| 【発明の名称】 |
エラストマー材を用いたシール具 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 総一郎
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| 【要約】 |
【課題】従来のゴム材では耐久性が低い問題点を有していたが、耐久性がより高いエラストマー材を採用するにも、弾性接着剤等の特別な接着剤が必要であり、また製造工程も複雑になる上、接着による固定では剥がれ易いという問題を有していた。
【解決手段】本発明では、基材とエラストマー材製のシール部材と該基材または該シール部材のいずれかの部材に設けられる受容部とを備えることを特徴とする固定手段を提供することで、エラストマー材の採用が可能となり、シール材の耐久性と長期の防塵性が保証できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材と、エラストマー材製のシール部材と、該基材または該シール部材の一方に設けられた挿入部と、他方に設けられた受容部と、該基材に設けられた孔とを備え、該孔に挿通される棒状部が該シール部材に一体成形されることにより該シール部材が基材に保持されることを特徴とするシール具。 【請求項2】 基材と、エラストマー材製のシール部材と、該基材または該シール部材の一方に設けられた挿入部と、他方に設けられた受容部と、該挿入部および該受容部に設けられる孔と、固定具とを備え、該挿入部と該受容部が嵌合し該固定具が該孔に挿着されることにより、該シール部材が基材に挟持されることを特徴とするシール具。 【請求項3】 基材と、エラストマー材製のシール部材と、該基材または該シール部材の一方に設けられた挿入部と、他方に設けられた受容部と、該基材に設けられる突起部と、該シール部材に設けられる孔とからなり、該挿入部と該受容部が嵌合し該突起部が該孔に挿通され、該突起部の頂上部がかしめられることにより、該シール部材が基材に挟持されることを特徴とするシール具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、摺動体を有する装置の密閉技術に関わるものであって、たとえば、直線運動等を案内する直線型案内装置に使用される装置等のシール具に関する。本発明が用いられる一般の摺動装置は、図1に示されるように、レール部上を移動するためにボール(不図示)をもつ摺動体1と、その摺動体内のボールを摺動体端部にて方向転換するために本体部の両側に取り付けられるエンドキャップ2とから構成される。本発明はここにおいて、当該装置のエンドキャップの外側に取り付けられるシール具3に関する。シール具3とエンドキャップ2は、通常、図1に示すように固定具によって本体部に取り付けられる。 【0002】シール具3は、図1に示すように、「コ」字形状の基材(不図示)全体にシール部材5を焼き付け又は一体成形したものである。通常、シール部材5の内形状はレールの断面形状とほぼ同じ形状になっていて、レールと摺動体1との間の間隙を無くすことによってシール効果を発揮させている。 【0003】 【従来の技術】シール部材5には、従来、ニトリルゴム,ウレタンゴム,またはフッ素ゴム等で代表されるゴム材料が用いられていた。これらの材料が採用されたのは、成形が容易であることと、弾性力が高いので摺動体の摩擦力の増加に影響を与えないからである。シール部材5が高い弾性力を有する限り、摺動体の動きに対応して、シール部材5が変形するので、前記のように摺動体断面形状より小さい内形状を有していても摺動体の動作には影響せず性能の劣化には繋がらない。 【0004】また、当該材料は安価で耐油性も高く、取り扱いが容易であった。シール部材として、基材に取り付ける際も、成型時またはその後に、容易に入手可能な接着剤を利用することができる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来の技術を用いた装置が、粉末状の異物(セラミック粉、木工粉、,鋳物粉、スパッタ粉)が発生する環境下で用いられると、摺動体の、たとえばレール上に塗布されている潤滑剤の潤滑成分が異物によって吸収され乾燥状態となる。これにより、以下の問題が生じる可能性があった。 【0006】(1)シール部材が前記のゴム材料の場合では、シール部材と摺動体間の摩擦が大きくなってシール部材の磨耗が急激に進行し、シール部材が局部的に破断する。 (2)シール部材が破断すれば、防塵効果を喪失し、摺動体内に雰囲気中の異物が侵入し、その他の箇所の磨耗を生じ、装置全体の剛性や寿命に影響を生じる。 【0007】この課題に対して、ゴム材に代えてエラストマー材をシール部材として利用できれば有利である。エラストマー材が自己潤滑性を有しており、また高い耐磨耗性をも有しているからである。しかし、エラストマー材をシール部材として適用するには、以下の適用上の問題があった。 【0008】(3)エラストマー材を基材に取り付ける接着剤は弾性接着剤等の特別な接着剤が必要であり、また製造工程も複雑になった。また、接着による固定では耐久性が低く、基材から剥がれやすい欠点を有していた。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、シール具のシール部材として、自己潤滑性を有し、また高い耐磨耗性を有するエラストマー材を採用するとともに、エラストマー材の固定において生じていた前記の問題を解消するべく、以下に説明する取り付け手段を同時に施すことで、前記問題を解決し、安価で高性能の防塵シール具を提供する。 【0010】 【実施例】実施例1について図2、図3および図4を参照して説明する。図2に示すように、本発明のシール具10は、基材11およびシール部材12を構成品とする。図3は、図2のAA矢視断面部拡大図である。ここに示すように、シール部材12には、受容部20が設けられている。なお、受容部は図4に示すように基材11側に受容部30のように設けられてもよい。一方、受容部に挿入される側は、必ずしも特別な形状に加工される必要はなく、単に受容部に挿入できれば、素材形状のままでよい。以下各実施例内で、挿入部とは、挿入の為に必要となる特別な形状に加工された部位のみならず、加工せず部材端部をそのままの形状で受容部に嵌入することも含むものとする。具体的にこの明細書中に記載する「挿入部」とは、挿入するための加工処置を施していない「基材」または「シール部材」をも含む。 【0011】基材11には、図2および図3に示すように、基材内側の縁に沿って孔13が配置される。なお、孔13は図2に示すような円であっても、または長孔でも良い。また、基材の材料には、金属又は熱可塑性もしくは熱硬化性プラスチックが想定できる。 【0012】ここで図3に示すように、シール部材を成形する際に、孔13にもシール部材が回り込むようにに一体成形されると、受容部20の両側を接合する棒状部14が形成される。成形完成と同時に棒状部は孔13にすでに挿着されており、シール部材12が基材11に固定される。また、受容部が設けられる部材が逆になった例を図4に示している。受容部30は基材11側に設けられ、シール部材12が受容部30に挿入され、シール部材が両側の孔に回り込むように一体成形され、図3の場合と同じように、棒状部14が形成される。成形完成と同時に棒状部が孔13に挿着されシール部材12が基材11に固定される。 【0013】図5から図7は図3に示した実施例1におけるその他の態様の例である。図5に示すようにシール部の外面が基材の外側にあってもよい。また基材の厚さをシール部材の厚さだけ減少させることによって、図6のようにシール具の外面の片側が基材の外面の片側と同一面を、また図7のようにシール部の表裏面が基材表裏面と同一面を形成しても良い。 【0014】本実施例では基材11に設けた孔13には基材11の両面から面取部が形成されており、シール部材12を基材に一体成形する際により強固に固着できる効果がある。また、図5から7では孔13に面取りが施されているが、面取りがなくても強固に固着することが出来る。 【0015】実施例2は、図8から図13に示されている。実施例1と同じく、実施例2においても、基材またはシール部材の一方に挿入部がまた他方に受容部とが設けられている点で共通し、基材を貫通する固定具によりシール部材が挟持される点が異なる。 【0016】具体的には、図8から図11の場合にシール部材36側に受容部40が設けられ、または図12または13では基材35側に受容部39が設けられる。ここで、前者の場合には基材35がシール部材36の受容部40に、後者の場合にはシール部材36が基材35の受容部39にそれぞれ挿入される。 【0017】上記の通り固定には、固定具43、たとえばボルト41またはリベット42等が利用される。この固定具43が、孔37に挿通され固定されることによりシート部材が保持される。図12は、固定具としてボルト41が利用された場合である。この場合では、螺子38が基材35に施されて固定具41(ボルト)が螺着される。また図13は、固定具としてリベット42が用いられた例である。この場合は孔37にリベット42が挿通され両側がかしめられることによりシール部材36が基材35に保持される。 【0018】この実施例2においても、実施例1の図5から図7に示す態様の例と同じく、図9から図11に示す実施形態が考えられ得る。 【0019】実施例3は、図14および図15に示されている。実施例3では、基材45が突起48を、シール部46がシール部穴47を有する。また、受容部50はシール部46に設けられており、この受容部50に基材45が挿入されると、シール部穴47が突起48にはまりこむようになっている(図14上)。この状態で、突起48の頂上部をかしめて潰すと、突起49のようにかしめの効果でシート部の両側が挟持される(図14下)。この実施例3の別の実施形態としては、図15のように、シート部の穴の断面形状を外側に向かって拡大する楔形状としておき(図15上)、その後突起の先端をかしめて潰した突起頭がその楔形状断面の空間を埋めると同時にシート部の面と一致して、シートを挟持(図15下)する実施形態である。 【0020】上記に示してきた実施例により、エラストマー材を基材上に確実に固定することができるので、エラストマー材をシール部材として選択することができる。エラストマー材を使用することにより、酸化防止剤,受酸剤,カーボン等の帯電防止剤,シリカまたはアルミナ等の充填剤,金属酸化物,着色剤,および難燃物を加えることができる。 【0021】また、本発明は実施例において、直線案内装置用のサイドシールを例としたが、同一の構成とする限り、その他のシール、たとえば、同じく直線案内装置についていえば、図1のアンダーシール9においても用いることができる。 【0022】 【発明の効果】本発明は以上説明した様な形態で実施され、以下に記載される効果を奏する。 【0023】シール具基材にエラストマー材を、接着ではなく、一体成形または固定具による物理的固定を施すことで、長期において剥離を生じずに、確実な固定を施しうる。 【0024】この確実な固定手段の実現により、エラストマー材をシール部材として選択できる。これにより、従来のゴム材料に比較して、シール部材の潤滑性および耐磨耗性が向上し、耐久性の向上と、ひいては長期の防塵性の保証ができるので初期性能の長期維持が可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004204 【氏名又は名称】日本精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年4月16日(1999.4.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064447 【弁理士】 【氏名又は名称】岡部 正夫 (外11名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−304137(P2000−304137A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月2日(2000.11.2) |
| 【出願番号】 |
特願平11−109069 |
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