機構において、上記軸受1は軸受カバー6と接続され、該軸受カバー6は、上記担持体3の少なくとも一側にて該担持体3上に張り亙り且つ該担持体3の側部に向けて屈曲された側部14、15を有し、各側部14、15は、上記案内経路2の全長に亙り上記担持体3の対応側部上に配置されたラビリンス凹所16、17内に突出してラビリンス・シールを形成することを特徴とする、シール配置機構が提供される。
【0053】上記ラビリンス・シールは上記構成によりU形状に形成されることから、浮遊粒子、煙霧物および湿気が当該機構の外部から軸受1に至るにはこのU形状のラビリンス・シールを通過する必要が有る。しかし、たとえば浮遊粒子などはこのラビリンス・シールの最初の辺を通過したときに先ず堆積する。たとえば粒子がその後にラビリンス・シールを進むとしても重力に抗してU形状の内側辺部を上昇することは困難である。
【0054】また、上記構成に依れば軸受1の軸受カバー6とラビリンス凹所16、17とは相互に対向するだけで接触しないことから、良好なシールを提供し乍らも何らの摩擦力を生じない。
【0055】故に、本発明に依れば、汚染に対する案内要素部分の特に低い感受性と、浮遊粒子、煙霧物および湿気の侵入に対して改良された保護とを確かなものとすると同時に、全体的に良好な移動系の静的および動的特性を提供する改良シール配置機構が提供される。
【出願人】 【識別番号】500152315
【氏名又は名称】カール−ツァイス−スティフトゥンク トレーディング アズ カール ツァイス
【氏名又は名称原語表記】Carl−Zeiss−Stiftung trading as Carl Zeiss
【出願日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
【公開番号】 特開2000−320690(P2000−320690A)
【公開日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【出願番号】 特願2000−98810(P2000−98810)