| 【発明の名称】 |
パワーステアリング装置内で使用されるシール組立体 |
| 【発明者】 |
【氏名】ジョン・ダブリュー・マーティン
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| 【要約】 |
【課題】長時間に亙ってパワーステアリングモータが使用された後にシール組立体は磨耗し且つ漏洩を生じる可能性を軽減し、漏洩し始める迄のシール組立体の有効寿命を最大にするように改良すること。
【解決手段】軸方向に往復運動可能な軸36を有するパワーステアリング装置10内にて改良されたシール組立体142が使用される。シール組立体142は、液圧流体が作用する内側部164を有している。シール組立体142は、最小直径の円形の輪郭線152を有する可撓性のリップ部148を備えている。環状のコイルばね158が最小直径の輪郭線152と反対側の可撓性のリップ部の側部と係合する状態に配置されている。コイルばね158は、可撓性のリップ部148の最小直径の輪郭線152を含む平面から軸方向にずらした円形の中心軸線170を有している。コイルばね158の円形の中心軸線170は、シール組立体をパワーステアリング装置10内に取り付ける前に、シール組立体142の内側部164に向けた方向に可撓性のリップ部148の最小直径の輪郭線152からずらされている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 往復運動可能な軸を少なくとも部分的に包み込むハウジングを有するパワーステアリング装置内で使用されるシール組立体において、パワーステアリング装置の作動中に液圧流体にさらされる内側部と、ハウジングと接続可能な基部と、該基部から伸長し且つ往復運動可能な軸と係合可能な可撓性のリップ部であって、前記シール組立体をパワーステアリング装置内に取り付ける前、最小直径の円形の輪郭線を有する可撓性のリップ部と、前記最小直径の輪郭線から反対側の前記可撓性のリップ部の側部と係合するように配置された環状ばねとを備え、該ばねが、前記可撓性のリップ部の一部の周りを伸長する円形の中心軸線であって、前記シール組立体をパワーステアリング装置内に取り付ける前、前記可撓性のリップ部の最小直径の前記輪郭線を含む平面から前記シール組立体の前記内側部に向けた方向に軸方向にずらされた円形の中心軸線を有する、シール組立体。 【請求項2】 請求項1に記載のシール組立体において、前記ばねの円形の中心軸線が、前記シール組立体をパワーステアリング装置内に取り付ける前、0.15乃至0.75mmの距離だけ、前記可撓性のリップ部の最小直径の輪郭線を含む平面から前記シール組立体の前記内側部に向けた方向に軸方向にずらされる、シール組立体。 【請求項3】 請求項1に記載のシール組立体において、前記コイルばねの円形の中心軸線が、前記シール組立体の内側部に向けた方向に約0.50mmの距離だけ、前記可撓性のリップ部の最小直径の輪郭線を含む平面から軸方向にずらされる、シール組立体。 【請求項4】 請求項1に記載のシール組立体において、軸方向に往復運動可能な軸が、20mm乃至40mmの範囲の直径を有する、シール組立体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、軸方向に往復運動可能な軸を有するモータを備えるパワーステアリング装置にて使用される改良されたシール組立体に関する。 【0002】 【従来の技術】公知のパワーステアリング装置は、ステアリング可能な車の車輪に接続された液圧モータを備えている。該液圧モータは、ステアリング可能な車の車輪を回すように作用可能である。公知のパワーステアリング装置の液圧モータは、ピストンと、該ピストン及びステアリング可能な車の車輪に接続された軸とを有している。ステアリング可能な車の車輪を回すようにモータが作動されると、軸は、モータハウジングに対して往復運動する。 【0003】公知のパワーステアリングモータは、モータハウジングと、往復運動可能な軸との間に配置されたシール組立体を備えている。このシール組立体は、ハウジングと接続されている。該シール組立体は、往復運動可能な軸の円筒形の外側面に係合する可撓性のリップ部を有している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】長時間に亙ってパワーステアリングモータが使用された後にシール組立体は磨耗し且つ漏洩を生じる可能性がある。漏洩し始める迄のシール組立体の有効寿命を最大にすることが望ましい。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、軸方向に往復運動可能な軸を有するモータを備えるパワーステアリング装置内で使用される新規且つ改良されたシール組立体に関する。該シール組立体は、モータの作動中、液圧流体が作用する内側部を有している。該シール組立体は、最小直径の円形の輪郭線を有する可撓性のリップ部を備えている。環状のコイルばねが最小直径の輪郭線から反対側の可撓性のリップ部の側部と係合する位置に配置されている。 【0006】該コイルばねは、可撓性のリップ部の一部分の周りを伸長する中心軸線を有している。該コイルばねの中心軸線は、シール組立体をパワーステアリング装置内に取り付ける前に、シール組立体の内側部に向けた方向に、可撓性のリップ部の最小直径の輪郭線を含む平面からずらしてある。この構造であればシール組立体の有効寿命が延びることが分かった。シール組立体をパワーステアリング装置装置内に取り付ける前に、シール組立体の内側部に向けた方向に、0.15乃至0.75mmの距離だけ、コイルばねの円形の中心軸線が可撓性のリップ部の最小直径の輪郭線を含む平面からずれるようにすれば好都合である。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の上記及びその他の特徴は、添付図面を参照しつつ、本発明の以下の説明を読むことにより、本発明が関係する技術分野の当業者により明確になるであろう。 【0008】パワーステアリング装置10(図1)は、ステアリング可能な車の車輪を旋回するように作動可能である。パワーステアリング装置10は、車のステアリングハンドルに接続された入力軸14を有する制御弁組立体12を備えている。制御弁組立体12の作動により、液圧流体はパワーステアリングモータ22に接続された導管18、20を通って流れることができる。 【0009】パワーステアリングモータ22は、車のフレームと固定状態に接続された略円筒形のハウジング26を有している。該ハウジング26は、円筒形のピストン28を包み込んでいる。ピストン28は、ハウジング26と協働して、一対の可変容積チャンバ30、32を形成する。制御弁組立体12が作動すると、圧力下の液圧流体は、可変容積チャンバ30又は32の一方に供給され且つ他方の可変容積チャンバから排出される。 【0010】ピストン28は、円筒形の往復運動可能な軸36と固定されている。往復運動可能な軸36の両端は、ステアリング可能な車の車輪に接続されている。制御弁組立体12が作動すると、可変容積チャンバ30又は32の一方の液圧流体の圧力により、ピストン28は、ハウジング26に対して軸方向に動く。その結果、軸36が軸方向に動いて、公知の方法にて、ステアリング可能な車の車輪を旋回することになる。 【0011】公知のシール組立体本発明以前、ハウジング26と往復運動可能な軸36との間に、公知のシール組立体42(図2)が設けられていた。この公知のシール組立体42は、パワーステアリングモータ22用の標準的なシール組立体と称することができる。この公知のシール組立体42は、パワーステアリングモータ22のハウジング26と固定状態に接続された基部46を有している。可撓性のリップ部(lip)48が基部46から伸長し且つ往復運動可能な軸36に係合する。 【0012】可撓性のリップ部48はシール組立体42をパワーステアリング装置10内に取り付ける前におけるリップ部の最初の状態、すなわち非拘束状態にて図2に図示されている。このように、図2に図示するように、可撓性のリップ部48は、パワーステアリングモータ22の往復運動可能な軸36との係合によってゆがむことはない。 【0013】可撓性のリップ部48は、最小直径の円形の輪郭線52を有している。この最小直径の円形の輪郭線52は、軸36の外径よりも小さい直径を有している。このため、可撓性のリップ部48が軸36における円筒形の外側面54に係合すると、可撓性のリップ部48は、半径方向外方にゆがめられる。環状のヘリカルコイルばねすなわちガータばね58(図2)がリップ部48の半径方向外側部60に係合する。このため、ばね58は、最小直径の輪郭線52から反対側のリップ部48の側部に係合する。 【0014】図2の公知のシール組立体42は、パワーステアリングモータ22が作動する間、可変容積チャンバ30内の液圧流体圧力が作用する軸方向内側部64を有している。また、可撓性のリップ部48の半径方向外側部60にも、可変容積チャンバ30内の液圧流体の圧力が作用する。また、公知のシール組立体42は、パワーステアリングモータ22が作動する間、周囲(空気)圧力が作用する軸方向外側部66も有している。 【0015】環状ばね58の円形の中心軸線70は、軸36及び公知のシール組立体42の長手方向中心軸線に対して垂直に伸びる半径方向平面内に配置されている。公知のシール組立体42(図2)において、ばね58の円形の中心軸線を含む平面は、可撓性のリップ部48の最小直径の円形の輪郭線52を含む半径方向平面からシール組立体の空気側すなわち外側部66に向けてずらしてある。ばね58の中心軸線70を含む平面は、可撓性のリップ部48の最小直径の輪郭線52を含む平面に対して平行に伸長している。しかしながら、可撓性のリップ部48の最小直径の輪郭線を含む平面は、公知のシール組立体42の内側部64に向けた方向に、ばね58の中心軸線70を含む平面からずらしてある。 【0016】ヘリカルコイルばね58の中心軸線70を含む平面が可撓性のリップ部48の最小直径の輪郭線52を含む平面からずれる距離は、公知のシール組立体42のR値と称することができる。他の取決めも可能ではあるが、可撓性のリップ部48の最小直径の輪郭線52を含む半径方平面から空気側すなわち外側部66に向けて、すなわち、図2に見て左方向に向けて、ずらした半径方向平面内にばね58の中心軸線70が配置されたとき、そのR値は負であると称することができる。往復運動可能な軸36を有する公知のパワーステアリング装置は、全て、負のR値を有するシール組立体42を備える構造であると考えられる。このように、公知のシール組立体のばね58の中心軸線は、シール組立体をパワーステアリング装置10内に取り付ける前に、可撓性のリップ部48の最小直径の円形の輪郭線52を含む半径方向平面からシール組立体の外側部すなわち空気側66に向けてずらしてある。 【0017】往復運動可能な軸36を有するパワーステアリング装置内で使用される1つの公知のシール組立体42は、図2に参照番号74で示した距離だけ可撓性のリップ部48の最小直径の輪郭線52を含む平面からずらした平面内に円形の中心軸線70が配置されたコイルばね58を有するものであった。1つの公知のシール組立体42に対する距離74は0.25mmであった。その結果、公知のシール組立体42は0.25mmすなわち約0.01インチの負のR値を有するものであった。 【0018】シール組立体42に対応する公知のシール組立体は、0.25mmの上記の特定のR値以外のR値を有する構造であることを理解すべきである。往復運動可能な軸36を有するパワーステアリングモータ22にて使用される公知のシール組立体42は、少なくとも0.75mm(約0.03インチ)の負のR値を有する構造であろうと考えられる。往復運動可能な軸36を有するパワーステアリングモータ22内で使用される公知のシール組立体42は、実質的な範囲の距離内の負のR値を有する構造であると考えられる。しかしながら、これら公知のシール組立体の全ては、負のR値を有するものである、すなわち、パワーステアリングモータ内にシール組立体を取り付ける前に、シール組立体の外側部すなわち空気側66に向けて、ばね58の中心軸線70を含む平面がずらしてあった。 【0019】改良されたシール組立体本発明に従った構造とした改良されたシール組立体142が、図3に図示されている。この改良されたシール組立体142は、モータハウジング26と固定状態に接続された環状の基部146を有している。環状のリップ部148が基部146から半径方向内方に伸長している。環状のリップ部148は、最小直径を有する円形のラインすなわち輪郭線152を有している。 【0020】改良されたシール組立体142は、パワーステアリング装置10内に取り付ける前に、図3に最初の状態、すなわち弛緩した状態で示してある。シール組立体142をパワーステアリング装置10内に取り付けたとき、可撓性のリップ部(lip)148は、往復運動可能な軸36の円筒形の外側面54と係合可能である。可撓性のリップ部148が往復運動可能な軸36に係合すると、このリップ部は、パワーステアリング装置10内にシール組立体142を取り付ける前における、図3に図示したリップ部の最初の方向から該リップ部が半径方向外方にゆがめられる。 【0021】環状コイルばねすなわちガータばね158は、可撓性のリップ部148の半径方向外側部160と係合状態に配置される。該コイルばね158は、可撓性のリップ部148の周りを伸長し、また、可撓性のリップ部148の中心軸線及び軸36の中心軸線と一致する中心軸線170を有している。コイルばね158は、可撓性のシール組立体142がステアリング装置10内に取り付けられたとき、往復運動可能な軸36の外側面54に可撓性のリップ部148を強く押し付ける効果がある。 【0022】改良されたシール組立体142は、パワーステアリングモータ22の可変容積チャンバ30内の液圧流体の圧力が作用する環状の軸方向内側部164を有している。この環状の可撓性のリップ部148における円形の半径方向外側部160にも、パワーステアリングモータ22が作動する間、可変容積チャンバ30内の液圧流体圧力が作用する。この改良されたシール組立体142は、パワーステアリングモータ22が作動する間に、周囲(空気)圧力が作用する環状の軸方向外側部166を有している。 【0023】本発明のこの実施の形態の1つの特徴に従って、コイルばね158の円形の中心軸線170は、シール組立体をパワーステアリング装置10内に取り付ける前にシール組立体142の内側部164に向けた方向に、可撓性のリップ部148の最小直径のラインすなわち輪郭線152を含む半径方向平面からずらした半径方向平面内に配置されている。コイルばね158の円形の中心軸線170を含む平面は、可撓性のリップ部148の最小直径の輪郭線152を含む平面に対し平行に伸長している。この可撓性のリップ部148の最小直径の輪郭線152を含む平面は、コイルばね158の円形の中心軸線170を含む半径方向平面から、外側部166に向けた方向にすなわち、図3に見て左方向にずらしてある。 【0024】可撓性のリップ部148の最小直径の輪郭線152を含む半径方向平面は、図3に参照番号174で示した距離だけ、コイルばね158の円形の中心軸線170を含む平面からずらしてある。この距離174は、改良されたシール組立体142のR値と称することができる。コイルばね158の円形の中心軸線170を含む平面は、可撓性のリップ部148の最小直径の輪郭線152を含む平面からシール組立体の内側部164に向けてずらしてあるから、シール組立体142のR値は正であるということができる。 【0025】正及び負のR値に対する一般的な取決めは何も存在しないことを理解すべきである。しかしながら、本明細書において、正のR値であることは、ばね158の円形の中心軸線170を含む平面が、パワーステアリング装置10内にシール組立体を取り付ける前に、改良されたシール組立体142のチャンバ30及び内側部164に向けた方向に、可撓性のリップ部148の最小直径の円形の輪郭線152を含む半径方向平面からずらしてあることを意味するものとみなす。同様に、この場合、負のR値であることは、コイルばね58の円形の中心軸線70(図2)を含む平面が可撓性のリップ部の最小直径の円形の輪郭線52を含む半径方向平面からシール42の外側部すなわち空気側66に向けた方向にずらしてあることを意味するものとする。 【0026】実験によって、驚くべきことに、正のR値を有するシール組立体は、負のR値を有するシール組立体よりも有効寿命が長いことが確認された。このため、図3のシール組立体142と同様な、正のR値を有するシール組立体は、図2のシール組立体42と同様な、負のR値を有するシール組立体よりも長い有効寿命を有することになる。図1のパワーステアリング装置10の往復運動可能な軸36は、約20mm乃至約40mmの直径とすることができる。この範囲内の直径の往復運動可能な軸の場合、図3のシール組立体142と同様な、正のR値を有するシール組立体は、図2のシール組立体42と同様な、負のR値を有するシール組立体よりも長い有効寿命であることが実験によって確認された。 【0027】図3に図示した本発明の実施の形態において、改良されたシール組立体142は、シール組立体142をパワーステアリング装置10内に取り付ける前に、0.50mm(約0.02インチ)の正のR値を有するものとした。このため、コイルばね158の中心軸線170を含む半径方向平面が可撓性のリップ部148の最小直径の輪郭線152を含む半径方向平面からずれる距離174は、改良されたシール組立体142の内側部164に向けた方向に0.50mmとなる。改良されたシール組立体142は、0.50mmよりも大きいか、又は小さい何れかの範囲内のR値を有する構造とすることが考えられる。改良されたシール組立体142の正のR値の範囲174は、パワーステアリング装置10内にシール組立体142を取り付ける前に、0.15mm乃至0.75mmの範囲内で変更可能であると考えられる。このため、図3の距離は、パワーステアリング装置10内にシール組立体142を取り付ける前に、0.15mm乃至0.75mmの範囲内にて変更可能である。約0.50mmの正のR値であることが好ましいと考えられる。このため、図3の距離174は、約0.50mmであることが好ましいと考えられる。 【0028】シール組立体−特定の構造改良されたシール組立体142の特定の構造が図4に図示されている。改良されたシール組立体142の1つの特定の構造が図4に図示されているが、所望であるならば、該改良されたシール組立体142は、多数の異なる構造であるようにすることができることを理解すべきである。しかしながら、改良されたシール組立体142の特定の構造に関係なく、シール組立体は、該シール組立体をパワーステアリング装置10内に取り付ける前に、正のR値を有することになる。このように、ばね158は、シール組立体をパワーステアリング装置10内に取り付ける前に、可撓性のリップ部148の最小直径の円形の輪郭線152を含む半径方向平面からシール組立体142の内側すなわち液圧流体側164に向けた方向にずらした半径方向平面内に配置された中心軸線170を有している。 【0029】改良されたシール組立体142の環状の基部146(図4)は、環状の金属補強壁182を有している。補強壁182は、軸方向に伸長する比較的長い主要部分184と、半径方向に伸長する比較的短い端部分186とを有している。補強壁の主要部分184は円筒状の形態をしている。端部分186は環状の形態をしており且つ主要部分184と一体に単一体として形成されている。 【0030】基部は、ゴムすなわち重合系材料で出来ており且つ補強壁182を包み込む環状の成形本体190を有している。極めて薄いフラッシュ層が端部分186の軸方向外側部に結合され且つ端部分186とモータハウジング26との間に配置されている。環状の可撓性のリップ部148が本体190と単一体として一体に成形されている。可撓性のリップ部148及び本体190は、同一の重合系材料で形成されている。 【0031】環状の成形した支持リング194が成形本体190に係合する。支持リング194は、チャンバ30内の液圧流体の圧力の作用を受けて左方向に動かないように可撓性のリップ部148を支持する。支持リング194は、補強壁182及び可撓性のリップ部148と同軸状の関係に配置されている。 【0032】ばね158は、環状の可撓性のリップ部148の周りを伸長する。ばね158は、ガータばねと称されることもある、きつく巻いたヘリカルコイルばねである。環状ばね158は、可撓性のリップ部148の半径方向内側部分を付勢して軸36の円筒形の外側面54と係合させる。 【0033】好適なシール組立体142の1つの特定の実施の形態において、シール組立体は、全体的な直径が約35mmで、全体的な軸方向伸長距離が約6.35mmである。シール組立体142のこの特定の実施の形態において、最小直径の輪郭線152は、シール組立体142をパワーステアリング装置10内に取り付ける前に、直径約21.13mmで、正のR値が約0.50mmであるようにした。 【0034】改良されたシール組立体142は、本明細書に記載した上記の特定の構造以外の構造とすることも可能であることを理解すべきである。また、改良されたシール組立体142は、本明細書に記載した特定の寸法と相違する寸法とすることも可能であることも理解すべきである。上記の特定の構造及び寸法は、説明を明確にする目的のために掲げたものである。しかしながら、改良されたシール組立体142は、正のR値を有する構造とする、すなわち、シール組立体をパワーステアリング装置10内に取り付ける前、コイルばね158の中心軸線170を含む平面が可撓性のリップ部148の最小直径の輪郭線152を含む平面からシール組立体の内側部164に向けた方向にずれるようにする。 【0035】性能の比較往復運動可能な軸と関係したシール組立体42、142と同一の全体の構造を有する3つのシール組立体の性能の比較が図5及び図6に示してある。往復運動軸における3つの異なるシール組立体によるオイル圧力及び抵抗力の比較が図5にグラフ202で示してある。グラフ202には、往復運動軸に対してシール組立体により付与された抵抗力がシール組立体のオイル側の圧力の変化と共に変化する状況が示してある。 【0036】第二のグラフ206には、シール組立体の重量損失がシール組立体の作動サイクルの数と共に変化する状況が示してある。シール組立体の重量損失は、シール組立体の磨耗の直接的関数である。勿論、シール組立体の磨耗が大きければ大きい程、シール組立体はより早期に漏洩する。 【0037】抵抗力が第一のシール組立体に対する液圧流体と共に変化する状況が図5のグラフ202の曲線210で示してある。第一のシール組立体の重量損失、すなわち磨耗率は、図6のグラフ206の曲線212で示してある。図5及び図6の曲線210、212に対応する第一のシール組立体は、図2のシール組立体42の構造に対応する構造を有するものとした。この特定のシール組立体のR値は負の0.75mmであった。 【0038】図5のグラフ202の曲線216は、抵抗力が第二のシール組立体に対する圧力と共に変化する状況を示す。図6のグラフ206の曲線218は、第二のシール組立体が作動サイクルに伴う重量損失、すなわち磨耗状況を示す。第二のシール組立体は、図2のシール組立体42の構造に対応する構造のものにした。この特定のシール組立体のR値は負の0.25mmであった。 【0039】図5のグラフ202の曲線222は、抵抗力が第三のシール組立体に対する液圧流体の圧力と共に変化する状況を示す。図6のグラフ206の曲線224は、第三のシール組立体が作動サイクルに伴う重量損失、すなわち磨耗状況を示す。グラフ202及び206の曲線222及び224に対応する第三のシール組立体は、図3及び図4のシール組立体142に対応する構造のものとした。この特定のシール組立体のR値は正の0.50mmであった。 【0040】図5及び図6のグラフ202、206の曲線210、212、216、218、222、224に対応するシール組立体は、R値が相違する点を除いて、全体として同一の構造を有するものとした。しかしながら、第三のシール組立体、すなわち、図5及び図6の曲線222、224に対応するシール組立体のみが正のR値を有するものとした。曲線210、212、216、218に対応するシール組立体は、負のR値を有していた。 【0041】試験の間、正のR値を有するシール組立体、すなわち図3に図示した構造を有するシール組立体は、その総漏洩量が最小であった。このため、図5及び図6の曲線222、224に対応する構造を有するシール組立体の漏洩量は0.125ミリリットルであった。曲線210、212に対応し且つ0.75mmの負のR値を有するシール組立体は漏洩量が最大である、すなわち、約1.75ミリリットルの漏洩量であった。曲線216、218に対応するシール組立体は、シール組立体42と同一の構造であり、また、0.25mmの負のR値であった。曲線216、218に対応するシール組立体の総漏洩量は1.0ミリリットルであった。 【0042】試験後、シール組立体を分析すると、図5及び図6の曲線222、224に対応するシール組立体、すなわち、0.50mmの正のR値を有するシール組立体は、直径の増加が最小である、すなわち、3つのシールのうち磨耗程度が最小であった。図5及び図6の曲線222、224に対応し且つシール組立体142と同一の構造の正のR値のシールは、負のR値を有する他の2つのシール組立体の場合の100.12及び90.85g/cm(8.97及び8.14オンス/インチ)と異なり、周方向長さあたりの322.33g(11.37オンス)という軸の最高密封力(リップ部の負荷)を有していた。 【0043】本発明の上記の説明から、当業者は、改良、変更及び改変例が認識されよう。当業者の技術範囲に属するかかる改良、変更及び改変は、特許請求の範囲により包含することを意図するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591169755 【氏名又は名称】ティーアールダブリュー・インコーポレーテッド 【氏名又は名称原語表記】TRW INCORPORATED
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| 【出願日】 |
平成12年4月6日(2000.4.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089705 【弁理士】 【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−320686(P2000−320686A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月24日(2000.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2000−104876(P2000−104876) |
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