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【発明の名称】 気体処理室のシール装置
【発明者】 【氏名】山東美照

【氏名】石徹白 博司

【氏名】山東幸司

【要約】 【課題】気体処理室内の気体雰囲気を維持しながら長尺布帛の導入導出を連続的に可能ならしめると共に経済性に有利であるシール装置の提供。

【解決手段】双方のシールロールの軸心方向周縁と処理室外面との間に形成される隙間と、上記一対のシールロールの両側端面と端面シール板との間に形成される隙間及び上記シールロール軸心方向の隙間端を、シールブラシにより閉塞した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 布帛導入口及び布帛導出口を形成している処理室の壁面に接近して、上記布帛導入口又は布帛導出口を塞ぐようにして互いに圧接される一対のシールロールを回転自在に支持せしめると共に、上記一対のシールロールの両側端と、処理室壁面との間で形成される開口部を閉塞する端面シール板を設けたシール装置において、上記双方のシールロールの軸心方向周縁と処理室外面との間に形成される隙間と、上記一対のシールロールの両側端面と端面シール板との間に形成される隙間及び上記シールロール軸心方向の隙間端を、シールブラシにより閉塞したことを特徴とする気体処理室のシール装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長尺布帛を連続的に通過する気体処理室の布帛導入口及び布帛導出口をシールするためのシール装置であって、特にその気体処理室内の気体雰囲気を維持しながら長尺布帛の導入導出を連続的に可能ならしめると共に経済性に有利であるシール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工業的に生産された長尺布帛を、例えば気体又は熱液による精練漂白等の前処理、または樹脂加工、染色加工等の後処理を連続的に行なうときの従来例としては、例えば所定の気体や、所定温度の湿熱が維持される湿熱処理室あるいは高圧スチーマ等の処理室に、処理すべき長尺布帛を該処理室内へ連続的に導入する布帛導入口及び処理室内の長尺布帛を連続的に導出せしめるための布帛導出口を設け、さらにそれら布帛導入口及び布帛導出口には、処理室内の気体や湿熱が処理室外へ逃げにくいようにするための入口側シール機構及び出口側シール機構を具備せしめている。
【0003】このように、長尺布帛を連続的に処理するに用いられる処理室に設備される入口側シール機構及び出口側シール機構の技術については、既に本出願人が多数開発しており、特に処理室内の湿熱圧力を5kg/cm2 程度に維持させる高圧スチーマに使用されるシール装置については数多い特許を取得している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記高圧スチーマに用いるシール装置は、耐圧力強度を高めなければならないことからシール装置の構造が複雑であり、しかも大型化されているために高価なもので汎用性に欠けるものであった。また処理室内圧力が常圧に近い圧力雰囲気又は所定の気体(ガス)雰囲気を維持する処理室に用いられるシール装置としては、例えばラビリンスシール、液封シール、リップシール等が知られているが、例えばラビリンスシールにあっては、そのラビリンスシースを通過する布帛は、強力な気圧を受けるために、その処理すべき布帛に既に処理液等が含まれている場合に、その気圧によって処理液が排除されやすい。また液封シールにあっては、処理すべき布帛を液封槽内の液中に浸漬しなければならないことから、液付与を避けなければならない処理には不適である。またリップシールにあっては、処理すべき布帛の表面がリップシールに擦れることから、その布帛表面に傷が付いたり、あるいは処理むらを生じやすい等の問題点があった。
【0005】本発明はかかる問題点に着目してなされたものであって、処理室内の気体雰囲気を有効に維持させることができると共に簡易にして経済性に優れたシール装置の提供を第1の目的とする。また本発明では、処理室の入口又は出口に設けたシール装置を通過させることで、布帛に付与されている処理室外環境気体と処理室内環境気体との置換を確実ならしめて、処理の迅速性と確実性を高めることを第2の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的及び第2の目的を達成するために本発明の請求項1では、布帛導入口及び布帛導出口を形成している処理室の壁面に接近して、上記布帛導入口又は布帛導出口を塞ぐようにして互いに圧接される一対のシールロールを回転自在に支持せしめると共に、上記一対のシールロールの両側端と、処理室壁面との間で形成される開口部を閉塞する端面シール板を設けたシール装置において、上記双方のシールロールの軸心方向周縁と処理室外面との間に形成される隙間と、上記一対のシールロールの両側端面と端面シール板との間に形成される隙間及び上記シールロール軸心方向の隙間端を、シールブラシにより閉塞した気体処理室のシール装置であることを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図面に示す実施の形態に基いて詳細に説明する。
【0008】図1において、1は処理すべき長尺布帛2を連続的に通過せしめる処理室であって、この処理室1の内部には、長尺布帛の所定の処理に適した例えば常圧プラズマガス、コロナ放電ガス、又は薬液による加熱発生ガス又は加熱気体等の処理気体が、処理気体供給管3より供給され、該処理気体を処理室1内に充満させることができる。また処理室1内には、例えば多数本のガイドロール4が配設されており、処理室1内を通過する長尺布帛2が、それらガイドロール4に案内されて蛇行状に移送されることにより、処理室1内の長尺布帛は所定の処理タイミングを保持して処理室1内を通過させることができる。
【0009】5は処理室1に設けている布帛導入口であり、6は布帛導出口であって、これら布帛導入口5及び布帛導出口6の双方に、長尺の布帛2を連続的に通過させることができるが、処理室1内のガス雰囲気を維持せしめるための入口シール装置7及び出口シール装置8が設けられている。これらのシール装置7と8の構成は同一構造であるので、以下にその一方のシール装置7の構成について図2及び図3を用いて説明する。
【0010】シール装置7は、互いに平行する2本の金属製シールロール9A,9Bを有し、これらのシールロール9A,9Bの両端部には小径となるロール端面10が形成されており、さらに該端面10より外方に支軸部11が形成されていて該支軸部11が不図示の軸受けにより回転自在に支持されている。またその軸受けにより双方シールロール9Aと9Bの母線方向の接圧力が調整されるようになっている。
【0011】またこれらのシールロール9A,9Bは、処理室1に設けられている布帛導入口5の近傍で、しかも処理室1の外壁1Aに、例えば約10mm前後の隙間S1を隔てて近設されている。
【0012】12は、上記処理室1の外壁1Aと一対のシールロール9A,9Bの両端部とでなる略三角形状の空間13を閉塞する端面シール板であって、この両側の端面シール板は該シール装置の基枠(図示せず)に固定維持されている。またこれら双方の端面シール板12の内面と、上記シールロール9A,9Bのロール端面10とは、約10mm前後の隙間S2を隔てて近設されている。
【0013】上記2本のシールロール9A,9Bと処理室外壁1Aとの間に形成されているそれぞれの隙間S1及びシールロール9A,9B両側のロール端面10と端面シール板12との間に形成されているそれぞれの隙間S2には、それら隙間S1,S2を塞ぐためのシールブラシ14が設けられている。
【0014】即ち上記隙間S1を塞ぐために設けられているシールブラシ14にあっては、そのブラシ繊維の根本を処理室外壁1Aに固定し、そのブラシ繊維先端部はシールロール9A,9Bの周面に接圧されるようにして取付けられており、また隙間S2を塞ぐために設けられているシールブラシ14にあっては、そのブラシ繊維の根本を端面シール板12に固定し、そのブラシ繊維の先端部は双方シールロールのロール端面10に接圧されるようにして取付けられている。
【0015】上記シールブラシ14の構成は、例えばナイロンポリエステル、天然繊維、カーボンファイバー、動物の毛等を単独又は合成してなる繊維を選択的に使用することができ、またそれら繊維の太さは0.2mm〜1mm程度のものを使用して、それら繊維を密間隔で束ねてブラシ構造としている。
【0016】以上が本発明の実施の形態であるが、次にその作用について述べると、処理室1に設けられている布帛導入口5及び布帛導出口6には、互いに圧接される二本のシールロール9A,9Bと、該シールロール9A,9Bの端面と処理室1の外壁1Aとでなる空間を閉塞する双方の端面シール板12と、上記シールロール9A,9Bと上記外壁1A及び端面シール板12とでなす隙間S1及びS2を塞ぐシールブラシ14からなる入口シール装置7と出口シール装置を設けている。従って処理室1の内外は、上記シール装置7,8により隔離されており、特に処理室1内が特定のガス雰囲気で維持されている。なお15は処理室1内の劣化ガスを適宜排気処理せしめるための排気管を示す。
【0017】そこで処理すべき長尺布帛2を上記入口シール装置の双方のシールロール間を通して処理室1内に導入し、ガイドロール4によって処理室1内での長尺布帛の滞在時間を維持させることで、処理室1内における処理気体により所定の反応処理がなされ、しかる後、該長尺布帛2は出口シール装置の双方のシールロール間を経て処理室1外へ導出される。
【0018】このように、長尺布帛2が処理室1内へ導入されるとき、該長尺布帛2は、双方のシールロール間で挟圧されるために、長尺布帛2に付着されている外気層が一対のシールロールの加圧作用で除去されるために、長尺布帛による処理室内への外気の持込みが抑制され、これによって、処理室1内の気体雰囲気を良好状態に維持させることができる。また長尺布帛2が処理室1外へ導出されるときも同様に長尺布帛2に付与されていた処理気体が一対のシールロールによる加圧作用で除去されるために処理ガスが、長尺布帛を介し処理室外へ持出されることがない。
【0019】なお上記シール装置は、処理室内外の圧力差が大きい場合には、十分なシール作用を得ることはできないが、その圧力差が小さい場合、あるいは同圧の場合には、処理室内外の気体雰囲気シールを有効ならしめることができる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明よりなるシール装置の構成は、互いに圧接される一対のシールロールの周面と処理室外壁との間に生じさせている隙間S1及び一対のシールロールの端面と端面シール板との間に生じさせている隙間S2を閉塞させるための手段として繊維を束ねてなるシールブラシを介在せしめた構成であるので、比較的安価なるシール装置の提供が可能である。即ち本発明で使用されるシールブラシは、隙間S1,S2の寸法に多少のバラツキ等があっても、そのバラツキに左右されることはなく対応使用することができる。またシールブラシは、例えば接着(粘着)手段等によって処理室外壁又は端面シール板等に容易に取付けること及び交換等のメンテナンスが容易であること。又シールブラシはベルト状となして量産することができ、生産性と経済性が良い等の利点がある。
【0021】また本発明のシール装置を用いることにより、処理すべき長尺布帛を介して処理室内に外気が持ち込まれること、またそれとは逆に処理室内の気体が処理室外へ持ち出されることが有効に回避することができ、これによって処理室内の気体雰囲気を一定に維持させることができる。
【出願人】 【識別番号】000144832
【氏名又は名称】株式会社山東鉄工所
【出願日】 平成10年10月15日(1998.10.15)
【代理人】 【識別番号】100067541
【弁理士】
【氏名又は名称】岸田 正行 (外1名)
【公開番号】 特開2000−120877(P2000−120877A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−293671