| 【発明の名称】 |
縦型回転装置の磁性流体シール構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】今本 善美
【氏名】武石 淑之
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| 【要約】 |
【課題】縦型回転装置の磁性流体シール構造にあって、ケーシング内に充満した密封対象の液体中に微粒子が含まれている場合でも、磁性流体の劣化を防ぎ、長期間所要のシール性を確保できるものを提供する。
【解決手段】密封対象の液体を充満させたケーシングを備え、このケーシングの内部を垂直に挿通するシャフトを備えて、ケーシングに嵌合するシャフトの軸周りに磁性流体シール部が装着されて被密封液体の外部漏洩を防止する縦型回転装置の磁性流体シール構造において、シャフトにハウジングの下端部を取り囲む円筒状容器を同心的に嵌装することによって凹形断面の環状流路を形成し、この流路の出口近傍の環状隙間に磁性流体シールを介装すると共に、磁性流体シールの密封部と流路中の被密封液体との界面に気体室を設けた縦型液体シール装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 密封対象の液体を充満させたケーシングを備え、このケーシングの内部を垂直に挿通するシャフトを備えて、ケーシングに嵌合するシャフトの軸周りに磁性流体シール部が介装されて被密封液体の外部漏洩を防止している縦型回転装置の磁性流体シール構造において、シャフトにハウジングの下端部を取り囲む円筒状容器を同心的に嵌装することによって凹形断面の環状流路を形成し、該流路の出口近傍の環状隙間に磁性流体シールを介装すると共に、磁性流体シールの密封部と流路中の被密封液体との界面に気体室を設けたことを特徴とする縦型液体シール装置。 【請求項2】 ケーシングの下端部に突設されたシール部内筒が、そのケーシングの下端部の外側または内側に突出し、それに対応してシャフトの外周面に嵌着されたシール部外筒が上向きまたは下向きとなって環状流路を形成させている請求項1または2記載の縦型回転装置の磁性流体シール構造。 【請求項3】 ケーシングの下端部に垂直に円筒状のシール部内筒が突出して設けられ、このシール部内筒を外側から取り囲む同心軸上の円筒容器形状のシール部外筒がシャフトの軸周りに嵌着させて設けられ、これら同心軸上で二重構造のシール部内筒とシール部外筒との内外周間の間隙は垂直上方へUターンして被密封液体が廻り込める形状の環状流路となっており、該環状流路の上端開口部を密閉して磁性流体シール部が介装されており、該磁性流体シール部と廻り込み液体の液面との間の環状流路の空隙部が気体室となっている請求項1または2記載の縦型回転装置の磁性流体シール構造。 【請求項4】 ケーシングの下端部に垂直に円筒状のシール部外筒が突出して設けられ、このシール部外筒によって取り囲まれた同心軸上の円筒容器形状のシール部内筒がシャフトの軸周りに嵌着して設けられ、これら同心軸上で二重構造のシール部内筒とシール部外筒との内外周間の間隙は垂直上方へUターンして被密封液体が廻り込める形状の環状流路となっており、該環状流路の先端開口部を密閉して磁性流体シール部が介装されており、該磁性流体シール部と廻り込み液体の液面との間の環状流路の空隙部が気体室となっている請求項1または2記載の縦型回転装置の磁性流体シール構造。 【請求項5】 微粒子を含有する被密封液体の密封に用いられる請求項1、2、3または4記載の縦型回転装置の磁性流体シール構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子を含む固相液相分散系の各種流体、例えばスラリー、泥水、電気粘性流体などを収容したバケット容器形状のケーシングおよびこれに貫通する垂直シャフトなどから構成される縦型回転装置のシール構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、この種の縦型回転装置では、密封対象の液体(被密封液体)を充満したケーシングを回転させるか、あるいはこのケーシング内を垂直に貫通するシャフトを回転させるかして、ケーシングとシャフトのいずれか一方が相対にまたは両方が一体に回転可能な構造となっている。この場合、ケーシングとシャフトとの嵌合軸周りにおける水密性を確保するために、Oリング、オイルシール、メカニカルシールなどのシール部材が装着される。 【0003】ところで、そうした通常のシール部材は、軸周りのシール面において固体同士が直に摺接することで機能するものであるから、経時的使用を繰り返すことによって摺接部が摩耗し、シール性の低下は避けられない。 【0004】近年、固体シール材の摩耗によるシール性低下といった問題を改善するために、固体シール材に代わる磁性流体シール構造が注目されている。これは、環状磁石によって磁気回路を形成し、磁性流体をシャフト軸周りでの環状間隙に保持することにより、シール性を確保するものである。例えば、磁性体からなるシャフト、シャフトを取り囲むハウジングに固定される1対の環状ポールピースおよび環状ポールピース間に挟持された環状磁石によって磁気回路を形成させ、磁性流体をシャフトと環状ポールピースとの環状隙間に保持することによってシール機能を発揮するものであり、固体同士が直に摺接する部分がないため、摩擦損失が小さくて長期使用にも耐えることができる。 【0005】かかる磁性流体シール構造の場合、気体を対象とするものに多くの実用例があるが、液体を対象とするものはその液体に磁性流体が混合して劣化しやすいため、シール機能を長期間安定して維持することが一般には困難であり、その実用例は極めて少ないのが実情である。また、被密封液体中に切粉、塵などの微粒子が含まれていると、その微粒子が磁性流体中に侵入して劣化を促進するため、シール機能の維持は更に困難となる。 【0006】微粒子を含む被密封液体を対象にした磁性流体シール構造としては、たとえば、磁性流体と液体との界面にOリングシールなどによる機械的(接触式)シールを補助的に設けたものや(特開平9−242882号公報)、磁性流体と被密封液体との界面近傍に微粒子が凝集するのを妨げるべく動圧を発生させる手段を設けたもの(特開平4ー219529号公報)などが提案されている。 【0007】しかしながら、これらいずれの先行技術にあっても、微粒子を含んだ被密封液体が磁性流体に接触する限りにおいて、磁性流体中に微粒子が侵入するのを避けることはできず、シールの寿命を多少延長させる効果はあるが、それにも限界がある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、密封対象の液体中に微粒子が含まれている場合においても、長期間にわたって磁性流体の劣化を防ぐことのできる縦型回転装置の磁性流体シール構造を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明に係る縦型回転装置の磁性流体シール構造は、密封対象の液体を充満させたケーシングを備え、このケーシングの内部を垂直に挿通するシャフトを備えて、ケーシングに嵌合するシャフトの軸周りに磁性流体シール部が介装されて被密封液体の外部漏洩を防止している縦型回転装置の磁性流体シール構造において、シャフトにハウジングの下端部を取り囲む円筒状容器を同心的に嵌装することによって凹形断面の環状流路を形成し、該流路の出口近傍の環状隙間に磁性流体シールを介装すると共に、磁性流体シールの密封部と流路中の被密封液体との界面に気体室を設けてなる。かかる縦型回転装置の磁性流体シール装置は、ケーシングの下端部に突設されたシール部内筒が、そのケーシングの下端部の外側または内側に突出し、それに対応してシャフトの外周面に嵌着されたシール部外筒が上向きまたは下向きとなって、環状流路を形成させる構造となっている。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明に係る縦型回転装置の磁性流体シール構造の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。 【0011】図1は、第1の実施形態による磁性流体シール構造を示す断面図である。この実施形態においては、密封対象の液体2が充満された縦型の非磁性体によるケーシング1を備え、このケーシング1の下面中央から下方へ円筒形状のシール部内筒3が突出して設けられている。シャフト4は、ケーシング1の中央を挿通し、下部のシール部内筒3に貫通する形で垂直に配置されている。シール部内筒3の筒内面とシャフト4の外周面との間の間隙は下り環状流路5となっており、この下り環状流路5にもケーシング1内の充満した液体2が落下、流入している。 【0012】ケーシング1のシール部内筒3に貫通した部分のシャフト4には、この外周面上に一体的に嵌合などされた円筒容器形のシール部外筒6がケーシング1側のシール部内筒3を外側から囲み、同心軸上で二重構造に設けられている。同心軸上のシール部内筒3とシール部外筒6の内外周との間は、下り環状流路5に連通した環状の上り環状流路7となっており、下り環状流路5からの被密封液体2が重力落下してUターンし、上り環状流路7に廻り込み可能となっている。 【0013】また、その上り環状流路7の上部開口端を閉塞するように、図中円内に示す本発明の要旨構造である磁性流体シール部10が装着されている。この磁性流体シール部10は、ケーシング1側のシール部内筒3の外周面にリング形状の磁石11が嵌合して設けられ、この磁石11を厚さ方向の上下から挟んで2枚の座金形状の磁性極片(環状ポールピース)12,13が装着されている。これら上下の磁性極片12,13の外周面とシール部外筒6との間に生じる環状間隙に、磁性流体14が充填されて磁性流体シール部10を構成している。 【0014】また、この図から明らかなように、上り環状流路7にあっては、廻り込んだ被密封液体2の液面2aと磁性流体シール構造10との間の空隙部が密封された気体室15となっている。 【0015】以上の構成をとる第1の実施形態のシール構造においては、密封対象の液体2がシャフト4の軸周りから外部に漏出するのを防ぐために、シール手段である磁性流体シール部10は、環状流路7の上端開口部に設けられ、シャフト4の軸周りに直に接触していない。そのため、従来の固体シール材の如く直にシャフト4と接触することはないので、摩擦損失が小さくて済む。また、被密封液体2が磁性流体14に直に接触していないから、その磁性流体14は劣化を免れることができる。 【0016】更に、本発明は図2に示す第2の実施形態も可能である。上記第1の実施形態で示された部材と同一のものには同一符号を付してある。この場合の磁性流体シール構造は、ケーシング1側に設けられるシール部内筒20がケーシング内方に食い込む形となっており、そうしたシール部内筒20を外側から囲む同心軸上のシャフト4側のシール部外筒21としては、下向きの円筒容器形でシャフト4の外周に一体に嵌合されている。ケーシング1内の充満した被密封液体2は、シール部内筒20とシール部外筒21との間の環状の環状流路22に廻り込み可能となっている。 【0017】この第2の実施形態においては、シール部内筒20の上端とシール部外筒21との間の環状流路の先端開口部に、上記と同様な磁性流体シール部10が介装されて構成されている。環状流路22において、廻り込んだ液体2の液面2aと磁性流体シール部10との間の空隙部は密閉された気体室23となっている。かかる構造にあっても、第1実施の形態の場合と同様な作用および効果が得られる。 【0018】 【発明の効果】本発明に係る縦型回転装置の磁性流体シール構造は、密封対象の液体を充満したケーシングと垂直シャフトとの嵌合軸周りにおいて、そこから被密封液体が外部に漏出するのを防ぐシール手段としての磁性流体シール部が、シャフトの軸周りに直に接触することなく装着されているため、従来の固体シール材の如くシール部における固体同士の接触はないので、摩擦損失が小さくて済む。 【0019】また、被密封液体が磁性流体シール部を構成する磁性流体に直に接触していないから、被密封液体中に含まれた微粒子などが影響して磁性流体を劣化させることもなく、シール機能を長期にわたって維持することができる。 【0020】更に、磁性流体14が被密封液体2に直に接触する構造の場合、磁性流体シール部10の一段当たりのシール耐圧を超える液圧の被密封液体2をシールすることは困難であるが、本発明においては、磁性流体14と液体2の液面2aとの間に気体室15を設けているため、磁性流体シール部10を多段組とすることで、高い液圧の被密封液体2に対しても所要のシール性を確保することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004385 【氏名又は名称】エヌオーケー株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月31日(1999.3.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066005 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 俊夫
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| 【公開番号】 |
特開2000−283298(P2000−283298A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−90511 |
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