| 【発明の名称】 |
クロロプレンゴム製等速ジョイントブーツ |
| 【発明者】 |
【氏名】江口 力人
【氏名】矢本 博光
【氏名】深澤 清文
|
| 【要約】 |
【課題】被接着面を接着させることによりクロロプレンゴム製等速ジョイントブーツを形成させる蛇腹状筒状体において、経時的接着性を低下せしめないものを提供する。
【解決手段】上記蛇腹状筒状体をクロロプレンゴム100重量部当り3重量部以下のp-フェニレンジアミンによって代表されるアミン系老化防止剤を添加したクロロプレンゴム配合物から成形され、好ましくはこのクロロプレンゴム配合物中には、0.8重量部以下のワックスが更に添加されて用いられる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被接着面を接着させることにより等速ジョイントブーツを形成させる蛇腹状筒状体において、蛇腹状筒状体をクロロプレンゴム100重量部当り3重量部以下のアミン系老化防止剤を添加したクロロプレンゴム配合物から成形してなるクロロプレンゴム製等速ジョイントブーツ。 【請求項2】 クロロプレンゴム100重量部当り0.8重量部以下のワックスが更に添加されたクロロプレンゴム配合物が用いられた請求項1記載のクロロプレンゴム製等速ジョイントブーツ。 【請求項3】 被接着面を有する蛇腹状筒状体が筒状体の長さ方向に切断分割面を設け、被接着面としたものである請求項1または2記載のクロロプレンゴム製等速ジョイントブーツ。 【請求項4】 接着剤として粘度約500〜3000cpsのアルキルα-シアノアクリレート系接着剤を用いて接着した請求項3記載のクロロプレンゴム製等速ジョイントブーツ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、クロロプレンゴム製等速ジョイントブーツに関する。更に詳しくは、経時的接着性にすぐれたクロロプレンゴム製等速ジョイントブーツに関する。 【0002】 【従来の技術】クロロプレンゴム製等速ジョイントブーツは、蛇腹状の筒状体であるが、それを補修用としてジョイントを分解せずに組付けるために、例えば筒状体の長さ方向に切断分割面を1ケ所設けたような状態で成形した後、その切断分割面を筒状体形成用接着面として接着させることにより、蛇腹状の筒状体を形成させることが行われている。 【0003】しかるに、等速ジョイントブーツ形成材料であるクロロプレンゴム配合物中には、一般に耐疲労性や耐オゾン性を高めるため、アミン系老化防止剤やワックス類が多量に添加されており、これらの添加剤がゴム表面に経時的にブルームしてしまい、接着面における経時的接着性を著しく阻害している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、被接着面を接着させることによりクロロプレンゴム製等速ジョイントブーツを形成させる蛇腹状筒状体において、経時的接着性を低下せしめないものを提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、上記蛇腹状筒状体をクロロプレンゴム100重量部当り3重量部以下のアミン系老化防止剤を添加したクロロプレンゴム配合物から成形することによって達成され、好ましくはこのクロロプレンゴム配合物中には、0.8重量部以下のワックスが更に添加されて用いられる。 【0006】 【発明の実施の形態】アミン系老化防止剤としては、p-フェニレンジアミンまたはその誘導体等が用いられ、好ましくはp-フェニレンジアミンが用いられる。これらのアミン系老化防止剤は、クロロプレンゴム100重量部当り3重量部以下、好ましくは約0.5〜2重量部の割合で用いられる。これ以下の添加割合では、所望の老化防止効果が発揮されず、一方これ以上の割合で添加されて用いられると、従来での如くこれが経時的にゴム表面にブルームして、接着面における経時的接着性を低下させる。 【0007】これらのアミン系老化防止剤と共に、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等のワックスを、クロロプレンゴム100重量部当り0.8重量部以下、好ましくは約0.1〜0.5重量部添加して用いることができる。これ以上の割合で添加して用いられると、やはり経時的接着性が損われるようになる。 【0008】これらの各成分以外にも、加工性改良のためにステアリン酸を、クロロプレンゴム100重量部当り約10重量部以下、好ましくは約3重量部以下の割合で添加して用いることができる。また、カーボンブラックによって代表された補強剤およびその他必要に応じて添加される受酸剤(2価金属の酸化物または水酸化物)、可塑剤、加硫促進剤、重合性禁止剤、柔軟性付与剤等が適宜配合されて用いられる。 【0009】以外の各成分は、ニーダ、バンバリーミキサ、インターミックス等を用いて混練され、混練物は射出成形法等により、等速ジョイントブーツを形成し得る蛇腹状筒状体に成形される。成形された蛇腹状筒状体は、その長さ方向に切断分割面が一ケ所設けられており、その切断分割面を被接着面として接着し、製品組付けを行うことにより、クロロプレンゴム製等速ジョイントブーツが形成される。 【0010】この接着には、室温条件下で接着し、製品組付けを行った際、作業開始後5分間以内に接着剤の硬化が完了せず、かつ接着組付け後1時間以内で硬化が完了する一液型の接着剤が用いられる。 【0011】ここで、作業開始後5分間以内に接着剤の硬化が完了しないとは、セットタイムを意味しており、また接着組付け後1時間以内で硬化が完了するというのは、硬化時間を意味している。 【0012】かかる硬化特性を有する接着剤としては、粘度が約500〜3000cpsのアルキルα-シアノアクリレート系接着剤(一液型接着剤)が用いられ、これに対してアルコキシアルキルα-シアノアクリレート系接着剤が、それ単独であるいはアルキルα-シアノアクリレート系接着剤と混合して用いられたいずれの場合にも、接着後の耐熱性に劣り、耐久性を欠くようになる。また、その粘度については、これ以下の粘度では組付け時に接着剤が垂れて作業者の皮ふに付着するおそれがあり、一方これよりも高い粘度のものを用いると、接合面での接着剤層の厚さが薄くなり難くなり、アルキルα-シアノアクリレート系接着剤の硬化特性から接合後の硬化時間が極端に遅くなる。 【0013】 【発明の効果】本発明に係るクロロプレンゴム製等速ジョイントブーツは、蛇腹状筒状体の被接着面を接着、組付けることにより製造されるが、その接着面の接着性は経時的にも低下することはない。 【0014】 【実施例】次に、実施例について本発明の効果を説明する。 【0015】 実施例1 クロロプレンゴム(昭和電工・デュポン製品ネオプレンW) 100重量部 酸化亜鉛 5 〃 酸化マグネシウム 4 〃 FEFカーボンブラック 40 〃 可塑剤(菜種油) 20 〃 加硫促進剤(川口化学製品アクセル22C) 1 〃 〃 (大内新興化学製品ノクセラーTT) 1 〃 p-フェニレンジアミン 2 〃 ステアリン酸 1 〃以上の各配合成分をニーダで混練し、混練物を射出成形して、等速ジョイントブーツを形成し得る蛇腹状筒状体を成形した。 【0016】この蛇腹状筒状体は、その長さ方向に切断分割面が1ケ所設けられており、その切断分割面同志を一液型のエチルα-シアノアクリレート系接着剤(松本製薬製品SP-1000;粘度1000cps)で接着した。 【0017】接着された接着面について、引張せん断強さ(JIS K-6861準拠)の測定を、加硫放置後1日目、10日目、30日目および90日目について行ない、経時的接着性として評価した。 【0018】実施例2実施例1において、配合成分としてパラフィンワックス0.5重量部が更に添加されて用いられた。 【0019】比較例1〜3実施例1において、FEFカーボンブラック量を38重量部に変更すると共に、p-フェニレンジアミン量を4重量部(比較例1)、6重量部(比較例2)または8重量部(比較例3)に変更した。 【0020】比較例4実施例2において、FEFカーボンブラック量を38重量部に、またパラフィンワックス量を1重量部にそれぞれ変更した。 【0021】比較例5〜7比較例4において、p-フェニレンジアミン量を4重量部(比較例5)、6重量部(比較例6)または8重量部(比較例7)に変更した。 【0022】以上の各実施例および比較例で得られた結果は、次の表1に示される。なお、破壊モードを示すRは材料(ゴム)破壊であり、Cは界面破壊である。 表1 引張せん断強さ(Kgf/cm2) 例 1日放置 10日放置 30日放置 90日放置 実施例1 13.6R 13.7R 13.2R 13.5R 〃 2 13.4R 13.3R 13.5R 13.5R 比較例1 13.3R 12.9R 9.3C 5.0C 〃 2 13.0R 9.5C 6.8C 4.3C 〃 3 13.2R 8.3C 5.2C 3.3C 〃 4 13.2R 13.1R 9.0C 5.8C 〃 5 13.0R 13.2R 8.6C 5.2C 〃 6 12.8R 6.4C 4.2C 3.2C 〃 7 12.5R 4.8C 3.4C 3.0C |
| 【出願人】 |
【識別番号】000004385 【氏名又は名称】エヌオーケー株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年4月8日(1999.4.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066005 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 俊夫
|
| 【公開番号】 |
特開2000−291798(P2000−291798A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月20日(2000.10.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−101090 |
|