| 【発明の名称】 |
枠付ガスケット及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】西室 陽一
【氏名】豊澤 真一
【氏名】町田 邦郎
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| 【要約】 |
【課題】電子機器本体にガス除去のための機構を設けることなく、磁気ディスク等を汚染するガスが、電子機器使用時に発生するのを低減させた枠付ガスケットを提供すること。
【解決手段】枠体とガスケットとが一体化された枠付ガスケットにおいて、枠体が結晶化度60〜85%の高結晶化ポリプロピレンからなり、ガスケットが弾性体からなり、かつ枠体とガスケットとが一体化されている枠付ガスケットである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 枠体とガスケットとが一体化された枠付ガスケットにおいて、枠体が結晶化度60〜85%の高結晶化ポリプロピレンからなり、ガスケットが弾性体からなり、かつ枠体とガスケットとが一体化されていることを特徴とする枠付ガスケット。 【請求項2】 ガスケットを形成する弾性体が熱可塑性エラストマーである請求項1記載の枠付ガスケット。 【請求項3】 一体化が、枠体を形成するポリプロピレンとガスケットを形成する熱可塑性エラストマーとの融着によりなされるものである請求項2記載の枠付ガスケット。 【請求項4】 枠体とガスケットとを二色成形法で一体化して請求項1〜3のいずれかに記載の枠付ガスケットを製造することを特徴とする枠付ガスケットの製造方法。 【請求項5】 枠体とガスケットとをインサート成形法で一体化して請求項1〜3のいずれかに記載の枠付ガスケットを製造することを特徴とする枠付ガスケットの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、枠付ガスケット及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、軽量機器、例えばコンピュータのハードディスク装置等におけるカバー体と本体との接合面を密封する枠付ガスケット及びその製造方法に関する。本発明の枠付ガスケットは、電子機器の使用時にガスが発生するのを低減させたものであり、自動化ライン等におけるロボット内に設置されるコンピュータのハードディスク装置等の水や空気からの完全な密封技術に適用できる。 【0002】 【従来の技術】近年、電子機器の発達はめざましく、これら電子機器は半導体を利用した集積回路を用い、しかも基板上にプリント配線されたものであって、小型化、軽量化が図られている。これらの電子機器類は水分や塵埃を嫌うものであり、したがって、これらの集積回路を内蔵する箱状の本体とカバー体の接合面を密封するガスケットにおける密封性能は、電子機器の性能及び耐久性にとって重要な要素となっている。 【0003】このため、通常は、これらの集積回路等を内蔵する箱体と蓋体との接合面にガスケットを挟持し、取付ボルト等により締結して密封一体化することがなされており、ガスケット材として高密度のウレタンフォーム材が使用されていた。このウレタンフォーム材は薄いシート状に発泡したものであり、このシートに粘着テープを貼り、所望形状に打ち抜いて使用されることが多い。また、ステンレス鋼や合成樹脂からなる枠体を金型にインサートした後にエラストマーを射出成形することにより製造される、枠体の両面にエラストマーが固着したガスケットも提案されている(特開平8−283698号公報)。このガスケットは、枠体を採用することによりガスケットに剛性を持たせ、かつ機器への装着性が改良されたものである。上記枠体を形成する合成樹脂としては、例えばアクリロニトリルスチレン(AS)樹脂,アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂,ポリスチレン,シンジオタクティックポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリエチレン,ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、アクリル系樹脂、ポリアセタール,ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂が用いられている。 【0004】枠体を熱可塑性樹脂で形成した枠付ガスケットは、枠体をステンレス鋼等の金属で形成した枠付ガスケットと比べて軽量で、かつガスケット材として熱可塑性エラストマーを使用した場合、枠体とガスケットとの接着が容易であるという特性を有するものである。しかしながら、この枠付ガスケットの実際の使用時に電子機器本体内の温度が40〜50℃に上昇すると、磁気ディスクを汚染させるガスを発生させるものが多く、発生したガスがハードディスク装置などのディスク上に堆積し、ハードディスク装置における読み取り不能を発生させることがある。このような不都合を解消するために、発生したガスを吸着させる機構を設けたり(特開平6−302178号公報)、磁気ディスク汚染ガスの外部からの侵入に対しては、磁気ディスク装置本体に開けた呼吸孔にガス吸着剤を設けることにより対処している(特開平6−36548号公報)。しかしながら、ガスケットからのガスの発生は長期間にわたり、電子機器の使用に際しては常にガスの発生が伴うという不都合を避けることができず、また、上記ガス吸着機構では発生したガスを速やかに除去することが困難であり、かつ長期間使用すると、ガスの除去効果が小さくなってくるという問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、電子機器本体にガス除去のための機構を設けることなく、磁気ディスク等を汚染するガスが、電子機器使用時に発生するのを低減させた枠付ガスケットを提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、枠体を特定のポリプロピレンで形成することにより、電子機器の使用中に枠付ガスケットからガスが発生せず、その目的を達成しうることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、枠体とガスケットとが一体化された枠付ガスケットにおいて、枠体が結晶化度60〜85%の高結晶化ポリプロピレンからなり、ガスケットが弾性体からなり、かつ枠体とガスケットとが一体化されていることを特徴とする枠付ガスケット、及び枠体とガスケットとを二色成形法又はインサート成形法で一体化することを特徴とする上記枠付ガスケットの製造方法を提供するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の枠付ガスケットにおいて、枠体は、結晶化度60〜85%の高結晶化ポリプロピレンで形成するが、枠体をポリプロピレンで形成した枠付ガスケットを電子機器において使用中に、該枠付ガスケットから電子機器を汚染するガスが発生するのを十分に低減させうる点から、結晶化度は70%以上が特に好ましい。また、本発明で用いるポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)(230℃、荷重2.16kgfでJIS K6758に準拠して測定)は、1.0〜60g/10minが好ましく、10g/10min以上が特に好ましい。 【0008】また、ガスケットを形成する熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン系,オレフィン系,ウレタン系,エステル系等の熱可塑性エラストマーを用いることができ、特にビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックの少なくとも一つからなる共重合体の熱可塑性エラストマーを含有するものが好ましく用いられる。より具体的には、例えば、■ ポリブタジエンとブタジエン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体を水添して得られる結晶性ポリエチレンとエチレン/ブチレン−スチレンランダム共重合体とのブロック共重合体、■ ポリブタジエンとポリスチレンとのブロック共重合体、及びポリイソプレンとポリスチレンとのブロック共重合体、あるいは、ポリブタジエン又はエチレン−ブタジエンランダム共重合体とポリスチレンとのブロック共重合体を水添して得られる、例えば、結晶性ポリエチレンとポリスチレンとのジブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンのトリブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンのトリブロック共重合(SEPS)など、中でも、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体又はスチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体、などを挙げることができる。これらのエラストマーは、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。 【0009】上記ポリプロピレン又は熱可塑性エラストマーには、導電性を付与しうる充填材を添加することにより、帯電防止性を付与することができる。帯電防止性を付与することにより、枠付ガスケットの製造工程においてガスケットや枠体に塵や埃が付着するのを防ぐことができる。導電性を付与しうる充填材としては、鉄,ステンレス鋼,アルミニウム等の金属粉や金属繊維、カーボンブラック,カーボン繊維等の導電性充填材、ポリアルキルアミン,アルキルスルホネート,第4級アンモニウムクロライド,アルキルベタイン等の帯電防止剤などを用いることができる。ポリプロピレン又は熱可塑性エラストマーへの充填材の添加量は、該充填材を添加したときのポリプロピレン又は熱可塑性エラストマーの体積抵抗値が1×108 Ωcm以下となる量とすることが好ましい。さらにカバー体に電磁波シールド性が求められる場合には、上記体積抵抗値が1×102 Ωcm以下となる量とすることが好ましい。また、熱可塑性エラストマーにおいては、充填材を添加したときのJIS−A硬度が80度以下、特に10〜50度とすることが好ましい。さらに、上記ポリプロピレン又は熱可塑性エラストマーには、補強材として、ガラス繊維,カーボン繊維等の無機繊維、マイカ,タルク等の無機フィラー、チタン酸カリウム等のウィスカーなどを、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。 【0010】枠体とガスケットとの一体化は、カバー体を形成するポリプロピレンとガスケットを形成する熱可塑性エラストマーとの接合によりなされ、好ましくは、二色成形法又はインサート成形法によりなされる。二色成形法においてはまず、枠体を形成するポリプロピレンを専用の射出成形機により、金型内に溶融射出成形し、次いでこの成形物が固化した後に、ポリプロピレンとの融着性に優れた熱可塑性エラストマーを専用の射出成形機により溶融射出成形して、該ポリプロピレン成形物の枠体の一部に熱可塑性エラストマー層からなるガスケット部を形成することにより、ポリプロピレンとその表面に形成された熱可塑性エラストマー層とが一体的に複合化された枠付ガスケットが得られる。このような二色成形法は、生産効率が高く、枠付ガスケットを低コストで作製することができる。一方インサート成形法においては、予めポリプロピレンを用いて、公知の各種成形法により、所定形状の枠体を作製し、この枠体を金型内に載置する。次いで、これに、熱可塑性エラストマーを射出成形機により溶融射出成形して、該枠体の一部に熱可塑性エラストマー層を形成することにより、枠体とその一部に形成された熱可塑性エラストマーとが一体的に複合化された枠付ガスケットが得られる。 【0011】本発明の枠付ガスケットは、結晶化度60〜85%の高結晶化ポリプロピレンで枠体を形成することにより、磁気ディスク等を汚染するガスが、電子機器使用時に発生するのを低減させることができる。また、枠体の材料としてポリプロピレンを用い、金属材料を用いないので、防錆処理の工程を必要とせず、かつ軽量化が可能となり、さらに、一つの型を用いて安価に、効率良く、高精度に枠体を作製することやポリプロピレンのリサイクルが可能となる。 【0012】 【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。 実施例1図1は本発明の枠付ガスケットをシール面側から見た斜視図である。図1において、1は枠体、2はガスケットである。この枠付ガスケットの寸法は100mm×70mmである。この枠付ガスケットは以下のようにして、二色成形法により作製した。枠体1を形成するポリプロピレンとして、結晶化度が70%のものを用い、ガスケットを形成する熱可塑性エラストマーは、数平均分子量10万でスチレン量が30重量%のSEPSを100重量部と、40℃における動粘度が380mm2 /secのパラフィン系オイル〔出光興産(株)製,商品名:ダイアナプロセスオイルPW380,数平均分子量750〕150重量部と、上記と同様のポリプロピレン12.5重量部とを混練することにより調製した。この熱可塑性エラストマーのJIS−A硬度は22度であった。成形機として日精樹脂工業(株)社製のDC60E5ASE機を用い、まず金型温度40℃、樹脂温度180℃の条件で、上記枠体用ポリプロピレンを金型内に溶融射出成形し、次いで、これに金型温度40℃、樹脂温度230℃の条件で、上記ガスケット用熱可塑性エラストマーを溶融射出成形することにより、枠体とガスケットとが一体化された枠付ガスケットを作製した。このようにして作製した枠付ガスケットをコンピュータのハードディスク装置において用いたところ、発生したガスが原因と考えられる故障は、長期間にわたって発生せず、また、長期間にわたって充分なシール性も保持された。 比較例1実施例1において、枠体1を形成するポリプロピレンとして、結晶化度が70%のポリプロピレンの代わりに結晶化度が55%のポリプロピレンを用いた以外は、実施例1と同様にして枠付ガスケットを作製した。このようにして作製した枠付ガスケットをコンピュータのハードディスク装置において用い、耐久試験を行ったところ、発生ガスが原因と考えられる読み取り不良が発生した。 【0013】 【発明の効果】本発明のガスケットは、磁気ディスク等を汚染させるガスが、電子機器使用時に発生するのを低減させたものであり、また、軽量でかつシール性に優れるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
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| 【出願日】 |
平成11年2月25日(1999.2.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078732 【弁理士】 【氏名又は名称】大谷 保
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| 【公開番号】 |
特開2000−240802(P2000−240802A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月8日(2000.9.8) |
| 【出願番号】 |
特願平11−48399 |
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