| 【発明の名称】 |
防水パッキン |
| 【発明者】 |
【氏名】神谷 晴久
【氏名】谷地又 輝雄
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| 【要約】 |
【課題】防水パッキンを一工程で製造することを可能とし、しかもパネルとクリップのスタビライザーとの間の挟持力のばらつきに対しても防水性の保持を図る。
【解決手段】パネルの取付け孔にクリップの係止脚を差し込むことで、このクリップをパネル側に取り付けるとき、このパネルとクリップの基板またはスタビライザーとの間に介在させて前記取付け孔周辺の防水機能を果たすための防水パッキンであって、前記係止脚の挿通が可能な中心孔34を有するパッキン本体32は、前記パネルと基板またはスタビライザーとに接触する両面において周方向に連続する撓み片36,38をそれぞれ備えている。そして少なくとも撓み片36,38がエラストマー樹脂によりパッキン本体32と一体に成形されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パネルの取付け孔にクリップの係止脚を差し込むことで、このクリップをパネル側に取り付けるとき、このパネルとクリップの基板またはスタビライザーとの間に介在させて前記取付け孔周辺の防水機能を果たすための防水パッキンであって、前記係止脚の挿通が可能な中心孔を有するパッキン本体は、前記パネルと基板またはスタビライザーとに接触する両面において周方向に連続する撓み片をそれぞれ備えているとともに、少なくともこの撓み片がエラストマー樹脂によりパッキン本体と一体に成形されている防水パッキン。 【請求項2】 請求項1記載の防水パッキンであって、前記パッキン本体の両面においてそれぞれ複数個の撓み片がほぼ同心状に設けられている防水パッキン。 【請求項3】 請求項1記載の防水パッキンであって、前記パッキン本体における中心孔の内径を係止脚の挿通時に拡張できるようにパッキン本体の材質が選定されている防水パッキン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両におけるボデーなどのパネルと、その取付け孔に差し込んで取り付けられるクリップの基板またはスタビライザーとの間で防水機能を果たすために用いる防水パッキンに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の防水パッキンには主にウレタン樹脂が使用されており、その製造手段は発泡させたウレタンシートを打ち抜くことで、図10,11で示す円形タイプのパッキン本体60あるいは図12,13で示す長円形タイプのパッキン本体62を形成している。そして、これらのパッキン本体60,62は、ウレタンシートの厚み又は打ち抜き用パンチの選択によって各種寸法のものが成形されるものの、その面形状は両面共に平坦な一つの種類だけである。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このように従来のパッキン本体60,62を製造するには、ウレタン樹脂を発泡させてシートを成形する工程と、このシートを打ち抜く工程との二工程が必要である。またパッキン本体60,62の面形状が単に平坦な面であることから、パネルとクリップの基板またはスタビライザーとの間の挟持力によっては充分な防水機能が得られない場合もある。 【0004】本発明は前記課題を解決しようとするもので、その目的は、防水パッキンを一工程でつくることを可能とし、しかもパネルとクリップの基板またはスタビライザーとの間の挟持力のばらつきに対しても防水性の保持を図ることである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成するためのもので、請求項1記載の発明は、パネルの取付け孔にクリップの係止脚を差し込むことで、このクリップをパネル側に取り付けるとき、このパネルとクリップの基板またはスタビライザーとの間に介在させて前記取付け孔周辺の防水機能を果たすための防水パッキンであって、前記係止脚の挿通が可能な中心孔を有するパッキン本体は、前記パネルと基板またはスタビライザーとに接触する両面において周方向に連続する撓み片をそれぞれ備えている。そして少なくとも撓み片がエラストマー樹脂によりパッキン本体と一体に成形されている。なお前記の「撓み片」は通常はリブ形状で、その形状や材質あるいは肉厚などを要因としてパッキン本体よりも弾性変形(撓み)が起きやすく、かつ変形代が大きく設定されている。 【0006】このように前記パッキン本体は撓み片をも含めて射出成形によって一工程で成形することが可能である。また撓み片の弾性変形(撓み)により、パネルとクリップの基板またはスタビライザーとの間の防水性が高められ、かつパネルと基板またはスタビライザーとの間の挟持力のばらつきにも対処できる。 【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の防水パッキンであって、前記パッキン本体の両面においてそれぞれ複数個の撓み片がほぼ同心状に設けられている。このように複数個の撓み片とすることにより、パネルとクリップの基板またはスタビライザーとの間の防水性がより高められる。 【0008】請求項3記載の発明は、請求項1記載の防水パッキンであって、前記パッキン本体における中心孔の内径を係止脚の挿通時に拡張できるようにパッキン本体の材質が選定されている。なおパッキン本体がエラストマー樹脂で成形されている場合は、ゴム系の素材の含有量に基づいて前記中心孔の拡張率を調整する。この場合には、クリップの種類によって係止脚の外形寸法に多少の差があっても一種類の防水パッキンで対応できる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。 実施の形態1図1は車両における配線用クリップの一使用例を表した概要図である。まず図1(A)で示されている樹脂製のクリップ10は、皿状のスタビライザー12と係止脚14とベルト19とを備えている。そして係止脚14は、スタビライザー12の片側の中心部から突出した支柱16と、このスタビライザー12から左右に張り出した一対の係止片18とによって構成されている。 【0010】またスタビライザー12における係止脚14の反対側にはバックル部13があり、前記ベルト19はその一端がこのバックル部13に結合され、他端がフリーになっている。このベルト19によってワイヤハーネス26の外周を巻くように取り回し、かつベルト19をバックル部13に挿通して引き締めることで、図示のようにワイヤハーネス26の所定箇所にクリップ10が装着される。 【0011】一方、車両ボデーなどのパネル20には、ワイヤハーネス26を配線するための所定箇所においてクリップ10の取付け孔22があけられている。この取付け孔22に対してクリップ10の係止脚14をパネル20の表面側から差し込むことにより、この係止脚14における両係止片18の先端部がパネル20の裏面に係止し、図示のようにクリップ10がパネル20に取り付けられる。この状態においてクリップ10のスタビライザー12はパネル20の表面に所定の力で押し付けられている。 【0012】なおクリップ10には、図1(B)で示すように基板15と係止脚14とからなるタイプもある。このタイプでは基板15にワイヤハーネス26がテープ巻きによって固定される。 【0013】さてクリップ10の取付箇所、つまりパネル20の取付け孔22に対する防水のためのシールが必要な場合には、図1で示すようにパネル20の表面とクリップ10のスタビライザー12あるいは基板15との間に介在させた防水パッキン30が使用される。そこでこの防水パッキン30について詳しく説明する。 【0014】図2は防水パッキン30を拡大して表した平面図、図3は図2のIII-III線拡大断面図である。これらの図面で明らかなように防水パッキン30を構成しているパッキン本体32は、平面形状が円形でその中心部位に所定径の中心孔34が形成されている。このパッキン本体32の外径は、当然のことながら前記スタビライザー12の外径及び取付け孔22の内径よりも大きく設定されている。また中心孔34は、前記係止脚14の通過が可能でなければならないが、その内径はパッキン本体32の弾性変形による拡張を考慮して設定されている。 【0015】前記パッキン本体32の両面には、個々に中心孔34に近い箇所と外周箇所との二箇所において周方向に連続するリブ形状の撓み片36,38がパッキン本体32と一体に形成されている。そしてこれらの撓み片36,38はパッキン本体32の両面においてそれぞれ同心状に位置しているものの、撓み片36はその周縁がパッキン本体32の中心方向へ向くように傾斜し、撓み片38はその周縁が逆に外方向へ向くように傾斜している。これらの傾斜方向及びそれそれの傾斜角は、防水機能のテストによる各種データから得た一つの結果である。 【0016】前記パッキン本体32は、各撓み片36,38も含めてエラストマー樹脂による射出成形によって一体に成形されている。ただし二種類の材料による同時成形(二色成形)により、撓み片36,38だけをエラストマー樹脂で成形することも可能である。この場合、撓み片36,38については、もっぱら防水機能を高めるようにエラストマー樹脂のゴム系素材の含有量を選定し、防水パッキン30に要求される剛性などについてはパッキン本体32の素材によって確保すればよい。 【0017】前記防水パッキン30を使用する場合は、まず前記中心孔34に対し、その内径をパッキン本体32の弾性変形によって拡張させながらクリップ10の係止脚14を挿入し、防水パッキン30をスタビライザー12あるいは基板15と係止脚14との間に予め組み付けておく。なおクリップ10は、すでに説明したようにベルト19によってワイヤハーネス26の所定箇所に装着されている。 【0018】そこでクリップ10の係止脚14をパネル20の表面側から前記取付け孔22に差し込むことにより、前記の両係止片18がその弾性によって撓みながら取付け孔22を通過し、それぞれの先端部がパネル20の裏面側に係止する。これによってクリップ10がパネル20に取り付けられるとともに、防水パッキン30はパネル20の表面とクリップ10のスタビライザー12あるいは基板15との間に位置し、その両面側から挟持力を受けている。 【0019】この結果、防水パッキン30の撓み片36,38が弾性変形(撓み)によってパネル20の表面及び12に密着し、これらのパネル20とスタビライザー12あるいは基板15との間、つまり取付け孔22の周辺の防水性が確保される。そして撓み片36,38はエラストマー樹脂製であり、かつこれらがパッキン本体32の表裏両面においてそれぞれ同心状に設けられていることから、優れた防水性が得られる。また撓み片36,38の充分な撓み量により、パネル20の板厚の違いに伴う前記挟持力のばらつきにも対処できる。したがって様々な板厚のパネル20に対しても一種類の防水パッキン30によって対応できる。 【0020】本実施の形態では、すでに説明したようにパッキン本体32及び撓み片36,38が共にエラストマー樹脂で一体に射出成形されている。そこでエラストマー樹脂におけるゴム系の素材の含有量に基づき、パッキン本体32の弾性を調整して中心孔34の拡張率が大きくなるように設定する。そしてこの拡張率を増大させることにより、クリップ10の寸法、つまり係止脚14の外形寸法が異なる場合でも一種類の防水パッキン30で対応できる。 【0021】これらのことから、従来はパネル20の板厚に応じた肉厚のパッキン、あるいは係止脚14の外形に応じた内径の中心孔をもつパッキンをそれぞれ専用に用意しておく必要があったが、本実施の形態では一種類の防水パッキン30で広範囲の適用が可能となる。なおこの適用性の拡大ならびに前記の防水機能については次に説明する実施の形態2以降の防水パッキン30についても同様である。 【0022】実施の形態2図4は実施の形態2の防水パッキン30を表した平面図、図5は図4のV-V線拡大断面図である。これらの図面で示すように本実施の形態では、パッキン本体32をその表裏両側へ交互に折り返したような構造とすることで、パッキン本体32の両面において周方向に連続する二個の撓み片40がそれぞれ同心状に形成されている。そしてこれらの撓み片40は、パッキン本体32の表裏両面でそれぞれの位置と形状とが異なる唯一の例である。 【0023】実施の形態3図6は実施の形態3の防水パッキン30を表した平面図であり、図7は図6のVII-VII線拡大断面図である。この実施の形態3では、パッキン本体32の表裏両側においてそれぞれ周方向に連続するリブ形状の撓み片42が三個ずつ同心状に形成されている。しかもこれらの各撓み片42はそれぞれ肉厚が薄く設定されているとともに、個々の周縁が外方向へ向くように傾斜している。 【0024】実施の形態4図8は実施の形態4の防水パッキン30を表した平面図であり、図9は図8のIX-IX線拡大断面図である。この実施の形態4では、実施の形態3と同様にパッキン本体32の表裏両側において、それぞれ三個ずつの撓み片44が周方向に連続して同心状に形成されている。ただしこれらの撓み片44は、前記の各撓み片42と比べて肉厚があり、かつパッキン本体32の表裏面とほとんど直角に形成されている。これらの実施の形態3,4では、撓み片42,44の数を多くした分、防水機能も高い。 【0025】なお各実施の形態においては、前記パネル20の取付け孔22がφ7mm程度の円形の場合を対象とした防水パッキン30が示されている。しかし取付け孔22の形状が長円形(例えば7×12mm)の場合は、それに合わせて防水パッキン30の形状も長円形とするのは当然のことである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000208293 【氏名又は名称】大和化成工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月24日(1998.12.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064344 【弁理士】 【氏名又は名称】岡田 英彦 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−193090(P2000−193090A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−367761 |
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