トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 樹脂ベロ―
【発明者】 【氏名】戸倉 謙治

【要約】 【課題】本発明は、硬質化学樹脂材をNC旋盤を介して生産する樹脂ベローの蛇腹の内外径を小さく加工した場合であっても、又蛇腹の全長を短く加工した場合であっても、更に蛇腹の内外径を小さくすると共に、蛇腹の全長をも短く加工した場合の何れの加工状態であっても、蛇腹の屈曲角度が浅くなるのを確実に防止することが出来るだけでなく、何時でもスムーズに屈曲する極めて優れた樹脂ベローを提供するものである。

【解決手段】蛇腹3を構成する複数の山部が切削加工によって形成され、且つ隣接する所定数の山部又は全部の山部が、一定方向に湾曲してなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】蛇腹(3) を構成する複数の山部が切削加工によって形成され、且つ隣接する所定数の山部又は全部の山部が、一定方向に湾曲してなることを特徴とする樹脂ベロー。
【請求項2】前記一定方向に湾曲する山部の湾曲方向側の一側面には、山部内部側へと窪んだ凹状面(4) が形成されてなることを特徴とする請求項1記載の樹脂ベロー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂ベローに関し、更に詳しくは、各種の産業プラント等にて使用される各種装置の伸縮部、回動部、回転部のみならず、その他各種の駆動部や連結部等の保護カバーとして用いられ、特に高温下での使用や油、化学薬品を用いる現場での使用に好適な樹脂ベローに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記の如く高温下での使用や油、化学薬品を用いる現場等において各種装置の伸縮部、回動部、回転部、その他各種の駆動部や連結部等の保護カバーとして用いられる樹脂ベローは、一般生活用品等に用いられる皮革、紙、軟質樹脂等とは全く使用される条件が異なり、一般的には耐熱、耐化学変化、強度、耐久性、耐候性等の種々の条件を満たすべく少数の硬質化学樹脂材を原料として所定の伸縮長、内外径等に形成されるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の如く、高温下での使用や油、化学薬品を用いる現場等において各種装置の伸縮部、回動部、回転部、その他各種の駆動部や連結部等の保護カバーとして用いられる樹脂ベローにおいては、以下の様な問題点があった。
【0004】即ち、上記樹脂ベローは、耐熱、耐化学変化、強度、耐久性、耐候性等の種々の条件を満たすべく少数の硬質化学樹脂材を原料として所定の伸縮長、内外径等に形成されるものであるが、原料が少数の硬質化学樹脂材であることから、一般的な樹脂成形装置を使用することが出来ない。
【0005】更に、使用される装置や箇所が、一般生活用品等ではなく、主に各種の産業プラント等にて使用される各種装置類であることから、その大半が使用する各種装置等へ最適なように受注生産形式をとらざるをえないのが現状である。
【0006】よって、上記樹脂ベローは、受注時にその都度、棒状等に形成された所定の硬質化学樹脂材をNC旋盤を介して所望の伸縮長、内外径等に加工するのであるが、如何せん、上記の如くNC旋盤を介して樹脂ベローの蛇腹を加工する場合においては、蛇腹を構成する多数の山部の内側及び外側を必ず所定の切削具を用いて切削加工しなければならず、よって必然的に山部の肉厚は、例え薄刃の切削具を用いた場合であっても所定の厚みが必要となる。
【0007】従って、硬質化学樹脂材をNC旋盤を介して所望の伸縮長、内外径等に加工された樹脂ベローは、蛇腹を構成する多数の山部の肉厚を薄くするのに必ず限界が生じることとなり、よって生産する樹脂ベローの蛇腹の内外径が小さく、しかも全長が短い場合においては蛇腹の屈曲角度が極端に浅くなるばかりか、スムーズに屈曲しなくなる場合も生じるという動作上の問題が生じていた。
【0008】即ち、本発明は硬質化学樹脂材をNC旋盤を介して生産する樹脂ベローの蛇腹の内外径を小さく加工した場合であっても、又蛇腹の全長を短く加工した場合であっても、更に蛇腹の内外径を小さくすると共に、蛇腹の全長をも短く加工した場合の何れの加工状態であっても、蛇腹の屈曲角度が浅くなるのを確実に防止することが出来るだけでなく、何時でもスムーズに屈曲する極めて優れた樹脂ベローを提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】然して、本発明は課題を解決するために全く新しい樹脂ベローを発明し、以下の手段を講じたものである。
【0010】即ち、本発明における樹脂ベローは、蛇腹3を構成する複数の山部が切削加工によって形成され、且つ隣接する所定数の山部又は全部の山部が、一定方向に湾曲してなることから、樹脂ベローの蛇腹の内外径を小さく加工した場合であっても、又蛇腹の全長を短く加工した場合であっても、更に蛇腹の内外径を小さくすると共に、蛇腹の全長をも短く加工した場合の何れの加工状態であっても、蛇腹3が屈曲した際に一定方向に湾曲してなる山部のそれぞれの湾曲面が互いに重合することにより、蛇腹の屈曲角度が浅くなるのを確実に防止することが出来るだけでなく、何時でもスムーズに屈曲させることが出来る利点がある。
【0011】更に、一定方向に湾曲する山部の湾曲方向側の一側面には、山部内部側へと窪んだ凹状面4が形成されてなることから、蛇腹3の屈曲時に、山部の一側面の凹状面4に隣に位置する山部の他側面が嵌まり込むことにより、重合する山部の側面の逃げ部が形成されることとなり、よって、蛇腹の屈曲角度を深くとることが出来る利点がある。
【0012】
【発明の実施の形態】<第一実施形態>以下、本発明における樹脂ベローの一実施形態を図面に従って説明する。
【0013】先ず、図1に於いて、1は棒状の所定の硬質化学樹脂材をNC旋盤を介して所望の伸縮長、内外径等に加工された蛇腹3を備えた樹脂ベローを示すと共に、1aは樹脂ベロー本体を示す。
【0014】尚、上記樹脂ベロー本体1aの両端には、他の装置や器具等に樹脂ベロー1を取り付けるための円板状の取り付け部2が、筒状の延出部1bを介してそれぞれ設けられてなる。
【0015】更に、上記蛇腹3は、同図(ロ)に示すように、蛇腹3を構成する複数の山部の外側及び内側のそれぞれが薄刃を具備した切削具(図示せず)により切削加工されて形成されるものであるが、この時、切削加工により削り出されて形成される全ての山部は、一定方向に湾曲した山部3aに形成される。
【0016】尚、上記の如く一定方向に湾曲すべく形成される山部3aの湾曲方向側の一側面には、山部3aの内部側(蛇腹を構成する山部3aの内面側)へと窪んだ凹状面4が形成されてなる。
【0017】本発明の樹脂ベローの一実施形態は以上の構成からなるために、例え、樹脂ベロー1の蛇腹3の内外径を小さく加工した場合であっても、又蛇腹3の全長を短く加工した場合であっても、更に蛇腹3の内外径を小さくすると共に、蛇腹3の全長をも短く加工した場合の何れの加工状態であっても、図2に示すように、蛇腹3が屈曲した際に、一定方向に湾曲してなる山部3aのそれぞれの湾曲面が互いに重合することとなる。
【0018】よって、一定方向に湾曲してなる山部3aのそれぞれの湾曲面が互いに重合することにより、蛇腹3の屈曲角度が浅くなるのを確実に防止することが出来るだけでなく、何時でもスムーズに屈曲させることが出来る利点がある。
【0019】更に、上記の如く一定方向に湾曲する山部3aの湾曲方向側の一側面には、山部内部側へと窪んだ凹状面4が形成されてなることから、蛇腹3の屈曲時に、山部の一側面の凹状面4に隣に位置する山部の他側面が嵌まり込むこととなる。
【0020】よって、重合する山部3aの側面の逃げ部が形成されることとなり、よって、蛇腹の屈曲角度を更に深くとることが出来るという利点が生じるのである。
【0021】<第二実施形態>上記実施形態において、樹脂ベロー1は、蛇腹3を構成する山部の全てを一定方向に湾曲させた場合について説明したが、必ずしも本発明における樹脂ベロー1はこれに限るものではなく、図3に示すように、蛇腹3を構成する複数の山部を切削加工によって形成する際に、蛇腹3の一部に湾曲加工を施さないノーマルな山部3bと隣接する所定数の山部を、一定方向に湾曲した山部3aとを一つの樹脂ベロー1の蛇腹3に混在させて形成してもよい。
【0022】よって、この場合であっても、一定方向に湾曲した所定数の山部3aを介して、例え、樹脂ベローの蛇腹の内外径を小さく加工した場合であっても、又蛇腹の全長を短く加工した場合であっても、更に蛇腹の内外径を小さくすると共に、蛇腹の全長をも短く加工した場合の何れの加工状態であっても、蛇腹3が屈曲した際に一定方向に湾曲してなる山部のそれぞれの湾曲面が互いに重合することにより、蛇腹の屈曲角度が浅くなるのを確実に防止することが出来るだけでなく、何時でもスムーズに屈曲させることが出来ると共に、一定方向に湾曲する山部3aの湾曲方向側の一側面に、山部3a内部側へと窪んだ凹状面4を形成した場合には、前記同様、蛇腹3の屈曲時に、山部3aの一側面の凹状面4に隣に位置する山部3aの他側面が嵌まり込むことにより、重合する山部3aの側面の逃げ部が形成されて蛇腹の屈曲角度を深くとることが出来るのである。
【0023】尚、上記実施形態において、樹脂ベロー本体1aの両端には、他の装置や器具等に樹脂ベロー1を取り付けるための円板状の取り付け部2が、筒状の延出部1bを介してそれぞれ設けられてなるが、必ずしも樹脂ベロー本体1aの両端に円板状の取り付け部2が設けられる必要はなく、何れか一方に設けられていてもよいのは言うまでもなく、要は樹脂ベロー本体1aに形成される蛇腹3を構成する複数の山部が切削加工によって形成され、且つ隣接する所定数の山部又は全部の山部が、一定方向に湾曲していればよく、筒状の延出部1bを介して設けられた円板状の取り付け部2の径、厚み、形状等も決して限定されるものではないが、取り付け部2の有無も決して本発明における樹脂ベローの必須の要件でないのは言うまでもない。
【0024】更に、上記実施形態において、樹脂ベローは、棒状の所定の硬質化学樹脂材が用いられてなるが、必ずしも棒状に限るものではなく、要はNC旋盤を介して所望の伸縮長、内外径等に加工可能な蛇腹3を切削加工により形成することが出来るものであれば、硬質化学樹脂材の原料の具体的な形状、大きさ等も決して限定されるものではない。
【0025】更に、上記実施形態において、樹脂ベローは、各種の産業プラント等にて使用される各種装置の伸縮部、回動部、回転部のみならず、その他各種の駆動部や連結部等の保護カバーとして用いられ、特に高温下での使用や油、化学薬品を用いる現場での使用に好適な硬質化学樹脂材を原料としているが、要は耐熱、耐化学変化、強度、耐久性、耐候性等の中から少なくとも一つの条件を満たす硬質化学樹脂材を用いる場合であってもよく、更に、耐熱、耐化学変化、強度、耐久性、耐候性等の中から少なくとも一つの条件を満たす硬質樹脂材が必ずしも化学樹脂材である必要はなく、例えば、硬質の天然ゴムを原料に樹脂ベローを切削加工を介して生産してもよく、具体的な樹脂ベローの原料も決して限定されないのは言うまでもない。
【0026】更に、上記実施形態において、一定方向に湾曲すべく形成される山部3aの湾曲方向側の一側面には、山部3aの内部側へと窪んだ凹状面4が形成されてなることから、蛇腹3の屈曲時に、山部の一側面の凹状面4に隣に位置する山部の他側面が嵌まり込んで重合する山部3aの側面の逃げ部が形成されることで、蛇腹の屈曲角度を更に深くとることが出来るという利点を有するが、凹状面4の有無も決して本発明の必須の要件ではなく、要は隣接する所定数の山部又は全部の山部が、一定方向に湾曲していればよいが、屈曲を深くしたい場合には、一定方向に湾曲した山部の湾曲方向の一側面に凹状面4を設けるのが好ましい。
【0027】更に、本発明の樹脂ベローは、隣接する所定数の山部又は全部の山部が、一定方向に湾曲してなるものであるが、湾曲の状態(湾曲角度)が使用する装置等に対応して深い状態であっても、又浅い状態であってもよく、更に、山部の先端又は先端近傍が一定方向に湾曲した状態であってもよく、何れの場合であっても、隣接する所定数の山部又は全部の山部が、一定方向に湾曲することにより、蛇腹の屈曲角度が浅くなるのを確実に防止してスムーズに樹脂ベローを屈曲させることが出来る利点がある。
【0028】
【発明の効果】叙上の様に、本発明の樹脂ベローは、蛇腹を構成する複数の山部が切削加工によって形成され、且つ隣接する所定数の山部又は全部の山部が、一定方向に湾曲してなることから、樹脂ベローの蛇腹の内外径を小さく加工した場合であっても、又蛇腹の全長を短く加工した場合であっても、更に蛇腹の内外径を小さくすると共に、蛇腹の全長をも短く加工した場合の何れの加工状態であっても、蛇腹が屈曲した際に一定方向に湾曲してなる山部のそれぞれの湾曲面が互いに重合することにより、蛇腹の屈曲角度が浅くなるのを確実に防止することが出来るだけでなく、何時でもスムーズに屈曲させることが出来、よって、各種の産業プラント等にて使用される各種装置の伸縮部、回動部、回転部のみならず、その他各種の駆動部や連結部等の保護カバーとして用いることが可能となっただけでなく、特に高温下での使用や油、化学薬品を用いる現場での使用に最適な樹脂ベローを提供することが出来るという格別な効果を奏する。
【0029】更に、樹脂ベローの蛇腹を構成すべく隣接する所定数の山部又は全部の山部を一定方向に湾曲させた場合において、一定方向に湾曲する山部の湾曲方向側の一側面に、山部内部側へと窪んだ凹状面を形成した場合には、蛇腹の屈曲時に、山部の一側面の凹状面に隣に位置する山部の他側面が嵌まり込んで重合する山部の側面の逃げ部が形成されることとなり、よって、蛇腹の屈曲角度を更に深くとることが可能になるという機能上の効果をも有するに至った。
【出願人】 【識別番号】591040627
【氏名又は名称】京進工業株式会社
【出願日】 平成10年12月28日(1998.12.28)
【代理人】 【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇 (外1名)
【公開番号】 特開2000−193089(P2000−193089A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−372413