| 【発明の名称】 |
回転機器の軸封装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山崎 晃史
【氏名】阿片 肇
|
| 【要約】 |
【課題】回転軸の軸受間距離を短くできる回転機器の軸封装置を提供することである。
【解決手段】軸封ボックス7の内周面に嵌め込まれた第1シール装置としてのグランドパッキン12を押圧するパッキン押さえ14の内周面に、第2シール装置としてのリップシール15を嵌め込むことにより、回転軸2を支持する軸受6間の距離を短縮し、回転軸2の軸振れを低減したのである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 グランドパッキンをパッキン押さえで押圧する第1シール装置と、気密保持機能を有する第2シール装置とで、回転軸を軸封する回転機器の軸封装置において、前記第2シール装置を、第1シール装置のパッキン押さえの内周側に収納し、第1シール装置と第2シール装置間の軸方向距離を短く形成したことを特徴とする回転機器の軸封装置。 【請求項2】 グランドパッキンをパッキン押さえで押圧する第1シール装置と、気密保持機能を有する第2シール装置とで回転軸を軸封し、第1シール装置と第2シール装置との間に空間室が設けられた回転機器の軸封装置において、前記空間室を形成する部材の第2シール装置側を、回転軸に近接する内周部で前記空間室の内方に張り出して形成し、この張り出し部の内周側に第2シール装置を収納し、第1シール装置と第2シール装置間の軸方向距離を短く形成したことを特徴とする回転機器の軸封装置。 【請求項3】 前記軸封される回転機器が、複数の平行な回転軸を備え、それぞれの回転軸に設けられた攪拌部材が互いに近接して回転する、セルフクリーニング型式のものである請求項1または2に記載の回転機器の軸封装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、材料の混合、混練、反応、押出等を行う回転機器の軸封装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】材料の混合、混練、反応、押出等を行う回転機器では、スクリュ等の攪拌部材が設けられた回転軸がケーシング内に挿入され、グランドシールや気密保持機能を有するメカニカルシールやリップシール等のシール装置で回転軸が軸封される。 【0003】この種の回転機器の軸封装置としては、例えば、実開平5−39638号公報に開示されたものがある。この軸封装置は、図6に示すように、攪拌槽61に挿入された回転軸62が、攪拌槽61側から順に配置されたグランドシール63(第1シール装置)とメカニカルシール64(第2シール装置)とで軸封され、メカニカルシール64の外側に回転軸62の軸受65が取り付けられている。グランドシール63とメカニカルシール64の間には、シールボックス66で空間室が形成され、ここにドレン口67が設けられている。 【0004】前記グランドシール63は、パッキンをパッキン押さえで押圧して内容物の漏れを防ぐものであり、メカニカルシール64を損傷させ易い粉体、スラリー、高粘度液等の内容物がメカニカルシール64に侵入するのを防止するために設けられている。前記シールボックス66で形成された空間室は、グランドシール63の摩耗等によって内容物が漏れた場合に、この漏れた内容物を前記ドレン口67から排出するために設けられている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上述した従来の第1シール装置と第2シール装置を備えた回転機器の軸封装置は、軸封装置の軸方向長さ寸法が大きいので、軸封装置の外側に取り付けられ、回転軸の両端を支持する軸受間の距離が長くなり、回転軸の軸振れが生じやすい問題がある。軸振れは軸受間距離の4乗に比例するので、回転機器における軸受間距離は、極力短くすることが望ましい。 【0006】そこで、この発明の課題は、回転軸の軸受間距離を短くできる回転機器の軸封装置を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、この発明は、グランドパッキンをパッキン押さえで押圧する第1シール装置と、気密保持機能を有する第2シール装置とで、回転軸を軸封する回転機器の軸封装置において、前記第2シール装置を、第1シール装置のパッキン押さえの内周側に収納し、第1シール装置と第2シール装置間の軸方向距離を短く形成した構成を採用したのである。 【0008】また、この発明は、グランドパッキンをパッキン押さえで押圧する第1シール装置と、気密保持機能を有する第2シール装置とで回転軸を軸封し、第1シール装置と第2シール装置との間に空間室が設けられた回転機器の軸封装置において、前記空間室を形成する部材の第2シール装置側を、回転軸に近接する内周部で前記空間室の内方に張り出して形成し、この張り出し部の内周側に第2シール装置を収納し、第1シール装置と第2シール装置間の軸方向距離を短く形成した構成も採用することができる。 【0009】上記軸封装置は、軸封される回転機器が、複数の平行な回転軸を備え、それぞれの回転軸に設けられた攪拌部材が互いに近接して回転する、セルフクリーニング型式の混練機や反応器等に採用することにより、回転軸の軸振れを少なくして、前記攪拌部材間の距離をより近接させることができ、セルフクリーニング性を向上させることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図1乃至図5に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1および図2は、第1の実施形態を示す。この軸封装置は、ケーシング1に2本の回転軸2が並列に配置された混練用回転機器に取り付けられたものである。ケーシング1には、原料の投入口3と混練物の排出口4が設けられ、攪拌部材5付きの各回転軸2は両端を軸受6で支持され、モータ(図示省略)で回転駆動される。 【0011】前記ケーシング1は、その両端を軸封ボックス7付きの側部プレート8で密閉され、側部プレート8の両サイドに取り付けられた軸端側へ張り出すアームプレート9の先端に、前記軸受6を収納する軸受ボックス10付きの軸受プレート11が取り付けられている。 【0012】前記軸封装置は、図2に拡大して示すように、軸封ボックス7の内周面に嵌め込まれた第1シール装置としてのグランドパッキン12と、グランドパッキン12用のパッキン押さえ14と、パッキン押さえ14の内周面に嵌め込まれた第2シール装置としてのリップシール15と、リップシール15用のパッキン押さえ16とで基本的に構成されている。 【0013】前記グランドパッキン12は、軸封ボックス7の内周面に嵌合されたパッキン押さえ14の先端部で押圧され、この押圧力は軸封ボックス7とパッキン押さえ14を連結するボルト17で調節される。リップシール15は複数の保持リング18の間に保持され、これらの保持リング18がパッキン押さえ16で押圧される。この押圧力はボルト19で調節される。 【0014】前記グランドパッキン12とパッキン押さえ14の間にはランタンリング22が設けられ、シールガス供給孔20からシールガスが供給される。また、パッキン押さえ14にはグリース供給孔21が設けられ、回転軸2とリップシール15との接触部は、グリース供給孔21から供給されるグリースで潤滑される。なお、軸封ボックス7の内周面とパッキン押さえ14先端部の外周面の間、およびパッキン押さえ14の内周面とパッキン押さえ16外周面の間は、それぞれOリング23、24でシールされ、前記軸受ボックス10の両端は、オイルシール25でシールされている。 【0015】図3は、第2の実施形態を示す。この軸封装置は、第1の実施形態と同様に、第1シール装置としてグランドパッキン26を、第2シール装置としてリップシール27を採用している。この実施形態では、両端にフランジ28、29を有するシールボックス30で、第1シール装置と第2シール装置との間に空間室31が設けられている。ケーシング32側のフランジ28は、ボルト33で軸封ボックス34に連結され、このフランジ28にグランドパッキン26用のパッキン押さえ35が取り付けられ、他端側のフランジ29の先端部が空間室31の中へ張り出して形成され、このフランジ29先端部の内周面にリップシール27が嵌め込まれている。回転軸36を支持する軸受37は、シールボックス30のフランジ29の外側に取り付けられ、オイルシール38でシールされた軸受ボックス39に収納されている。 【0016】前記グランドパッキン26用のパッキン押さえ35は、図4に示すように、前記ボルト33でフランジ28に固定された固定部材40と、この固定部材40に設けられた孔に差し込まれた植込みボルト41に取り付けられ、コイルばね42でグランドパッキン26を押圧するように付勢された環状の押圧部材43とで形成されている。なお、パッキン押さえ35をボルト33で固定するときは、植込みボルト41を図示省略したナットで締め上げ、コイルばね42の付勢力を増しておく。パッキン押さえ35を固定後にこのナットを取り外すことにより、グランドパッキン26が押圧部材43で押圧される。 【0017】前記リップシール27は、第1の実施形態と同様に、保持リング44に保持され、保持リング44が、ボルト45でフランジ29に取り付けられたパッキン押さえ46で押圧されている。前記軸封ボックス34には、シールガス供給孔47が設けられ、ここからシールガスが供給される。また、フランジ29にはグリース供給孔48が設けられ、回転軸36とリップシール27との接触部が潤滑されるようになっている。 【0018】前記シールボックス30には、軸封装置の点検や取り替えを行うための点検口49が設けられ、蓋部材50で密閉されている。また、空間室31内の第2シール装置前面側の回転軸36には、スリンガリング51が取り付けられ、グランドパッキン26から漏れるケーシング32内の内容物が、第2シール装置に侵入するのを防止している。なお、シールボックス30には、これらの漏れた内容物を空間室31から排出するドレン口(図示省略)も設けられている。 【0019】図5は、上述した各実施形態と従来の軸封装置を、同じ回転機器の回転軸52に装着したときの軸受53間の距離Lを比較して示す。(a)は第1の実施形態の軸封装置の場合、(b)は第2の実施形態の軸封装置の場合、(c)は従来の軸封装置の場合である。なお、比較を分かり易くするため、各軸封装置の第1シール装置と第2シール装置の組み合わせは、いずれもグランドパッキン54とリップシール55とした。実施形態の軸封装置を装着した(a)と(b)の場合の軸受間距離La 、Lb は、従来の軸封装置を装着した(c)の場合の軸受間距離Lc よりもかなり短くなっており、回転軸52の軸振れを著しく低減することができる。 【0020】上述した各実施形態では、第2シール装置にリップシールを採用したが、メカニカルシール等の気密保持機能を有する他のシールを採用することもできる。 【0021】 【発明の効果】以上のように、この発明の回転機器の軸封装置は、気密保持機能を有する第2シール装置を、ガードシールとしての第1シール装置のパッキン押さえの内周側に収納し、第1シール装置と第2シール装置間の軸方向距離を短く形成した構成か、または、第1シール装置と第2シール装置との間に空間室を設け、この空間室を形成する部材の第2シール装置側を、回転軸に近接する内周部で空間室の内方に張り出して形成し、この張り出し部の内周側に第2シール装置を収納した構成としたので、第1シール装置と第2シール装置間の軸方向距離を短くして、軸封装置の外側に取り付けられる軸受間の距離を短縮でき、回転軸の軸振れを著しく低減することができる。 【0022】また、上記軸封装置を、セルフクリーニング形式の回転機器に装着することにより、回転軸の軸振れを少なくして、攪拌部材間の距離をより近接させ、セルフクリーニング性の高い回転機器を提供することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000142595 【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
|
| 【出願日】 |
平成11年3月31日(1999.3.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074206 【弁理士】 【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−283297(P2000−283297A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−91062 |
|