| 【発明の名称】 |
ダストシール |
| 【発明者】 |
【氏名】湯浅 孝之
【氏名】石橋 進
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| 【要約】 |
【課題】高いシール性を維持できるようにすること。
【解決手段】補強環4と、補強環4に装着されたシール部材6とを含み、シール部材6はリップ部66を備えているダストシール2。シール部材6の外周面には弾性リング体7が嵌合保持される。リップ部66は、軸128の外周面に嵌合されると、それ自体の弾性圧縮力に加えて弾性リング体7の弾性圧縮力により軸128の外周面に圧接させられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 補強環と、該補強環に装着された環状のシール部材とを含み、該シール部材は環状のリップ部を備えているダストシールにおいて、該リップ部の外周面には弾性リング体が嵌合保持され、該リップ部は、シールすべき軸の外周面に嵌合されると、それ自体の弾性圧縮力に加えて該弾性リング体の弾性圧縮力により該軸の外周面に圧接させられる、ことを特徴とするダストシール。 【請求項2】 該軸の外周面に嵌合された状態で、該弾性リング体の、該リップ部の外周面に作用する弾性圧縮力が、該リップ部の、該軸の外周面に作用する弾性圧縮力よりも大きくなるように規定されている、請求項1記載のダストシール。 【請求項3】 該リップ部の外周面は該シール部材の軸線に近付く方向に傾斜角度θ1をもって傾斜して延びるよう形成され、該弾性リング体の内周面は該軸線に近付く方向に傾斜角度θ2をもって傾斜して延びるよう形成され、θ2>θ1に規定されている、請求項1又は請求項2記載のダストシール。 【請求項4】 該弾性リング体の小径側内周面と軸線方向端面との間に形成される角部には、断面がほぼL形状をなす環状の切欠きが形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のダストシール。 【請求項5】 該弾性リング体は周方向に複数個に分割されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のダストシール。 【請求項6】 該リップ部の基部側における該シール部材の端面に密接するよう該補強環に装着された環状の補助シール部材を備え、該補助シール部材の内周面が該リップ部と共に該軸の外周面に嵌合されると、該補助シール部材の該内周面は該軸の外周面に圧接させられかつ該リップ部の内周面と該軸の外周面と該補助シール部材の内周縁部における該リップ部側の側面との間には環状の隙間が形成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のダストシール。 【請求項7】 該補助シール部材の内周縁部は、該リップ部側に向かってかつ該軸線に近付く方向に傾斜して延びる、請求項6記載のダストシール。 【請求項8】 該補助シール部材の内周縁部における、該リップ部側の端面には、該端面から該リップ部方向に延び出す羽根部が周方向に間隔をおいて複数個形成されている、請求項6又は請求項7記載のダストシール。 【請求項9】 該補助シール部材の内周縁部には周方向に間隔をおいて複数個の貫通孔又はスリットが形成されている、請求項6〜8のいずれか1項に記載のダストシール。 【請求項10】 補強環と、該補強環に装着された環状のシール部材とを含み、該シール部材は環状のリップ部を備えているダストシールにおいて、該リップ部の外周面に嵌合保持された弾性リング体と、該補強環に装着された環状の補助シール部材とを備え、該シール部材及び該補助シール部材がシールすべき軸の外周面に嵌合されると、該シール部材の該リップ部は、それ自体の弾性圧縮力に加えて該弾性リング体の弾性圧縮力により該軸の外周面に圧接させられ、該補助シール部材の該内周面は該軸の外周面に圧接させられかつ該リップ部の内周面と該軸の外周面と該補助シール部材の内周縁部における該リップ部側の側面との間には環状の隙間が形成される、ことを特徴とするダストシール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、各種の機械における軸受部、例えば、建設機械である油圧ショベルのブームとアームとを連結する軸受部、アームとバケットとを連結する軸受部等において、ダストの浸入防止(防塵)、防水等のために適用されるダストシールに関する。 【0002】 【従来の技術】機械における軸受部、例えば、建設機械である油圧ショベルのブームとアームとを連結する軸受部には、ダストの浸入防止(防塵)あるいは防水等のためにダストシールが使用されている。軸受部は、アーム側に設けられた一対のボス部と、ボス部の各々に形成された共通の軸線を有する貫通孔に、それぞれ軸受を介して相対回転しうるよう支持された軸(ピン)とを備えている。軸の両端部はボス部の各々の外側に突出しており、突出した軸の両端部に、ブーム側に設けられたヨーク部の連結孔が嵌合されている。軸の一端は固定手段によってヨーク部の片側に固定されている。軸の他端部にはヨーク部の他側に隣接してスナップリングが装着されている。以上の如くして軸受部が構成され、アームがブームに対し相対回転自在に支持される。 【0003】上記軸受部において、軸受の各々はプレーンベアリングから構成されている。軸受の各々の内周面には、周方向に延在する環状の溝と、環状の溝に交叉して軸線方向に直線状に延在する複数の溝とが形成され、環状の溝が形成された部分には貫通孔が形成されている。上記溝の各々及び貫通孔の各々はグリースの通路を構成する。ボス部の各々にはグリースの注入孔が形成され、注入孔の各々の一端はボス部の表面に開口し、他端は対応する軸受の上記貫通孔に連通している。ボス部の各々の注入孔の各々からグリースが注入(圧入)される。グリースは、対応する軸受の貫通孔から各溝を通して軸受と軸との間に供給される。 【0004】上記ボス部の各々の軸線方向の外側一端部であって、軸受の各々の軸線方向の外側一端に隣接した一端部には、それぞれダストシールのための環状の装着部が形成され、この装着部の各々内にダストシールが装着されている。ダストシールの典型例は、断面がL形の補強環と、補強環に一体に装着された環状のシール部材とを含んでいる。シール部材は、対応する軸受の軸線方向の一端から離れる方向に向かって該軸線に近付く方向に傾斜して延びる環状のリップ部と、リップ部の半径方向外側に形成された環状の凹部(くぼみ部)とを備えている。シール部材のシール面はリップ部の先端部の内周面により規定され、リップ部の先端部の内周面は、それ自体の弾性圧縮力によって軸の外周面に圧接させられる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記従来のダストシールによる軸受部のシールは、シール部材のリップ部の弾性圧縮力のみにより行なわれるよう構成されているので、軸の外周面に対する緊縛力が比較的小さくしかもクリープが大きいので緊縛力が変化して当初の緊縛力を維持できず、シール性が低下する。シール性が低下するとダストの浸入が大きくなり、軸受部の耐久性を低下させる。更にはまた、特に軸受として長時間給脂間隔用ベアリングが装着された場合には、リップ部におけるシール面の潤滑材が徐々に失われてゆく傾向がみられ、その結果、摩擦係数が大きくなって摩耗が促進される。また上記従来のダストシールにおいては、シール部材がリップ部の半径方向外側に環状の凹部(くぼみ部)を備えているので、この凹部内に土砂が堆積し易い。凹部内に土砂が堆積するとリップ部のシール面から浸入する可能性が高くなる。更にはまた、軸(ピン)をシール部材のリップ部を通して軸受内に挿入する際(組み込む際)、軸の先端がシール部材のリップ部の凹部寄りに偏心して当たった場合には、リップ部を容易に反転させて損傷させるおそれがある。 【0006】本発明は上記事実に基づいてなされたものであり、その目的は、軸の外周面に対する緊縛力が比較的大きくしかもリップ部にクリープ及び摩耗が発生しても当初の緊縛力を維持することができ、その結果高いシール性を維持することができる、新規なダストシールを提供することである。 【0007】本発明の他の目的は、リップ部におけるシール面の摩擦係数を低減することができ、したがって該シール面の摩耗を低減することができる、新規なダストシールを提供することである。 【0008】本発明のその他の目的及び特徴は、本発明に従って構成されたダストシールの実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する後の記載から明らかになるであろう。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の一局面によれば、補強環と、該補強環に装着された環状のシール部材とを含み、該シール部材は環状のリップ部を備えているダストシールにおいて、該リップ部の外周面には弾性リング体が嵌合保持され、該リップ部は、シールすべき軸の外周面に嵌合されると、それ自体の弾性圧縮力に加えて該弾性リング体の弾性圧縮力により該軸の外周面に圧接させられる、ことを特徴とするダストシール、が提供される。 【0010】本発明の他の局面によれば、補強環と、該補強環に装着された環状のシール部材とを含み、該シール部材は環状のリップ部を備えているダストシールにおいて、該リップ部の外周面に嵌合保持された弾性リング体と、該補強環に装着された環状の補助シール部材とを備え、該シール部材及び該補助シール部材がシールすべき軸の外周面に嵌合されると、該シール部材の該リップ部は、それ自体の弾性圧縮力に加えて該弾性リング体の弾性圧縮力により該軸の外周面に圧接させられ、該補助シール部材の該内周面は該軸の外周面に圧接させられかつ該リップ部の内周面と該軸の外周面と該補助シール部材の内周縁部における該リップ部側の側面との間には環状の隙間が形成される、ことを特徴とするダストシール、が提供される。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施形態を添付図面を参照して更に詳細に説明する。なお図1〜図5において、相互に実質上同一部分には、同一符号が付されている。図1を参照して、全体を番号100で示す油圧ショベルは、下部走行体102と、下部走行体102上に旋回自在に装着された上部旋回体104とを備えている。上部旋回体104には運転室106、エンジン108、作業機110等が備えられている。作業機110は、一端部が上部旋回体104に回転自在に支持されたブーム112と、ブーム112の他端部にその一端部寄りの部分が回転自在に支持されたアーム114と、アーム114の他端部に回転自在に支持されたバケット116とを備えている。ブーム112は、ブーム112と上部旋回体104との間に設けられたブームシリンダ118によって作動させられ、アーム114は、アーム114とブーム112との間に設けられたアームシリンダ120によって作動させられ、またバケット116は、バケット116とアーム114との間に設けられたバケットシリンダ122によって作動させられるよう構成されている。 【0012】図1及び図2を参照して、ブーム112とアーム114との間に設けられる軸受部は、アーム114側に設けられた一対のボス部124と、ボス部124の各々に形成された共通の軸線Lを有する貫通孔125に、それぞれ軸受126を介して相対回転しうるよう支持された軸(ピン)128とを備えている。軸128の両端部はボス部124の各々の外側に突出するよう位置付けられている。ボス部124の各々の外側に突出した軸128の両端部に、ブーム112側に設けられたヨーク部130が、それに形成された連結孔132を介して嵌合されている。軸128の一端には、固定手段の一部を構成するプレート部材134が一体に固着され、プレート部材134はまた、ヨーク部130の片側に、固定手段の他の部分を構成するボルト136により固定されている。軸128の他端部の外周部に形成された図示しない環状溝にはヨーク部130の他側に隣接してスナップリング138が装着されている。軸128はブーム112のヨーク部130に相対回転できないよう一体的に固定される。以上の如くして軸受部が構成され、アーム114がブーム112に対し相対回転自在に支持される。 【0013】上記軸受部において、軸受126の各々はそれ自体公知のプレーンベアリングから構成されている。図示はされていないが、軸受126の各々の内周面には、周方向に延在する環状の溝と、環状の溝に交叉して軸線L方向に直線状に延在する複数の溝とが形成され、環状の溝が形成された部分には貫通孔が形成されている。上記溝の各々及び貫通孔の各々は潤滑材であるグリースの通路を構成する。ボス部124の各々にはグリースの注入孔(図示せず)が形成され、注入孔の各々の一端は対応するボス部124の表面に開口し、他端は対応する軸受126の上記貫通孔に連通している。ボス部124の各々の注入孔の各々からグリースが注入される。グリースは、対応する軸受126の貫通孔から各溝を通して軸受126と軸128との間に供給される。 【0014】図2と共に図3を参照して、上記ボス部124の各々の軸線L方向の外側一端部であって、貫通孔125の各々の軸線L方向の外側一端に隣接した一端部には、それぞれ後述するダストシール2のための環状の装着部140が形成されている。装着部140の各々は、対応する貫通孔125よりも大径の内周面142と、内周面142の内側端と対応する貫通孔125の軸線L方向の外側一端との間に形成される環状の段部144とから構成されている。段部144は、内周面142の内側端から半径方向内側に向かって軸線Lに対し直角に延びる環状の端面により形成されている。装着部140の各々における段部144の半径方向内側への延長上に、対応する上記軸受126の軸線L方向の一端面(外側面)が位置付けられている。以上のような装着部140の各々内に本発明のダストシール2が装着されている。上記ボス部124の各々における軸受部の構成及びそれに使用されるダストシール2の構成は相互に実質上同一である。 【0015】図7を参照して、本発明におけるダストシール2は、金属製の補強環4と、補強環4に一体に装着された環状のシール部材6とを含んでいる。なお、以下の説明において、軸線L方向の一方とは図3、図4、図7、図8及び図11において右方を意味し、また軸線L方向の他方とは上記各図において左方を意味するものとする。更にはまた、上記軸線Lは、ダストシール2の軸線と共通であり、したがってダストシール2を構成する全ての環状部材(以下において説明する、補強環4、シール部材6、弾性リング体7、押さえ環8及び補助シール部材9)の共通の軸線である。補強環4は、円筒部42と、円筒部42の軸線L方向の他方側の一端から半径方向内側に直角に延びる環状のフランジ部44とを備え、断面がL形状をなしている。弾性を有しかつ耐摩耗性を有する材料、例えば、ニトリルゴム(NBR)、ポリウレタン等の合成ゴム、その他の弾性を有する合成樹脂から形成されるシール部材6は、シール部材6の軸線Lに平行な円筒部62と、円筒部62の軸線L方向の他方側の一端から半径方向内側に直角に延びる環状の本体部64と、本体部64の内周縁に一体に形成されてシール部材6の内周縁部を規定するリップ部66と、リップ部66の半径方向外側に形成された環状の凹部68とを備えている。リップ部66は、シール部材6の軸線L方向の他方から一方に向かってかつ軸線Lに近付く方向に傾斜して延びるよう形成されている。なおリップ部66が本体部64の内周縁と一体に接続される部分は、リップ部66の基部を規定する。凹部68は、シール部材6の外周面と同心の内周面と、該内周面の奥側の一端から半径方向内側に直角に延びる端面と、該端面の半径方向内端から軸線L方向の一方に向かってかつ軸線Lに近付く方向に傾斜して延びる傾斜面69とから構成されている。傾斜面69は、リップ部66の外周面69でもある。リップ部66の外周面69は軸線Lに近付く方向に傾斜角度θ1をもって傾斜して延びるよう形成されている。 【0016】シール部材6は、その円筒部62の外周面が補強環4の円筒部42の内周面に、またその本体部64の軸線L方向の他方側の面(軸線L方向における凹部68と反対側の面)が補強環4のフランジ部44における円筒部42側の面に、またリップ部66の、本体部64から軸線L方向の他方側に補強環4のフランジ部44の厚さ分だけ突出した端部の外周面がフランジ部44の内周面に、それぞれ焼付けられることにより補強環4に一体に固着される。補強環4のフランジ部44の表面と、リップ部66の、本体部64から補強環4のフランジ部44の厚さ分だけ突出した端面とは軸線Lに直交する同一面上に位置付けられる。上記説明から明らかなように、補強環4の円筒部42はシール部材6の外周面を覆い、補強環4のフランジ部44はシール部材6の軸線L方向の他方側の(凹部68と反対側の)少なくとも一部を覆うように、シール部材6に固着される。 【0017】シール部材6の凹部68内には弾性リング体7が嵌合保持される。弾性を有する材料、例えば、ニトリルゴム(NBR)等の合成ゴムあるいはその他の弾性を有する合成樹脂から形成される弾性リング体7は、ほぼ台形状の断面を有し、その外周縁部における軸線L方向の他方側の角部に面取りが形成され、内周面が軸線L方向の一方に向かってかつ軸線Lに近付く方向に傾斜した傾斜面7aから構成されている。すなわち弾性リング体7の内周面7aは軸線Lに近付く方向に傾斜角度θ2をもって傾斜して延びるよう形成されている。図7から明らかなように、弾性リング体7の傾斜面7aの、軸線Lに対する傾斜角度θ2は、凹部68の傾斜面69すなわちシール部材6のリップ部66の外周面(傾斜面)69の、軸線Lに対する傾斜角度θ1よりも若干大きく形成されている。弾性リング体7の小径側内周面(軸線L方向の一方側の内周面)7aと軸線L方向端面(軸線L方向の一方側の端面)との間に形成される角部には、断面がほぼL形状をなす環状の切欠き7bが形成されている。切欠き7bは、内周面7aの最小径を規定する先端から半径方向外方に軸線Lに対しほぼ直角に延びる環状の端面と、環状の端面の外径を規定する環状の段部とからなる。環状の段部は、切欠き7bにおける環状の端面と、弾性リング体7の軸線L方向の一方側の端面であって、切欠き7bにおける環状の端面よりも半径方向外側の端面との間に形成される。弾性リング体7をシール部材6の凹部68内に嵌合(挿入)した状態で、弾性リング体7の外周面は凹部68の最大外径面である内周面に当接し、弾性リング体7の軸線L方向の他方側の面は、凹部68の軸線L方向の最奥部である端面に当接し、弾性リング体7の軸線L方向の一方側の面は、凹部68の開放端から若干軸線L方向の一方に突出するよう位置付けられ、そして弾性リング体7の内周面7aは、リップ部66の外周面69の外周面に嵌合させられる。上記したように、弾性リング体7の傾斜面7aの傾斜角度θ2とリップ部66の外周面69の傾斜角度θ1との間には、θ2>θ1の関係が規定されているので、リップ部66の外周面69と弾性リング体7の傾斜面7aとの間には、軸線L方向の一方から他方に向かうにしたがって徐々に大きくなるような環状の隙間が形成される。 【0018】上記弾性リング体7は、周方向に複数個、この実施形態においては12個に分割されている。具体的に説明すると、図5及び図6に示されているように、弾性リング体7は、それぞれ実質上同一の構成を有する弾性円弧部材77から構成されている。弾性円弧部材77の各々を形成する材料及び断面形状は、いうまでもなく上記した弾性リング体7と実質上同一であり、また弾性円弧部材77の周方向の両端面は、弾性円弧部材77の軸心(L)から30度の角度で延びる2本の直線と一致する面上に位置付けられるよう形成されている。したがって、弾性円弧部材77の各々の周方向の端面を相互に隣接する弾性円弧部材77に対し密接させて環状(円形状)に配列することにより、上記した環状の弾性リング体7が容易に構成されると共に、環状の凹部68内にその状態で容易に挿入されて装着される。 【0019】ダストシール2はまた、弾性リング体7を保持するための押さえ環8を備えている。金属製の押さえ環8は、円筒部82と、円筒部82の軸線L方向の一方側の一端から半径方向内側に直角に延びる環状の押さえフランジ部84とを備えている。押さえ環8の円筒部82の内周面が補強環4の円筒部42の外周面に圧着(焼きばめ)されることにより、押さえ環8は補強環4に固着されると共に、押さえ環8の押さえフランジ部84は、弾性リング体7の軸線L方向の外側面(軸線L方向の一方側の面)を押さえるよう位置付けられる(図4参照)。その結果、弾性リング体7は、軸線L方向の他方に向かう方向(凹部68の軸線L方向の最奥部に向かう方向)に若干圧縮された状態で、凹部68内に嵌合保持される(図4参照)。弾性リング体7は、上記した如く押さえ環8の押さえフランジ部84によって軸線L方向の他方に向かう方向に若干圧縮されることにより、凹部68の開放端から若干軸線L方向の一方に突出した片側面がシール部材6の片側面と実質上同一面上に位置付けられる(図4参照)。なお、押さえ環8の円筒部82の内周面が、補強環4の円筒部42の外周面を覆うように圧着される軸線L方向の範囲は、軸線L方向の一方側の一端から軸線L方向の他方側に向かう全範囲ではなく、補強環4の円筒部42の外周面の、軸線L方向の他方側の一部の領域を残すように規定されている。したがって押さえ環8の円筒部82の内周面が、補強環4の円筒部42の外周面を覆うように圧着された状態で、補強環4の円筒部42の外周面の、軸線L方向の他方側の一部の領域は露呈された状態となる(図4参照)。 【0020】ダストシール2は更にまた、リップ部66の基部側におけるシール部材6の端面に密接するよう補強環4に装着された環状の補助シール部材9を備えている。弾性を有する材料、例えば、ニトリルゴム(NBR)、ポリウレタン等の合成ゴム、あるいはその他の弾性を有する合成樹脂から形成される補助シール部材9は、円筒部92と、円筒部92の軸線L方向の他方側の一端から半径方向内側に直角に延びる環状の本体部94とを備えている。本体部94の内周縁部は、リップ部66側である補助シール部材9の軸線L方向の一方側(軸線L方向における円筒部92側)に向かってかつ軸線Lに近付く方向に若干傾斜して延びるよう形成されている。本体部94の内周縁部には、周方向に間隔をおいて複数個の貫通孔96が形成されている。なお、これら複数個の貫通孔96に代えて図示しないスリット(内周面から半径方向外方に向かって一定の幅で所定の長さだけ延びると共に軸方向の一端から他端に抜けるようなスリット)を形成する実施形態もある。補助シール部材9の内周縁部における、リップ部66側の端面には、該端面からリップ部66方向に延び出す羽根部(突出部)97が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。羽根部97は、補助シール部材9の内周縁部における、貫通孔96の半径方向内側に形成され、各々の内周面は補助シール部材9の内周面、したがって本体部94の内周面と一致するよう構成されている。補助シール部材9の内周縁部からリップ部66方向に突出した羽根部97の各々の周方向の両端面は、補助シール部材9の軸線Lと平行に延在するよう形成されているが、軸線Lに対して周方向の一方に向かって傾斜して延在するよう構成する実施形態もある。 【0021】上記の如く構成された補助シール部材9の円筒部92の内周面が補強環4の円筒部42の外周面(上記の如く、押さえ環8の円筒部82の内周面が圧着されていない露呈された軸線L方向の他方側の一部領域における外周面)に嵌合されることにより、補助シール部材9は、補強環4に装着されると共に補助シール部材9の本体部94は、少なくとも補強環4のフランジ部44の軸線L方向の他方側の表面に密接して位置付けられる。実施形態では、補強環4のフランジ部44の上記表面の、半径方向内側に向かう延長上にシール部材6のリップ部66の軸線L方向の他方側の一端面が存在するので、補助シール部材9の本体部94はリップ部66の該一端面にも密接して位置付けられる(図4参照)。上記の如くして補助シール部材9が補強環4に装着された状態で、補助シール部材9の円筒部92の外周面の直径は、押さえ環8の円筒部82の外周面の直径よりも若干小さくなるよう規定されている(図4参照)。 【0022】図4を参照して、以上のとおりにして組み立てられたダストシール2は、その押さえ環8の円筒部82の外周面が、ボス部124の装着部140の内周面142内に圧入されることにより、ボス部124の装着部140に装着される。補助シール部材9の円筒部92の外径は、押さえ環8の円筒部82の外径よりも若干小さく規定されているので、上記圧入は円滑かつ確実に遂行され、該圧入によって補助シール部材9の円筒部92が損傷されることもない。ダストシール2がボス部124の装着部140に装着された状態で、補助シール部材9の本体部94の表面(軸線L方向の他方側の表面)は、装着部140の段部144の表面及びそれと実質上同一面上に位置する軸受126の軸線L方向の一方側の端面に実質上密接して位置付けられる。上記リップ部66は、軸受126の上記端面から離れる方向に向かってかつ軸線Lに近付く方向に傾斜して延びるよう位置付けられる。また補助シール部材9の本体部94の内周縁部も、軸受126の上記端面から離れる方向に向かってかつ軸線Lに近付く方向に傾斜して延びるよう位置付けられる。ダストシール2がボス部124の装着部140に装着された状態において、しかも軸128が嵌合されない状態において、弾性リング体の内周面の傾斜角度θ2と、リップ部66の外周面の傾斜角度θ1との間には、θ2>θ1の関係が保持されている。 【0023】図3を参照して、ダストシール2がボス部124の装着部140に装着された後、軸受126内に軸128が挿入されて組み込まれる。シール部材6に軸128の外周面が嵌合されると、リップ部6は軸128の外周面によって半径方向外方に弾性的に拡大されるよう、その傾斜した内周面の径が規定されているので、弾性リング体7もリップ部66を介して凹部68内で圧縮される。これによりリップ部66の内周面は、それ自体の弾性圧縮力に加えて弾性リング体7の弾性圧縮力により軸128の外周面に圧接させられる。その結果、リップ部66の軸128の外周面に対する緊縛力が、従来のリップ部66のみの弾性圧縮力に比較して大きくなり、しかもリップ部66にクリープ及び摩耗が発生しても、弾性リング体7の弾性圧縮力によって当初の緊縛力を維持することができるので、高いシール性を維持することができる。高いシール性を維持できることに起因して、ダストの浸入を効果的に防止することができ、軸受部の耐久性を向上させることができる。上記ダストシール2においては、リップ部66が軸128の外周面に嵌合された状態で、弾性リング体7の、リップ部66の外周面69に作用する弾性圧縮力が、リップ部66の、軸128の外周面に作用する弾性圧縮力よりも大きくなるように規定されている。これは、弾性リング体7を、その弾性力がリップ部66の弾性力よりも大きな弾性力を有する材料により形成することにより、容易に達成される。 【0024】この作用を図8を参照して更に具体的に説明すると、リップ部66が軸128の外周面に嵌合されると、締め代Sだけ半径方向外方にその内周面したがってその外周面69も拡大される。このため、リップ部66は、軸128の外周面に対しF1の弾性圧縮力をもって締め付ける。他方、弾性リング体7は、リップ部66の外周面69が半径方向外方に拡大されることにより、その内周面7aがリップ部66の外周面69に対しF2の弾性圧縮力をもって締め付ける。そして弾性リング体7の弾性力はリップ部66の弾性力よりも大きな弾性力を有する材料により形成されることにより、F2/S>F1/Sの関係が成立することになる。これによりリップ部66にクリープ及び摩耗が発生しても、弾性リング体7の弾性圧縮力によって当初の緊縛力を維持することができ、高いシール性を長期にわたって維持することができるのである。また、ダストの侵入を従来のリップ部66のみのダストシールにおける以上に効果的に防止することができる。 【0025】上記した如く、シール部材6に軸128の外周面が嵌合されて、リップ部66が軸128の外周面によって半径方向外方に弾性的に拡大されると、リップ部66の外周面69は弾性リング体7の内周面7aに圧接させられる。そしてリップ部66の外周面69はシール部材6の軸線Lに近付く方向に傾斜角度θ1をもって傾斜して延びるよう形成され、弾性リング体7の内周面7aは軸線Lに近付く方向に傾斜角度θ2をもって傾斜して延びるよう形成され、θ2>θ1に規定されているので、リップ部66のシール面に常に適切で先端部に高い面圧P(図8参照)を得ることができる。その結果、リップ部66にクリープ及び摩耗が発生しても、弾性リング体7の弾性圧縮力によって当初の緊縛力を維持することができ、高いシール性を長期にわたって維持することができるのである。また、ダストの侵入を従来のリップ部66のみのダストシールにおける以上に効果的に防止することができる。 【0026】上記したダストシール2においてはまた、弾性リング体7の小径側(軸線Lの一方側)内周面と軸線L方向端面との間に形成される角部には、断面がほぼL形状をなす環状の切欠き7bが形成されている。この構成により、弾性リング体7の内周面7aの小径側の内周縁部に設けられる締め代に相当する圧縮代hを十分確実に逃げることができ、その結果、リップ部66の、軸128の外周面に対する面圧Pを、過剰でも過少でもない適性な面圧Pとすることができる(図8参照)。 【0027】上記したダストシール2においてはまた、弾性リング体7は周方向に複数個に分割されている。すなわち、先に述べたように、弾性リング体7は、それぞれ実質上同一の構成を有する12個の弾性円弧部材77から構成され、それらが環状の凹部68内に円形に配列されて挿入・取り付けられる。リップ部66が軸128の外周面に嵌合されると、締め代Sだけ半径方向外方にその内周面が拡大されるので、弾性リング体7の内周面7aの小径側が圧縮代hだけ半径方向外方に拡大される。弾性リング体7が上記の如く分割されているので、圧縮代hに起因して切欠き7bには、たわみによる片持梁力が作用する。その結果、リップ部66の、軸128の外周面に対するシール面に常に均一な力を、その円周の全面にわたって、及びシール面の軸線L方向の全領域にわたって付与することができる。これによりリップ部66の、軸128の外周面に対する面圧Pを、過剰でも過少でもない適性な面圧Pとすることができる(図9及び図10参照)。弾性リング体7を一体に形成する実施形態もあるが、フープ力の作用によって切欠き7b側の内周面には過剰に大きな弾性力が発生するおそれがあるので、上記の如く周方向に複数個に分割されるよう構成することが好ましい。 【0028】また、軸受126内に軸128が挿入されて組み込まれると、補助シール部材9の本体部94の内周面は軸128の外周面に圧接させられると共に、シール部材6のリップ部66の内周面と軸128の外周面と上記本体部94の内周縁部におけるリップ部66側の側面との間には環状の隙間S1が形成される。そしてこの隙間S1は、本体部94の貫通孔96(又は貫通孔96に代わる図示しないスリット)の各々を介して、軸受126の内周面と軸128の外周面との間に形成される隙間S2に連通されるよう構成される。したがって、先に述べたように、ボス部124の図示しない注入孔からグリースが注入されると、グリースは、軸受126の図示しない貫通孔から軸受126の図示しない溝を通して軸受126と軸128との間の上記隙間S2に供給される。このようにして注入されたグリースは、補助シール部材9の本体部94における貫通孔96の各々を通して、及び本体部94の内周縁部のたわみ(弾性変形)によって上記隙間S1に充填される。本体部94の内周縁部に形成された上記軸線L方向の一方側への傾斜は、グリース注入時における上記たわみを容易にし、グリースの隙間S1への流入、充填を円滑に遂行させる。上記貫通孔96(又は貫通孔96に代わる図示しないスリット)の各々はグリースの通路として機能する。 【0029】上記の如き補助シール部材9を設けることにより、上記隙間S1、したがってリップ部66のシール面の軸線L方向の直内側にグリースを介在させる(溜める)ことが可能となるので、シール部材6のリップ部66におけるシール面の摩擦係数を低減することができ、したがってその摩耗を低減することができる。このため軸受として長時間給脂間隔用ベアリングを装着した場合においてもその摩擦係数を低く維持することができ、摩耗を低減することができる。リップ部66の上記面圧Pが弾性リング体7により従来のリップ部66のみのダストシールにおける面圧よりも高くなるので、リップ部66のシール面にはリップ部66の磨耗を低減させるに必要なグリースを供給する必要があるが、上記の如き補助シール部材9を設けることは、このような潤滑効果を十分確実に達成せしめるものである。更にはまた、軸受126側から直接リップ部66へグリースの軸線L方向への圧力が作用することが防止される(堰の機能をも有する)ので、リップ部66のシール面からグリースが過剰に漏出することが防止される。 【0030】上記補助シール部材9の内周縁部における、リップ部66側の端面には、該端面からリップ部66方向に延び出す羽根部97が周方向に間隔をおいて複数個形成されている。このような構成により、補助シール部材9と軸128との間に相対回転が生ずると、隙間S1内に溜められたグリースに流れ及びポンピング作用が発生する(図8において矢印fは上記グリースの流れの方向を示している)。その結果、隙間S1に溜められたグリースがリップ部66のシール面に向けて積極的に移動せしめられ、グリースがシール面の全面に均等に行き渡り、リップ部66のシール面の潤滑効果が促進され、摩耗の低減を一層効果的に遂行することを可能とするものである。 【0031】上記ダストシール2においてはまた、シール部材6の凹部68内には弾性リング体7が嵌合保持され、しかも弾性リング体7の軸線方向外側面は、押さえ環8の押さえフランジ部84によってその大部分が押さえられ、したがってカバーされているので、凹部68は弾性リング体7によって実質上充填され、従来の如き外側が開放された凹部(くぼみ部)が実質上存在しなくなる。その結果、シール部材6には従来の如く凹部68内に土砂が堆積する不具合は完全に防止され、堆積した土砂がシール部材6のリップ部66のシール面から浸入することも防止され、軸受部の耐久性が確保される。 【0032】シール部材6に凹部が実質上存在しなくなることに起因して、軸128の組み込み時におけるリップ部66の損傷を防止することができる。すなわち、図2において左側のボス部124に装着されたダストシール2は、右側のボス部124に装着されたダストシール2に対し、その軸線L方向の向きが対称的に位置付けられる。したがって図2において左側のボス部124に装着されたダストシール2においては、リップ部66は、軸受126の上記端面から離れる方向に向かって(図2において左側に向かって)かつ軸線Lに近付く方向に傾斜して延びるよう位置付けられるが、軸128は、図2において軸線L方向の左から右へ挿入して組み付けられる。このため、軸128を、図2において左側のダストシール2におけるシール部材6のリップ部66を通して軸受125内に挿入する際(組み込む際)、軸128の先端(図2において右端)がシール部材6のリップ部66の凹部68寄りに偏心して当たった場合、従来の如くリップ部66の半径方向外側に環状の凹部が存在する場合には、リップ部66を容易に反転させて損傷させるおそれがあるが、本発明のダストシール2のシール部材6には、凹部68が弾性リング体7によって充填されて実質上存在しなくなるので凹部68の部分がガイドの役割を果たし、リップ部66を損傷させることなく軸128が挿入される。 【0033】図11には、本発明におけるダストシール2の他の実施形態が示されている。この実施形態において、シール部材6は、本体部64と、リップ部66とから構成され、先の実施形態における円筒部62を備えていない。したがって、シール部材6は、本体部64の外周面が補強環4の円筒部42の内周面に、またその本体部64の軸線L方向の他方側の面(軸線L方向における凹部68と反対側の面)が補強環4のフランジ部44における円筒部42側の面に、またリップ部66の、本体部64から軸線L方向の他方側に補強環4のフランジ部44の厚さ分だけ突出した端部の外周面がフランジ部44の内周面に、それぞれ焼付けられることにより補強環4に一体に固着される。先の実施形態における環状の凹部68は、補強環4の円筒部42の内周面と、シール部材6の本体部64の軸線L方向の一方側の端面と、シール部材6の外周面69との間により形成される。弾性リング体7は、先の実施形態と同じとおりにして凹部68内に挿入され、シール部材6のリップ部66の外周面に嵌合保持される。その他の構成は先に述べた実施形態と実質上同一であるので、説明は省略する。このダストシール2は、上記したように、シール部材6の構成が先に述べた実施形態と若干相違するのみで、基本的構成は先に述べた実施形態と実質上同一である。したがって図11に示すダストシール2は、図1〜図10により説明した先の実施形態におけるダストシール2と実質上同一の作用効果が得られることは明確であり、更なる説明は省略する。 【0034】以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の種々の変形あるいは修正が可能である。例えば、上記実施形態において、ダストシール2は、補強環4と、補強環4に一体的に装着されかつリップ部66及びシール部材6と、凹部68内に嵌合された弾性リング体7と、弾性リング体7を凹部68内に保持する押さえ環8と、補助シール部材9とから構成されているが、押さえ環8及び補助シール部材9を除く残りの部材により構成される実施形態もある。この実施形態の場合、弾性リング体7とシール部材6の凹部68との間には、弾性リング体7を凹部68から抜け出さないように保持するための係止手段、例えば、凹部68の外径を規定する内周面及びリップ部66の外周面に形成される環状の係止突起又は環状の被係止溝のうちの一方と、弾性リング体7の外周面及び内周面に形成される環状の係止突起又は環状の被係止溝のうちの他方とからなる係止手段を設ける必要があろう。そしてこの実施形態の場合、ダストシール2は補強環4を利用してボス部124の装着部140に装着される。この実施形態においても、軸128の外周面に対する緊縛力が比較的大きくしかもリップ部66にクリープ及び摩耗が発生しても当初の緊縛力を維持することができ、その結果高いシール性を維持することができる、土砂の堆積を防止することができる、等の効果は達成しうる。ダストシール2を、補助シール部材9のみを除く残りの部材により構成する実施形態の場合には、上記効果に加えて更に、軸128の組み込み時におけるリップ部66の損傷を防止することができる、との効果が得られる。 【0035】また上記実施形態において、補助シール部材9に、上記複数個の貫通孔96又は図示しないスリット、内周縁部の傾斜、羽根部97のいずれをも設けない実施形態もある。その場合においても、補助シール部材9を設けることによって、上記隙間S1が形成され、リップ部66のシール面に隣接した位置にグリースが溜められるので、先に述べたリップ部66のシール面の潤滑効果は得られるものである。これに関連して、上記弾性リング体7を分割することなく、一体に形成する実施形態も可能となる。弾性リング体7を一体に形成した場合には、先に述べたように、リップ部66のシール面の面圧が過剰に高くなるおそれがある。しかしながら上記補助シール部材9を併設することによって、リップ部66のシール面の潤滑効果を向上せしめられるので、リップ部66の磨耗を所望のとおりに低減させることは十分可能となるのである。なお、上記実施形態において、本発明のダストシール2は、潤滑材としてグリースが使用されている軸受部に適用されているが、これに限るものではなく、高粘度オイルが使用される軸受部にも適用可能である。 【0036】 【発明の効果】本発明のダストシールによれば、軸の外周面に対する緊縛力が比較的大きくしかもリップ部にクリープ及び摩耗が発生しても当初の緊縛力を維持することができ、その結果高いシール性を維持することができる。また、リップ部におけるシール面の摩擦係数を低減することができ、したがってその摩耗を低減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000190297 【氏名又は名称】新キャタピラー三菱株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年5月6日(1999.5.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075177 【弁理士】 【氏名又は名称】小野 尚純
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| 【公開番号】 |
特開2000−320687(P2000−320687A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月24日(2000.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願平11−125863 |
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