トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 ブレーキダイヤフラムの組立方法及び組立装置
【発明者】 【氏名】林 茂穂

【氏名】石田利弘

【氏名】佐藤治行

【氏名】永島康治

【氏名】杉山仁一

【氏名】中村 功

【要約】 【課題】ダイヤフラム受の縁、ダイヤフラムの縁とストッパ及びストッパ受けの先端部との密着作業を自動化する。

【解決手段】ワーク押さえ21と、該ワーク押さえに対向して配置され、バンドにダイヤフラムを挿入してダイヤフラム開口に両側からストッパ及びストッパ受けを挿入し、かつダイヤフラム両側にダイヤフラム受けをセットしたワークが置かれるエアー給排気口が形成された昇降ドラム20と、昇降ドラムを昇降させるエアーシリンダ22と、昇降ドラムのエアー給排気口を通してダイヤフラム内へのエアーの供給/排気を行う給排気手段(23,24,26)とを備えたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ワーク押さえとエアー給排気口が形成された昇降ドラムとを対向させ、バンドにダイヤフラムを挿入してダイヤフラム開口に両側からストッパ及びストッパ受けを挿入し、かつダイヤフラム両側にダイヤフラム受けをセットしたワークを昇降ドラム上に置き、昇降ドラムを上昇させてワーク押さえとの間で押しつけ、昇降ドラムの給排気口を通してダイヤフラム内に所定圧力のエアーを供給してストッパ及びストッパ受け先端部分とダイヤフラム開口部の縁とを密着させるようにしたことを特徴とするブレーキダイヤフラムの組立方法。
【請求項2】 ワーク押さえと、該ワーク押さえに対向して配置され、バンドにダイヤフラムを挿入してダイヤフラム開口に両側からストッパ及びストッパ受けを挿入し、かつダイヤフラム両側にダイヤフラム受けをセットしたワークが置かれるエアー給排気口が形成された昇降ドラムと、昇降ドラムを昇降させるエアーシリンダと、昇降ドラムのエアー給排気口を通してダイヤフラム内へのエアーの供給/排気を行う給排気手段と、を備え、昇降ドラムを上昇させてワーク押さえとの間でワークを押しつけ、昇降ドラムの給排気口を通してダイヤフラム内に所定圧力のエアーを供給してストッパ及びストッパ受け先端部分とダイヤフラム開口部の縁とを密着させるようにしたことを特徴とするブレーキダイヤフラムの組立装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄道車両のディスクブレーキに使用されているブレーキダイヤフラムの組立方法及び組立装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7はブレーキダイヤフラムが使用されているディスクブレーキ装置を説明する図である。車輪1が取付けられている車軸2には一対のディスク円板3が取付けられ、各ディスク円板の両面に対向して一対のディスク制輪子4が、一対のブレーキテコ5の先端部にそれぞれ取付けられている。ブレーキテコ5の他端はブレーキダイヤフラム6の両端にそれぞれ取付けられ、一対のブレーキテコの中央部はツナギ板7に回動可能にピン8で固定されている。また、ブレーキダイヤフラム6は、常時はブレーキテコ間に架設されたバネ9で引っ張られて圧縮状態にある。空気管10を通してブレーキダイヤフラム6に圧縮空気を送り込むと、ブレーキダイヤフラム6が膨張し、ダイヤフラム両端に取付けられたブレーキテコ5はピン8を中心に回動し、その結果、ブレーキテコの先端部の間隔が狭まって一対のディスク制輪子がディスク円板をはさみ込み、車輪に対して制動力が与えられる。
【0003】ブレーキダイヤフラムは、図8の断面図、図9の分解図に示すように、周囲に金属製のバンド12を取付けたゴム製の環状ダイヤフラム11の開口部分の一方の側から金属製のストッパ受13を圧入し、他方の側から金属製のストッパ14を圧入し、さらに金属製のダイヤフラム受15をストッパ受13、ストッパ14に締め金具16、ナット17で固定した構造となっている。ダイヤフラムへ供給されるエアーはストッパ14側から行われ、ストッパ14の内面側はゴムが設けられて、このゴム部分が反対側のストッパ受13に当接しており、ストッパ14とストッパ受13とは同様の構造、機能のものである。また、環状ダイヤフラム11の開口部分は螺旋状にワイヤーが巻かれていて、この開口部分にストッパ14とストッパ受13の先端部分を押し入れ、ダイヤフラム受15でダイヤフラム11の開口部分を外側から内側へ向けて押しつけるとともに、締め金具16を介してナット17でストッパ14とストッパ受13に植え込まれたボルトを締めつけることにより、ストッパ14とストッパ受13をダイヤフラム受15側へ引っ張り、ダイヤフラム11の開口部分とストッパ14及びストッパ受13の先端部分とを密着させている。
【0004】このブレーキダイヤフラムの組立は、先ず、金属製バンドの中にダイヤフラムを挿入した後、ダイヤフラムの両端開口部にストッパ及びストッパ受けを挿入する。次いで、ダイヤフラム受け及び締め金具をセットし、ダイヤフラム受けの縁を手の平で強く押しつけてダイヤフラム受けの縁、ダイヤフラムの縁をストッパ及びストッパ受けの先端部分に密着させてストッパのボルトにバネ座金、ナットの順に取り付ける。最後に、両端のナット(片側3カ所)を均等に締めつけて組立作業が終了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、ブレーキダイヤフラムの組立作業は、人手により行われており、バンドの中へのダイヤフラムの挿入、ダイヤフラムの両側開口部へのストッパ及びストッパ受けの挿入は、ダイヤフラムの弾力性により比較的に容易に行えるものの、ダイヤフラムの両側開口部にストッパ及びストッパ受けを挿入した後、ダイヤフラム受けの縁、ダイヤフラムの縁とストッパ及びストッパ受けの先端を密着させるのは困難な作業であり、ダイヤフラム受けの縁を手の平で強く押しつけて密着させるのは熟練と勘と力に頼った作業となっており、作業能率上、安全性上も好ましくないという問題があった。
【0006】本発明は上記課題を解決するためのもので、ブレーキダイヤフラムの組立作業の中で、人手によっては困難なダイヤフラム受の縁、ダイヤフラムの縁とストッパ及びストッパ受けの先端部とを密着させる作業を自動化して作業能率の向上、安全性の向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のブレーキダイヤフラムの組立方法は、ワーク押さえとエアー給排気口が形成された昇降ドラムとを対向させ、バンドにダイヤフラムを挿入してダイヤフラム開口に両側からストッパ及びストッパ受けを挿入し、かつダイヤフラム両側にダイヤフラム受けをセットしたワークを昇降ドラム上に置き、昇降ドラムを上昇させてワーク押さえとの間で押しつけ、昇降ドラムの給排気口を通してダイヤフラム内に所定圧力のエアーを供給してストッパ及びストッパ受け先端部分とダイヤフラム開口部の縁とを密着させるようにしたことを特徴とする。また、本発明のブレーキダイヤフラムの組立装置は、ワーク押さえと、該ワーク押さえに対向して配置され、バンドにダイヤフラムを挿入してダイヤフラム開口に両側からストッパ及びストッパ受けを挿入し、かつダイヤフラム両側にダイヤフラム受けをセットしたワークが置かれるエアー給排気口が形成された昇降ドラムと、昇降ドラムを昇降させるエアーシリンダと、昇降ドラムのエアー給排気口を通してダイヤフラム内へのエアーの供給/排気を行う給排気手段とを備え、昇降ドラムを上昇させてワーク押さえとの間でワークを押しつけ、昇降ドラムの給排気口を通してダイヤフラム内に所定圧力のエアーを供給してストッパ及びストッパ受け先端部分とダイヤフラム開口部の縁とを密着させるようにしたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明のブレーキダイヤフラム組立装置の概略構成を示す図である。この装置は給排気口が形成された昇降ドラム20とワーク押さえ21を対向させ、この間に組み立てる対象物(ワーク)を置き、給排気弁25、26の開閉を制御装置23で制御し、圧縮空気供給装置24から、給排気弁25を介してエアーシリンダ22を駆動して昇降ドラムを上昇させてワーク押さえ21との間に押しつけた状態で、給排気弁26、昇降ドラムの給排気口を介してワークに対して圧縮空気を供給し、組み立てるようにしたものである。制御装置23は、予めプログラムされたシーケンスに従い、図示しないセンサで圧力を検出しながら給排気弁を開閉制御する。なお、これらの装置は前面扉を有し、外から観察可能なボックス(図示せず)内に置かれる。
【0009】次に図2〜図6により本発明によるブレーキダイヤフラムの組立手順について説明する。なお、以下では、組立装置のエアーシリンダ、制御装置、給排気弁等は図示は省略して説明する。図2はブレーキダイヤフラムを組立装置にセットした状態を示す図である。昇降ドラム20を最下端に下げた状態で、下側のダイヤフラム受け15を昇降ドラム20の上に置く。ダイヤフラム11は予めバンド12の中に挿入し、このダイヤフラム11の両側開口部にストッパ14及びストッパ受け13を挿入する。次いで、予めセットした下側ダイヤフラム受け15にセットした後、上側のダイヤフラム受け15をセットする。このときストッパ側をエアー供給側として下側(昇降ドラム側)とする。なお、ストッパ14及びストッパ受け13をダイヤフラム内に挿入する作業は、ダイヤフラムが弾力性を有しているので比較的容易に行うことができる。
【0010】図3は組立装置を起動した状態を示す図である。装置の前面扉を閉めて起動スイッチ(図示せず)をONすると、制御装置23が働いてエアーシリンダ22が作動し昇降ドラム20が上昇し、ワーク押さえ21との間でワークを押しつける。このときのエアーシリンダの供給圧力は、例えば、6.0kg/cm2 であり、上下のダイヤフラム受け15の端部がワーク押さえ、昇降ドラムにそれぞれ接触して押さえつけられる。
【0011】図4はダイヤフラム内にエアーを供給した状態を示す図である。昇降ドラムとワーク押さえ間にワークを押しつけた状態で給排気弁26を介して、例えば、1.5kg/cm2 の圧力で圧縮空気を供給する。ダイヤフラム内に供給された圧縮空気によりダイヤフラムの周縁部は矢印Aで示す方向に加圧されて膨らみ、バンド12とダイヤフラム受け15との隙間から外側へ張り出す。その結果、ダイヤフラムの縁部が矢印Bで示す内側方向へ引っ張られ、昇降ドラムとワーク押さえによるダイヤフラム受けへの押しつけ力と合いまってダイヤフラムの縁部、ダイヤフラム受けの縁部がストッパ及びストッパ受けの先端部分に密着する。
【0012】図5はダイヤフラム内のエアー排気を示す図である。ダイヤフラム内に1.5kg/cm2 の圧縮空気を所定時間、例えば5秒間供給後、制御装置の制御により給排気弁26が作動してエアーを排気する。ダイヤフラム内のエアーを排気した後、昇降ドラムにより所定時間、例えば10秒間ワークを押さえ続ける。
【0013】図6は組立終了を示す図である。本発明の組立装置では、ブザーが鳴って組立が終了する。前面扉を開けて、ワークを取り出し、両端の締め金具を取り付け、片側3ケ所ナットで締めつけて、全ての組み立てが完了する。
【0014】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ブレーキダイヤフラムの組立作業の中で、人手によっては困難なダイヤフラム受けの縁、ダイヤフラムの縁とストッパ及びストッパ受の先端部とを密着させる作業を自動化し、作業能率の向上、安全性の向上を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
【出願日】 平成11年3月26日(1999.3.26)
【代理人】 【識別番号】100092495
【弁理士】
【氏名又は名称】蛭川 昌信 (外7名)
【公開番号】 特開2000−283290(P2000−283290A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願平11−83617